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1984-02-23 第101回国会 衆議院 物価問題等に関する特別委員会 第2号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和五十九年二月二十三日(木曜日)     午後零時五分開議 出席委員   委員長 金子 みつ君    理事 青木 正久君 理事 亀井 静香君    理事 岸田 文武君 理事 浜田卓二郎君    理事 武部  文君 理事 松浦 利尚君    理事 宮地 正介君 理事 田中 慶秋君       愛知 和男君    伊吹 文明君       稲垣 実男君    木部 佳昭君       工藤  巖君    熊川 次男君       長野 祐也君    二階 俊博君       小林 恒人君    中村 正男君       浜西 鉄雄君    浅井 美幸君       福岡 康夫君    塚田 延充君       藤田 スミ君  出席国務大臣         国 務 大 臣         (経済企画庁長         官)      河本 敏夫君  出席政府委員         公生取引委員会         委員長     高橋  元君         公生取引委員会         事務局長    妹尾  明君         経済企画政務次         官       山崎武三郎君         経済企画庁国民         生活局長    及川 昭伍君         経済企画庁物価         局長      赤羽 隆夫君         経済企画庁物価         局審議官    佐藤 満秋君  委員外出席者         特別委員会第二         調査室長    秋山陽一郎君     ――――――――――――― 委員の異動 二月二十一日  辞任         補欠選任   吹田  愰君     中村正三郎君     ――――――――――――― 本日の会議に付した案件  物価問題等に関する件(物価対策及び国民生活  行政等)      ――――◇―――――
  2. 金子みつ

    金子委員長 これより会議を開きます。  物価問題等に関する件について調査を進めます。  この際、河本経済企画庁長官から、物価対策並びに国民生活行政について発言を求められておりますので、これを許します。河本経済企画庁長官
  3. 河本敏夫

