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1984-07-26 第101回国会 衆議院 内閣委員会 第22号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和五十九年七月二十六日(木曜日)     午前十時開議 出席委員   委員長 片岡 清一君    理事 池田 行彦君 理事 戸塚 進也君    理事 宮下 創平君 理事 小川 仁一君    理事 市川 雄一君 理事 和田 一仁君       石原健太郎君    大島 理森君       奥田 幹生君    鍵田忠三郎君       塩川正十郎君    二階 俊博君       角屋堅次郎君    関  晴正君       元信  尭君    鈴切 康雄君       田中 慶秋君    柴田 睦夫君       三浦  久君  出席政府委員         防衛庁教育訓練         局長      大高 時男君         防衛庁装備局長 山田 勝久君         防衛施設庁施設         部長      千秋  健君         外務大臣官房審         議官      山下新太郎君  委員外出席者         防衛庁経理局会         計課長     田中  寿君         防衛庁経理局監         査課長     渡邉 正身君         大蔵省主計局主         計官      西村 吉正君         内閣委員会調査         室長      石川 健一君     ————————————— 委員の異動 七月二十六日  辞任         補欠選任   嶋崎  譲君     関  晴正君 同日 辞任          補欠選任   関  晴正君     嶋崎  譲君     ————————————— 七月十三日  戦後ソ連強制抑留者補償に関する請願(北口  博君紹介)(第七七三五号)  臨時教育審議会設置法制定反対に関する請願  (木間章紹介)(第七七三六号)  同(城地豊司紹介)(第七七三七号)  同(山口鶴男紹介)(第七七三八号)  同(小澤克介紹介)(第七八二九号)  同(木島喜兵衞紹介)(第七八三〇号)  同(浜西鉄雄紹介)(第七八三一号)  同(松前仰君紹介)(第七八三二号)  元従軍看護婦処遇に関する請願江田五月君  紹介)(第七八二八号)  臨時教育審議会設置法制定反対等に関する請  願(江田五月紹介)(第七八三三号) 同月十七日  人事院勧告実施分回復等に関する請願(田  中美智子紹介)(第七八七五号)  傷病恩給等改善に関する請願外一件(加藤紘  一君紹介)(第七八七六号)  臨時教育審議会設置法制定反対に関する請願  (池端清一紹介)(第七八七七号)  同(上田卓三紹介)(第七八七八号)  同(上田哲紹介)(第七八七九号)  同(加藤万吉紹介)(第七八八〇号)  同(関山信之紹介)(第七八八一号)  同(辻一彦紹介)(第七八八二号)  同(野口幸一紹介)(第七八八三号)  同外一件(細谷昭雄紹介)(第七八八四号)  同(矢山有作紹介)(第七八八五号) 同月十九日  元日赤救護看護婦に対する慰労給付金に関する  請願三浦久紹介)(第七九九二号)  臨時教育審議会設置法制定反対に関する請願外  四件(天野等紹介)(第七九九三号)  同(網岡雄紹介)(第七九九四号)  同(伊藤茂紹介)(第七九九五号)  同外四件(小川仁一紹介)(第七九九六号)  同外一件(小沢和秋紹介)(第七九九七号)  同外一件(大出俊紹介)(第七九九八号)  同(奥野一雄紹介)(第七九九九号)  同外三件(木島喜兵衞紹介)(第八〇〇〇号  )  同(木間章紹介)(第八〇〇一号)  同(小林恒人紹介)(第八〇〇二号)  同(左近正男紹介)(第八〇〇三号)  同(佐藤観樹紹介)(第八〇〇四号)  同外一件(嶋崎譲紹介)(第八〇〇五号)  同(田中克彦紹介)(第八〇〇六号)  同外二件(田邊誠紹介)(第八〇〇七号)  同(辻一彦紹介)(第八〇〇八号)  同外五件(馬場昇紹介)(第八〇〇九号)  同(広瀬秀吉紹介)(第八〇一〇号)  同(松浦利尚君紹介)(第八〇一一号)  同外一件(松前仰君紹介)(第八〇一二号)  同(水田稔紹介)(第八〇一三号)  同(安田修三紹介)(第八〇一四号)  同(横山利秋紹介)(第八〇一五号) 同月二十日  米空母艦載機下総基地使用反対に関する請願  (森田景一君紹介)(第八二八二号)  臨時教育審議会設置法制定反対に関する請願  (伊藤忠治紹介)(第八二八三号)  同(上原康助紹介)(第八二八四号)  同(小川省吾紹介)(第八二八五号)  同外一件(小川仁一紹介)(第八二八六号)  同(木島喜兵衞紹介)(第八二八七号)  同外三件(佐藤誼紹介)(第八二八八号)  同(島田琢郎紹介)(第八二八九号)  同(鈴木強紹介)(第八二九〇号)  同(富塚三夫紹介)(第八二九一号)  同(山口鶴男紹介)(第八二九二号)  同(横江金夫紹介)(第八二九三号)  同外二件(木島喜兵衞紹介)(第八三七九号  )  旧軍人恩給改定等に関する請願上原康助君紹  介)(第八三七七号)  元従軍看護婦処遇に関する請願宮下創平君  紹介)(第八三七八号)  外国残留日本人並びに帰国者に対する特別措置  法制定に関する請願串原義直紹介)(第八  三八〇号) 同月二十三日  恩給等改善に関する請願佐藤徳雄紹介)(  第八四十三号)  旧軍人恩給改定等に関する請願嶋崎譲紹介  )(第八四一四号)  同(鈴切康雄紹介)(第八四一五号)  同(二階俊博紹介)(第八四一六号)  同(渡部行雄紹介)(第八四一七号)  臨時教育審議会設置法制定反対に関する請願  (岩垂寿喜男紹介)(第八四一八号)  同外二件(角屋堅次郎紹介)(第八四一九号  )  同(上坂昇紹介)(第八四二〇号)  同(佐藤徳雄紹介)(第八四二一号)  同(清水勇紹介)(第八四二二号)  同(新村源雄紹介)(第八四二三号)  同(鈴木強紹介)(第八四二四号)  同(津川武一紹介)(第八四二五号)  同(藤木洋子紹介)(第八四二六号)  同(藤田スミ紹介)(第八四二七号)  同(三浦久紹介)(第八四二八号)  同外一件(元信堯君紹介)(第八四二九号)  同(八木昇紹介)(第八四三〇号)  同外一件(山原健二郎紹介)(第八四三一号  )  米空母艦載機下総基地使用反対に関する請願  (菅直人紹介)(第八四三二号)  同(柴田睦夫紹介)(第八四三三号) 同月二十四日  靖国神社公式参拝に関する請願畑英次郎君紹  介)(第八六四八号)  重度重複戦傷病者に対する恩給の不均衡是正に  関する請願嶋崎譲紹介)(第八六四九号)  同(山田英介紹介)(第八七四一号)  臨時教育審議会設置法制定反対に関する請願  (兒見玉末男紹介)(第八六五〇号)  同(佐藤誼紹介)(第八六五一号)  同(和田貞夫紹介)(第八六五二号)  旧軍人恩給改定等に関する請願外一件(山田英  介君紹介)(第八七三八号)  元日赤救護看護婦に対する慰労給付金に関する  請願山田英介紹介)(第八七三九号)  元従軍看護婦処遇に関する請願山田英介君  紹介)(第八七四〇号) 同月二十六日  傷病恩給等改善に関する請願鹿野道彦君紹  介)(第八七九六号)  靖国神社公式参拝に関する請願畑英次郎君紹  介)(第八七九七号)  同(畑英次郎紹介)(第八八三四号)  同(畑英次郎紹介)(第八九三九号)  外国残留日本人並びに帰国者に対する特別措置  法制定に関する請願江田五月紹介)(第八  八九九号) は本委員会に付託された。     ————————————— 本日の会議に付した案件  行政機構並びにその運営に関する件      ————◇—————
  2. 片岡清一

    片岡委員長 これより会議を開きます。  行政機構並びにその運営に関する件、特に防衛庁に関する問題について調査を進めます。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。小川仁一君。
  3. 小川仁一

    小川(仁)委員 非常にお忙しい時期に時間をとっていただいてありがとうございます。委員皆さんにも防衛庁皆さんにもお礼を申し上げながら、私の質問に入らせていただきます。  さて、昨年の四月二十七日、自衛隊一本木駐屯地演習場から火災が出たわけでございます。これは防衛庁も御承知思います。  ところが、「日本の防衛」という本を見てみますと、百十一ページの下から五行目からですが、「また、自衛隊は、本年四月二十七日の午後、フェーン現象により東北地方を中心に同時多発した山林火災に対して消火活動を行った。特に、ヘリコプターによる空中からの消火活動は、地上からの接近が困難であり、飛び火により焼損面積が拡大した今回のような大規模な山林火災消火に対し多大の効果を発揮した。」こう書いておられます。     〔委員長退席池田(行)委員長代理着席〕  私は、この事実は確かにあったと思いますし、ヘリコプター消火能力もあったことを認めますが、肝心のことが書いてない。この日、岩手県で起きたフェーン現象による大山林火災の中で、自衛隊演習場から出火してそれが民有林町有林に多大の被害を与えたということは一言も書いてない。この防衛白書を見ると、あなた方がすばらしい活動をしたということは書いてあるが、あなた方自身が火を出して住民に迷惑をかけたと書いてないのはどういう理由ですか。私は、岩手県民として非常に腹立たしい思いをして防衛白書を読んだのです。そして防衛白書というのは、こんなふうに、自分都合の悪いところは覆い隠して都合のいいところだけを宣伝しているような、インチキ性と言ったらやや言い方がきついかもしれませんが、自己PR用だけ、そういう印象を受けて、憤りさえ感じているのです。  この記述と具体的事実との関係で、防衛庁のお考えをお聞きしたい。
  4. 渡邉正身

    渡邉説明員 お答えいたします。  昨年の四月二十七日でございますか、岩手県の岩手山演習場からの野火で、特殊なフェーン現象下でありましたけれども周辺市町村、特に西根町でございますが、地元に御迷惑をおかけしたということは事実でございます。
  5. 小川仁一

