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1984-05-09 第101回国会 衆議院 逓信委員会 第8号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和五十九年五月九日(水曜日)     午前十時二十分開議 出席委員   委員長 志賀  節君    理事 加藤常太郎君 理事 戸井田三郎君    理事 畑 英次郎君 理事 吹田  愰君    理事 鈴木  強君 理事 武部  文君    理事 竹内 勝彦君 理事 西村 章三君       足立 篤郎君    金子原二郎君       亀岡 高夫君    近藤 鉄雄君       近藤 元次君    左藤  恵君       佐藤 守良君    額賀福志郎君       長谷川四郎君    綿貫 民輔君       阿部未喜男君    伊藤 忠治君       中村 正男君    浜西 鉄雄君       松前  仰君    森中 守義君       小谷 輝二君    鳥居 一雄君       中井  洽君    永江 一仁君       佐藤 祐弘君  出席国務大臣         郵 政 大 臣 奥田 敬和君  出席政府委員         運輸省船舶局長 神津 信男君         郵政政務次官  関谷 勝嗣君         郵政大臣官房長 奥山 雄材君         郵政省電気通信         政策局長    小山 森也君         郵政省電波監理         局長      鴨 光一郎君  委員外出席者         科学技術庁長官         官房審議官   三浦  信君         外務省条約局国         際協定課長   西村 六善君         運輸省船員局船         舶職員課長   山本 昌彦君         日本電信電話公         社総務理事   岩下  健君         日本電信電話公         社技術局長   桑原 守二君         参 考 人         (日本放送協会         技師長専務理         事)      矢橋 幸一君         参  考  人         (日本放送協会         専務理事)   坂倉 孝一君         参  考  人         (日本放送協会         専務理事)   渡辺 伸一君         参  考  人         (宇宙開発事業         団理事長)   山内 正男君         逓信委員会調査         室長      芦田 茂男君     ――――――――――――― 委員の異動 五月九日  辞任         補欠選任   原 健三郎君     金子原二郎君   伊藤 忠治君     浜西 鉄雄君 同日  辞任         補欠選任   金子原二郎君     原 健三郎君   浜西 鉄雄君     伊藤 忠治君     ――――――――――――― 四月十九日  簡易保険保険金限度額引き上げ反対等に関す  る請願川崎寛治紹介)(第三〇三七号) 同月二十日  簡易保険保険金限度額引き上げ反対等に関す  る請願上田哲紹介)(第三一二八号)  日本電信電話公社制度の存続に関する請願(林  百郎君紹介)(第三一八七号) 同月二十三日  簡易保険保険金限度額引き上げ反対等に関す  る請願外一件(上田哲紹介)(第三二五一号  )  同(竹村泰子紹介)(第三二五二号) 同月二十四日  脊髄損傷者に対する郵政行政改善に関する請願  (愛知和男紹介)(第三五〇七号)  同(田邉國男紹介)(第三五〇八号)  同(高橋辰夫紹介)(第三五〇九号)  同(野呂田芳成君紹介)(第三五一〇号)  同(葉梨信行紹介)(第三五一一号) 五月七日  脊髄損傷者に対する郵政行政改善に関する請願  (岩垂寿喜男紹介)(第四〇〇〇号)  同(安田修三紹介)(第四〇〇一号)  同(渡辺美智雄紹介)(第四〇〇二号) 同月八日  脊髄損傷者に対する郵政行政改善に関する請願  (愛野與一郎紹介)(第四二五一号)  同(岡田利春紹介)(第四二五二号)  同(齋藤邦吉紹介)(第四二五三号)  同(渡辺省一紹介)(第四二五四号) は本委員会に付託された。     ――――――――――――― 本日の会議に付した案件  参考人出頭要求に関する件  電波法の一部を改正する法律案内閣提出第三  七号)      ――――◇―――――
  2. 志賀節

    志賀委員長 これより会議を開きます。  電波法の一部を改正する法律案を議題といたします。  この際、参考人出頭要求に関する件についてお諮りいたします。  本案審査のため、本日、日本放送協会技師長矢橋幸一君、専務理事坂倉孝一君、専務理事渡辺伸一着及び宇宙開発事業団理事長山内正男君の出席を求め、意見を聴取することにいたしたいと存じますが、御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 志賀節

    志賀委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。     ―――――――――――――
  4. 志賀節

