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1984-03-27 第101回国会 衆議院 本会議 第11号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和五十九年三月二十七日(火曜日)     —————————————  議事日程 第十一号   昭和五十九年三月二十七日     正午開議  第一 奄美群島振興開発特別措置法及び小笠原諸島振興特別措置法の一部を改正する法律案内閣提出)  第二 地方税法等の一部を改正する法律案内閣提出)  第三 酒税法及び清酒製造業の安定に関する特別措置法の一部を改正する法律案内閣提出)  第四 物品税法の一部を改正する法律案内閣提出)  第五 石油税法の一部を改正する法律案内閣提出)  第六 放送法第三十七条第二項の規定に基づき、承認を求めるの件     ————————————— ○本日の会議に付した案件  議員請暇の件  日程第一 奄美群島振興開発特別措置法及び小笠原諸島振興特別措置法の一部を改正する法律案内閣提出)  日程第二 地方税法等の一部を改正する法律案内閣提出)  日程第三 酒税法及び清酒製造業の安定に関する特別措置法の一部を改正する法律案内閣提出)  日程第四 物品税法の一部を改正する法律案内閣提出)  日程第五 石油税法の一部を改正する法律案内閣提出)  日程第六 放送法第三十七条第二項の規定に基づき、承認を求めるの件     午後零時四分開議
  2. 福永健司

    議長福永健司君) これより会議を開きます。      ——————————  議員請暇の件
  3. 福永健司

    議長福永健司君) 議員請暇の件につきお諮りいたします。  橋本龍太郎君から、海外旅行のため、三月二十八日から四月六日まで十日間、請暇の申し出があります。これを許可するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 福永健司

    議長福永健司君) 御異議なしと認めます。よって、許可するに決しました。      ——————————  日程第一 奄美群島振興開発特別措置法及び   小笠原諸島振興特別措置法の一部を改正す   る法律案内閣提出
  5. 福永健司

  6. 浜田幸一

    浜田幸一君 ただいま議題となりました奄美群島振興開発特別措置法及び小笠原諸島振興特別措置法の一部を改正する法律案につきまして、建設委員会における審査経過並びに結果を御報告申し上げます。  本案は、奄美群島及び小笠原諸島本土に復帰して以来、それぞれの特別措置法の制定により各般の事業実施されてきたところでありますが、両群諸島をめぐる自然的、社会的諸条件は依然として厳しい状況のもとに置かれているため、この際、現行法有効期限をさらに五カ年間延長する等の措置を講ずることにより、本土との格差の是正及び国土の均衡ある利用を図ろうとするものであります。  本案は、去る二月二十二日本委員会に付託され、三月九日提案理由説明を聴取、三月二十三日質疑を終了、直ちに採決の結果、本案全会一致をもって原案のとおり可決すべきものと決した次第であります。  なお、本案に対しては、四項目より成る附帯決議が付されました。  以上、御報告申し上げます。(拍手)     —————————————
  7. 福永健司

    議長福永健司君) 採決いたします。  本案委員長報告のとおり決するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  8. 福永健司

    議長福永健司君) 御異議なしと認めます。よって、本案委員長報告のとおり可決いたしました。      ——————————  日程第二 地方税法等の一部を改正する法律   案(内閣提出
  9. 福永健司

    議長福永健司君) 日程第二、地方税法等の一部を改正する法律案議題といたします。  委員長報告を求めます。地方行政委員長大石千八君。     —————————————  地方税法等の一部を改正する法律案及び同報告   書     〔本号末尾掲載〕     —————————————     〔大石千八登壇
  10. 大石千八