    小川(仁)委員 事実なら防衛白書にお書きなさいよ。私は、消火活動をあなた方がおやりになったということは否定しないのです。むしろよくおやりになったと思っている。しかし、その大森林火災の中の一つは、自衛隊演習場から出火したということも事実のはずであります。それを全く抜きにしてこういうものをつくるという考え方自身、十二分に反省をしてもらわなければ、今後、防衛庁のいわゆる白書と称されるものの信憑性にもかかわるんじゃないか。  きょうはこれをおつくりになった方においでを願わなかったので、これ以上申し上げても御答弁に大変お困りだと思いますので、白書に対するこれ以上の追及は行いませんが、今後は、今言ったような私たち観点、いわゆる国民の側からの、自衛隊によって被害をもたらされた立場からの観点防衛白書にそういう点はやはり正直に書くべきであるということを申し上げて、これを担当の人並びに大臣に正確にお伝えを願いたい。そして、私の部屋で結構ですから、もしそういうことに対する今後のお考えがあったらお知らせを願いたいと思います。  白書問題は以上で終わります。  続いて、自衛隊演習場からの出火はおわかりでございますが、民間自治体に与えた損害を一体幾らと把握しておられますか。
  6. 渡邉正身

    渡邉説明員 お答えいたします。  岩手山演習場火災による被害でございますが、これは全体の調査というのは、盛岡消防署調査によれば約四億三千万というように承知しております。
  7. 小川仁一

    小川(仁)委員 この場合、損害自治体民間で、民間には五〇%の補償をしておられると言いますが、そのとおりでございますか。  そして、民間に仮に五〇%補償ということになりますと、その根拠は何でございますか。
  8. 渡邉正身

    渡邉説明員 お答えいたします。  民間の方々には、昨年見舞い金支給いたしましたが、結果的には五〇%程度というような額になるわけでございます。  この根拠でございますけれども見舞い金といいますのは損害賠償と違いまして、明確な支払い基準というようなものがあるわけではございませんで、いろいろ御迷惑をおかけしたというようなことから、お見舞いするという意味見舞い金支給するということでございまして、そういう意味では、何が幾らというような積算とか支払い基準というものが明確にあるわけではございません。
  9. 小川仁一

    小川(仁)委員 おわかりと思いますが、岩手県警消防署の資料その他について調査をして、既に書類送検をしております。森林法二百三条と刑法の百十七条ノ二、失火罪によって計画立案者火入れをした部隊長検察庁書類送検をした。そして、なお検察庁が現在補充調査中ということはおわかりでございますね。
  10. 渡邉正身

    渡邉説明員 その件については承知しております。
  11. 小川仁一

    小川(仁)委員 今、この失火に対する法的責任追及はこれ一つでございます。皆さんの方では、御迷惑をおかけしたがいわゆる損害賠償には当たらないと言っておりますが、自衛隊の方では、それではこの火事が何によって引き起こされたというふうに認識をして見舞い金にしておられるのか、出火原因というのを自衛隊はどのように認識しておられるか、御答弁願いたいと思います。
  12. 渡邉正身

    渡邉説明員 お答えいたします。  本件火災に関しまして、警察により業務失火罪等適用されて、隊員二名が同容疑で書類送検されたということは事実でございまして、まことに遺憾なわけでございますけれども警察の発表においても、重大な過失があったと判断しているものではないというふうに私どもは受けとめております。  本件失火による被害に対して、国にもいわゆる失火責任法という法律の適用がございまして、損害賠償責任は生じないというふうに考えているわけです。  ただ、法律的にはそう考えておりましても、現実にいろいろ御迷惑をおかけしたということはこれまた事実でございますので、そういう意味においてお見舞い金支給いたしたい、こういうことでございます。
  13. 小川仁一

    小川(仁)委員 私の聞いているのはお見舞い金じゃなくて、何から火が起こったかで、何から火事が起こったかという山林火災原因について皆さんの方ではどう考えておられるのか、こう聞いているのです。
  14. 渡邉正身

    渡邉説明員 お答えします。  警察調査によりますれば、業務失火罪あるいは森林法違反というようなことになっておりますので、その辺は防衛庁としても謙虚に受けとめたいというふうに考えています。
  15. 小川仁一

    小川(仁)委員 自衛隊演習場から火が出て火事が起こったという事実はお認めになりますね。
  16. 渡邉正身

    渡邉説明員 今までの警察調査等でもそのように一なっております。
  17. 小川仁一

    小川(仁)委員 私は、警察調査を聞いているのじゃないですよ。あなた方の方でどう認識しておるかということを聞いているのだ。主体の問題を聞いているのですよ。警察の方のことは、私がさっき申し上げましたとおり森林法刑法書類送検している、こっちの調査はわかっている。自分演習場から火が出てあれだけ大きな山林火災になったというときに、自衛隊自身がどう認識しているかという、自衛隊の問題として聞いておる。警察の問題を聞いているのじゃないのですよ。
  18. 渡邉正身

    渡邉説明員 お答えいたします。  自衛隊演習場から出火したということは事実でございます。ただ、その場面においてフェーン現象その他の特殊条件があったということもこれまた事実でございますが、そのような事実でございます。
  19. 小川仁一

    小川(仁)委員 そういうふうな態度だから見舞い金でごまかしているのだろうと思いますが、あの広い演習場演習場なんというのはとても一般の民間人、入れる場所ではありませんよ。しかも前の日、野焼きをしておられますよ、皆さんの方は。消したか消さないかという問題は、私は見ていませんから言いません。しかし翌日の午後、火入れをした地帯から発火をして大きな火事になったという事実は認めますね。
  20. 渡邉正身

    渡邉説明員 いろいろその後の消火その他はしたわけでございますけれども演習場から出火したということは事実かと思います。
  21. 小川仁一

    小川(仁)委員 どうも言い方、素直じゃないな。  それでは違った角度から聞きますけれども、あの場所に他の状態で火が出るという条件がありましたか。自衛隊火入れ以外の事態で、他の条件で発火するという原因があったというふうに自衛隊は御認識ですか、どうですか。
  22. 渡邉正身

    渡邉説明員 他のところに火があったということはちょっと承知しておりません。
  23. 小川仁一

    小川(仁)委員 そうすると、絞ってくれば、自衛隊火入れ残り火ということしか推定にかたくありませんね、私は推定という言葉を使っていますから。
  24. 渡邉正身

    渡邉説明員 お答えします。  そのとおりかと思います。
  25. 小川仁一

    小川(仁)委員 ここまで来るのに随分時間がかかりましたね。  それでは、それ以外に火がない、それ以外に外部から火を出すような原因がない。フェーン現象とおっしゃったが、フェーン現象というのはみずから火事を出さない、おわかりのとおり。そうすると、自衛隊の前日の火入れ野焼きですか、これの残り火から出たという推定しかない。こういうこともお認めになった。岩手県の県民もみんなそう思っていますよ、山を知っていますからね。山に火入れをしたら、その火がどんなふうに残るかというようなことなどは、私らみたいな山国に育った人間は全部わかっています。あなたの推定によって、そう言ってもなおかつ見舞い金しか出せない。自衛隊というものは、自分たちのところから火が出たという推定で、大被害を与えても、その責任は余りお感じになっていない、こういうふうに認識してよろしゅうございますか。
  26. 渡邉正身

    渡邉説明員 先ほどお答えしたことの若干繰り返しになって恐縮でございますが、本件失火による被害に対しましては、失火責任法適用があるということから、損害賠償責任は生じないというふうに考えております。  ただ、先ほども申し上げましたように、そうはいっても現実に御迷惑をおかけしたということはこれまた事実でございますので、そういう観点からお見舞い金をと、こういうことでございます。
  27. 小川仁一

    小川(仁)委員 どうして自分火事を出しておいて損害賠償責任が生じないの。
  28. 渡邉正身

    渡邉説明員 失火責任法によりますと重過失ということになっております。防衛庁の場合には、あの火入れにつきましては、防火帯を設けたとか、あるいはブロックごとに分けて火入れをしたとか、さらには翌日の朝七時ごろまで残り火監視隊を残していろいろ調査したとか、そういうようなことでできるだけのことはやったわけでございますけれども、天候の特殊な状況下におきまして残念ながらああいうような火が出たということでございますので、重過失はそこではないというふうに我々は考えているわけでございます。
  29. 小川仁一

    小川(仁)委員 そうしますと、失火の事実は認めるけれども重過失ではない、よって損害賠償はいたさなくてもよい、こういう筋道ですか、今のものを整理すると。
  30. 渡邉正身

    渡邉説明員 大体そういうことになろうかと思います。
  31. 小川仁一

    小川(仁)委員 自衛隊は、国民財産や何かを守るために存在するのじゃないですか。重過失でなくても自分たち失火で、さっきの調査だと四億三千万、そんな多大の損害を与えておいて、おれたち重過失じゃないから見舞い金でいいのだ、しかも五〇%。しかも西根町に対しては八千百万の町有財産損害に対してわずか四百万の見舞い金ですね。それであなた方の今後の自衛隊としての存在意義を含めた国民に対する責任が果たせるとお思いですか。
  32. 渡邉正身

    渡邉説明員 お答えいたします。  損害額につきましてはいろいろの数字地元の方から出ておりますけれども見舞い金というものは損害賠償とは異なるものでありますので、必ずしも損害額との対比において論ずべきものではないというふうに考えております。  今回の見舞い金につきましては、西根町長さんの御要望とか町議会の要請というものも踏まえ、また地方公共団体であるというような性格、そういうようなものを総合的に勘案した上で決定したものでございますので、どうか御理解をいただきたいと思います。
  33. 小川仁一

    小川(仁)委員 私も友達とかいろいろな人が何かあったときに見舞いを出しますが、私の方が失火した責任で、それは重過失でないにしても損害を与えたとき、お見舞いという場合には金額幾らかの違いはあるでしょう。それは西根町の町有林七千五百万という推定もあります。これは安い方です。高い方が八千百万。これだけ損害を与えておいて見舞いとして四百万というのは、あなたの日常生活を含めた感覚の中でどうお考えになりますか。常識的じゃないのじゃないですか。
  34. 渡邉正身

    渡邉説明員 被害額につきましては、先生もおっしゃいましたようにいろいろな数字が出てますし、また五千数百万円の補てんがあったというようなことも聞いております。  いずれにいたしましても、防衛庁といたしましては、それらを総合的に勘案してこの金額にしたわけでございますけれども町長さんの方も町議会で、この金額で受け入れたいというようなことを再三表明しているというふうに聞いておりますので、願わくは早期に解決をしたいというふうに考えております。
  35. 小川仁一

