○瀨長亀次郎君 私は、
日本共産党・革新共同を代表し、
総理並びに関係大臣に
質問いたします。
総理、今、
日本国民を広く覆っているものを一言で言うならば、底知れぬ不安と混迷であります。果てしない軍備拡張競争のもとでの原水爆戦争の恐怖、
社会保障がどんどん切り詰められていく暮らしと老後の見通しのなさ、そして
金権腐敗政治が横行する政治への不信の
増大、だからこそ
国民は、さきの総
選挙において
自民党中曽根政治に対して厳しい審判を下したのであります。
ところが、
総理は、
自民党の大敗北の
原因として自認されている
政治倫理への
取り組みは、
施政方針演説でも田中問題に一言も触れないなど根本問題を回避し、反省はなきに等しいものであります。(
拍手)同時に、軍事費よりも
福祉を、が圧倒的多数を占める世論調査結果に示されているように、
国民が、平和を破壊し、暮らしを押しつぶし、民主主義に挑戦する中曽根政治の全体に対し、不信任の意思を明らかにしたことは言うまでもありません。(
拍手)
総理、それにもかかわらず、
国民から
基本政策は支持されたと強弁される根拠は一体何か。
選挙であれほど明確に示された
国民の声を無視することが許されるならば、議会制民主主義そのものも成り立ち得ないではありませんか。まず最初に、この点について、昨日のように
答弁を避けずに、はっきりとお答え願いたい。(
拍手)
不安と混迷の時代であればこそ、
日本の進路をしっかりと見定めることが何よりも重要であります。そこで私は、第一に国際的進路について伺います。
総理は、国際国家を強調されましたが、
世界の
GNPの一割近くを占めるいわゆる
経済大国である
日本が、激動する国際
社会の中でどのような態度をとるかは重大な問題であります。すなわち、二つの軍事ブロックの一方にくみし、人類を破滅に導く核
軍拡競争のお先棒を担ぐ国際的孤立の道を歩むのか、それとも、原水爆戦争の不安のない真の平和、真の
軍縮への積極的なイニシアチブを発揮するのか、それは
世界史の流れにも大きく影響するほどの重要な意味を持っております。今
米ソ間に全面核戦争が起これば、全地球的
規模で恐るべき破滅的結果が招来されることは目に見えております。アメリカを中心とした西側軍事ブロックとソ連を中心とした軍事ブロックとの果てしない核
軍拡競争の悪循環、これこそが原水爆戦争の恐怖の根源であることは言うまでもありません。
軍拡の論理を断ち切るべきときであります。(
拍手)
総理、力による平和だとか力の
均衡などという議論がいかに危険きわまりないものであるかは、あなた自身が、
米ソの戦争抑止は危険がなきにしもあらずで我々は憂えていると認めているではありませんか。本当に憂えているのであれば、率先して力の
均衡論を捨て去るべきであり、軍事ブロックの解消をこそ訴えるべきであります。(
拍手)狭い視野に閉じこもるのではなく、広く
世界を眺めるならば、今や全
世界の三分の二を超える国々が軍事ブロックにくみしない非同盟、中立を宣していることに気づかれるでありましょう。また、その隊列に
我が国が加わるならば、
国際政治における発言力は飛躍的に強まり、
米ソ両国の
政策を大きく揺り動かすでありましょう。(
拍手)
日本国憲法は、恒久平和への願いの基礎を平和を愛する諸
国民の公正と信義に置いておりますが、非同盟、中立へのとうとうたる
世界史の流れを
総理はどのように評価されますか。あわせて見解を問うものであります。(
拍手)
さて、
総理、我が党の宮本
議長は、去る一月、
レーガン米大統領、アンドロポフ・ソ連共産党書記長に書簡を送り、両首脳が
核兵器の廃絶、原水爆の全面禁止という平和の原点に立ち戻って積極的な行動をとるよう求めました。
総理も一応は
核兵器ゼロを口にしておられます。それならば、なぜ単刀直入に
米ソ両国に対し、また全
世界に向かって、本当に胸を張って
核兵器の廃絶を訴えられないのでありましょうか。(
拍手)
一九四六年、創設直後の国連は、当時の全加盟国の賛成による文字どおりの総会決議第一号で、原子力兵器など一切の大量破壊兵器の廃棄を決めております。この国連の決議を無条件に支持されるのか、明確にお答えください。
