○
細田国務大臣 ローカル線の
サービスの問題ということでございますと、もっと申し上げることがあるわけでございます。私
どもの方へ、これは
大臣になる前からそうでございますけれ
ども、
大臣になりましてからも、特に
ローカル線の問題について
陳情の方が非常にたくさん見えます。そういう方々がおっしゃることは、
国有鉄道は、
運賃の問題は別にしまして、
列車を数を減らし不便にする、初
列車をおくらせる、
終列車も早める、昼間は二時間も三時間も
列車をなしにする、
サービスを下げておいて、それで乗らないようにしておる、今度の
運賃がそれに加わるわけですが、そうしておいて、乗客が少ないからこれをやめるのだ、まことにけしからぬことではないか、こういう
陳情がもう圧倒的に多いわけでございます。なるほど、いろいろな場所によって違いますけれ
ども、
ダイヤを見ますと、おっしゃるようなことが確かにあることはもう間違いがないのです。ここで
終列車がもうちょっと遅く出せればもっと客が乗る、あるいは本線との接続がもっとよければ客がふえるという
可能性がある、私は相当余地があると思います。
ただ問題は、この点について私は
国鉄に厳重に注意をしておりますが、現在の人間の数、
職員の数、現在の
ダイヤの
操配だけでそれができるものなら、これはやらなくてはいかぬ。ところが、どうしてそういうふうになっているかということをよく探ってみますと、これは決定的な
サービスを
改善することができない隘路みたいなものがあるわけでございます。それは何かといいますと、これは私をして言わせますと、現在の
国鉄の
勤務の
体制というもの、これは
団体協約によって決まっておる。この
勤務の
体制というものを相当フレキシブルに考えていけばそういうことが可能になるわけですけれ
ども、これを厳重に守るということになると、例えば便利にしよう、
サービスをよくしようと思うと増員を要する、人をふやさなければいかぬ。人をふやすということになりますると、少々
収入が上がりましても支出の方がさらにより大きいものになる。そのために
ローカル線は、
陳情の方がおっしゃるように、不自由に不自由に、不便に不便になるようになっておる。構造的にそうなっていると私は思っております。
そこで、これを救うにはどういう
方法があるかといいますると、私は、幹線あるいは
電車区間、そういうような非常な繁忙な、
列車の込んでおるところと、あるいは私
どもの田舎にもありますように、一日に
列車が五回だ、六回だ、七回だ、十回だというようなところとは
勤務の態様が違うわけですから、私は特別な
考え方でこれは別に分けて
勤務の
条件というものを変えていくのが至当なことではないか、こういうふうに思うのでございます。今、実はそういう
方向において
国鉄も
努力をしていただいております。
しかし、私は本来的に言いますると、これは今のままの
国鉄対例えば
国鉄労働組合、
国鉄対
動力車労働組合、こういう一本の
団体協約の中ではなかなか難しいんじゃないか。しかしできないことではない。この中でも
ローカル線については特別ないろいろな扱いをして、人をふやさなくても
増務というようなことで、
勤務時間を延長するというようなことでそれだけの手当てをすることによって、仕事がそれだけ密でない粗いわけですから時間的に延ばしてそういうことにすればいいわけなんです。そういうことをぜひ考えてもらいたい。これをやらなければ幾ら便利にしたいといっても実は便利になりません。
終列車を遅く出せといっても出せません。ですから、そういう
方向で
ローカル線については考えてもらわなければならない、かように思っておるのでございます。
私個人の見解では、
ローカル線については
国鉄の
むしろ子会社にして、自由自在に
列車がどんどん頻発できるように便利な
地方民のための
鉄道にするということが一番いいのではないかと言って、私の本などにも書いておるわけでございますが、一遍にそこまでいかなくても
労働協約そのものをもっと
弾力性のあるものに変えるということによって
サービスが胸上できる、このように考えております。