    小川(仁)委員 町長新聞記者に対して、また特別委員会の最初に、これは町の議事録に残っておりますが、「「民間被害額に対して半額を支給したのだから、町有林被害についても、半額程度救済措置をとってほしい」と、期待していた。ところが、自衛隊防衛庁側は「公的機関に対して被害補償をする法的根拠がない」として、補償を拒否」した、こういう言い方をし、さらにここの中で、いわゆる見舞い金方式で出してきた四百万だ、こう言っている。今あなたも御承知思いますけれども町議会は、町長の四百万、自衛隊と約束してきたことを拒否しているのです。受け取るなと言っている。  さらに言いますけれども消防の出動、そういうものを含めた村の経費は、一部陳情経費もありますが、六百三十万の経費が支出されているのです。とすれば、普通の常識でいったら、自衛隊火災に出動した消防経費からいろいろなものを含めた六百三十万ですか、六百七十万だったかもしれませんが、その経費分ぐらいは見舞いとして出すのが常識じゃないですか。そうじゃないと町長議会の間がおさまらないのです。  さらに言いますけれども町長は、自衛隊は絶対出さないからこれ以上やってもだめだ、これ以上押すと防衛施設庁の方に今度はお願いしていた分を削られる、こう言っている。施設庁を呼んで聞いてみましたら、そういうことはありません、これは周辺整備で必要な部分をやっているので、火事の見返りということではありません、こういうことですが、一方、脅迫みたいなことをしているらしいという印象を受けるのです。だから村民が非常に憤慨しているのです。なぜ経費分だけ実費補償できないのか。
  36. 渡邉正身

    渡邉説明員 お答えいたします。  演習場に係る町有林の被災につきましては隊力による支援、これは約三千五百人を投入したわけでございますが、さらには今申し上げております見舞い金支給、さらには周辺対策事業、そういう総合的な観点から判断をして対応しているところでありまして、このことについては西根町長も御了解をいただいているものというふうに考えております。そこで、西根町長は、見舞い金を受け入れることで現在議会の同意を得て円満な決着を図るべく努力しているというふうに承知しております。ただ、私どもとしては、町議会に対する町長発言内容につきましてどうこうと申し上げる立場にはございません。  それから、町からさらに費用として六百二十万という金額が上がってきておりますが、やはり見舞い金支給という観点から総合的に考えて今の金額を提示した、こういうことでございます。
  37. 小川仁一

    小川(仁)委員 私には、総合的見地というのがよくわからないのだな。総合的と言うと何かひどく科学的なような印象がありますけれども、結局つかみ金だよ。それから、三千人の隊員を使ったと言うけれども火事を起こした後の植林に使ったので、こんなのは当たり前の話だ。人のうちの山林を焼いたら、せめて植林に人を出してやるのが常識なんだ。それでも足りないくらいだ。保険金は村の金で掛けているのですから、保険が入ったからわずかで済むということにならぬでしょう。人間というのはかなり一般的常識がありますから、岩手県の県民は絶対納得しない。納得しないでどういう声が出ているかというと、警察、徹底してやれやれ、この機会に自衛隊を、こういう勢いに今変わってきている、あなた方が四百万で値切ったために。せめて一千万ぐらい出してごらんなさいよ、雰囲気が変わる。こういうやり方自体がいろいろな意味防衛庁自衛隊に対する国民の反感を招いているという事実は、はっきりしておいてください。私も、後から質問する日米合同演習を含めて、あなた方がこういう態度を変えない限りは自衛隊の無責任性を追及する材料として使わせてもらうということをここで明言しておきます。同時に、議会町長の言っていることを絶対受け入れてない。あなた方は、町長が納得したと言う。町長は、自衛隊がこれ以上出さないからやむを得ないと言う。ここに非常に食い違いがある。それで、議会が全員協議会で反対している。火事が起きてから一年超えていますよ。こういう状態というのは、どう考えても正常な状態ではないと私は思います。  きょうは時間がありませんからこれ以上の質問はやめますが、大臣に伝えておいてください。要望しておきます。これだけの損害を出しておいて四百万の見舞い金で済むという常識が、果たして国民の間に通用するだろうかどうか。同時に、自衛隊責任で最低かかった経費、あなたの方では六百二十万とおっしゃった、その分だけはお出しなさい。私が言っているのは損害賠償じゃない、経費です。これだけは出しなさい。それが自衛隊責任だ、こういうふうにお伝え願いたいと思います。  時間の関係で、以上でその問題に対する質疑を終わらせていただきます。  続いて、日米合同演習の問題について質問いたします。  防衛庁に私の方から質問をいたしましたら、こういう紙が返ってきた。回答書ですが、よく見たら、五項質問したのに、一項は「検討中である。」二項の「第九軍団の所在地、性格、任務」これは答えてきましたが、三項についても「検討中である。」四項は何だかわけのわからないことを書いているし、五項についても「検討中である。」五つの質問のうち三つ「検討中」。  しかし、私が質問したことの中身はかなり地元の新聞に出ているのです。マスコミの方には出ているけれども、国会議員の質問には「検討中」という御返事をいただく理由これはある意味では国会軽視、ある意味では自衛隊の文官統制、シビリアンコントロールにも影響する課題だと思うので、まず最初にこの姿勢を伺いたい。
  38. 大高時男

    ○大高政府委員 先生ただいまお尋ねの日米共同実動演習でございますけれども、これにつきましては、本年の九月中旬から十月上旬の約三週間、東北方面区内におきまして、主として王城寺原、岩手山演習場におきまして、日本側は東北方面隊、アメリカ側につきましては第九軍団、このおのおのの担任で実施したいということで、現在部隊の規模、訓練の内容そのほかについて鋭意検討を行っておるというものでございまして、十分な案が固まり次第御説明を申し上げる、こういうふうに考えておるものでございます。
  39. 小川仁一

    小川(仁)委員 マスコミに上がっている事実はどうなのですか。地元の新聞に書いてある。例えばワシントン州にある第九師団が来るとか人員は昨年並みの九百五十人ぐらいだろう、こういったようなことが地元新聞には出ておりますが、こういう程度のことも私たちには検討中ということで御返事がないのですか。
  40. 大高時男

    ○大高政府委員 参加いたしますアメリカの部隊等についても現在いろいろ検討をやっておりまして、ただ規模等につきましては、昨年の規模と若干相違するかもしれませんが、おおむね似たような感じで検討を加えておるという段階でございます。
  41. 小川仁一

    小川(仁)委員 そうすると、第九師団が来るということもあなた方はまだわかっていない、わかっているのは地元の新聞社だけ、こういうふうに理解していいわけですね。
  42. 大高時男

    ○大高政府委員 そういった具体的な部隊をどうするかという問題を含めまして、現在検討を行っておるということでございます。
  43. 小川仁一

    小川(仁)委員 こういう押し問答をしていなければならないほど、自衛隊というのは国会に対してマスコミ以下の御答弁しかできないという事実を私は非常に悲しく感じます。こうなれば、私たちの方でみずからの力で探って、あなた方に物を出さざるを得ないということになると思いますが、少し姿勢をお変えになったらいかがですか。九月中旬からというのにいまだに対象の師団もわからず、岩手と宮城の演習場における演習の一つのシナリオといいますか、どういう状況で演習するかということもわからないというふうなことは、普通の常識ではあり得ない。あと一カ月ちょっとでしょう。しかも、来るのはアメリカでしょう。何か私の印象では、こんなものまで隠さなければならないのか、こういう不信感が募るのですが、その点はどうなのですか。地元新聞等に上がっている状況というのは、あれは否定なさるのですね。
  44. 大高時男

    ○大高政府委員 御承知のように、米国の第九軍団と申しますのは日本国に司令部だけございまして、実動部隊が国内にございません。したがいまして、どの実動部隊を今回の合同訓練に出してくるかということは米側の方で検討をやっておるわけでございまして、その対象として当然、先生御指摘のものも入っておると思いますが、これが最終的にやってくるかどうかということについて現在なお検討をやっておるということを申し上げておるわけでございまして、決して機密にしておるとかなんとかそういうことではございませんで、確定までは申し上げる段階ではないと申し上げておるわけでございます。
  45. 小川仁一

    小川(仁)委員 私は短い時間で端的なお聞きをして、まさかこんなふうな御答弁だけが続くとは思いませんでしたので短い時間をとったのですが、こうなると改めて時間をじっくりかけて物を聞かないとどうにもならぬなという実感を持ちましたが、時間の関係がありますから次へ移ります。  米軍との共同訓練というのは一体何を中心におやりになるのですか、そこで使用されるであろう兵器、これについてお聞かせ願いたいのです。
  46. 大高時男

    ○大高政府委員 先生御案内のように、日米共同訓練でございますけれども自衛隊は平素から部隊を訓練して有事に即応し得る態勢の維持向上に努めておるわけでございますけれども自衛隊の独自訓練以外に米軍との共同訓練も行いまして、将来日本を共同で防衛する際の部隊相互間の連係要領、これを演練することといたしておるわけでございます。
  47. 小川仁一

    小川(仁)委員 兵器は。
  48. 大高時男

    ○大高政府委員 兵器につきましては、どういう形で訓練をやるかというのを現在検討いたしておりますけれども、昨年行いました訓練等から徴しまして、火砲あるいは戦車等を使用して訓練を行うということになろうかと思いますが、その内容につきましてはなお両方で詰めておるという段階でございます。
  49. 小川仁一

    小川(仁)委員 岩手に限ってお聞きしますけれども岩手の部隊というのは第九特科連隊と第九戦車大隊ですか。そうですね。
  50. 大高時男

    ○大高政府委員 先生御指摘のとおりでございます。
  51. 小川仁一

    小川(仁)委員 そうすると、そこで演習するには火砲と戦車を使うというのは当然なので、火砲、戦車を中心にした演習で、それにヘリコプターあるいは飛行機等が参加しますか。
  52. 大高時男

    ○大高政府委員 従来の演習とおおむね同じような形で行ってまいりたいと思っておりますので、先生御指摘のように、そういったものが使われるという可能性は極めて高いわけでございます。
  53. 小川仁一

    小川(仁)委員 こういう日米共同訓練を日本国内で行うというのは、これはよもや外国へ進攻しての作戦計画じゃないでしょうから、国内における戦争ということを想定しての共同訓練ですね。
  54. 大高時男

    ○大高政府委員 今回の訓練につきましては、先ほど申し上げましたように日米の部隊相互間の連係要領、これを実際行動によりまして演練するために、演習場の地形でございますけれども、これをそのまま利用した簡単な状況というものをつくりまして両方で訓練を実施するというものでございます。
  55. 小川仁一

    小川(仁)委員 アメリカと一緒に共同で戦闘行為が存在するということは、少なくとも外国への進攻を考えない限り、侵略を考えない限り、日本国内における戦闘行為ということが前提だろうと思います。そうじゃないですか。私は、国内における戦闘行為の想定がどうかということを聞いているのです。
  56. 大高時男