原水爆戦争の危険をめぐって、今、
日本国民にとって最も緊急、重大な問題は、水爆を搭載した巡航ミサイル、トマホークの米第七艦隊への配備であります。一発で広島型原爆の二十倍の威力を持ち、相手方レーダーをかいくぐって目標に致命的打撃を与えるこのトマホークを、米国防長官は、
我が国のどの戦力にもまさる最高の兵器であると豪語しております。まさに悪魔の兵器であります。それが
我が国の横須賀、佐世保、沖縄を主要な基地とする米第七艦隊の一部の旧型艦を除くすべての水上艦、潜水艦に配備される。開始の時期は本年六月、目前であります。
総理は、昨年五月のサミットで、パーシングⅡや水爆巡航ミサイルのヨーロッパ配備に賛成した理由を、アジアを核のごみ捨て場にさせてはならないからだと述べました。もちろん、ソ連のSS20ミサイルのアジア配備に反対するのは当然であります。今回のトマホーク配備は、まさにアジアが核のごみ捨て場となり、私たちの
日本が水爆の網の目によって取り囲まれることを意味しております。それはまた、非核三原則が完全に空文化し、
日本が水爆戦争の根拠地になることを意味しております。
総理、
日本国民の総意を代表し、いまこそアメリカに対し、トマホーク配備反対、
日本寄港反対を断固として表明すべきときであります。(
拍手)あなたの決意を伺います。
折しもアメリカの国防報告は、西太平洋を三大戦略拠点の一つに位置づけ、
総理がレーガン大統領に約束したシーレーン
防衛の一九八〇年代中の達成を公式に要求しております。シーレーン
防衛なるものが、
日本自身の安全とは何のかかわりもないアメリカの戦略の一端を担わされるものであり、それも危険きわまりない三海峡封鎖とともに、トマホークによって水爆ミサイルの重装備を持った米第七艦隊を護衛するためのものであることがますます鮮明となっているではありませんか。(
拍手)しかも、これを受け入れることによって、
国民は一層軍事費の急増に苦しめられなければならないのであります。
総理、アメリカ
政府に内政干渉そのものであるこの要求まで出させたあなたの責任はまことに重大であります。
日本の安全と平和を守る決意があるならば、断固として拒否し、シーレーン
防衛誓約そのものを撤回すべきであります。(
拍手)
外交の
基本は、他国の独立、民族の自決権をあくまで尊重するとともに、
我が国への内政干渉を許さず、
日本国民の利益を守り抜くことでなければなりません。この点で、
農産物交渉においても、アメリカに譲歩を重ねるのではなく、
国民の
食糧を守り、民族の独立の基礎である
日本農業を絶対に外国に売り渡さない、これが
日本政府の根本
方針であると、どうして堂々と言えないのですか。(
拍手)外務大臣は、訪米後、後に引けぬところまで渡った、しゃにむにやる以外にないと述べていますが、どんな約束をしてきたのか、
国民の前に明らかにすべきであります。
総理並びに外務大臣の
答弁を求めます。(
拍手)
この際、私は、安保条約、日米軍事同盟が、
国民の安全を保障するのではなく、逆に危険と破壊をもたらすものである、その実態について触れます。
沖縄の米海兵隊は、県民の強い抗議の中、復帰以来連日のように、りゅう弾砲による実弾射撃演習を行い、着弾地点である美しい恩納岳や金武岳は破壊され、たび重なる山火事で完全に緑は消え、どす黒い姿に変形しています。
総理のたびたび言われている緑は失われているのであります。ミッドウェー艦載機の厚木基地における離着陸訓練は年に三万回に及び、その爆音は百二十ホンに達し、文字どおり死の爆音であります。だからこそ、沖縄でも神奈川県の大和市でも、
自民党の
議員を含めて、このような演習をやめよの決議をしているのであります。
美しい祖国、自然を破壊し、人間らしい暮らしを奪う、それが、
総理、あなたの賛美してやまない安保条約下の現実であります。
総理は、この実態についてどうお
考えであるか、この点を国際的進路の最後に伺っておきます。
次に、暮らしと
経済、
財政を中心にした国内的進路について伺います。
