○石川(弘)
政府委員 実は、牛肉に関します交渉は、日米におけるハイクォリティービーフの問題は全体の一部でございまして、全体とすれば、
先生も御
指摘のように日豪の交渉を待って全体のことになるわけでございます。
ああいう結果のもとでいろいろ出ておりますことを申し上げますと、
一つは、牛肉の価格につきましては、我々が申し上げております、和牛についてはほぼ上位価格の水準、それから乳雄については
中心価格水準という傾向は変わっておりません。ただ、三月から四月にかけてはいろいろと値動きのするときでございますけれ
ども、日によって高かったり安かったりということはございますが、全体としては今まで申し上げましたような水準で経過いたしております。したがいまして、特に心配すべき状況でもございませんし、特段
事業団の操作を何か変えるというような必要も今はないと思っております。
それからもう
一つ、子牛の価格の問題でございますが、実は毎度申し上げておりますように、比較的
影響が強いはずでございますけれ
ども、乳雄の価格はここしばらくほぼ十四万から十五万という水準で動いておりまして、目立った動きはございません。これはやはり乳雄が出てきます酪農の規模が大きいとか、あるいは買います乳雄の肥育の方々も相当規模が大きいというようなこともございまして、何と申しますか、余り心情的な
意味で動くということはないように思っております。
ただ、大変残念でございますが、和牛の子牛につきましては、かねがね申しておりましたような比較的低位の水準で来たわけでございまして、私
どもとすればいろいろな制度的な支えもしておりますので、こういうときにおいても余り敏感に動かないようにということを願っておったわけでございますが、四月に入りましてからの市場の経過を見ますと、比較的値を下げてきておりますのが中国あるいは近畿のあたり。それから、かつて低い水準をもう通り越しておると申しますか、逆に若干上がったというふうなことも含めまして、九州の方は比較的安定的な水準。その他の
地域でも二、三の例はございますが、特に目立っておりますのが中国地方における子牛価格がかなり大きく低落したということでございます。
私
ども出荷の頭数を見ましたり、あるいは系統が買っているのか、商人系が買っているのか、いろいろ個別の事情も調べておりまして、地区地区にはそれなりの
理由があるようでございますが、その背後にあります経営の
条件その他を見ますと、そんなに大きく変動させなければならないような要因はないように思っております。これは毎度申し上げておりますように、子牛につきましては安定基金制度を昨年以来
法律の制度にしておりますから、下がりました場合に九割について補てんができますことはもちろんでございますし、そのほか、ことしの価格を決定いたしました段階でも三十万円を割りました場合には一万円の生産奨励をつけるということ、それから増頭をなさった方から産まれてくる牛につきましては二万円の奨励
措置をつけるというようなことをやっておりますので、
農家の手取り自身は決して下がることはないと思っております。
しかし、どうも心理的なものが響き過ぎますといわば子牛生産が減退をする。減退をするということは結果的に国内生産を縮めることでございまして、結果として輸入量がふえざるを得ないという悪循環をするわけでございますので、私
ども三月の価格決定の際に、特に雌牛が下がって繁殖経営の拡充に対していろいろ悪
影響が出ないようにということで、雌牛の資源確保のための特別の
対策として約十億円のお金も積んでいるわけでございます。このような金を使いまして、生産者に不安がないようにということを今団体も含めて鋭意進めているところでございます。私
どもの見るところによりますれば、そんなに大きく変動しなければいかぬ要因はないわけでございますので、これらの施策を
地域地域に
徹底させることによって価格を早期に安定させたいと思っております。