    ○大高政府委員 自衛隊の訓練は、先生御案内のように、日米共同実動訓練を含めまして日本防衛を念頭に置いて行うというものでございます。
  57. 小川仁一

    小川(仁)委員 どうも私がお聞きすることと御答弁なさることが、すれ違うほどではないのですけれども、どこか食い違う感じがするのですが、日米共同で一つの作戦を想定する、こういう場合は、先ほど御指摘のとおり米軍は国内に実動部隊がおりません。したがって、一つの戦闘行為が想定される場合も、アメリカ本土、あるいはハワイからかもしれませんが、来援部隊が日本に来て、そして一緒になって初めて戦闘行為というものが作戦として想定される、こういう認識を持ってよろしゅうございますか。
  58. 大高時男

    ○大高政府委員 そのとおりでございます。
  59. 小川仁一

    小川(仁)委員 そういうことになりますと、仮にそういう事態が想定された場合に、アメリカから日本に来援する日程というのは、何日ぐらいの日時を皆さんの方で予定しておられますか。
  60. 大高時男

    ○大高政府委員 ただいまのお尋ね、私が正確に受けておりましたかどうか疑問でございますけれども、米側が到着いたしまして、それで、先ほど申し上げましたような地形にマッチいたしました想定をつくりまして効果的な訓練を行うということでございます。  なお、米側が日本に参りますについての日時等でございますけれども、これにつきましては、どちらかと申しますと作戦の手の内にやや近くなりますので、お話しするのは控えさせていただきたいと思います。
  61. 小川仁一

    小川(仁)委員 そんなの、作戦の手の内と言ったって、飛行機で来れば何日で、船が来れば何日ぐらいの話は常識でわかっているのでしょう、特別速い船があるわけでもないのですから。そんなところまで作戦だのマル秘にしなくてもいいと思います。一般の常識人が考え程度のことには御答弁願いたいと思います。  さて、国内における戦争ということを想定した一つのシナリオだとすると、結局あなた方が考えておられる演習は、日本国内にどこかの仮想の敵の国が入り込んで、そして一定の陣地か何かを構築した、こういう状態に対する一つの作戦想定だと思うのです。これは水際の問題ではないと思います、作戦想定は岩手山のふもとでやるのですから。そういうふうに考えてよろしゅうございますか。
  62. 大高時男

    ○大高政府委員 今回の訓練につきましては、再々御説明申し上げておりますとおり、日本を共同で防衛する際の日米の部隊相互間の連係要領、これを演練するわけでございます。演習場の地形でございますが、これを利用いたしまして簡単な状況を付与して訓練をやるということでございまして、この過程において、それぞれ指揮系統が別でございますので、将来相互連係して効果的な戦闘行為ができるように各種の訓練を行っていく、こういうものでございます。
  63. 小川仁一

    小川(仁)委員 ウエートが連係行動にあるようですが、演習というのは敵をせん滅する、攻撃する方にウエートがあるのが軍の使命であり戦闘行為だと思うのです。その過程としての連係プレーというのはあるいは考えられますけれども、ウエートの置き方が間違っていませんか。やはり作戦想定は、敵をどうせん減させるかとかあるいは攻撃するかということが中心でしょう。そのためにどう連係するかということが問題で、ですから連係だけというふうな物の言い方は成立しないと私は思うのですが、どうですか。
  64. 大高時男

    ○大高政府委員 先生御指摘のとおりに攻勢の場合もございますし、それから防衛の場合もある、両方をミックスしてやる場合もある、いろいろな形で連係要領の訓練というのは行われるというふうに承知いたしております。
  65. 小川仁一

    小川(仁)委員 御存じかと思いますが、盛岡の市議会、盛岡というのは滝沢の演習場のすぐそばの岩手県の中心都市でございます。演習場からの距離はというと、あそこの特科大隊が空砲ないし実弾の訓練をいたします砲声が私の家にも聞こえてまいるという距離の盛岡市でございます。ここが市議会でもってこの演習の中止を満場一致で議決をした、こういう事実は御承知でございますか。
  66. 大高時男

    ○大高政府委員 ただいま先生御指摘のとおり、盛岡市議会におきましてそういった決議を見ておるということを承知はいたしております。  ただ、日米共同実動訓練につきましては、自衛隊にとりまして新たな戦術、戦法を導入する、あるいは練度の向上を図るという面から見まして大変有益でございまして、平素から自衛隊と米軍との戦術面におきます相互理解、意思疎通、これはぜひともやっていきたいというふうに思っておりますので、私どもといたしましては、何とか地元の御理解を賜りつつ訓練を実施してまいりたい、かように考えておるわけでございます。
  67. 小川仁一

    小川(仁)委員 市議会が決議した内容、理由を御存じですか。
  68. 大高時男

    ○大高政府委員 私どもの方にも大臣あてに意見書が届いておりまして、その内容は承知いたしております。
  69. 小川仁一

    小川(仁)委員 どういうふうに書いてありますか。
  70. 大高時男

    ○大高政府委員 六月二十一日に防衛庁が発表しました日米共同実動訓練について、こうした訓練は中止をされるように要請したいということで、盛岡市議会名になっております。
  71. 小川仁一

    小川(仁)委員 それだけ二十六万市民が中止を要望している。そして盛岡市は、先ほど申し上げたように、私の家でさえ——家でさえというのは、余り立派な家じゃないからかえって戸のすき間を通して砲声が聞こえるのかもしれませんが、砲声が聞こえるような地域の市民が、市議会全体で反対を決議したということをもう少し大事に考えてみる必要がありませんか。あなた方がどんなに必要な訓練であっても、私は、市民感情を無視してまでやる必要はないと考えます。どうしてやらなければならないのか、これだけの市民が、市議会が反対しておるのをどうしてやらなければならないのか、そこのところの認識を、国民自衛隊とのかかわりの中からもう一度はっきり御答弁願いたい。
  72. 大高時男

    ○大高政府委員 盛岡におきます日米共同訓練につきまして、私どもも日ごろからこの必要性について地域住民の方々には御理解を賜るべく努力をいたしておるわけでございますけれども自衛隊と米軍とがこういう形で共同訓練をいたしますことが、即、国の安全につながるという点で御理解いただくように今後とも努力をいたしたいと思うわけでございます。  また、先生の方からいろいろ御指摘をいただきましたが、私どもの方も十分注意をしながらやってまいりたいと思います。
  73. 小川仁一

    小川(仁)委員 理解をしないうちはやらないというふうに理解していいですか。理解を得る努力をしてやりたいと言っていることは、理解ができるまではやらないと理解していいのですか。
  74. 大高時男

    ○大高政府委員 私どもは訓練はぜひやらしていただきたいと思いますけれども、引き続きこの意義につきまして御理解をいただくべく努力を続けたい、かように申し上げておるわけでございます。
  75. 小川仁一

    小川(仁)委員 そのことによって理解を得るべく盛岡市議会との接触を持ちましたか。
  76. 大高時男

    ○大高政府委員 先ほど来申し上げておりますとおりに、訓練につきましては非常に重要なものでございまして、ぜひやらしていただきたいと思っております。  なお、地域住民の皆さんに対して御理解いただく努力につきましては、従来やっておりますように、引き続き粘り強くやってまいりたいということでございまして、市議会に対してどうこうということではございません。全般として御理解をいただくという努力をいたしたいと思っております。
  77. 小川仁一

    小川(仁)委員 市議会から反対の決議が上がったけれども、これに対しては盛岡市とは一切接触していないというのですね。違った言い方をすれば、黙殺しているということですね。
  78. 大高時男

    ○大高政府委員 単に市議会だけではございませんで、私ども、関係の方々にいろいろな場面をとらえましてこの訓練の必要性について説明をいたしておりますし、また、こういうのもちょうだいしておるということを十分地元承知をした上で——地元と申しますのは自衛隊並びにその関係者でございますが、さらに理解を深めるべく各般の努力をやってまいるということでございます。
  79. 小川仁一

    小川(仁)委員 私は、一般論を聞いているのじゃないのだよ。それが出た後、市議会なり市当局とあなたの方と接触をしたか、話をしたかと聞いているのですよ。したかしないかだけ答弁してもらえばいいので、さっきみたいに抽象論を聞いているのじゃないのだよ。したかしないかを聞かしてください。
  80. 大高時男

    ○大高政府委員 現段階、私どもの方では、先ほど来申し上げておりますように、なお訓練の細部等を詰めておる段階でございまして、さらにその訓練内容が詰まってまいりますれば、いずれにいたしましても御説明を申し上げていかなければいかぬだろうというふうに考えてございます。
  81. 小川仁一

    小川(仁)委員 市議会がもし反対したら、こういう理由でとかなんとかという形でお話しなさるのがまず普通の常識でございますね。しかし、あなた方は依然として、その訓練の重大性とかというものを中心にして、一切市民感情を無視しておやりになるという態度が私もわかりました、きょうの答弁で。それから中身につきましても、ちょっと詳しいことに立ち入りますと、例えばアメリカから来援する部隊が何日かかる、船のスピードと飛行機のスピードがわかれば、飛行機で来れば何日かぐらいの話ができるようなことまで秘密事項だというふうなお話でございますから、訓練内容等についてもほとんどお話しになる気がないような感じがいたします。  そうなりますと、自衛隊というのは一体何だということになってしまうな。市民の上に君臨して、市民には中身も聞かせないで、しかも反対決議があったとしても、それに対してそういう当局と接触することもしないで、重要だからというだけで一方的に押し切ろうとする態度に対しては私は納得できません。しかも、米軍来援ということは日本国内における戦争の想定であります。国内戦というものがどういう惨禍をもたらしたかは、日本の国内で言えば沖縄の戦闘でも明らかであります。そして、ベトナムその他の地域でも、民衆の被害の方が圧倒的に大きいです。こういう状態の中で日米合同演習というものが国内戦を想定してやられる場合に、国民というものをどういう立場でその作戦行為の中に考えておいでになるか、最後にお聞かせいただきたい。国民を無視した形で、国民が存在しないという格好での戦闘行為が、それとも国民が存在するということを前提にした作戦行為が、その点をはっきりしてください。
  82. 大高時男

