○林(百)
委員 時間がありませんので、もう一問だけお許し願って、これで終わりますが、この前の質問より一歩前進されていると思うのです。
要するに、任意に行ったので強制的に島流しに遭ったのじゃない、大臣も、もし強制的にやったとすればその慰謝の方法を
考えることもあるけれ
ども今はそういうことを言う
段階ではない、強制的ではなかったというように私は結論づけているということですね。だから、そういう思想犯と言われる人たちが北ボルネオヘ行った事実は大臣も吉田さんも認めている。ただし、それは任意に行った、そして給与も与えていたのだ、こう言っているわけです。
この問題は私の方も今後
調査しますし、ひとつ
法務省の方もさらに
調査をして、戦争犠牲者として補償すべきものは補償するということをぜひ考慮してもらいたいと思うのです。
最後に最高裁にお聞きしますが、行政改革が非常に進んでおるときなものですから、司法
裁判所もどうしてもそれに倣って合理化をしなければならないということは、何もおつき合いしなくてもいいのじゃないかと思うのです。
殊に簡易
裁判所のことで気になるのは、最近警察白書が出たのですが、警察自警を見ますと、困りごと相談の件数が五十八年に二十一万
幾らあった。そのうち民事
関係だけでも十七万、そして犯罪に
関係するものが四万。しかし、民事
関係で警察へ相談に行っているのを見ますと、身の上相談、結婚離婚問題、生活困窮、金銭貸借、土地家屋問題、物品取引問題。これは警察が相談受けたって、警察はこれを適切に処理する能力は持っていないし、またそういう機構でもないし、そういう組織でもないわけなんですね。
これは当然まず簡易
裁判所が、
裁判所が責任を持たなければならない問題だと思うのです。それが警察の方に二十何万件も行っている。しかも簡易
裁判所自体も民事事件が非常に増大していることは私が言うまでもない。そういうときに簡易
裁判所の庁を減らすというようなことを
考えている。これは行政改革をやるんだから司法もそれに倣わなければいけないんだというようなことに通ずるのじゃないかと思って私非常に心を痛めているわけです。
ということは、簡易
裁判所が設置されましたときの、当時木村篤太郎司法大臣だと思いますが、まだ帝国議会と言っていたのですが、本
会議における趣旨説明を聞いてみますと、簡易
裁判所の運営が十分なされるかどうかが裁判が大衆に奉仕するかどうか、司法の民主化がなされるかどうかのかぎだということを言われているわけですね。だから、簡易
裁判所は大衆の駆け込み
裁判所的な性格を持って、いわゆる区
裁判所とは違うんだ、そういうことを言っているわけなんですね。
だから、本来簡易
裁判所に行く事件が二十何万も警察の方へ行って、あたかも警察の方が信頼を受けていると言わんばかりの白書を出されて、簡易
裁判所の方は相談を受けるべき性格を持っていながらそれを縮めていく、しかも事件がふえる一方で、書記官などは頭を上げれば相談に乗らなければいけないから頭も上げないということが大衆から言われているわけですが、そういうことは
考えるべきではないか。区
裁判所と違って事件を早く落とせというようなことだけで最高
裁判所が
司法行政をやっていくのはまずいと思うのです。そういうことが
一つ。
それからもう
一つは、最近社会情勢が変わってまいりましたから、簡易
裁判所の管轄区域についてはこれを考慮して再編成することについては私の方はやぶさかではないわけなんですが、もう時間を催促されておりますので、一例だけ申しますと、京都の伏見簡裁と木津簡裁の
関係なんですが、木津簡裁の管轄の八幡市民は、伏見簡裁が目の前にあるにもかかわらず行けずに、私鉄や国鉄に乗りかえて二時間もかけてわざわざ木津簡裁へ付かなければならない。伏見簡裁なら二十分ぐらいで行ける。こういう地域の管轄については再考慮すべきだというように思いますが、これらの点について最高裁の
考えをお聞きして、私の質問を終わりたいと思います。