    大石千八君 ただいま議題となりました地方税法等の一部を改正する法律案につきまして、地方行政委員会における審査経過及び結果を御報告申し上げます。  まず、本案概要について申し上げますと、  第一に、個人住民税について、平年度三千億円余りの減税実施することとし、基礎控除等所得控除の額及び障害者控除等の特別な人的控除の額の引き上げを行うほか、個人年金保険料別枠控除制度の創設、低所得者層に係る非課税限度額引き上げ市町村民税所得割税率及びその適用区分調整等を行うこととしております。  第二に、法人住民税均等割について、その税率引き上げを行うとともに、法人住民税及び事業税の一部納付後の徴収猶予制度を廃止するほか、自動車税及び軽自動車税について、その税率調整を行うこととしております。  第三に、不動産取得税固定資産税都市計画税等について、その軽減特例措置等整理合理化を行うほか、地方税における納税環境整備を図るため、官公署への協力要請等に関する規定を設けることとしております。  第四に、地方道路譲与税等地方譲与税について譲与時期及び譲与時期ごとに譲与すべき額の変更を行うこととし、また、日本国有鉄道公害防止設備に係る市町村納付金の非納付措置適用期限を延長することとしております。  そのほか、所要規定整備を図ることとしております。  以上の改正の結果、明年度におきましては、個人住民税課税最低限引き上げ等により三千百二十九億円の減収となる一方、法人住民税均等割税率引き上げ自動車税及び軽自動車税税率調整等により二千七百七十三億円の増収が見込まれ、差し引き三百五十六億円の減収となる見込みであります。  本案は、二月二十八日当委員会に付託され、三月一日田川自治大臣から提案理由説明を聴取し、三月二十三日質疑に入り、同日質疑を終了した後、日本社会党護憲共同及び公明党国民会議共同提出修正案並びに日本共産党革新共同提出修正案について、それぞれ趣旨説明を聴取しました。  次いで、原案及び修正案について討論を行い、採決の結果、両修正案はいずれも賛成少数をもって否決され、本案賛成多数をもって原案のとおり可決すべきものと決した次第であります。  以上、御報告申し上げます。(拍手)     —————————————
  11. 福永健司