    ○大高政府委員 ただいま先生から御指摘を賜ったわけでございますけれども、訓練内容につきましては、これが固まりました段階におきましては内容を発表いたしまして、皆様方の御理解、御協力を得るのはこれは当然のことでございまして、これを詰めるまでいましばらく時間をいただきたい、こういうことでございまして、決して秘密にいたしておるということではございません。  それから、ただいま御指摘の点でございますけれども防衛の問題でございますが、我が国は、外交及び内政の諸施策をまず講じてまいりまして、我が国みずからが適切な規模の防衛力を保有いたしまして米国との安全保障体制を堅持することによって侵略を未然に防止して戦火が国内に及ばないということに努力するのがまず第一でございます。それから、万一不幸にいたしまして侵略を受けるような場合におきましては、自衛隊の総合的な運用を図りまして、米国と協力して我が国土に直接被害が及ばないように洋上あるいは水際におきまして侵攻部隊の阻止に努めるわけでございます。とは申しましても、しかし専守防衛を旨とします我が国としましては、国土に戦闘が及びまして国民の生命あるいは財産に影響を及ぼすという場合も考慮せざるを得ないわけでございまして、この場合、その影響の度合いは侵略の規模とか態様により異なるわけでございまして、一概に言えないわけでございます。  いずれにしましても、住民の保護、避難、誘導等の措置を適切に実施することが極めて重要であるというふうに考えております。
  83. 小川仁一

    小川(仁)委員 時間がなくなりましたけれども、私は余り難しい質問をしたつもりはないので、具体的に実はお聞きしているのです。なぜ具体的にお聞きしているかというと、盛岡市議会という議会が反対の決議をしている、こういう事実がある。だから、この行為は市民の総反撃を受けているわけでございますだけに、逆に言うと、きちっと話をしているのかと、こういったような非常に具体的な質問をしていると、皆さんはずっと遠回りのお話をして、一般論でおやりになっている。例えば侵略的なんというものについても、アメリカのガイラー元太平洋軍司令官は、北海道についてですけれども、北海道に対する水陸両用の強襲攻撃の脅威はないに等しいなんということをきっちりおっしゃっている。国内戦を想定した日米共同訓練というものは、非常にこういう一般的な情勢を無視しているし、必要以上にソビエト脅威論をあおるだけの宣伝効果しかない。また、逆に言えば、アメリカの命令一下で日本の自衛隊が動けるような訓練が指揮訓練なんです。今までの二回の実績でもってわかっております。日本の自衛隊というのはアメリカの傭兵が。その命令の中で動かなければならないような自衛隊なら、とても私らの年代の者だったら恥ずかしくて存在しておられないような状態じゃないか。私は一般的な討論をするつもりはなくて、具体的な討論をするつもりで立ったのですが、あなた方の方で一般論にすりかえられるから、説明の趣旨あるいは質問の趣旨が十分に徹しないでだめでございましたが、いずれ、具体的な問題がいつかは決まるでしょう。その時期に私は改めて質問をいたすことにしてきょうは終わりますけれども、自民党から社会党、民社党、公明党、無所属、共産党の人たちまで含めて市議会が反対しているという事実を、もうちょっと厳粛に受けとめてもらいたいと思います。  もし今後、そういうものを無視してあなた方が行動しようとし、私の答弁に対してもそのような不誠意な、全然中身は示さないような答弁をされる限りにおいては、私が先頭に立ってあなた方の行動を阻止することをここで明言しておきますよ。同時に、先ほど質問したように、自分のところから火事を起こして、どんな惨害を出しても四百万ぐらいの見舞い金で終わりだ、損害を受けた民家には五〇%見舞い金で終わりだ、それが当然だというような態度をとっておられる。失火責任は存在しないがごとき態度をとっておられる。まるで地方の民衆の上に、かつての軍部のように、あるいは封建時代の殿様のように君臨している姿勢じゃないですか。この姿勢を改めてもらいたい。大臣がおられないから、こういうことを申し上げてもなかなか意が通じないかもしれませんけれども、これは大臣にもお伝え願いたい。  以上申し上げて、私の質問を終わります。
  84. 池田行彦

    池田(行)委員長代理 関晴正君。
  85. 関晴正

    ○関委員 質問いたします。  F16の配備が急速に早められたと伝えられておりますし、またF16配備に伴う我が国の負担金がこれまた増額されたと伝えられておるのですが、このことについて先にひとつ簡潔にお答えいただければと思います。
  86. 山下新太郎

    ○山下政府委員 お答え申し上げます。  先生、既に御承知かと思いますけれども、政府が従前来御説明申し上げておりますとおり、八五年以降約四年間にF16の二飛行隊を配備するということが予定されているわけでございます。二十三日に報道されましたですが、米軍の三沢の司令官が、来年のF16の三沢配備計画につきまして記者会見で明らかにしたところがございますが、それにつきまして私ども確認いたしましたところ、アメリカ側の計画では、明年の春、整備訓練用といたしまして二機、夏以降にさらに追加配備を行いまして、明年中に一飛行隊、二十四機のようでございますけれども、これが配備される予定ということのようでございます。(関委員「金、金」と呼ぶ)  今年度のあれにつきましては、あるいは防衛施設庁の方から、日本側の予算につきましてお話しいただいた方がよろしいかと思いますが、他方、これも報道されましたけれども、アメリカの下院歳出委員会におきまして、八五年の軍事建設歳出法案が出され、この中で、日本側が六十年度、明年度の予算におきまして今年度予算の水準を上回るように建設費を分担するという趣旨の修正条項が出されたという次第でございます。  ただ、これは同時に、上院におきましてどのようになるか。上院における法案におきましては、今申し上げました下院のような条件がつけられていないわけでございまして、私どもとしては、その推移を見守っていくということを考えている次第でございます。
  87. 関晴正

    ○関委員 一方的にアメリカが期日を早め、また負担金額を増大させ、そうしてアメリカの国会においては論ぜられているし、また報道も出ているわけであります。  私は、この問題について、青森県の三沢に配備されるF16というのは核装備の飛行機である、非核三原則に基づくというと、こうしたものの配備というものは我が国としては受けるわけにいかない、これが態度であり、方針でなければならない、こう思っておるのです。そういう意味においては、さきに外務大臣が、核搭載はさせないのだ、こういうような御答弁もあっておるのですが、そのことについてはどういう方法で、核爆雷の搭載、核爆弾の搭載はさせないのだということで承知することができるのか、これは外務省の方から出ておられる方からお答えがあればと思います。
  88. 山下新太郎

    ○山下政府委員 お答え申し上げます。  F16戦闘機がどのような装備を持つかという御質問でございますけれども、かつ、その装備が核爆雷等を積載するのではなかろうか、こういう御質問かと理解いたしますが、先生、全く御承知のとおりに、安保条約六条の実施に関する交換公文というものがございまして、そこで事前協議の対象となる項目といたしまして、「合衆国軍隊の装備における重要な変更」という項目があるわけでございます。そこにおきましては、政府が従前来申し上げておりますとおり、私ども日本政府といたしましては、非核三原則を言うならば国是といたしまして守っていくということを申し上げているわけでございます。アメリカ側が核等の装備をF16に積むなり、あるいはそれ以前に日本に持ち込みを行う場合におきましては事前協議の対象になるわけでございまして、アメリカ側としてはこれを事前協議してくる義務があるわけでございます。したがって、その義務に基づいて協議越すということは彼らも何度も言っている次第でございまして、それが行われない限りにおいては持ち込まれることはあり得ないというふうに私ども考えております。
  89. 関晴正

    ○関委員 あり得ないとかと言いますけれども、F16というのは核攻撃を主とする飛行機でしょう。核攻撃ができればこそ配備するのでしょう。そういうことを言えば、核装備のないF16は羽のない鳥みたいなものになってしまうのじゃないですか。相談があれば云々と、こう言っているのですが、相談なんかがあるわけがないじゃないですか。大体、これを配備するときに何の相談もなかったでしょう。一片の通牒もないでしょう。文書だってないでしょう。口頭でしょう。荒唐無稽というのはこういうことを言うのですよ。まず、そのことを頭の中にしっかり置いて当たってください。この問題についてはこの後も取り上げます。きょうはこれを主とするものでありませんので、この程度にしておきます。  ただいまのお話にもあったように、青森県の三沢の天ヶ森射爆場というのがございます。この射爆場は、今日までの訓練使用回数においても、自衛隊機あるいは米軍飛行機による誤爆、誤投の数字はおびただしい数になっているわけであります。それに加えてF16が配備され、その訓練等も行われるようになると、静かなる三沢の夜を取り返したいなどという市長の公約も吹っ飛んでしまうのでありまして、そういう意味からいくと、この問題についての対処の仕方はよほど考えなければならない。そういうところに今度、青森県の六ケ所村に核燃料サイクル基地が設定されようといたしております。こういう核燃料サイクル基地が六百六十ヘクタールの地域に及んで今設定されようとしておる。このことと射爆場における訓練回数の増発ということは、非常に危険なものを招来するのではないだろうか。そう思いますというと、防衛庁としては、当然この六ケ所村における三点セットの設置等については考えざるを得ない、あるいは天ヶ森の射爆場を撤去することを選ぶしかない、私はこう考えなければならないのじゃないかと思うのですが、この点について電事連の方から防衛庁に対してどのような御相談なり御協議等があったものであるのか。あるいは、ないとするならばないなりに、防衛庁としてはそれはそれとして今日どのように考えておられるものであるのか、この点についてのお答えをいただきたいと思います。
  90. 千秋健

    ○千秋政府委員 現在、当庁の方では、この核燃料サイクル施設の建設計画につきましては新聞報道等で承知しておる程度でございます。ただ、三沢対地射爆撃場は地位協定に基づきまして米軍に提供しております重要な施設でございますので、今後核燃料サイクル施設の建設計画につきまして関係省庁から説明をよく聞いて、また対地射爆撃場の機能の円滑なる維持運用の観点から対応してまいりたいと考えております。
  91. 関晴正

    ○関委員 想定される問題として、言うならば天ヶ森射場の使用計画がますます多くなるわけなんです。減るというなら別ですよ。多くなるということは、これまでも誤爆、誤投がたくさんあった、そのおそれがまたふえるわけです。そういうような条件の変化とあわせて考えるときに、この一番近いところに、天ヶ森射爆場というのは三沢市の一番北、すぐ隣が六ケ所村、この開発地域において当初の目的としたような開発行為のときにも、射爆場は撤去してもらわなければならないだろうということがあった。そのときは石油開発であります。そのときにおける知事の答弁の中に、これが進むならば射爆場の撤去も求めざるを得まい、こういうことであります。だがしかし、この計画は挫折してしまいました。御承知のような石油の情勢がその要をなくしてしまったわけです。かわって今度とんでもないものが来る。再処理工場が来る、ウランの濃縮工場が来る、廃棄物の処理場が設定される。その中で再処理工場なんということになると危険きわまりないものだ。この中に飛行機が落ち込んだり突入したり弾が入ったりということになったならば、プルトニウムの被害が日本国全部に及ぶようになってしまうのじゃないだろうか。そういうことを考えると、当然に防衛庁としてはしかるべき意見というものを出すべきではないのか。ただいまのお話だと、何の御相談もない、新聞で報道されている、黙って眺めていると言わんばかりの御答弁であります。電事連の方はもう既に進んでいますよ。その場合に何も言わないというのはどういうことなんです。当然防衛庁としてはそれは考えなきゃならない、クレームをつけなきゃならない、こう思うのですが、この点についてはどうですか。
  92. 千秋健

