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森国務大臣 中西さんに諸
外国にわたります奨学
制度等もお調べいただき、大変参考にさせていただきまして、まず感謝をいたします。
日本の文教予算は、国全体の予算の比率からいきますと大体一〇%程度、もちろん
教育予算がこれでいいかどうかということについてはそれなりのまた立論が出てくるだろうと思いますが、その金がどこにどういうふうに使われていくのか。きのうも
内閣委員会でいわゆる定数是正の御
質問がございました際にも申し上げたのですが、要はプライオリティーの問題だろうというふうに、現実の問題の対処の仕方は私はそう言わざるを得ないだろうと思うのです。
奨学
制度については
給与制というのを、
先生が今御主張をいただいておるわけです。それはもう
貸与制より
給与制がいいに決まっているわけです。多くの
学生たちのいわゆる
教育にかかわる経費をできるだけ公費で援助をしてあげるということもこれは正しい、私はやはり真理だろう、こう思います。しかし、国の
財政状況というのがこういう状態になって、いろいろな
意味ですべての点を一度見直してみよう、洗い直してみようというのが、今の行政改革あるいはまた財政再建問題でございます。
そうした行革の
立場からいえば、
奨学金はまあ
有利子でもいいのではないかという声が出てくるのも
一つの
意見でしょう。これは全くだめだ、いけませんとは言えないわけであります。そういう中で、今度
国会でお願いをいたしました併用、そして一部
制度を改善をしていく、整備をしていく、こういうことでこの
国会にお願いをいたしておるわけでありますが、これも臨調の
指摘をそのまま受けてやったものではないわけでありまして、
局長がたびたび申し上げておりますように、それなりの専門の方々あるいは
関係の方々の御
意見を踏まえ十分に
検討して、今の
制度といわゆる併用の形でお願いをいたしておるわけでございます。
先ほどから
先生が述べられておられましたことは、極めて正しい真理だろうと私は思います。しかし、
冒頭に私が申し上げましたように、一方においては
教育費は自分で、自分というよりももちろんこれは扶養者がやるわけでありますけれ
ども、親が出してやっている
学生との対比の問題も当然出てくるわけでございます。そういう
観点からも見ていかなければならぬことにもなるわけでございましょう。そういう
意味で、
教育全体が、だれがどう
負担をするのか、そしてどれを優先させていくのか、大変難しい問題でありますし、そういう中で今いろいろと御答弁申し上げておりました
宮地局長自体も、恐らく
基本的にはあなたの
考えと同じ、
教育を預っている任にありますゆえに、なおそうしたあなたのようなお
立場をとりたいというのは、これは
個人的にはむしろあなたと同じような気持ち、それ以上の気持ちを持っているだろうと私は思います。しかしながら、国全体の財政の枠の中でどうやっていくか。そして、その枠の中でどれを優先順位で決めていくか。そしてこの
法案をお願いをいたしております際に申し上げておりますように、できるだけ量的拡大もしていかなければならぬ、
事業量もふやしていきたい、
対象の人間もふやしていきたいということになれば、この併用
制度をお願いせざるを得ない。
給与制をやれということは、これがいいことは決まっておりますが、そのこと自体を今ここでその
制度の方向にやり得るかどうかということについては、これはまた別途の政治判断であろうというふうに
考えます。
貸与制よりも
給与制がいいということはだれもが否定し得ない現実問題であろうと私自身も思いますが、国全体の
立場から見て、また多くの
学生の
立場から見て、いろいろな角度の中で、また
日本の国が歴史的に今の
制度を
一つの選択をして今日まで来たわけでございますから、そういうことをいろいろ
考えてまいりますと、大変大事な問題だと
考えております。
今
先生からも御
指摘ございましたけれ
ども、新たに
教育改革
論議というものを国民の中にこうしてお願いをいたしておることも、やはり臨時
教育審議会でこの奨
学生問題をどうするかということは言及はできませんけれ
ども、当然二十一世紀に備えての
日本の
教育制度全般にわたって
議論をしていくということになれば、
教育の経費は国のどれだけの支出であるべきなのか。あるいは、今よく来年度の予算編成の概算要求時に当たって聖域論というのも出ております。
教育というのはすべての予算とは別なのだという
考え方をとるべきなのかどうか、そうしたことな
ども当然、
教育予算という面で恐らく御
論議をいただくようなことにもなるのではないかという期待も持てるわけでございまして、そういう中で奨学資金のあり方というもの、育英のあり方というものもまた十分御
議論いただくような、そういうことも期待をできるのではないか。そういう中で改めて、
日本のこれからの
教育予算の支出、あるいはそれに伴って諸
制度をどう整備改善をしていくか。例えば、今
議論になっておりますような
貸与から給与へという問題についてはどう
考えていくべきなのか。あるいはまた、
有利子ということを定着させていくべきなのか。今
考えているように、いわゆる無利子というものを根幹として
幾つかのケースをつくりながら併用していくことがいいのか。そんなこともまた
議論の俎上に上るのかもしれませんし、そうしたこともすべて含めて、今
中西さんが二十一世紀を展望して、あるいは
日本の国は経済大国と言って誇っているではないか、こういう御
指摘がありましたから、あえてそうしたこと全般を含めて、
日本の国の
教育のあり方、あるいはいわゆる公費の
負担の仕方、そうしたことな
ども検討いただける大きな材料ではないだろうか、私はこんなふうにお答えを申し上げておきたいと思います。