    河本国務大臣 私は、このたび経済企画庁長官を務めることとなりました。どうぞよろしくお願いいたします。  我が国経済の当面する課題経済運営基本的な考え方につきましては、さきの経済演説において明らかにしたところでありますが、当委員会が開催されるに当たりまして、重ねて所信の一端を申し述べたいと存じます。  激動する内外経済情勢もとで、我々が目指すべき経済運営基本的な課題は、国民生活充実向上を図るとともに、世界経済に積極的に貢献することであります。  このためには、我が国経済の潜在的な活力を十分に発揮させるような経済運営を行う必要があります。我が国経済は、物価の安定、高い貯蓄率等の好条件に恵まれており、経済政策のよろしきを得れば、我が国経済活力を一層引き出すことは、十分可能と考えております。また、このことによって、行財政改革の円滑な推進も、対外経済摩擦問題の基本的解決もより容易になるものと考えます。特に、現在は、世界経済我が国経済回復基調にあり、我が国経済の潜在的な活力を引き出していく、まさにその好機であると考えます。  さて、世界経済は、総じて、第二次石油危機を契機とした三年続きの不況から脱却しつつあります。その原動力は、アメリカ中心とした先進諸国景気回復であります。しかし、欧州諸国中心とした高水準の失業、アメリカの金利の高どまり発展途上国債務累積等の困難は続いており、保護貿易主義的傾向は衰えを見せておりません。  このような中で、我が国経済は、昨年春以降、緩やかながら着実な回復過程にあります。しかし、対外面では、経常収支は大幅な黒字が続いております。  このような内外経済情勢もと昭和五十九年度の経済運営に当たっては、特に、次の諸点を基本としてまいりたいと考えます。  第一は、国内民間需要中心とした景気持続的拡大を図るとともに、雇用の安定を確保することであります。  昭和五十九年度の我が国経済は、実質で四・一%程度成長することを見込んでおりますが、今後の内外経済動向いかんによっては、我が国民間経済もさらに勢いを増す可能性もあり、引き続き、民間経済活力最大限に生かすような適切かつ機動的な経済運営に努めてまいりたいと考えております。  財政面では多くを期待し得ない現状でありますが、今後とも、景気情勢に即応して、適切かつ機動的な財政運営を図るべきことは言うまでもありません。さらに、国内需要拡大を図るためには、民間経済活力最大限に発揮されるような環境整備を行うことが重要であります。このためには、特に、金融政策について、現在なお存在する種々の制約条件改善を図り、その機動的運営確保されるよう努めていく必要があります。  第二は、物価の安定を図ることであります。  経済政策を進める前提条件として、物価の安定は絶対に必要なものであり、また、物価の安定なくして活力ある福祉社会の実現は望めません。政府としては、物価の安定を重要な政策目標の一つに掲げてまいりましたが、最近の我が国消費者物価は、前年度比上昇率二%前後と、近年にない安定ぶりを示しております。  今後の物価動向につきましては、為替相場動向等、不透明な面が残されておりますが、原油価格が落ちついていること等から、全体としては、引き続き安定的に推移し、五十九年度は、卸売物価一%程度消費者物価二・八%程度上昇にとどまるものと見込んでおります。  政府としては、今後とも、物価動向に細心の注意を払いながら、機動的な政策運営に努めるとともに、公共料金についても物価及び国民生活に及ぼす影響を十分考慮して厳正に取り扱っていくことにより、物価安定基調維持したいと考えております。  また、国民空活の安定と向上を図るため、高齢化情報化国際化等に対応した国民生活のあり方について検討を進めるとともに、消費者行政を引き続き充実し、消費者を取り巻く諸条件変化に対応して、各種商品サービス安全性確保消費者取引適正化、その他消費者利益擁護増進のための所要施策を進めてまいる所存であります。  第三は、調和ある対外経済関係形成世界経済への貢献であります。  保護貿易主義の高まりが懸念される中で、我が国は、率先して自由貿易体制維持強化を図り、調和ある対外経済関係形成世界経済活性化への貢献を図っていく必要があります。このような状況もと我が国は、内需の拡大による輸入増加を図って世界経済を相互に拡大していくとともに、円の適切な対外価値維持に努めることが重要であります。  こうした観点から、政府は、一連の市場開放対策を決定し、関税率引き下げ輸入検査手続等改善輸入促進等努力を払ってきたところであります。また、資本流入促進、円による国際取引促進金融資本市場環境整備にも努めることとしております。  また、我が国平和国家として国際社会へ積極的に貢献していくためには、経済協力推進が肝要であり、新中期目標もとにその一層の充実効率効果的推進に努めてまいります。  今後の我が国経済社会は、国際環境経済活動国民生活の各面で、多重的に変化していくものと考えられますが、これらの変化に対し、積極的、創造的に対応していくことにより、経済社会の安定と発展を目指していかなければなりません。このため、中長期の経済運営については、昨年八月に決定した「一九八〇年代経済社会の展望と指針」をよりどころとして、経済環境変化に即応した諸般の施策を適切に推進していく必要があります。  以上、我が国経済の当面する課題経済運営基本的な考え方について所信を申し述べました。  我が国経済は、解決すべき幾多の困難を抱えておりますが、困難を克服していく旺盛な活力を有しており、戦後三十有余年、ずぐれた適応力を発揮し、多くの困難を乗り切ってまいりました。昭和五十九年度は、物価の安定、世界経済回復等条件を生かし、創意と工夫を重ねることにより、持続的安定成長への道を切り開くことが可能な年であると確信いたします。  本委員会皆様の御支援と御協力を切にお願いする次第であります。(拍手
  4. 金子みつ

    金子委員長 次に、山崎経済企画政務次官から発言を求められておりますので、これを許します。経済企画政務次官
  5. 山崎武三郎

    山崎(武)政府委員 このたび、経済企画政務次官に就任いたしました山崎武三郎であります。どうかよろしくお願い申し上げます。  我が国経済政策運営に当たる責任の重さを痛感しております。今後の経済運営については、景気持続的拡大を図ること、物価の安定を図ること、調和ある対外経済関係形成を図ることなど多くの課題が山積しております。私は、経済企画庁長官を補佐する立場として、これらの課題に全力を挙げて取り組んでまいる所存であります。  皆様方の御指導、御鞭撻をお願い申し上げます。(拍手
  6. 金子みつ