    議長福永健司君) 討論通告があります。これを許します。山中末治君。     〔山中末治登壇
  12. 山中末治

    山中末治君 私は、ただいま議題となっております政府提出地方税法等の一部を改正する法律案につきまして、日本社会党護憲共同を代表して、反対討論を行うものでございます。(拍手)  御承知のごとく、ここ数年来、地方税制改正につきまして最も強く求められておりますことは、まず住民負担軽減、すなわち大型減税実施でございます。二つ目には、個人法人を問わず、さまざまな非課税措置等いわゆる不公平な特別措置を改廃し、税負担の公平を図ることでございます。次いで、法人課税適正化による安定的な租税収入確保することでございます。  しかしながら、今回の政府案は、市町村における減収補てん財源につきましては、その不足分を冷ややかに放置したまま、地方への法人課税配分割合低下させています。なお、個人住民税におきましては、御承知のように低所得者軽視を強めるなど、およそ地方税制改正の今日的な課題とはほど遠い、むしろ逆の内容に終始し、国民の強い要求に背を向け、かつまた、政府みずからの選挙公約であります「増税なき財政再建」をも放棄したところの増税案であり、到底国民の期待に沿い得る内容ではございません。(拍手)  また、財源上はプラスするものが全くないという地すべり的な後退地方に強要したところの五十九年度地方財政制度であります。ここに今日まで地方自治体がみずから築き上げてまいりました住民参加行政に冷水を浴びせることとなり、ふるさとを愛し国を愛する住民の意欲を減退させ、地方自治の本旨に基づくすぐれた施策をも後退をさせる、停滞させる要因となっているわけでございます。自治体をこの上さらに窮地に追いやることになってまいります。自治体が苦しむことは、すなわち住民であります国民が苦しむことでございます。何としても自治体に強力な自主財源を付与する必要があると私どもは考える次第であります。  政府は、昭和五十九年度において住民税課税最低限引き上げ個人住民税約三千百億円の減税を声高に唱えておられますけれども、他方における数々の大衆課税の大幅引き上げ、また中小法人負担増となります法人住民税均等割連年引き上げ等あまたの大増税には、さすがのトランペットも湿りがちでございます。国民はいち早くこれをキャッチいたしまして、やるせない思いを増税反対の署名に託していることは皆様御承知のとおりでございます。  すなわち、課税適用所得に係る最低税率引き上げ税率区分等の手直しと相まって、千二十四億円の増税を行おうとしていますが、この結果、年間二百万円から三百万円の収入層におきましては、昭和六十年において他の所得階層に比べ著しく税負担軽減割合低下することとなるなど、明らかにこれは低所得者層をねらい撃ちした税制改正となっておりまして、容認できるものではございません。  次に、この改正案は、市町村民税では初年度一千百九十二億円の歳入減であり、昭和六十年におきましてもなおかつ四百九十三億円の減収となっておりまして、これはひとえに国税優先地方税、なかんずく市町村民税軽視政府姿勢をそのまま反映したものでございます。そして、その減税補てん財源確保に関しましては、これまた三千百二十九億円の個人住民税減税に対しまして、実に五千七百七十億円にも上る大増税案を提示をいたしてまいりました。報道機関をしまして、一月十八日付の紙上で、酒税物品税などはそれぞれの品目に政治的な圧力団体がついている、今回の増税やり方は、圧力団体に腕力の強さを競争させ、力の弱いところ、すなわち取りやすいところから取るという発想だと言わしめているごとく、税制改正のビジョンもデザインも全くかなぐり捨てた増税と言われ、最終的には二千七百二十億円にとどまったものの、感心できない姿勢であることは申し上げる余地もないわけであります。(拍手)  ここで、なぜ長年の懸案でありますところの不公平税制是正に踏み切らなかったのか、理解に苦しむところでございます。国民の声に目を覆い、耳をかさなかった中曽根内閣姿勢の悪さは、三千三百の自治体やその住民である国民のあすを灰色にする以外の何物でもないことを政府は深く反省すべきだと考えております。(拍手)巨大な政治権力の前には、自治体国民は力の弱い存在であるかもしれません。しかし、これらの人々や機関生きがいを持って一心に働いていくことこそ、我が国の将来が明るく展望されていくのも事実でございます。  そこで申し上げたいことは、今この場にも、囲碁ゴルフのすぐれた方々が数多くおられると思います。これらの方々は、弱い者と強い者がともに全力を出し合って競争できるという方法を御存じであります。黒い石がまず何目かを先に置いて、一応の対等、平等な条件をつくり上げながら、碁においては盤上で、ゴルフにおいてはグリーンの上で必死の戦いを進められているわけであります。強い者は強いなりに、そうでない者はそれなりに活躍できるものでございますが、ゴルフハンディで調節をいたしますように、税制度におきましても弱者にハンディをつけることを忘れては、それぞれの生きがいをそぐことになります。これは物の道理でありまして、ゴルフ囲碁ハンディや段位を誇る紳士であられる政治家が作成された法案、この法案ハンディを明確に付していない内容となっているのは、いかにも惜しい気がいたすわけであります。これはまた、ルールにもとるのではなかろうかとも考えられるわけでありまして、これに気づかれた方こそ真にスポーツマンであり、かつまた立派なステーツマンであると私は存じますが、残念ながら……。  次に、法人課税配分割合低下でありますが、法人税を一・三%暫定的に引き上げつつも、法人県市町村民税所得割税率引き上げなかったことから、地方に対する法人課税配分割合は〇・五%低下することとなっております。これもまた地方税軽視でございます。また、法人税均等割の二・五倍引き上げによりましてこれを補ったとするが、税制の異なるもので補うやり方は本末転倒でもあり、かつ農林水産業等を初めとする中小法人について過重な負担でございます。  さて最後に、地方税収入安定的確保を図るために、法人課税については抜本的な改革を行うことが不可欠であると存じます。そのためにはまず第一に、法人事業税課税のあり方について、資本等の金額が一億円以上の法人普通法人対象としてこれを外形標準課税に転換する必要があると考え、我が党は公明党国民会議との共同提案で、本法案に対する修正提案をいたしてまいったところであります。緊急にして、かつ重要なこの課題政府当局は高い関心を示しながらも実現されなかったのはまことに残念でございます。
  13. 福永健司

    議長福永健司君) 山中君、申し合わせの時間が過ぎましたから、なるべく簡単に願います。
  14. 山中末治

    山中末治君(続) 他にも言及すべき問題が多々ありますが、時間の関係上概要のみを申し上げて、国民軽視及び地方税財政軽視政府案に対しまして、住民地方自治とその財政重視立場から反対討論を行いました。  御清聴ありがとうございます。(拍手
  15. 福永健司

    議長福永健司君) これにて討論は終局いたしました。     —————————————
  16. 福永健司

    議長福永健司君) 採決いたします。  本案委員長報告は可決であります。本案委員長報告のとおり決するに賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立
  17. 福永健司

    議長福永健司君) 起立多数。よって、本案委員長報告のとおり可決いたしました。(拍手)      ——————————  日程第三 酒税法及び清酒製造業の安定に関   する特別措置法の一部を改正する法律案   (内閣提出)  日程第四 物品税法の一部を改正する法律案   (内閣提出)  日程第五 石油税法の一部を改正する法律案   (内閣提出
  18. 福永健司

