○三浦(隆)
委員 まだまだいっぱいお尋ねしたい点があるのですが、時間に追われております。仕方がないので
質問事項を
一つ一つ切り離しませんで一括続けて
質問をいたしますので、ひとつ一括お答えをいただきたい、このように思います。
初めに、第三十九条の「無断退去者に対する
措置」についてでありますが、これによりますと、「入院中の者で自身を傷つけ又は他人に害を及ぼすおそれのあるもの」については、警察がその探索をすることになっています。ということは、この場合の探索には病院の看護人等は携わらないということなのかどうか、これが
一つ。
次は、入院患者で「自身を傷つけ又は他人に害を及ぼすおそれのある」というこの
規定に該当しない者が、言うならもっと軽い者が無断退去した場合、いわゆる脱走した場合にはどうなるのだろうか。だれが連れ戻しをするものなのだろうか。ひどい人の場合には警察がやるわけであります。軽い人の場合にはそのまま済ますものなのかどうかであります。現実にはその病院の看護人が連れ戻しを図って、病院外でもって乱闘騒ぎでまた患者を痛めつけて、また病院に引っ張ってきてリンチを加えたというようなことが載っておるわけであります。そんなことができるものかどうか。この
法規ではできないように解されるからであります。
少なくとも犯罪を犯した人であっても、監獄に入れられる人であっても、それにはそれ相応の二十三条なりの
規定があります。監獄官吏の逮捕権についての
規定。あるいは、話題となっております刑事施設法案の四十四条でもそれなりの
規定があります。あるいは少年院法にも十四条に、婦人補導院法でも十六条に
規定があるわけであります。しかも、そうした精神障害者は別に犯罪者でないのに現実の犯罪者よりもそれ以下に扱われている。そのことについての
法規上の対策をお
考えいただきたいということであります。
その次の問題は、法第三十八条の行動の制限についてであります。三十八条の条文は「精神病院の管理者は、入院中の者につき、その医療又は
保護に欠くことのできない限度において、その行動について必要な制限を行うことができる。」とあります。この場合の「管理者」も極めて善意の人であればまだしものこと、今回の宇都宮病院の院長さんのようなケースが起こる
可能性があり得るわけであります。とすると、「医療又は
保護に欠くことのできない限度」及び「その行動について必要な制限」というのはいずれも抽象的です。だれがどういう基準で判断するものか、これが
一つです。次に、管理者に歯どめなき自由裁量的解釈を任せることは、宇都宮病院の管理者に見られるように危険ではないのか。同条
規定に対して何らかの基準及び限界を設けた方がよいと思うのですが、その点についてどうお
考えでしょうか。
その次の
質問、災害時の避難及び解放についての
規定が
現行法上ございません。しかし、実際には地震、火災その他の災害は起こり得ることでありまして、そういうときに際してだれが患者を施設の外の適当な場所に護送するのか、護送できない状況のときにはどうするものか、仮に患者を解放してその後避難を必要とする状況がなくなった後はどうするのか、
法規上どうなっているか——ないわけですが、このような場合のために法を整備した方がよいのではないかと思うのですが、これについてのお
考えをお尋ねしたい。
その次には、作業療法についてであります。これも
現行法上ございません。本来、精神病院で患者が行う作業は患者本人の治療効果を高めるために行われるものと思います。現在、作業の指導、作業時間、作業を行う患者の安全及び衛生を確保するための必要処置、作業収入等はどのように。行われているのか。宇都宮病院の作業療法につきましては、報徳会関連の冷蔵
会社に毎朝十人以上マイクロバスで運ばれて仕事をさせられたとか、
会社の社員寮壊しに使われたとか、院長のゴルフ練習の球拾いに使われたとか、さまざまなことが言われているわけですが、こうした点、やはり
法規の定めが必要であるというふうに思うのですが、いかがでしょうか。
その次は、面会及び信書の発受についてでございます。これも
規定がないのですが、精神病院に入院している患者は犯罪者ではなく、現に治療を受けている者です。面会等、患者が希望するものであるならば、患者の治療を妨げない限りできる限り開放的に認めてもよいものと思うのですが、どうでしょうか。
その次には、特に婚姻及び親子
関係の調整、訴訟の追行、家計の維持その他身分上、法律上または業務上の重大な
利益に係る用務の処理のため面談をすることが必要な者の面会は患者の治療の妨げとならない限り認めるべきものじゃないかと思うのですが、いかがなものでしょうか。
マスコミの伝えるところによりますと、面会する本館の部屋はとてもきれいであった、しかし、閉鎖病棟の塀は実に汚い、また面会に来たときには薬によって酔っぱらったような症状にしてしまっておかしくなってしまうのだというふうに書いていることもございます。こうした使い分けをするようなことを隠すために管理者の恣意的な発想で面会等が妨げられるような場合にはどのように対処したらよいものでしょうか。そのようなことの起こらないように
法規を整備した方が、今はございませんから、よいのではないか。その点が次の
質問です。
そして、関連しまして、立入検査ではなくて単に視察及び参観について原則として認める
方向で法を整備した方がよいと思うのですが、いかがでしょうか。
それからもう
一つは、
保護室についてであります。
保護室における収容とその期間及びその期間更新の手続に関し必要な事項並びに
保護室の構造及び
保護室の設備の基準などは現在どうなっているのか。
規定がないわけです。
新聞で伝えられますような宇都宮病院のごとき
保護室では、患者の人権侵害を行うような場所そのものでありまして、そうしたこととならないように
法規を整備した方がよいと思うのです。
まだ
質問したいことがありますが、もう時間のようでございますから、以上の点についてお答えをいただきたいと思います。