総理は、夕げの明かりに家庭の団らんのひとときを過ごし、あすへの希望を語り合える世の中をつくることが、いつの世にも変わらぬ政治の責任と述べました。八十三名の労働者の命が奪われた三井有明鉱に家庭の団らんがあるでしょうか。安全無視、もうけ第一主義の大企業の冷酷さが引き起こしたこの大惨事に、あなたは、なぜ
施政方針演説で一言も言及されなかったのか。同じ三井グループの北炭夕張の大事故がわずか二年前。当時
政府も企業も、安全対策に万全を期し再び惨事を繰り返さないと誓ったではありませんか。なぜ惨事が繰り返されるのか、その責任をどうとられるおつもりか、
総理の明確な
答弁を要求するものであります。(
拍手)
求められているのは、利潤至上の大資本の要求に従うことではなく、人間性の尊重であり、真の連帯の
回復であります。その点で、いま最も力を注がなければならないのは、
社会保障全面切り捨てをやめ、その充実と発展の方向へ根本的に転換させることであります。
社会保障とは一体何でしょうか。病気で働けなくなっても、失業で働き場所がなくなっても、あるいは年をとって仕事を続けることができなくなっても安心して暮らすことができるように、この願いを実現するために労働者、
国民が手を携え、戦前の暗黒の時代から国と大資本を相手に闘い、営々として築いてきた獲得物、それが
社会保障であります。(
拍手)それはお恵みでも何でもない、
国民の
基本的な権利であり、
社会的連帯のあかしそのものであります。だからこそ、
日本国憲法は
国民の
基本的人権の一つとして生存権を明記し、
政府に対し、すべての
生活部面について、
社会福祉、
社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に努めることを義務づけておるのであります。
総理、あなたの言う心の触れ合う連帯なるものの中に
社会保障はどのように位置づけられておるのでありますか、お答え願います。(
拍手)
自民党政府が
国民の運動に押されて重い腰を上げ、一九七三年、
福祉元年を宣してから十一年。昨年の老人
医療有料化に引き続き、健康保険
制度発足以来の大原則である本人十割給付制が突き崩されようとしております。お年寄りの
年金、恩給は、物価が四・四%上がっているのに、その半分以下の二%アップにとどめ、その上、今後の給付水準を二割五分も切り下げ、逆に保険料は二倍に
引き上げるといった大改悪が準備されております。さらに、
政府は、真に救済を要する者への
福祉は維持すると言いながら、最も救済を要する失業者への給付を二割も引き下げ、母子家庭への児童扶養手当を義務
教育終了で打ち切ることまで計画しているのであります。これで、どうしてあすへの希望を語り合えるでしょうか。
総理、いま準備されている諸計画が実行に移されるならば、一九八四年、
昭和五十九年は
福祉総破壊元年として歴史に残されるでありましょう。(
拍手)それは、
国民のみずから手にした宝を奪うことであり、憲法に対する挑戦と言わなければなりません。あなたが憲法を守ると言うのであれば、これらの
制度改悪計画を潔く撤回すべきであります。また、
財政の困難を
福祉破壊の口実に使うことは許されません。
昨年六月のアメリカ国防総省報告は、
日本とヨーロッパ諸国に大
軍拡を要求しつつ、どこからかそこに回す金を持ってこなければならない、そして
社会保障分野こそまさにその源であると、あけすけに語っております。
福祉を二%に抑える一方で、軍事費を
総理の一声で六・五五%と異常に
突出させた来
年度予算を見れば、
中曽根内閣がそのとおりに実行したことは明らかではありませんか。(
拍手)戦車、ミサイルに
福祉を踏みつぶさせてはならない。軍事費を大幅に
削減すべきであります。このことを強く要求し、
総理の
所見を伺いたい。(
拍手)
総理の
施政方針演説は、
景気対策について内需中心の
拡大を強調しました。しかし、この言葉は、過去五年来毎年聞かされてきたのでありますが、実現されたためしがありません。一体なぜでしょうか。
政府の
国民生活白書を見れば、
原因は明らかであります。
昭和五十年から五十七年までの七年間に、平均家計の実収入は実質ベースで約四万一千円ふえましたが、そのうち二万五千円強を税金と