    議長福永健司君) 日程第三、酒税法及び清酒製造業の安定に関する特別措置法の一部を改正する法律案日程第四、物品税法の一部を改正する法律案日程第五、石油税法の一部を改正する法律案、右三案を一括して議題といたします。  委員長報告を求めます。大蔵委員長瓦力君。     —————————————  酒税法及び清酒製造業の安定に関する特別措置法の一部を改正する法律案及び同報告書  物品税法の一部を改正する法律案及び同報告書  石油税法の一部を改正する法律案及び同報告書     〔本号末尾掲載〕     —————————————     〔瓦力登壇
  19. 瓦力

    瓦力君 ただいま議題となりました三法律案につきまして、大蔵委員会における審査経過及び結果を御報告申し上げます。  初めに、三法律案の主な内容を申し上げます。  最初に、酒税法及び清酒製造業の安定に関する特別措置法の一部を改正する法律案でありますが、まず、酒税法の一部改正について申し上げますと、物価水準上昇等に伴い酒税負担水準低下していること等に顧み、従量税率ビール及びウイスキー類特級について一九・五%程度引き上げることを基本とし、その他の酒類については、最近における消費及び生産の態様等を考慮して引き上げ幅につき所要調整を行い、それぞれ一四・八%から三四・五%程度引き上げることとするほか、制度整備合理化のため、所要措置を講ずることとしております。  なお、この税率引き上げは本年五月一日から実施することとされ、昭和五十九年度において約三千二百億円の増収が見込まれております。  次いで、清酒製造業の安定に関する特別措置法の一部改正について申し上げますと、清酒製造業におきましては、昭和五十九年度から昭和六十四年度目標年度とする第四次近代化計画実施を予定し、経営基盤の一層の安定に努めることとしておりますが、今回このような清酒製造業自助努力を実効あらしめるため、日本酒造組合中央会事業範囲拡大等を図ることとしております。  次に、物品税法の一部を改正する法律案でありますが、最近における消費実態及び課税物品相互間の負担権衡等に顧み、録音・録画用磁気テープビデオディスクプレーヤー等物品について、所要経過措置を講じた上、新たに課税対象に加えるとともに、小型乗用車及びカークーラー等税率を一%、軽乗用車及びライトバン等税率を〇・五%、それぞれ引き上げることとするほか、所要措置を講ずることとしております。  なお、税率引き上げ原則として本年五月一日から、課税対象追加は本年十月または六十一年十月から実施することとされ、昭和五十九年度において約三百四十億円の増収が見込まれております。  最後に、石油税法の一部を改正する法律案でありますが、石油税収につきましては、一般会計を通じ石炭並びに石油及び石油代替エネルギー対策特別会計に繰り入れられ、石油及び石油代替エネルギー対策財源となっておりますが、昨年三月の原油価格低下等に伴い大幅な減少を来している一方、今後とも財源安定的確保が要請されるところであります。  このような状況等に顧み、原油等に対する税率現行の三・五%から一・二%引き上げて四・七%とするほか、いわゆるLNG等液化ガスを含むガス状炭化水素課税対象追加し、その税率を一・二%とするほか、所要規定整備を行うこととしております。  なお、この税率引き上げ及び課税対象追加は本年九月一日から実施することとされ、昭和五十九年度において約六百七十億円の増収が見込まれております。  以上の三法律案につきましては、去る二月二十九日竹下大蔵大臣から提案理由説明を聴取し、以来慎重に審査を行い、特に酒税法及び清酒製造業の安定に関する特別措置法の一部を改正する法律案については参考人の意見を聴取いたしましたが、それらの詳細は会議録に譲ることといたします。  かくして、去る二十一日質疑を終了し、昨二十六日討論を行い、順次採決いたしましたところ、三法律案はいずれも多数をもって原案のとおり可決すべきものと決しました。  なお、三法律案に対し附帯決議が付されましたことを申し添えます。  以上、御報告申し上げます。(拍手)     —————————————
  20. 福永健司

