○
佐藤(観)
委員 大臣から率直なお話があったので、これ以上本当は
質問は続けられないのですが、なぜ私がそのことにこだわるかというと、今そのことがわからなければ先の絵が全然かけないのですよね。
先ほど委員各位からいろいろな角度から新
電電の今後のあり方について議論がございましたけれども、一体これ自体がどうなっていくか、一体何年で半分の株が国民の所有になるのかというその辺のこともわからずに、一体どういう格好で新
電電がこれから
経営されていくかということについて皆目わからぬわけであります。
例えばどうして私がこのことにこだわるかということをもう少しあれしていただくために、もう少しだけやりますけれども、今、橋本
審議官からお話がございましたように、商法上会社の設立には発起設立と募集設立があるわけでございますけれども、この場合には、これは法務省なり法制局を入れて詰めなければいかぬと思いますけれども、この
電電会社法に書いてある形式をとる限りは、発起人が全部お金を出して会社をつくるという格好にはならぬわけでございますから、したがいまして発起設立という格好ではないんだと思うのです。
恐らくこれは一定の期間、何カ月か政府が新
電電から無償譲渡をされた株を持っていて、そしてこれは流通
市場の問題もありましょうし、発行
市場の問題もございますから、いろいろなことが整ったときにこれを出しますよという格好になると思うのであります。それが六十年か六十一年かはこれから皆さんにお伺いをするわけでありますけれども、そうなってまいりますと、募集設立をするときに幾ら財務諸表が整っていなくても結構ですといっても、これだけ五兆数千億の資産がありますといっているものについて、何もわからずに国民に買ってくださいということにはならぬだろうと思うのであります。
それじゃ一体財務諸表のディスクロージャーができるのですか。今まで
電電公社がやってこられました決算書で、国民に、これを見ればわかりますと言ったって、これは商法上にのっとったものではないわけでありますから、またそれが悪いと言っているわけじゃないわけでございますけれども、それは求めてこなかったわけでございますから、一体商法上の決算なしに国民の皆さん方にこの株を買ってくださいということが、これだけ
電話というもう最も身近な、国民には大変関係の深い、しかもこれは単なる数人がこの資産を形成したんじゃなくて、もう亡くなられた方もいらっしゃると思いますが、戦後
電電債をあるいは施設料を、その当時は払わされるという状況ですよ、そうして築き上げてきた財産という、大変国民に関係の深い、しかも大変幅広く国民が関係をしてきた、しかも後でお伺いをしたいと思っておりますけれども、大変な含み資産を持っているこの
電電公社の資産、これを国民に売却をするということになれば、当然何らかの今後の
判断する資料なくして、これは
電電公社の場合だけはその必要はございませんということにはならないんだろうと私は思うのです。
そういうことから申しますと、今、御説明があったように、発起設立でいくのか募集設立でいくのか、しかもそのときに全くディスクロージャーなしに、財務内容の開示なしに、一定のときに国民に募集をするということにはならぬと思いますから、そうなってくれば、ここに出ている決算書を商法上にのっとったものにつくりかえることが一体できるのかどうなのかという大変重要な課題というのが出てくるわけですね。
今、次長のお話をお伺いしますと、まだ出発点の発起設立か募集設立かもどうも決まっていないようでありますし、それからその後のことについてはもちろん皆目わからない。それで片方の方では民営化民営化ということはかり先走っているということで、恐らく法案の成立後は、これは
一般財産として
大蔵省の主管になると思いますが、しかし新
電電の生みの親は
奥田郵政大臣なんですよ。まさに百十余年の歴史に残る、新
電電がこれから生き残って、まさに我々の二十一世紀に向けて情報通信
産業あるいは高度情報通信社会の中心的ないわばリード役としての新
電電になっていくかどうかは、まさにこれから安心して
経営ができるかどうかということにかかっている。
奥田郵政大臣も確かに直接的な株の売却の事務はとりませんけれども、今後の
経営安定の生みの親であると同時に、今後も育ての親になる、その責任というのを郵政
大臣は持っておるわけですよ。
そういうことから考えますと、今後どうやって株を売却し、いつから売却を始め、そしてその方法は、
先ほど私が
指摘申し上げましたし
大臣にも御賛同いただきましたように、
利権が生じないように、一部独占が生じないように、そして新
電電なるものがこれから安定的にいくためにはどうするかということについてまで、法案を出される以上は内閣として統一した見解を持たないでここに臨むというのは、私は極めて不勤慎な態度だと思うのであります。今後これをもう少し
審議しろといったって、どうせまだ決めてませんということだったらこれは
審議にならぬのですが、
大臣いかがですか、私が言ったことは間違っていますか。