社会保険料に取られ、さらに一万五千円を契約支出やローンに取られ、結局手元に残った自由に使える金、実質任意可処分所得は八百円しかふえなかった、これが白書の分析であります。
総理、七年かかってたった八百円であります。これでは消費が伸びず、商店や
中小企業の売り上げが落ち込み、昨年一年で一万九千百五十五件という史上最高の倒産、統計開始以来最高の失業率が記録されるのも当たり前ではありませんか。
内需拡大を口にするのであれば、何よりも家計に余裕を取り戻す
政策をとるべきであります。
総理及び
経済企画庁長官の見解を求めます。
家計に余裕を取り戻すために
政府としてとり得る最も有効、確実な対策は、言うまでもなく大幅な
所得減税であります。過去七年間の
減税見送り分をカバーしようとすれば、
所得税、
住民税を合わせて二兆円の
減税が最低限必要でありますが、
政府の
減税案なるものは必要額の半分、一兆円にすぎません。しかも、その
財源はすべて
増税によって賄おうというのであります。
総理、
酒税、
物品税、石油税、自動車税、
中小企業の法人税で
国民が
負担を強制される
増税額は八千二百億円であります。さらに、消費者米価、
国鉄運賃など国の公共料金
値上げが四千億円であります。計一兆二千二百億円。その上に、地下鉄、バス、上下水道など地方公共料金の
値上げラッシュが続くのであります。右のポケットに返してやると言いながら、左のポケットからそれ以上に取り上げる、このような
負担増は、
国民の求めている
減税とは言えないのではありませんか。(
拍手)
あなたは、総
選挙で
増税をしないと明言しました。私は、
増税計画の白紙撤回、
減税規模の
拡大を強く要求し、
総理の誠意ある
答弁と、大
規模な
減税を主張している
経済企画庁長官の見解を求めます。
さて、
総理は、
行政改革、
財政改革にさも成果を上げているかのごとく得々と語られました。
財政危機だから、軍備拡張に金がかかるから、
福祉をばっさり削って弱い者を泣かせる、これを
行政改革とは言えません。
国民の願いである真の
行政改革、真の
財政改革は、
国民の立場に立って、
行政サービスの水準を落とさず、むだと浪費に
徹底的にメスを入れる、ガラス張りの効率的な
行政機構、
行政運営を実現する、これでなければなりません。例えば、コンピューター
開発、民間航空機
開発など財界、大企業に対する手厚い助成は、
国民の
政府批判にもかかわらず、来
年度予算で縮小されなかったばかりか、逆に
拡大されているではありませんか。
税制でも同じであります。
国民には大
増税を押しつけながら、昨年三月期に
日本と
世界をまたにかけて稼きまくり六百八十四億円の利益を上げた三菱商事、同じく四百九十四億円の三井物産、以下伊藤忠、丸紅、これらの巨大商社は、外国税額控除なる優遇
制度を利用して、いずれも一円の法人税も払っていないではありませんか。それでもなお改めなければならないとは思いませんか。
以上の諸点について、
総理の率直な
答弁を求めます。
軍事費を聖域とし、財界奉仕をもう一つの聖域とする
中曽根内閣の
行政改革方針を根本的に改めない限り、六十五
年度赤字国債ゼロどころか、破局は必至であります。
大蔵大臣や
自民党首脳は、
大型間接税導入の検討の機は熟したとまたもや発言されているようでありますが、
総理、あなたは
大型間接税を拒否すると断言できるでしょうか、伺っておきたいと思います。
最後に、私は、
総理の
政治姿勢についてただしておきたい。それは田中問題の決着であります。この問題にきっぱりとした決着をつけることを抜きにして、
政治倫理の
確立はありません。
総理は、総
選挙後の
総裁声明で、田中問題の
けじめが明確でなかったことが
自民党最大の敗因であり、田中氏の政治的影響を一切排除すると明言されました。ところが、第二次
中曽根内閣の組閣に当たって、田中軍団はまたもや最大の比重を占め、
施政方針演説でこれに一切言及されなかったのであります。
総理、あれほどはっきり言明されたことを、なぜ
施政方針演説では黙して語らなかったのか、その理由を伺いたいと思います。(