  7. 高橋元

    高橋(元)政府委員 昭和五十八年における公正取引委員会業務につきまして、その概略を御説明申し上げます。  昨年の我が国経済は、世界景気回復物価安定等を背景に輸出や生産が伸びを見せるなど、緩やかながら着実に回復してまいりました。また、中長期的に見ますと、技術革新とともに経済ソフト化サービス化が進展するなど、経済社会構造変化には著しいものがあります。  このような中で、民間活力が十分に発揮されるような経済環境整備を行うことがますます重要になっており、公正取引委員会といたしましては、公正かつ自由な競争維持促進により、我が国経済活性化効率化を図るべく、独占禁止政策の適正な運営に努めてまいったところであります。  特に昨年は、独占禁止法違反事件の迅速な審査に努めるとともに、広報活動や業界に対する指導等により予防行政推進いたしました。また、貿易摩擦問題に関係した各種実態調査を行い、その結果を広く内外説明したほか、下請取引を初めとする中小企業関係取引公正化に努めたところであります。  まず、独占禁止法運用状況について申し上げます。  昭和五十八年中に審査いたしました独占禁止法違反被疑事件は三百四十四件であり、同年中に審査を終了した事件は二百四十五件であります。このうち、法律の規定に基づき違反行為排除等を勧告いたしましたものは十二件、法的措置をとるには至りませんでしたが警告を行いましたものは百二十九件であります。また、昨年における課徴金納付命令事件は十五件であり、合計二百三十五名に対し、総額十七億九千百八十六万円の課徴金納付を命じました。  次に、届け出受理等に関する業務でありますが、合併及び営業譲り受け等につきましては、昭和五十八年中に、それぞれ一千五十七件、七百九件、合わせて一千七百六十六件の届け出があり、所要審査を行いました。  事業者団体につきましては、昭和五十八年中に成立届等千三百七十四件の届け出がありました。また、事業者団体活動に関する事前の相談に対しましては、適切に回答を行うよう努めるとともに、相談事例を取りまとめて公表することにより違反行為未然防止を図りました。  国際契約等につきましては、昭和五十八年中に四千二百六十三件の届け出があり、改良技術に関する制限競争品の取り扱いの制限等を含むものについてはこれを是正するよう指導いたしました。  独占的状態に対する措置に関する業務といたしましては、ガイドラインの別表掲載の十三業種について実態の把握及び関係企業動向の監視に努めました。  価格同調的引き上げに関する報告徴収業務につきましては、昨年中に価格引き上げ理由報告を徴収したものは、鋼材六品目、バター、溶接棒、ビール及びウイスキーの計十品目でありました。  次に、経済実態調査といたしましては、生産集中度調査企業集団調査等を行いました。また、流通分野においては、医療用医薬品腕時計等業種別実態調査に基づき、独占禁止法及び景品表示法上問題のある行為につきまして、所要改善指導を行いました。  さらに、近年、貿易摩擦問題の一環として、我が国市場が閉鎖的ないし排他的であるとの諸外国からの批判があることにかんがみ、輸入品流通実態輸入代理店総合商社事業活動実態等につきまして、独占禁止法観点から調査を行い、昭和五十八年四月、その結果を公表いたしました。  政府規制制度及び独占禁止法適用除外制度につきましては、我が国経済における民間活力を生かし、経済効率性を高める見地から、引き続きその見直しのための検討を行いました。  独占禁止法上の不況カルテルは、エチレン、石綿スレート及びセメントの三品目について認可いたしましたが、昭和五十八年末までに終了しております。なお、独占禁止法適用除外を受けている共同行為の数は、昭和五十八年末現在で四百六十八件となっておりますが、その大半は中小企業関係のものであります。  国際関係業務といたしましては、OECD等国際機関における会議に積極的に参加するとともに、アメリカEC等独占禁止当局との間で意見交換を行うなど、国際的な連携の強化に努めました。  次に、不当景品類及び不当表示防止法運用状況について申し上げます。  昭和五十八年中に同法違反の疑いで調査した事件は三千五百四十六件であり、このうち、排除命令を行いましたものは十二件、警告により是正させましたものは千二百八十二件であります。都道府県の行いました違反事件処理件数は、昭和五十八年一月から九月末までで四千九百四十三件となっており、今後とも都道府県との協力を一層推進してまいる所存であります。  また、同法第三条の規定に基づき、家庭用合成洗剤及び家庭用石けん業並びに不動産業における景品類提供制限する告示を制定いたしました。  事業者が自主的に規制するための公正競争規約につきましては、雑誌業における景品類提供制限に関する規約など十三件を認定し、昭和五十八年末現在における公正競争規約の総数は百十三件となっております。  以上簡単でございますが、業務概略につきまして御説明申し上げました。今後ともよろしく御指導のほどお願い申し上げます。(拍手
  8. 金子みつ

