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田中(恒)
委員 関谷さん、あなたは新しく担当になられたので、これは初めて手かける相当大きな問題だと思うのですね,私は、確かに難しい面はわからぬこともありません。それはガット上の規定もあろうし、いろいろありましょう。
日米間の交渉、最近の
アメリカの出方というのは、
日本の
国内的な施策にまでこういう問題になっていくといろいろ口を出していくという傾向があるのですけれ
ども、しかしやはり
国内の産業、
国内の農林漁業をどうしていくかというところが
中心になりますと、これを何か歯どめをかけないと――そうはいっても、それは十年か十五年先のことなら、私
ども努力するわけですからいきますよ。しかし今の段階では、残念ながら
政策的に最大限の
国内の保護
政策というものをとらないと進まないと思う。その
考え方は、私は農産物の
自由化交渉の中でも一貫して国論として実はあったと思うのですね。ですから、遠慮なく大胆に
事業団構想だって、私
ども社会党も実はこの
事業団構想というのは大分前から持っておったわけです。最近ちょっとおとなしゅうなっておりますけれ
ども、私は十分に
検討していただきたいと思います。そして、最大限強力な
一元化の
体制をこの際明確につくっていただくことを御
要望しておきたいと思います。
それから
需給調整の機能をどういうふうに強めていくかということが、ある
意味ではこの
制度改正の流れとしては大きなものだと思うのですが、その問題で少し心配しておりますのは、特に
果実のジュース化という問題を私
どももこの
委員会などで大分やかましく言った記憶がございます。
政府の方も大変力を入れて、いわゆる生果の消費からジュースで年間消費を
拡大して消費量を広げていこうということで、ジュースの施設化というのは相当進んできたと思うのです。ところが、このジュースの加工場というか、加工施設というものが今日ある
意味では非常に困っておるというか、経営的に採算的に非常に行き詰まってきておる、そんなふうに、私は、自分の地域の周辺の幾つかの
調査をしてみると、考えさせられるわけであります。
それから
政府が補助をして、
政府のバックアップでやったのもありますが、民間もたくさんな、クリとか落葉
果樹も含めた中小の加工場があります。こういうものも非常に弱って、倒産が続出をしております。
そしてまた心配しなければいけないのは、こういう経営
状況の中から、いわゆる安い原料の供給への期待が高まってきておる。ある
意味では、外国の安いものを入れてしまえ、こういう形の懸念すら実はみなぎっておるわけであります。それをやらなければやっていけぬ、こういう
状況になっておるわけです。そういう
意味で、加工の問題について改めて
見直していかなければいけない時期に今日直面しておるのではないか、私はこういうふうに思っておるわけであります。
少なくとも
農林水産省が指導をし、設置をしてきた今日の加工施設の経営的な行き詰まり、あるいは
農家から見れば、ともかくミカンに例をとれば、キロ百円から、幾ら少なくても八、九十円いくのですね、これではやれぬということになっておるわけですけれ
ども。ところが加工へ回したら、これは二十四、五円から三十円まで、こういうことでありますから、これも実はそんなにこの問題でというような気になってない。しかし、全体的には加工でミカンの消費をふやしたという面は、私は大きな
視点では相当な影響を持ってきたと思うのです。しかし現実に、どうも加工の施設配置なりあるいは加工場の
内容整備なりについて改めて再
検討をしていかなければいけない時期に直面しておるように思いますが、これらについてはどういうふうなお考えで臨まれようとしておりますか。