○市川
委員 私は、今まで
総理に
質問、また先日は
文部大臣に
質問をいたしました。その中で、
総理との質疑では、主に
総理が
総理になられる前にいろいろ
発言をされていた、そういう中でこの
教育改革に当たっての
総理の
教育観というものをただしました。まあ、この
委員会の中でいろいろな方からも指摘されておりましたが、いわゆる
教育改革が、何か
戦前回帰的な方向に行われる不安が強く指摘されているわけですが、そういうことは断じであってはならない。
総理も、それはそのとおりである、そういうことを
考えておりませんということを
お答えになっておりました。また、今
教育改革のあり方としては、高中小の
教育がテスト中心に行われている、偏差値
教育、教師が持っている一定の知識を生徒に記憶させる、そして記憶したかどうかをテストで確かめてみる、そのテストの点がよかった生徒が評価される。そういう、言ってみれば大学入試の予備校化した高中小の
教育のあり方に抜本的なメスを入れていかなければならないということを申し上げました。高中小の
教育のあり方としては、もちろん一定の知識を記憶するということも非常に重要なことではありますが、同時に、生徒みずからが自覚して、みずからの力で学んでいく力をむしろ教師は引き出したい、そしてそれを育ててあげる。同時にまた、思いやりがあるとかスポーツが好きだとか、そういう人間的な資質も十分に評価してあげる、そういう高中小の
教育のあり方というものを私は強く申し上げました。その前提として、高中小の
教育をそういう方向に
改革していくためには、今の大学入試というものがやはり
一つの大きなネックになっているわけであります。
大学入試
制度、もちろん共通一次試験という当面の問題はありますが、これは改善した方がいいに決まっているわけです。しかし、入試
制度の改善はもう限界がある。入試
制度にベストはない。新しく改善が仮にされたとしても、そのもとでやはり同じように受験地獄という問題が繰り返し発生してくるに違いない。そう
考えていきますと、
教育改革、
制度の
改革はやはり上からやらなければだめだ。だから大学のあり方を
改革すべきである。むしろ、大学には
教育がなくて卒業資格を与えるというところに大学がなってしまっているところに問題がある。そうではなくて、大学こそ最終の
教育の場である。そういう意味では、大学が大学に戻らない限りこの高中小の
改革はできないのではないのかということも指摘を申し上げました。そういう意味で私は、
教育改革に当たっては、大学のあり方をどう変えていくかということが非常に重要な
改革のポイントであるということも申し上げました。また同時に、
制度のあり方の
改革と同時に、もちろん、
教育というのは学校
教育のみではありませんけれ
ども、社会あるいは家庭という問題もありますが、しかし、今まさに問われているのは学校での
教育が
一つは問われているわけでございます。
そういう観点から
考えますと、学生、生徒にとって
最大の
教育環境とは何か、それは結局はいい教師にめぐり会うかどうかということに尽きてしまう。そういう意味において、教師のあり方、また同時に教師の育成のあり方、学校の
先生は社会経験がないあるいは学校の
先生自身もテストによって採用されてくるという、そういう経緯の
改革、こういうことも私はこの
委員会で申し上げてまいりました。どうか、今後こうした点を
文部省あるいは
文部大臣の方で十分に踏まえていただいて
教育改革の議論をやっていただきたいと思うわけであります。
そこで、きょうは確認の意味で三点お伺いしたいと思います。
第一点は、もう既に議論はされておりますけれ
ども、きょうは締めくくりの質疑でございますので、あえてお伺いをいたします。
審議会のあり方として、審議を公開せよという声がございます。理想論として、傍聴人も自由あるいは報道関係も自由というのは
理解できるわけです。しかし、これはちょっと
日本的な風土にはなじまないのではないのかという点もございます。したがって、私たちは一貫して、
臨教審での審議の概要を一定の区切りで、適切な区切りで公表したらどうかということを申し上げてまいりました。公表することによって、
国民の間に賛成、反対のいろいろな議論が起きてくると思います。その賛成、反対のいろいろな議論を、また
審議会が審議
経過の中で吸収していくということが重要だと思うのです。いきなり結論がぼんと出て、さあこの結論に賛成か反対かというやり方は余り民主的ではないのではないか。
国民的な幅広いコンセンサスを形成する意味においても、
審議会が答申を出される前に、審議の途中において一定の議論の区切りで、どういうテーマについてどんな議論をしているのかという概要を公表されたらどうかということを言ってまいりましたが、この点について御意思があるのかないのか、もう一度ここで明確に御
答弁をいただきたいと思います。