    ○千秋政府委員 まず、この三沢対地射爆撃場の維持運用の面におきまして誤爆、誤投下、こういうような事故はあってならないものと我々も思っておりますし、また常々米軍の方にもそういうことのないように十分注意しておるところでございます。  なお、この核燃料サイクル施設の建設につきましては、ただいま電事連の方が立地を決めたということは新聞等で見ておるわけでございますが、まだそれについて正式に県の方にお話があったとか、また関係省庁の方に話があったという段階ではないというふうに聞いております。  いずれにしましても、先生御指摘のような施設でございますので、我々もこれについて重大な関心を持っております。今後十分検討させていただきたいと思っております。
  93. 関晴正

    ○関委員 とにかく、この地域における射爆場のアメリカ軍隊による誤投、誤爆の回数というのは百四十二件です。そういうような多くの誤投事件が起きているわけなんですから、ひとつ十二分にお考えになられまして、撤去するか、天ヶ森射爆場を他に移転するか、あるいはこれについては考え直してもらうか、どちらかの判断をした上で当たっていただきたいということを強く求めておきたい、こう思います。  次は、私どもの陸奥湾における日米合同訓練が現実に今行われております。この合同訓練を行うという発表は今月の十三日でございました。そうして一週間後の二十日から今月の三十一日までこれをやる、こういうのであります。日米合同訓練の主たる内容は何かというと、機雷の掃海であり掃討であり水中処理だ、こういうのであります。これまでも我が国の海上自衛隊が行ってきたことについていろいろと問題がある、こう私は思います。そういうところにアメリカ軍が入ってきて一緒にやる。どうしてこうしたようなことを、わずか一週間前の発表で事もなげに行おうとしなきゃならないのでしょうか。こうしたことは既に相当前から出ている問題だと思うのです。アメリカが何の目的でこの共同訓練あるいは合同訓練に参加したいと言っているのか。いつのときに、どこから、どこにそういうような要請があったのか。まずこの点を伺っておきたいと思います。
  94. 大高時男

    ○大高政府委員 陸奥湾におきます機雷の掃海訓練でございますけれども、これはかねてから毎年一回、陸奥湾でこの掃海訓練を実施してきたわけでございます。今回も陸奥湾での日米共同の掃海特別訓練、これは海上自衛隊の方で例年どおり七月に掃海訓練を実施する予定でおりましたところ、米側の方から、その時期であれば掃海訓練に参加できるという旨の意思表示がございましたので、掃海特別訓練を実施する運びになったわけでございます。  共同訓練でございますので、既に本年周防湾で実施しておりますけれども、この準備のために両者いろいろ打ち合わせをやりまして、発表が一週間前になった、こういうことでございます。
  95. 関晴正

    ○関委員 何も私の質問に答えてないじゃないですか。何のためにやるのですか、何のためにアメリカの艦船まで入ってきてやるのですかということを聞いている。アメリカは何で参加するのですか。何のためにこれを認めるのですか。そこです。
  96. 大高時男

    ○大高政府委員 ただいまの点でございますけれども、私、周防湾と申し上げましたが、周防灘でございますので、訂正をさせていただきます。  それから、アメリカとなぜやるかということでございますけれども、米軍と共同訓練を行いますことは、自衛隊にとりまして新たな戦術、戦法の導入あるいは練度の向上を図る上で大変有益でございまして、しかも、この日米共同訓練を通じまして平素から自衛隊と米軍との戦術面等におきます相互理解あるいは意思疎通、こういったものを図っておきますことによりまして、我が国に対する武力攻撃が発生いたしました場合に、両者がそれぞれ指揮系統を別に行動することになりますけれども、そのような有事の際に円滑に両者が動くために不可欠である。また、ひいては日米安保体制の信頼性あるいは抑止効果の維持というものに資しますので、そういった面で日米合同で訓練を行うということでございます。
  97. 関晴正

    ○関委員 あなた、先ほどの私の方の小川さんの質問についてもお答えがあるのですが、よくわかっていないのじゃないでしょうか。一朝事ある場合に一緒になってやるために、こう事もなげに言えばみんなそう思うと思っておられるかもしれませんが、陸奥湾というあの入り江にアメリカのオキナワ艦を含む飛行機一隊がやってきて、そして何のことはない、機雷の掃海である、掃討である、水中処理だ、こう言うのだが、そういうことは我が国の海上自衛隊においてしてきているわけです。たくさんなわけですよ。我が国の海上自衛隊においてその能力が欠けているからアメリカ軍の指導を受けるということでおやりになるのですか、それともアメリカ軍が近ごろ演習していないから日本の演習に加えてくれというお願いで受け入れるということなんですか。しかも、そこには津軽海峡があるわけですよ。津軽海峡には——中曽根総理が何とおっしゃいましたか。三海峡封鎖においてアメリカに協力することも、また我が国を不沈空母とすることも、そういうことにかかわる御発言をアメリカにおいてしてきておるわけであります。しかし、その後国会においては、行き過ぎだということにおいて是正もしておるわけであります。そういうようなことが消え去らぬうちに津軽海峡のすぐそばに来て、アメリカのオキナワ艦が、P3Cが、それからヘリコプターが何の用をなすのですか。機雷はどこにあるのですか。我が国の周辺のどこに機雷が敷設されているのですか。だれが敷設しようとしているのですか。それよりも、我が国がどこかの国に機雷でも敷設しようとするそういう底意があっておやりになるような気がしてならない。平地に波乱を起こすようなことというのはこういうことじゃないでしょうか。私ども日本社会党は、直ちにこうしたことはやめなさいという申し入れをいたしました。何の役にも立たない。  ちなみに、我が国の周辺において、海辺において、機雷は一体どのくらい掃討されましたか。機雷はどのくらい片づけられましたか。どこの機雷でありましたか。そういう実例はどの程度ございますか。よってもってこの訓練を余計しなければならないという根拠があるならば、そういう意味においても示してください。軽はずみにホタテ産業百億の我が陸奥湾の中に出てきて要らないまねをするということは、本当に民心を惑わすものです。  あなた方は、これが認められるために漁協の諸君たちを納得させた。納得のさせ方というのが適当であるかというと、極めて不適当です。あるいはまた青森県の知事から同意を得るように努めたが、同意をもらいましたか。こういうようなことについては地元の納得を得るようにしたいと防衛庁長官が言っている。地元の納得というのはどういう内容の地元なんですか。漁協だけでいいのですか。青森県民の納得も必要じゃないでしょうか。周辺市町村長の同意を得るとか、そういうようなことは少しもしていないじゃありませんか。そうして漁協の一つにおいては反対だと言っている。何でこんなものがやってくるんだ、要らないことを我が海ですると言って怒っていますよ。そのときに、今回限りなら仕方がない、こういうことで同意を与えているわけですが、今回限りで、あとはしませんか。
  98. 大高時男

    ○大高政府委員 陸奥湾で実施しております掃海特別訓練でございますが、これは特別の事態を想定してやっておるわけではございませんで、従来からあの海域を借り上げまして自衛隊が毎年訓練を行ってきておる。しかも、米軍との共同訓練は本年の初めに周防灘で行いまして、今回二度目をあそこで行ったというものでございます。場所が掃海訓練というのは三十ないし四十メートルで浅いところに限られてまいりますので、地域も従来から同じようなところで繰り返し行ってきておる、そういったものでございます。  今後こういった訓練をやっていくかということでございますけれども、現段階ではまだ、将来どういうふうにやるということを考えておるわけではございません。
  99. 千秋健

    ○千秋政府委員 私どもの方では、今回の陸奥湾の共同訓練につきましては、この陸奥湾内において行われる、海面において行われるわけでございますので、この陸奥湾の中で漁業をしております関係漁業組合につきまして、青森県を通じましてお話し合いをさせていただきました。その結果、一応今回の訓練について御了解を得たということでございます。  なお、来年度につきましては、まだ現在私どもそういう計画も聞いておりませんので、ことしはことしということで地元の御了解を得たということでございます。
  100. 関晴正

    ○関委員 機雷を片づけている現況の報告がまだされておりません、してください。  それから、青森県から了解をもらったというのは、青森県のだれからもらったのですか。青森県の知事からもらったのですか。はっきりしてください。
  101. 千秋健

    ○千秋政府委員 私が申し上げましたのは、漁業組合と話をするに当たりまして、まず県の方に参りまして県の方の御了解を得てやったわけでございます。  それと、なお手続的には、今回の陸奥湾におきます水域設定のための漁業制限につきましては、農林水産大臣から青森県知事に意見照会が出ておりまして、青森県知事から農林水産大臣に対して異議がないという御回答を文書でいただいております。
  102. 大高時男

    ○大高政府委員 ただいま機雷の掃海状況についてお尋ねでございましたが、急な御質問でございますので、今調べましたところ、五十八年三月末の数字で恐縮でございますけれども、従来、感能機雷処分累計が六千百二十一、それから浮遊機雷処分累計が七百四十五、こういうような状況になってございます。
  103. 関晴正

    ○関委員 先ほど、青森県からは青森県知事から答弁があったというのですが、答弁、間違いありませんか。青森県知事はそんな答弁をしていない。文書を出していませんよ。いいかげんなお答えじゃ困ります。来た文書を読んでください。何でそんなでたらめなことを言うのですか。
  104. 千秋健

    ○千秋政府委員 私どもの、漁船の操業制限法と申しますが、これは米軍にそういう水域を提供する際の漁船の操業を制限するための法律でございます。この法律に基づきまして農林水産大臣に私どもが意見照会をすることになっております。農林水産大臣の方は私どもの照会に基づきまして関係都道府県知事に意見照会をし、その回答を得て私どもは回答をいただいているというふうに聞いております。     〔池田(行)委員長代理退席、委員長着席〕
  105. 関晴正

    ○関委員 あなた、青森県の知事から返事をもらったと言ったでしょう。青森県の知事からそういう回答文書が出ていますか。回答文書の写しをひとつここで読み上げてください。
  106. 千秋健