    金子委員長 次に、昭和五十九年度の物価対策関係経費概要について、赤羽物価局長から説明を聴取いたします。赤羽物価局長
  9. 赤羽隆夫

    赤羽(隆)政府委員 昭和五十九年度の物価対策関係経費予算関連公共料金等改定につきまして、お手元に配付いたしました資料に即して概要を御説明申し上げます。  まず、物価対策関係経費は、一般会計及び特別会計に計上されます経費のうち、物価安定に資することになる経費を取りまとめたものでございます。取りまとめに当たりましては、資料の一枚目、「昭和五十九年度物価対策関係経費」という表がございますが、この表にごらんいただきますように、七項目に分類して整理してございます。  昭和五十九年度の物価対策関係経費総額は、合計欄でごらんいただけますように四兆三千五百三十一億五千二百万円でございます。前年度予算額四兆四千三百六十二億九千五百万円に比べまして八百三十一億四千三百万円、一・九%の減少となっております。  次に、経費内容を、縦長の七枚つづりの資料によって順次御説明申し上げたいと思います。  項目の第一は、低生産性部門生産性向上対策でございます。  農林漁業中小企業などの低生産性部門において生産性向上し、供給力の増大を図ることは、物価の安定の面から極めて重要であると考えます。経費総額では一兆八千五百八億円となっております。  内訳としては、農林漁業対策の面で農林漁業者資本装備充実のための農林漁業金融費生産基盤整備するための経費などでございます。  また、中小企業対策関係では、二ページ目にございますように、中小企業金融費小規模事業対策推進経費などでございます。  三ページへ移りまして、第二の項目流通対策でございます。  流通機構合理化近代化を通じて流通コストの節減に資するための経費であります。その総額は四百十九億一千九百万円となっております。  具体的には、野菜価格安定対策経費卸売市場施設整備費などが計上されております。  第三の項目は、労働力流動化促進であります。  労働力の質を高め、流動化を図ることは物価安定に役立つ面があると考えます。このための経費として、総額三千六百四十四億五百万円が計上されております。  内容といたしましては、五ページでごらんいただきますように、雇用安定等事業などを実施するための経費であります。  第四の項目は、競争条件整備であります。  価格が公正かつ自由な競争を通じて適正に形成されますよう、市場競争条件整備するための経費を取りまとめたものでございます。その総額は二十八億三百万円であり、公正取引委員会経費がその大部分でございます。  第五の項目は、生活必需物資等安定的供給であります。  生活必需物資及び公共輸送等サービスの安定した供給確保に資する経費を取りまとめてございます。総額は一兆一千六百三十五億八千九百万円となっております。石油安定供給対策費日本国有鉄道関係助成費などが主たる項目でございます。  次に、六ページの第六の項目は、住宅及び地価の安定でございます。  住宅供給促進し、土地の有効利用を図り、住宅及び地価の安定に資することを目的とするものでございます。このための経費総額は九千二百六十八億八百万円となっております。公営住宅建設事業費住宅金融公庫補給金などがその内容でございます。  最後の七ページへ移りまして、第七項目、その他の経費には、総額として二十八億二千八百万円が計上されております。国民生活安定対策等経済政策推進費などでございます。  以上、昭和五十九年度の物価対策関係経費概要を御説明申し上げました。  続いて、昭和五十九年度予算に関連した公共料金等改定につき、お手元資料に沿って御説明申し上げます。  まず、米価につきましては、なお売買逆ざやが存在すること等の事情を考慮し、本年二月十五日から平均三・七六%の改定を実施しております。  医療費につきましては、三月一日から医療費ベース診療報酬を二・八%引き上げると同時に、薬価基準を五・一先引き下げることといたしております。この結果、医療費全体としては二・三%の減少と、昨年に引き続く引き下げを予定しております。  また、医療保険制度につきましては、本格的な高齢化社会に備え、安定した制度基盤をつくるため、被用者保険本人給付割合改定退職者医療制度創設等改革を七月一日から実施することとしております。  国立学校授業料につきましては、国立、私立間の格差の現状等を勘案し、五十九年度入学生から、国立大学学部で現行の二十一万六千円を二十五万二千円にする等の改定を予定しております。  国鉄運賃につきましては、合理化等経費削減努力を続けてまいりましたが、なお、多額の損失が避け得ない財政状況にありますことから、四月二十日から地域別運賃制度等の導入を図りながら旅客平均で八・二%の改定を予定しております。  電話料金につきましては、これまで遠距離料金中心引き下げを図ってまいりましたことから、この夏には、六十キロメートルを超え三百二十キロメートルまでの中距離料金を、三%ないし二九%程度引き下げを予定しております。  以上、これら予算関連公共料金等改定による五十九年度消費者物価指数への影響は〇・三%程度になるものと試算しております。  今後とも、公共料金改定に当たっては経営の徹底した合理化前提とし、物価国民生活への影響を十分考慮しながら厳正に取り扱ってまいりたいと考えております。  よろしくお願いいたします。
  10. 金子みつ