    議長福永健司君) 三案につき討論通告があります。順次これを許します。沢田広君。     〔沢田広登壇
  21. 沢田広

    沢田広君 私は、日本社会党護憲共同を代表して、ただいま議題となりました酒税物品税石油税法案について、反対立場から討論を行うものであります。  そもそもこれらの増税は、公約のまず違反であるばかりでなく、全く必要のない弱い者いじめ増税であります。一歩譲ったとしても、去る減税小委員会で国債によらないと申し合わせたことを理由としているが、増税対象が根本的に誤っていることを指摘しておかなければならないと思います。  「入るをはかって出るを制す」、一般的には暮らし、財政の常識であります。歳入を大切にしない傾向は極めて危険であります。高度成長のようなときはそれでもよかったかもしれません。しかし、歳入をおろそかにしたため安易な借金に依存をして今日の百二十兆円にも及ぶことになり、赤字はどうにもならなくなったことが証明をいたしております。まさに「シカを見て山を見ず」というのがこの実態であります。  借金にはそれだけの理由はあるかもしれません。言うならば、結局は泥棒にも三分の理屈の論理の範囲を出るものではないと言われるでありましょう。(拍手、発言する者あり)放漫と安易、酒税ではありませんが高度成長に酔った結果であり、自民党政治責任は極めて大きいと言わなければなりません。(拍手)  当時も今日も国の財政は「出るをはかり入るをはかる」と言われてきました。入ること、すなわち財源をつくることを怠り放置した結果であります。財政原則は、釈迦に説法ではありますけれども、最小の経費で最大の効果を上げることに努めることであります。大企業のためにあるいは選挙を有利にするためにと思われる自民党本位の理不尽な政策がとられてきたこと、またとられようとしていることは許されるものではありません。  大きな増税、小さな減税、弱い者いじめの諸施策、湿った景気、雇用、国民はいら立ちと暮らしの困窮を訴えているのが現状ではありませんか。政府自民党には聞こえませんか、この訴えが、この声が。重税に対する不信感は一層募るばかりであり、重圧感不信感不公平感政治不信を増大させるばかりであります。結果的には、民主主義そのものの危機を招くことになります。この意味からも、平和への志向、国民生活の充実は極めて重要であります。税務調査がもしスピード違反の取り締まりのように運が悪かったとの声になったとき、いや、なりつつある今日、税に対する権威を失い、信頼をなくし、ただ苛斂誅求の悪政しか残らないことになるでありましょう。  以上、歳入重要性、歳出の慎重性を求めたのであります。  法案について、若干反対趣旨を明らかにしておきたいと思います。  物品税大型中型小型と……(発言する者あり)物を言うなら、こっちへ来て言え。それぞれの場所で言明しておりますが、大型はやらない、直間比率是正する、小型なら、中型ならと言う。しかし、だんだん肥大化して、性格も質も量もふえて、当初のものとは猫変じてトラになり、日常生活必需品に拡大されて、それでもなお小型中型だと厚かましくうそぶいている中曽根内閣の本質を感じさせるものがあるのであります。国民もまた、その危険を肌で感じているのであります。  今までにも、武器の輸出に、増税なき再建に、核の持ち込みに、「初めは処女のごとく終わりは脱兎のごとし」と言います。軍拡から一転して教育にと、その本体を保護色的に変えていく、まさに風見鶏的才能を持っておられるものと存じます。しかし国民は見抜いております。だから伯仲国会をつくったのでありますが、現在は裏切られております。それがだれであるか、御承知のとおりであります。  また、酒は勤労大衆の労働の泉であり、今日の経済成長をなし遂げた大きな要因の一つでもあり、このことを否定される人はないでありましょう。つらい仕事の中に心を、体をいやす、そしてまた、あすに精いっぱいの働いた結果ではないでしょうか。今回の増税分三千五百億円、余りにもひどいではありませんか。  特級、一級、二級の級別是正検討中小醸造業者健全化、品質の管理、販売方法大衆的ビール、従量、従価の見直し検討、改善すべき点は多いのであります。弱い者いじめの悪税であることに変わりありません。せっかくの減税もこれらの増税でマイナスになってしまうことになります。生きた減税にならないのであります。まさに羊頭を掲げて狗肉を売るという新法であると言い得ましょう。  今日の酒の消費量は実に八百万キロリッターになり、五年前は六百五十四万キロリッター、この間百四十六万キロリッター、二二%もふえているのであります。各家庭でいいますと毎月一斗、一升瓶で十本飲むことになります。健康への配慮も必要な問題として十分な配慮が必要になっております。ビールは今や大衆化をし、日常生活品となっております。西欧型に近づいているのが実情であります。その半分が税金だと聞くと、泡が原価で中身は税金と、迷いと怒りを感じることでありましょう。(拍手)一瓶で二十五円、ちりも積もれば大変な負担となるのであります。  ほかに財源はないのだろうか。ノーであります。三兆円にも及ぶ交際費、六億人にも及ぶマル優預金、十九兆円にも及ぶ各種準備金、それぞれ一〇%としても三兆円近い財源は生まれるのであります。ただ取らないだけであります。石油税にしても、備蓄を名目としつつ石油、LPガスなど新たな課税をするものであり、結局は国民大衆に押しつけられるものであります。  これら三税は、いずれも実施時期が九月、十月、早くて五月であります。なぜ急ぐのでありましょう。いかに政府に提案権があるといっても、冒頭に提出をしてきた政府姿勢は提出権の乱用であり、断じて許されるものではありません。(拍手)関税など日切れ法案がつかえているから早く成立させなければならないなどと全く手前勝手な論理を展開していることは、まことにけしからないものだと思います。  物品税酒税石油税増税とかけて何と解くかと聞きました。泥棒猫と解いたとそう言うでありましょう。その心は、目ざとく、安易に手近にあるものからつかみ食いした法案であると言えるからであります。私も、政府のこの増税案がこの言葉に象徴されていることを感ぜざるを得ません。  この審議に当たって、我が党を初め各野党からも多くの貴重な提言がありましたが、政府はついに何もそれを取り入れるところもなく多数で押し切ったのであります。多くの国民の皆さんとともに、引き下げのために今後も努力しなければならないと決意を新たにするものであります。  国民の顔を逆なでするようなこの種の提案は断じて承認できないことを申し添え、三法反対討論といたします。各位の御賛成を切に願うものであります。(拍手
  22. 福永健司