    ○千秋政府委員 文書による手続的な回答は、先ほども申し上げましたが、農林水産大臣の方に回答されておるというふうに申し上げたわけでございます。
  107. 関晴正

    ○関委員 だから、だれから回答されているかと言っておる。
  108. 千秋健

    ○千秋政府委員 青森県知事から農林水産大臣に回答が出ていると私どもは聞いております。
  109. 関晴正

    ○関委員 あなた、それを確かめてください。私ども、知事交渉を現地でしましたよ、何て返事をした。知事は、そんなことに同意していませんと言っていますよ。ですから、あなた方は、青森県の知事は同意したから、納得をしたからと我々に言うけれども、青森県の知事は納得していない。お話しにもなっていない。ひとつ急いで水産庁長官に届けられている文書を見てください、何とあるか。それを調べて早く答えてください。  それからもう一つ、ただいまの浮遊機雷の問題ですよ。自衛隊が片づけているところの浮遊機雷、どの程度あるのか、そういうことについて、今いろいろお話があったのですが、これまた時間をかけて少しく論じてみたいと思っておりますが、問題は、今陸奥湾においてP3Cが来る、オキナワが来る、こういうようなものが来て何の役を果たすのです。お答えをいただきます。P3Cは何をするのです。オキナワ艦は何をするのです。  そして、どうしてアメリカの軍艦でありながら、我が国の地名であるオキナワ艦なんというふうになっているのでしょうね。不思議ですね。沖縄は日本のものですよ。このことについても知っておったらお答えしてください。
  110. 大高時男

    ○大高政府委員 ただいま先生お尋ねの米国のP3Cでございますが、これにつきましては機雷を敷設するという役割を果たしております。  それから、お尋ねのオキナワでございますけれども、これにつきましては、アメリカ側の掃海ヘリでございますRH53Dでございますが、これを搭載いたしまして、このRH53Dが掃海に当たった、こういうことでございます。  なお、オキナワになぜ日本の名前がついておるかということでございますが、この点につきましては正確に承知いたしておるわけでございませんが、このオキナワというのは「イオージマ」クラスの艦の一つでございまして、この「イオージマ」クラスという艦船につきましては、従来米軍が上陸作戦を遂行しました地名にちなんで名前をつけておる、こういったものが七隻あるということが言われております。
  111. 関晴正

    ○関委員 オキサワ艦というのは何の仕事を主とするのです。
  112. 大高時男

    ○大高政府委員 オキナワは、ジェーン海軍年鑑の一九八三年、八四年版によりますと、先ほど私が申し上げました「イオージマ」クラス七隻のうちの二番艦である、排水量は一万八千百五十四の両用強襲艦でございまして、輸送ヘリコプターによりまして海兵隊員等を、上陸部隊を輸送し強襲揚陸を行う、これが主任務でございます。また、掃海用ヘリコプター等を搭載いたしまして掃海作業等にも使用されることもあるというふうに承知いたしております。
  113. 関晴正

    ○関委員 今度の訓練においてアメリカ海軍はどのくらい機雷を敷設し、どのくらい機雷を掃海し、掃討し、水中処理したのか、本日までの五日間でお答えください。
  114. 大高時男

    ○大高政府委員 オキナワと搭載されておったヘリでございますが、陸奥湾に二十二日から二十四日までおりまして、既に引き揚げております。この間に機雷を百数十個日米で敷設いたしまして、それぞれ撤去をいたしておりますけれども、内容の詳細につきましては、それぞれ役割の分担あるいは戦術の内容に立ち入りますので、控えさしていただきたいと思います。
  115. 関晴正

    ○関委員 そうすると、既にオキナワ艦は撤去されたのですか。
  116. 大高時男

    ○大高政府委員 そのように承知いたしております。
  117. 関晴正

    ○関委員 それは当初からの計画ですか。
  118. 大高時男

    ○大高政府委員 おおむね予定どおりと理解いたしております。
  119. 関晴正

    ○関委員 あなた方の方の発表によりますと、二十日から三十一日まで、そうして合同訓練、こう言っていながら、訓練の内容というものはアメリカ艦の敷設訓練が主たるものであった、P3Cの仕事は何であったか、機雷の敷設であった、こういうことに御答弁があったわけですが、そういうようなことを何のためにアメリカが必要とされますか。  しかもまだ、二十四日の日に撤去された。私どもは中止しろ。こう言っておったのですから、その意味においては結構なことだ、こう思います。しかし、三十一日までこれが行われる、こう言っておいて、そうして途中でわずか三日で帰っていった。そんなことを見ますと、余計に我々青森県民国民を惑わすだけの行為で終わったのじゃないか、こう言えると思うのです。だからといって余計訓練にとどまってくれという意味ではありません。これはそれほど用のないものだということですよ。それほど用のないもので国民の神経をやたらにいら立たせる。  私どもはそういう意味において、何のためにこれが行われるのか、数多くの疑問がありました。しかし、今の御答弁でわかりました。P3Cは掃海でもなければ掃討でもなければ水中処理でもない。敷設であった。敷設訓練がアメリカの主たる訓練の内容であった。こういうようなことになりますと、いよいよどこに敷設しようと考えるのでしょうか。津軽海峡に敷設しようと考えているのでしょうか。津軽海峡の海の深さと今の陸奥湾の海の深さ、これまた違いますよ。先ほど、三十メートルあるいは四十メートルの深さのところで訓練はやった。実際にどこへ敷設しようかということを考えると、もっと深いところに行くことになるのじゃないだろうか。  いろいろ論じたいことがございます。ございますけれども、いいかげんな日米合同訓練、真意のはっきりしない日米合同訓練、しかも百十何発敷設訓練だけしておって、そうして百十何発片づけていったかどうか、細かいことはわかりませんよ。わからないけれども、アメリカ側が青森県の陸奥湾にまで入ってきてこうしたことを起こしていって、そうしてさっさと引き揚げていって——引き揚げていったという報告も我々はわからない。二十日に来て三十一日までおるものだと思っている。二十日に来てない。二十一日も来てない。二十二日と二十三日と二十四日だけおった。二十四日の夕刻に去っていますよ。だけれども国民は知りませんよ。みんなやっているものだと思う。ですから、初めからこうしたつまらない訓練なんというのはさせるべきじゃない。  それから、最後になりましたけれども、日米合同訓練というものを認め法的根拠はどこにあるのです。
  120. 大高時男

    ○大高政府委員 先ほど、アメリカの方は共同訓練におきましてP3Cが敷設のみというお話でございましたが、オキナワに搭載いたしましたRH53Dが掃海の方をやっておるわけでございます。米軍は大変にすぐれた技術を持っておりまして、これと共同訓練をやっていくというのは、我が自衛隊の戦術、技術の向上の上からも非常に有益なものであるというふうに考えております。  なお、お尋ねでございますが、自衛隊法の六条の十二号に「所掌事務の遂行に必要な教育訓練」というのがございますが、これにのっとりまして、必要な教育訓練の一環といたしまして米軍との合同訓練を行っておるということでございます。
  121. 関晴正

    ○関委員 じゃ、先ほどのお答えの中で、P3Cは何をしたのです。
  122. 大高時男

    ○大高政府委員 P3Cは機雷の敷設の方をやってございます。  それから、ただいま教育訓練の根拠自衛隊法と私申しましたが、防衛庁設置法でございますので、訂正をいたします。
  123. 関晴正

    ○関委員 これまでなされた答弁はいずれも不明確、不明瞭、そして不適切。そういう点については後刻また時間をいただきまして取り上げてまいりたい、こう思います。  とにかく、防衛庁長官並びに外務大臣に、いいかげんなことを我が日本の内海においてするようなことは慎むように強く申し上げて、私の質問を終わります。
  124. 片岡清一

  125. 三浦久

    三浦(久)委員 六十年度の防衛予算についてお尋ねをいたしたいと思います。  七月二十四日から防衛庁と大蔵省との間で、六十年度予算の概算要求基準についての交渉が続いております。防衛庁は六十年度予算につきまして当然増、いわゆる自然増と言われておりますが、これをどのぐらいと見ておられるのか、その額と内訳を明らかにしていただきたいと思います。
  126. 田中寿

    田中説明員 私ども、六十年度予算に関しましては、五六中業の着実な整備、それから練度の維持向上等の観点で十分それを達成でき得るような要求をお認めいただきたいということで折衝してございます。  ただいま御質問の当然増が幾らかということでございますが、これはまだいろいろ積算もしてございますし、ここで確たる、こういう数字だというふうに申し上げるのはちょっと差し控えさせていただきたいと思いますが、ただ歳出化増、これはざっと一応見積もりますと九百三十億程度、それからあと人件費、糧食費、その他就役関連等でいろいろございますが、具体的な数字に関しましては、これからまだ来年度予算要求に向けていろいろ部内的な作業を行いまして詰めていきたい、こういうふうに思っております。
  127. 三浦久

    三浦(久)委員 だって、概算要求を今やっているわけでしょう。折衝している中で、当然増はこのぐらいですというような要求をあなたたちは持って折衝しているわけでしょう。報道されているじゃありませんか。例えば、後年度負担金の歳出化の増加とか給与の改定に伴う増加であるとか退職手当の増加であるとか、いろいろ言われているでしょう。全体で二千二百億円なんというふうに報道されていますけれども、そうですか。
  128. 田中寿

    田中説明員 いろいろ数字が報道されておりますことは承知しておりますけれども、ただ、当然増と申しましても、例えば人件費、退職手当を取り上げますと、退職人員が来年度どうなるのか、防衛庁は六十年度に向けまして非常に退職人員がふえてまいりますが、これが実際具体的に任意退職等も含めましてどういう形になるのか、なかなか不確定な要素があるわけでございます。ただ、退職手当等に関しましては四百数十億程度のものが出てくるのではないかというふうには思っておりますけれども、具体的にこの数字はこういう数字ですということで申し上げるのはちょっと差し控えさせていただきます。
  129. 三浦久

    三浦(久)委員 時間が十五分ですから先に進みますけれども、大蔵省、おいでになっていますか。  我々は、防衛予算は大幅に削減をすべきだという主張をしておりますけれども、大蔵省としては概算要求段階でも、いわゆるGNP一%の枠というものは守るおつもりなのかどうか。何か新聞の報道を見ますと、防衛庁は概算要求の段階でGNPの一%の枠だなんというのはとんでもない話だというようなことで反発しているようですけれども、大蔵省のお考えをちょっとお尋ねいたしたい。
  130. 西村吉正

