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土井委員 それは今までの再々にわたる御
質問に対する御
答弁の中でも出てきたのです。
ところで、ちょっと申し上げたいのは、沖縄の無
国籍、外
国籍の人々の権利としての
日本国籍取得というのは、
憲法の
両性平等原理の導入ということと並ぶ重大な
国籍法改正理由になったのではないかと私は思っているのです。
現行国籍法の大きな欠陥が、実は沖縄の方に集約されたような形で出てきたということも言えるのではなかろうかと私は思っている
わけです。
御案内のとおり、日米安保体制の中で犠牲となって沖縄には無
国籍者、それから形骸的な外
国籍を持つために、
日本人を母として沖縄県で生まれて沖縄で育って
日本社会から一歩も外へ出ることのできない人々に
日本国籍を取得する道を外してきたという実態がある
わけなんです。だから、
先ほど局長が御
答弁になった前段のところが、ちょっとこういう実態については当てはまらない御
答弁だったと思いますよ。この人々のきょうまで経験された
苦労というのは、先日、瀧岡参考人がここの
委員会に来られて具体的に述べられた中身として私たちは聞き知っているところなんです。
この沖縄の問題を初めて私
どもが知ったのは
昭和五十四年、一九七九年の三月だったのですが、ちょうどこの年の二月に私
ども社会党が
国籍法の
改正案を国会に
提出して、そしてその提案を報じたジャパンタイムズ、新聞を見て当時の国際福祉沖縄事務所、現在の国際福祉相談所の事務
局長であった大城安隆さんが私のところに直接電話してこられまして、この年はちょうど国際児童年であって、児童の人権と福祉の尊重ということが国連の提唱で国際的に進められていた年でもございましたから、一九七九年の年頭に当たって沖縄から出された「国際児童年に当たっての沖縄からの提言」ということをお知らせいただいたのですが、その第一に、沖縄の無
国籍児の根本的解決のために、
国籍法の
父系優先血統主義の
改正がうたわれていたのです。このときから、沖縄の子供たちの無権利状況の解決というのが、私たちに対して
国籍法改正の作業を進める原点の
一つになってきたということも
現実の問題としてあるのです。
そして、今回の
国籍法改正が現在の附則五条のような限定されたものということになりますと、
父系優先血統主義の最大の犠牲者となってきた——
日本においてはほかにも無
国籍の方はたくさんいらっしゃるでしょうけれ
ども、特に凝縮されたような形にある沖縄県の人々を取り残すことになるということは必定なんですね。今回の法の
改正の意義は、極端に聞こえるかもしれませんけれ
ども、半減すると言っても過言じゃないと私は思っている一人なんです、その点がはっきりしないと。一九七九年沖縄から提言があってから既に五年
経過しているのです。そのとき十五歳だった人ももう二十歳ということになりますと、附則五条の二十歳の線引きではこの
方々は対象から除外されるということにもなる
わけなんです。相談所で申請中の者は現在ないというふうなことが、先日、瀧岡さんのお話から、また御
質問がありまして出たりいたしておりますけれ
ども、沖縄の場合、無
国籍、それから外
国籍で帰化を希望する人に対して線を引くのは実情に合わないという実態がもう
一つあるということを私は申し上げたいと思います。
それともう
一つ、それに先立って無
国籍の人で現在帰化申請をしている人がないと言われたのは、それ以前、一年余りも帰化申請を一生懸命にやって、なかなからちが明かないうまく進展しないという人が、これはおかしな話でございまして、先日私が国会で
質問した途端に帰化できたのです。どういうことかと言いたいのですよ。だから、そういうことからすれば、本当に
法務省としたら人権をしっかり
考えた上でいろいろな措置を取り扱っておられるのか。私は少しおかしい気がしてくるのです。そういうことを前置きにして申し上げさせていただいて、実は外
国籍であって形骸化した外
国籍を持っている人があるという実態を
法務省としては掌握されているかどうか、この点いかがでございますか。