○藤田(ス)委員 家計
調査報告というのを考慮の要素にしている、当然のことなんです。しかし、このことは非常に大事な問題なんですね。しかもこれは何か隅っこで考慮に入れているという
程度のものじゃないということは、農政、審の需給専門部会の座長の並木さんが御
自身の文章の中で強調しておられるわけですね。この需給専門部会の並木さんは、「農政審答申の裏おもて」という文書を出しておられて、家計
調査による所得弾性値を根拠にして六十五年の需給の長期見通しは抑制ぎみにした、こういうふうにこの文書の中でも家計
調査の役割を書いておられるわけです。だから、この家計
調査にあらわれた
数字というのは非常に大事な問題になってくるわけです。
繰り返しになると思いますが、この需給見通しというのは、
先ほどの御説明にありましたように五十五年に立てられた。そして六十五年はこうなるだろうという長期需要見通しを立てて、そうして今もアメリカといろいろ交渉する基本的な
数字に使っておられるわけです。
ところで、その需要見通しをつくった
昭和五十五年当時は、
先ほど総理府に確認をしたときにも切らかになりましたように、家庭で牛肉だと思ってアメリカンステーキだとかファミリーステーキを買ったときに、それは内臓であるにもかかわらず、五十六年までは表示がありませんから、当然前年の需給見通しを参考にするその家計
調査の中では牛肉として出てくるわけです。そして、この内臓は急速にその消費を伸ばしてきているわけです。
何か
先ほどからしきりに家庭での消費は、内臓は
部分やみたいにおっしゃいますけれ
ども、実際にはそうじゃないですよ。国内産の内臓はそうじゃないんです。これはかなり高級の料理屋にも行くんです。その筋に聞いたら、こんなものは常識なんですよ。アメリカから輸入される内臓の方は、そういうふうにして大方の家庭の方に
流れていく。少なくとも、小さく見積もっても六〇%ぐらいは家庭の方に
流れていっていたんです。
だから家計
調査をやると、それぞれの家がそれまで三布グラムずつぐらいしかふえていなかった牛肉の使用が、一挙に一キロにふえるというような現象になってあらわれたんです。したがって、この家計
調査報告で出てきた当時の牛肉の使用の伸びというのは、相当
部分内臓が占めているのじゃないか、そういうことになるわけでありまして、そういう経緯から考えると、逆に言えば内臓の伸びを除いた
部分、本当の牛肉、アメリカも牛肉だといって太鼓判を押してくる牛肉、ほんまの牛肉というものの消費の伸びは当然落ちてくるはずじゃないんですか。ここのところは非常に大事な問題ですので、はっきり言ってほしいのです。家計
調査報告に基づいて牛肉の需要見通しをつくると、全く
実態に合わない
数字になっているということじゃないでしょうか。