    議長福永健司君) 山岡謙蔵君。     〔山岡謙蔵君登壇
  23. 山岡謙蔵

    ○山岡謙蔵君 私は、自由民主党・新自由国民連合を代表いたしまして、ただいま議題となっておりまする三法律案について、賛成立場から討論を行うものであります。(拍手)  御承知のように、政府は、今年度税制改正におきまして、国民各層の強い期待にこたえ、初年度八千七百億円に上る所得税の大幅減税を行うこととされておりまするが、五十九年度末には国債の累積額が約百二十兆にも達するという現在の極めて厳しい財政事情の中でのこの英断を高く評価をするものであります。(拍手)申し上げるまでもなく、財政の改革を強力に推進しその対応力を回復することは、緊急かつ重要な政策課題となっているのであります。したがって、所得税減税によって財政状況をこれ以上悪化させないことが肝要でありまして、減税財源を赤字公債の発行によって求めることは避けなければなりません。  そこで、政府は、減税額に相応する規模の増収措置消費課税の社会経済情勢の変化に即応した見直し及び企業課税負担水準引き上げにより行おうといたしておるのでありまして、今回の政府措置は、現下の厳しい財政事情から見ますると時宜に適する措置と認められるのであります。(拍手)今回の酒税物品税増税は、このような税制改正の一環として行われるものであります。  まず、酒税につきましては、物価水準上昇等に伴い、その負担水準低下してきていることなどから、従量税率引き上げ等を行うこととしたものであり、特殊な嗜好品である酒類の性格を考え合わせますとやむを得ない措置と考えられます。その引き上げ幅を見ますると、現行税負担率の低い酒類ほど税率引き上げ幅を大きくすることを基本方針とし、各酒類の消費及び生産の態様に配意して引き上げ幅に必要な調整がなされております。近年、所得水準の上昇、平準化等を背景に酒類が多様化、均質化してきていることを考えますると、酒類間及び級別間の税負担格差の縮小を図ろうとする今回の改正案は適切なものと認められます。(拍手)  また、清酒製造業におきましては第四次近代化計画実施を予定し、経営基盤の一層の安定に努めることとしておりまするが、このように清酒製造業自助努力を実効あらしめるため、今回、清酒製造業の安定に関する特別措置法改正日本酒造組合中央会事業範囲の拡大を図ることは、まことに時宜を得たものと認められます。  次に、物品税について、最近における消費実態及び課税物品相互間の負担権衡等にかんがみ、課税対象追加及び税率引き上げ等を行うことにしたものであり、税負担適正化などの見地から考えましてもやむを得ないと思うものであります。なお、急激な負担増を避けるため、新規課税物品について必要な暫定軽減措置を講ずることとしておりますが、このことは適切な配慮と認められます。  さらに、石油税につきましては、原油等に係る税率の若干の引き上げとともに、いわゆるLNG等液化ガスを含むガス状炭化水素課税対象追加するものでありますが、これは、現下の厳しい財政事情のもとで石油及び石油代替エネルギー対策の歳出内容を厳しく見直した上で、同対策の財源の安定的な確保を図るための措置であり、エネルギー対策の必要性や昨年三月の原油価格低下等に伴い大幅な税収の減少を来していることを考えますと、やむを得ない措置として許されるものと考えます。  以上により、三案に対し私は全面的な賛成の意を表明いたし、賛成討論を終わります。(拍手
  24. 福永健司