拍手)
前
国会で、
自民党が田中辞職勧告決議案の本
会議上程阻止に全力を尽くしたことは
国民周知であります。
けじめをつけ、政治的影響を一切排除することがあなたの本心であるならば、今後はこれまでのような理不尽な態度はとり得ないはずであります。当然改められると思いますが、いかがでしょうか。
自民党の倫理とともにあなた自身の倫理が問われております。
総理の
答弁と、
自民党が万一決議案阻止の態度をとった場合どうするか、田川自治大臣の見解も伺いたいと思います。
第二は、
国民の声を正しく政治に反映させる民主主義の保障についてであります。
田中型金権政治の最大の害悪は、金の力で政治と
行政を動かして特定少数者の利益を図り、圧倒的多数の庶民の声を封じてしまうことにあります。
自民党はさきの党大会で、公然たるわいろとも言うべき企業、団体献金の制限緩和
方針を決定しましたが、全くの逆行であります。
企業献金の緩和ではなく、その全面禁止をこそ目指すべきではありませんか。(
拍手)
次に、最高裁で違憲状態と認定された衆議院の著しい
定数不
均衡の
是正も緊急に行われなければなりません。一対三の著しい格差を認める
自民党試案のようなこそくな手直してはなく、せめて最大格差一対二の
範囲で思い切って配分し直すべきではありませんか。その際、事実上の小
選挙区制となる二人区はつくらず、必要な
選挙区合併を行うべきであります。
以上、
総理の
答弁を求めます。
婦人差別、性による差別が残されている
社会に真の民主主義はありません。
国連婦人の十年の九年目を迎え、
関連国内法を
整備し
婦人差別撤廃条約を
批准することは、
政府の重大な責任であります。今財界は平等を口実に母性保護の骨抜きをねらっておりますが、保護と平等は両立し得るし、またさせなければなりません。(
拍手)そういう立場で条約
批准と
男女雇用平等法の
法制化に取り組まれるのかどうか、
総理の決意を伺っておきたいと思います。
第三に、次の時代を担う子供たちをどう育てるかという問題であります。
総理が
教育について語られることは自由でありますが、そのためには、まず今日の
教育の荒廃をもたらした
自民党政府自身の責任を明確にすべきであります。(
拍手)私学助成を大幅に削って貧しい人々から高等
教育の機会を奪うことが、
教育の機会均等という憲法上の原則に照らして許されるでしょうか。また、四十人学級を凍結し、マンモス校を放置してきめ細かな
教育や非行根絶を期待できるでしょうか。
教育基本法は、個人の尊厳を重んじ、真理と平和を希求する人間を育てることが
教育の根本目的であり、だからこそ、いかなる勢力の不当な支配にも屈服してはならないとうたっております。この立場を堅持し、教科書の国家統制や特定の歴史観の押しつけ、教師の自主性を奪う管理強化など、
自民党政府による文字どおりの不当な支配を中止することが先決ではありませんか。(
拍手)
総理自身、国家百年の計で、拙速を戒めなければならないと述べられたように、
教育改革は
国民的合意を最も必要とする分野であります。
教育臨調なる少数のメンバーの組織をつくり、夏までに
答申を求めるという
総理の提案は最悪の拙速であり、ましてそれが臨調のごとく財界主導の密室
審議で行われるようなことになれば、百年の悔いを残すことは明らかと言わなければなりません。名称はどうであれ、いわゆる
教育臨調
構想を撤回し、真に
国民的な
教育論議の場をこそ設けるべきであります。
以上、
総理の
答弁を求めます。
最後に、私はもう一度強調したい。
総理、あなたの不沈空母
構想は
日本民族死滅の道であります。死滅の道を拒否する、断固として生存の自由を守ろうではないか、これは全
国民の真実の声であります。日米軍事同盟から脱却し、非核、非同盟、中立の
日本を実現してこそ、
安全保障の確かな道も、豊かな人間らしい暮らしも、自由と民主主義も開けるのであります。
国民は必ずこの道を切り開くために立ち上がり、底力を発揮するでありましょう。
日本共産党・革新共同はその先頭に立つ決意を述べ、
質問を終わります。(
拍手)
〔内閣
総理大臣中曽根康弘君登壇〕