    金子委員長 では次に、昭和五十九年度の消費者行政関係経費概要について、及川国民生活局長から説明を聴取いたします。及川国民生活局長
  11. 及川昭伍

    及川政府委員 昭和五十九年度の消費者行政関係経費について、お手元の表に沿いまして簡単に御説明申し上げたいと存じます。  この表は、昭和五十九年度の予算案から、各省庁消費者行政に係るものを一括して整理したものであります。消費者行政関係経費を十二の項目に整理しておりますが、これはおおむね消費者保護基本法の体系によったものであります。  十二の項目のうち、項目一の危害防止から項目六の契約適正化までの項目は、主として事業者に対する規制監督等内容とする項目であり、項目七の消費者啓発以下の諸項目は、消費者に対する援助を内容とするものであります。  まず、項目一の危害防止でございますが、消費者の生命、身体に係る危害防止し、安全を確保することは、消費者保護基本的課題であります。このため、医薬品家庭用品等品目の特性に応じて、きめ細かい施策を講じているところであります。本項目総額は三十四億四千五百万円で、消費者行政関係経費の約三〇%を占めております。前年度と比べますと、七億三千万円の減少となっておりますが、これは主として自動車のテスト施設完成等によるものでございます。  項目二の計量適正化から項目六の契約適正化までは、いずれも消費者の合理的かつ適切な選択等確保する上で欠くことのできない経費であります。  二の計量適正化は、適正な計量の実施及び普及のための経費であり、三の規格の適正化は、JAS及びJIS制度運用住宅質的向上目的とした新住宅開発推進等のための経費であります。  また、四の表示適正化につきましては、不当表示取り締まり家庭用品品質表示適正化等に要する経費がその内容となっております。  さらに、五の公正自由な競争確保には独占禁止法施行費等が、六の契約適正化には割賦販売訪問販売等適正化を図るための経費、悪質な貸金業者不動産業者取り締まりを行うための経費などがそれぞれ計上されております。  次に、項目七の消費者啓発から項目十一の消費者組織育成までは、消費者利益擁護及び増進消費者サイドから確保する上で重要な経費であります。  七の消費者啓発は、各種情報提供講演会の開催などによりまして、消費者が自主的かつ合理的に行動できるよう消費者を育成するための経費であり、八の意見の反映は、モニター制度消費者懇談会等を通じまして、消費者意見を迅速かつ的確にくみ上げ、消費者志向を一層推進するための経費であります。  また、九の試験検査施設整備等では、商品テストを効果的に行うための経費が計上されており、十の苦情処理体制整備では、各省庁消費者相談窓口等における苦情の受け付け及び処理等に要する経費がそれぞれ計上されております。  さらに、十一の消費者組織育成のための経費につきましては、消費生活協同組合への貸し付けや、消費者と産地を直結する事業に対する助成などを内容としております。  なお、七の消費者啓発項目が大幅にふえておりますが、補助金等の統合により、前年度と比べて三億三千七百万円の増となっておるものでありまして、以上に述べた五項目合計は二十八億四千九百万円と、前年度に比べて二億九千万円増加となっております。  最後に、項目十二でございますが、この項目のうち、まず国民生活センターにつきましては、教育研修情報提供苦情相談商品テストなどの事業を行うための経費として十九億五千七百万円が計上されております。前年度と比べますと、七千四百万円の減少となっておりますが、これは交付金削減のほか、商品テスト研修施設建設整備が一応完了したことなどによるものでございます。  次に、全国に広く設置されております地方の消費生活センターの活動を補助するための経費など、地方消費者行政推進のための経費として、前年度と同様二億六千五百万円を計上いたしております。  項目十二にはこのほか、消費者行政の基礎となる研究だとか、生活関係事犯の取り締まり経費などが計上されております。  以上が各項目概要でございます。これら各項目経費合計いたしますと、最下欄にありますように百九億八千万円となります。前年度の百十六億八千八百万円と比べますと、各種施設の整備の終了等の影響によりまして七億九百万円の減少となっております。  なお、これを省庁別に集計いたしましたのが二枚目の二の表でございます。  以上、昭和五十九年度の消費者行政関係経費概要を御説明申し上げました。何とぞよろしくお願い申し上げます。
  12. 金子みつ

    金子委員長 以上で説明は終わりました。  次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。