    ○西村説明員 概算要求基準をどう考えるかにつきましてはただいま事務的にいろいろと意見の交換を行っているところでございますが、GNP一%との関係につきましては、私どもといたしましては、総理大臣も三木内閣の防衛費に関する閣議決定の方針についてはこれを守ってまいりますと御答弁しておられるところでございますので、私どももそういう方針に従って作業を進めるべきものと考えております。
  131. 三浦久

    三浦(久)委員 では次にまいりますが、F16の三沢配備に伴ういわゆる提供施設整備費、一般的に思いやり予算と言われておりますけれども、その問題についてちょっとお尋ねいたします。  先ほども御答弁がありましたけれども、アメリカのライアン司令官、これは三沢基地の司令官でありますけれども、七月二十三日に、F16戦闘機を来年四月に二機、それから夏以降二十四機三沢基地に配備する、こういうことを明らかにいたしておりますね。防衛庁はその受け入れ態勢を今年度もとっております。来年度予算でも当然それを計上するだろうと思うのですけれども、その規模と内訳を明らかにしてほしいと思います。
  132. 千秋健

    ○千秋政府委員 来年度の概算要求につきましては、ただいま御議論ありましたようなシーリングの問題を絡めまして現在検討中でございますので、ちょっとまだここで申し上げる段階にはなっておりません。
  133. 三浦久

    三浦(久)委員 アメリカの国防総省がアメリカの議会に提出した資料、いわゆる八五年度軍事建設計画というものがありますね。これによりますと、F16配備に伴う三沢基地プロジェクトは二千万ドルだ。これは約五百二十億円になりますね。そのうち日本政府は七八%、四百六億円を負担する、こういうふうに説明されているわけですけれども、こういう約束をアメリカとの間にされておるのですか。
  134. 千秋健

    ○千秋政府委員 米国の議会におきまして、そのような軍事建設計画が説明されておるという情報は承知しております。ただ、私どもとしましては、あくまでこの提供施設整備につきましては地位協定の範囲内で、自主的立場で毎年度検討し、計上していくということでございまして、そういうような約束なりは全然ございません。
  135. 三浦久

    三浦(久)委員 そうすると、約束がないにもかかわらず日本政府は三沢基地建設のプロジェクト、この費用の七八%を負担するというふうに説明しているというのはどういうことなんでしょうか。もしかそういう約束がないにもかかわらずこういう説明が議会でされているとすれば、日本政府としてはその訂正を申し入れるとか抗議をするとかというふうな何らかの措置をとらなければならないと思うのですが、そういう措置をおとりになっていらっしゃいますか。
  136. 千秋健

    ○千秋政府委員 ただいま三浦委員のお話でございますと約束ということでございますが、米側の説明は必ずしも約束というような表現を使っているわけじゃないと承知しております。また、これはあくまで米政府と米議会内の問題でございますので、私どもとしては関心を持って見守っておりますが、これについて抗議するとかそういうことじゃないというふうに承知しております。
  137. 三浦久

    三浦(久)委員 これは約束とは書いてないけれども、日本側が負担すると書いてあるのですね。だから、そういう負担する意向というものを日本の政府が示さなければ、アメリカの政府が議会に対してこういう説明をするはずはないと思うのですね。ですから、こういうことはやはりちゃんと公にする必要があるのじゃありませんか。  それからまた、時間がありませんから先へ進めますけれども、ことしの六月二十八日に八五年度軍事建設歳出法案というものがアメリカの下院で議決されていますね。これは思いやり予算を今年度よりもっとふやせ、三沢基地の思いやり予算はそれの上積みだ、それでなければ予算凍結だ、こういうような法案なのですね。これは可決されています、上院で今審議されているのでしょうけれども。結局、あらゆる形でもってこの思いやり予算を増額せい増額せいという、そういう圧力といいますか要求というものがだんだん大きくなってきているというのが現状じゃないかと思うのですよ。それに対して政府が大体従っているという現状ですね。  私ども、ここで、在日米軍というものがどういう役割を果たしているのかということ、アメリカがどういう目的で日本にアメリカ軍を駐留させているのかということ、このことをよく考えてみなければいけないと思うのですね。日本の政府は、アメリカ軍というのは日本の平和と安全のために駐留しているんだ、こういうことを言われますけれども、アメリカはそんなこと言ってないですね。ことしの六月に公表されましたアメリカの国防総省の「共同防衛に対する同盟国の貢献」と題する報告書があります。これを見ますと、すべての在日米軍は、北大西洋条約機構における米軍と同様、米国とその領土の前方防衛の一部を形成する、こうなっている。要するに、アメリカを守るために前線基地としてこの日本を使っているんだということですね。こういうことを言っている。それからまた、日本の軍事力、自衛隊ですね。これは、日本や西太平洋、インド洋に展開する米軍を補完するものだと述べている。そういうアメリカの極東戦略、こういうものを補完する部隊というふうに自衛隊を位置づけている。これは公に述べられているわけですね。極めて重大な問題です。  そういたしますと、アメリカの軍隊というのは、日本を守るためじゃなくて、アメリカの本土とかその領土を守るために日本に基地を展開しているということをアメリカ自身が公言しているわけですから、そういう米軍の基地の増強に我々国民のとうとい税金を注ぎ込んで、思いやり予算をどんどん増額するというようなことをなすべきではないというふうに私は思うのですね。ですから私は、そのことをまず強く要求しておきたいと思うのです。  特に、今どういう時期ですか。今も同僚議員から指摘がありましたけれども、日本を核戦争の戦場にするというような危険性が非常に強まっていますでしょう。特にトマホークというような、ああいう核弾頭を積めるようなミサイルを太平洋艦隊に配備をするとか、そしてF16というのは、これまた核弾頭を積載できる戦闘機だということは周知の事実ですね。ですから、ますますアメリカの核戦争というものに日本が巻き込まれる、そういう危険性をうんと強めているのですね。そういう時期に、F16配備に伴う三沢基地の増強のために我々の税金を使うというようなことは、これは日本の国民の生命とか財産というものをかえって危うくするものだということを私は強く主張しておきたいと思います。  それで、三沢基地に今年度管理棟が建設されたか、建設される予定ですね。予算に組んでありますね。これはF16の移駐に伴ういわゆる司令部用ではないかと思うのですが、その点いかがでしょう。
  138. 千秋健

    ○千秋政府委員 基本的には、これら施設整備によりましてつくりました建物、こういう建物自体は、管理棟づくりといいますか、通常の事務所等の建物として建設し米軍に提供するものでございまして、その用途は、それぞれ米軍の方で使っていくということになりますので、これが司令部になるか、そういう事務所になるか、そういう点につきましてはつまびらかにしておりません。
  139. 三浦久

    三浦(久)委員 そうすると、司令部として使われる可能性があるということはお認めになるわけですね。
  140. 千秋健

    ○千秋政府委員 私どもそれは的確に申し上げられませんが、三沢におきます航空団の司令部というのは現在既に所在しますので、今回私どもが提供するものに移ってくるかどうか、そういうことでなければ使われることはないと思います。
  141. 三浦久

    三浦(久)委員 しかし、三沢基地というのは飛行機はP3Cしかいないでしょう。そうすると、それの指揮の司令部だけなんですよね。ですから、今度五十機もF16が移駐してくれば、それは当然手狭になるというのははっきりしているのじゃありませんか。
  142. 千秋健

    ○千秋政府委員 従来三沢基地におきましては、空軍の実動部隊といいますか、飛行部隊はございませんでしたが、航空基地団というのがございまして、基地団の司令部、団司令部というのは従来からございます。この基地団が今回編成がえになりまして、将来F16の飛行隊を持つ航空団に編成がえされております。
  143. 三浦久

    三浦(久)委員 これは三沢基地の問題じゃありませんで、全般の五十九年度の思いやり予算の問題ですけれども、ことし初めて在日米軍に宿泊施設、これは隊舎とか住宅と違いますね、厚木につくられました宿泊施設、それから消防署、電話交換所、体育館、こういうようなものが提供されておりますね。その提供先、規模、予算を明らかにしてほしいと思います。
  144. 千秋健

    ○千秋政府委員 厚木飛行場につくります短期宿泊施設、これは名前のとおり短期宿泊施設でございまして、一時的に日本に参ります軍人が短期的に宿泊するような施設、そういうものを建設するということでございます。  消防署はその名のとおり消防署でございますが、そういうことでよろしゅうございますか。(三浦(久)委員「規模と予算」と呼ぶ)ちょっと個別の規模、予算の資料を持ってきておりませんので……。
  145. 三浦久

    三浦(久)委員 体育館なんかはどのくらいの大きさになっておりますか。——連絡しておいたはずなんだが……。
  146. 千秋健

    ○千秋政府委員 まことに申しわけありませんが、前もって伺いましたのは、F16関係でそういう施設をつくるのかというふうに承っておりましたので……。三沢にはF16関係で体育館をつくる計画はございません。
  147. 三浦久

    三浦(久)委員 三沢にはないわけですけれども、米軍の体育館をたしか嘉手納につくられる予定になっていると思うのですが、これの大きさというのは五千平方メートルなんですよ。そして、日本の国立大学の体育館というのは平均千五百平方メートルです。だから、三倍以上の大きな体育館をつくってやるのですね。そのほかにも、いろいろ日本の施設と比較すると非常に優遇されているものがあるのですよ。私は、こういうことはやはりもっと厳格にやるべきじゃないかと思っております。  例えば四十人学級、日本じゃまた凍結でしょう。三年間凍結されていますよ。今後どうなるかわからないのに、厚木基地には五十七年度に三十人学級の施設をつくってやるとか、また米軍関係に十畳の和室、こういうものも特別教室として与えてやるとか、いろいろなことをやっているのですね。ところが日本の政府というのは、例えばマンモス校の解消の問題、こういう問題についても余り予算を使わない。特別教室が不足している数というのは、これは公立の小学校、中学校だけでも一万一千五百七十六教室足りない、音楽教室であるとか理科教室であるとか。そういうものを放置しておきながら、米軍に対しては特別教室、日本のことをいろいろ教えようというのかどうか知りませんけれども、十畳の和室まで提供してやるというようなやり方、これは見ていて非常に米軍に追随したやり方だ。  もうちょっと日本の自主的な立場をはっきりさせながらやるならやるということをしないと、これは国民感情からいって許しがたいことじゃないかというふうに私は思っておりますので、こういう思いやり予算のやり方というものも十分検討するように要求して、質問を終わりたいと思います。
  148. 片岡清一

    片岡委員長 次回は、来る八月七日火曜日午前十時理事会、午前十一時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。     午後零時二分散会