    議長福永健司君) 矢追秀彦君。     〔矢追秀彦君登壇
  25. 矢追秀彦

    ○矢追秀彦君 私は、公明党国民会議を代表して、ただいま議題となりました酒税法物品税法及び石油税法のそれぞれを一部改正する法律案に対し、反対討論を行うものであります。(拍手)  大体、一つの内閣で実行できる大きな政治課題はせいぜい一つぐらい、すなわち、講和条約締結、日ソ復交、所得倍増計画、沖縄返還、日中平和友好条約締結などに限定されてきたことは歴史の物語るところであります。  中曽根内閣は、「行政改革」「増税なき財政再建」を公約に掲げ、特に行政改革について大変な意気込みでありました。しかし、その意気込みはどこへやら、現状はすべておざなりで、ほとんど骨抜きにされてしまっております。「増税なき財政再建」の公約は完全に無視され、本三法律案に見られるごとく、増税路線をひた走りに走ろうとしています。このように、最重要公約の実行に全力投球をせず、単なるリップサービスにとどめ、さらに次々と線香花火のごとく重要テーマを打ち上げるに至っては、結局はアブハチ取らず、何もできなかった内閣として後世に汚点を残すであろうことを私は率直に申し上げたい。特に私は、本院当選以来はもとより、十八年にわたる参議院時代より、総理の政治行動をじっと見てきた一員として、現在の中曽根内閣の政治姿勢に反省を促すものであります。(拍手)  さて、間接税三税の増税は、公共料金の軒並み値上げとともに物価を押し上げることは必至であります。さらに法人税増税が加わると、せっかく上向きつつある景気回復に水を差し、特に中小零細企業に大きな影響を与えるばかりか、国民大衆に対しても大きな負担を強いるものであります。しかも、所得税減税は少なく、それと引きかえに大幅増税をやろうとする態度は断じて許すわけにはまいりません。(拍手)今からでも遅くありません。速やかに三法案を撤回されることを強く要求するものであります。(拍手)  以下、反対理由を具体的に申し上げます。  第一に、酒税増税についてであります。  酒税増税は五十一年度以来ほぼ三年ごとに行われており、取りやすいところから取るという政府増税パターンの典型でもあります。しかも、その内容も、しょうちゅう、ワイン、ウイスキー二級など近年売れ行きの好調なものにねらいをつけ、ビールには特に高負担を突出させるなど酒税間の増税格差も際立っております。大蔵省の所得階級別負担表によれば、家計の実収入に対する酒税負担割合は、所得の低い層が高く、所得の高い層ほど低く、いわゆる逆進性が顕著であります。これは明らかに大衆課税の強化であり、国民の生活実態を無視しております。  また今回の増税は、製造、販売を問わず業界全体の活力をそぐものであり到底認められません。とりわけ清酒業界は弱小メーカーが多く、今でも経営の危機に瀕し、転廃業が相次いているにもかかわらず、これに追い打ちをかけるようなやり方には、強い憤りを覚えるものであります。(拍手)  以上の理由から、酒税増税に強く反対せざるを得ません。  第二に、物品税についてであります。  物品税は、これまで奢侈品課税、生活必需品非課税原則としておりましたが、今回の増税によって、自動車の税率は奢侈品である宝石類のそれを上回り、生活必需品にも課税がますます強化される傾向にあります。また、物品税の基本的な性格は余りにもあいまいであり、課税基準や税率のあり方も、全く無原則、不明確であります。  さらに、政府税調は、物品税について新規に開発された物品を積極的に課税対象に取り入れていくと言っており、この方向は、国民の間に多く利用されるものすべてから税金を搾り取ろうとする以外の何物でもありません。そして、行き着くところは、一般消費税のごとき大型間接税導入という事態にもなりかねません。こういった物品税大衆課税の強化路線には断固反対であります。(拍手)  第三に、石油税についてであります。  石油税増税は、この税制度を従価税制としたことによって石油値下がりがもたらした税収の落ち込みを穴埋めするための措置であります。石油税創設当時我々の反対を押し切って従価税制を強行したのは、ほかでもない政府自民党であります。したがって政府は、石油税についてはまず不明を反省するとともに、他の石油関係税もあわせて抜本的な見直しから着手するのが本筋でありましょう。  特に、安易な増税を行う前に、原油の需給見直し、備蓄率の洗い直しを初め、エネルギー対策の再検討を行い、将来展望を明確にすることを優先させるべきであります。石油ガスなどを新たに課税対象に加えることは、エネルギーコストの上昇による物価上昇をもたらすものであり容認できません。  以上、主な反対理由を申し上げましたが、私は最後に、総理の大型間接税を導入しないという公約を明言されるならば、そのあかしとして、速やかに「増税なき財政再建」の処方せんを国民の前に明確にされるよう強く要求し、反対討論を終わります。(拍手
  26. 福永健司

    議長福永健司君) これにて討論は終局いたしました。     —————————————
  27. 福永健司

    議長福永健司君) 三案を一括して採決いたします。  三案の委員長報告はいずれも可決であります。三案を委員長報告のとおり決するに賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立
  28. 福永健司

    議長福永健司君) 起立多数。よって、三案とも委員長報告のとおり可決いたしました。      ——————————  日程第六 放送法第三十七条第二項の規定に   基づき、承認を求めるの件
  29. 福永健司

    議長福永健司君) 日程第六、放送法第三十七条第二項の規定に基づき、承認を求めるの件を議題といたします。  委員長報告を求めます。逓信委員長志賀節君。     —————————————  放送法第三十七条第二項の規定に基づき、承認を求めるの件及び同報告書     〔本号末尾掲載〕     —————————————     〔志賀節君登壇
  30. 志賀節

    ○志賀節君 ただいま議題となりました放送法第三十七条第二項の規定に基づき、承認を求めるの件について、逓信委員会における審査経過並びに結果を御報告申し上げます。  本件は、日本放送協会の昭和五十九年度収支予算、事業計画及び資金計画について、国会の承認を求めるものであります。  まず、収支予算について申し上げます。  受信料の月額については、協会の最近の経営状況及び今後の見通し等にかんがみ、財政基盤の安定を図るためこれを改定することにしております。  今回、従来の普通契約及びカラー契約について、それぞれ新たに訪問集金及び口座振替の支払い区分に応じた受信料体系を設定し、口座振替については訪問集金より五十円割り引くことにし、その内容は、普通契約のうち、訪問集金は六百八十円、口座振替は六百三十円、カラー契約のうち、訪問集金は一千四十円、口座振替は九百九十円に、ただし沖縄県については、特例措置としてそれぞれ百四十円低い料金に改定することにしております。  これらの改定により、受信料収入は三千二百三十七億二千万円となり、これにその他の収入を含めて、事業収入の合計は三千三百三十六億一千万円となっております。  これに対して事業支出は三千百四十九億円であり、その結果、事業収支差金は百八十七億一千万円を予定しております。この事業収支差金については、このうち八十億九千万円を債務償還及び国際放送の受信改善のため資本収入に計上し、残り百六億二千万円を翌年度以降の収支均衡を図り財政を安定させるための財源として、その使用を繰り延べることとしております。  また、資本収支は収入支出とも五百四十九億九千万円を予定しており、このうち衛星放送施設の整備、国際放送の受信改善のための整備などの建設費として四百四十億円を計上しております。  次に、事業計画は、その主なものを挙げますと、難視聴解消を主目的とする衛星放送を開始すること、受信料負担の公平を期するため新料金体系の定着及び受信契約の増加と確実な収納に努めること、国際放送時間の拡充及び一層の受信改善を図ること、業務全般にわたる見直しによる要員効率化の推進と経費の節減を図ること等とし、これらの実施に当たっては、極力合理的、効率的運営に努力することとしております。  最後に、資金計画は、収支予算及び事業計画に対応する年度中の資金の需要及び調達に関する計画を立てております。  なお、本件には、協会の昭和五十九年度収支予算等は「おおむね適当なものと認める。」との郵政大臣の意見が付されております。  本件は、去る二月二十一日逓信委員会に付託され、委員会においては、三月二十一日奥田郵政大臣から提案理由説明を、また、日本放送協会当局からも説明を聴取した後、質疑に入り、昨二十六日質疑を終了、討論もなく採決の結果、本件は全会一致をもって承認すべきものと議決した次第であります。  なお、本件に対し附帯決議が付されました。  以上、御報告申し上げます。(拍手)     —————————————
  31. 福永健司

    議長福永健司君) 採決いたします。  本件は委員長報告のとおり承認するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  32. 福永健司

    議長福永健司君) 御異議なしと認めます。よって、本件は委員長報告のとおり承認するに決しました。      ——————————
  33. 福永健司

    議長福永健司君) 本日は、これにて散会いたします。     午後一時一分散会      ——————————