    志賀委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。森中守義君。
  5. 森中守義

    森中委員 電波法審議に入る前にちょっと緊急にお尋ねしておきたいことがあります。  委員長、例のBS2の問題ですが、問題が非常に重要ですから、できるだけこれは近い機会集中審議ができるように理事会で御相談をいただきたいと思います。  そこでまず最初に、一度あることは二度あるとも言いますけれども、五十五年二月二十五日、過去に一回「あやめ」というのがあって、アポジモーターが不都合で百四十億円という大金が宇宙のどこかに消えてしまったという、こういう問題がある。あのときに当時の郵政大臣科学技術庁長官NHKも口をそろえて、原因究明に全力を傾ける、ついては今後は二度とこういうことがないように努力する、こういう約束があったわけですが、それが今や第二回目の事故が発生をした。それで第一回目の「あやめ事故について、ついに委員会では、こういう原因であったという原因究明の結果が報告されたことがございません。これはその後一体どうなったのか、まずひとつ、それをお答え願いたいと思います。
  6. 鴨光一郎

    鴨政府委員 「あやめ」につきましては、打ち上げに失敗をいたしておりますが、その原因アポジモーターの不調によるものというふうに理解をいたしております。     〔委員長退席畑委員長代理着席
  7. 森中守義

    森中委員 アポジモーターの不都合であったということは、それはわかった。結局、これは部品それ自体、すなわちアメリカから買ったもののようですからね、ここに原因がある。それで、その後何回もこういう計画が立てられる、宇宙開発委員会実行計画をしたり、見直しをやっている、こういう経過の中で、ロケットについては国産自主開発でいこう、衛星については購入というパターンがずっと繰り返されてきているようですが、今回の場合どういうように見ているのですか。
  8. 鴨光一郎

    鴨政府委員 今回のBS2a事故の中身でございますけれども、一つは、三月の段階におきましていろいろテストをしております中で、中継器A系統につきまして支障が生じてまいりました。これはいわゆる保護回路と申しましょうか、俗に言うヒューズというふうにお考えいただいていいかと思いますが、それが非常に敏感になっておりまして、電源を入れたとたんにそれが働いて電気が切れてしまうという状態が出ておったわけでございます。五月の三日に至りまして、三つの中継器を積んでおりますが、もう一つ中継器でございますR系統と申しますものにつきまして、これは電源が入ることは入るのですけれども、過剰な電流が流れてしまうという現象が生じるようになってまいりました。そのためにNHKにおきまして電源の投入を見合わせるという状況になって、現在原因究明中というところでございます。
  9. 森中守義

    森中委員 打ち上げに至る行程はどうなっているのですか。つまり、NHK事業団衛星製作と打ち上げまでを委嘱をする、それで開発事業団が、今度の場合には東芝製作から打ち上げを依頼したようですね。その経過の中でGEから部品を買い込むとか、そういう選択はどこがやったのですか。東芝がやったの。
  10. 鴨光一郎

    鴨政府委員 衛星の打ち上げ、製作に関しましては、特にBS2の場合は、ユーザーでございますNHK郵政省にまず打ち上げの要望を出してまいります。それに基づきまして宇宙開発委員会による宇宙開発計画決定が行われるわけでございますが、それが決まりました段階で、通信放送衛星機構を通じまして宇宙開発事業団に、打ち上げ、製作委託を行う、それを受けた宇宙開発事業団が打ち上げにかかるわけでございますが、その場合のメーカーの選定は宇宙開発事業団において行われているものでございます。
  11. 森中守義

    森中委員 そうすると、事業団受注者の方で契約を結ぶわけですか。今度のはどこがやったの。
  12. 鴨光一郎

    鴨政府委員 BS2aにつきましては、宇宙開発事業団メーカーとしての東芝に依頼をしております。
  13. 森中守義

    森中委員 今回の場合、たしかこれにはもう保険が切れているという話ですね。そうなると、事業団東芝契約を結ぶ際に、品質の保証であるとか故障に対する保証、そういうものは契約上にきちんとなっているのですか。
  14. 鴨光一郎

    鴨政府委員 保険につきましては、打ち上げ保険というのがございまして、これは宇宙開発事業団が、打ち上げ後、静止状態に至るまでの九十日間ということを限りまして保険契約を結んでおります。ただ、その九十日間が四月二十一日で終了いたしておりまして、もう一つ保険といたしましての寿命保険という方につきましては、先ほど申しましたA系統のトラブルがありましたために、結ばれないままに経過をしてきているという状況でございます。
  15. 森中守義

    森中委員 そうしますと、東芝GEとの間に衛星製作について選択をして相談に行った、こういうことになるのですか。
  16. 三浦信

    三浦説明員 お答え申し上げます。  宇宙開発事業団東芝契約をいたしまして、その際にGEが副契約者になるということについては宇宙開発事業団承知をしております。
  17. 森中守義

    森中委員 GEとはどこが契約したのですか。GE製品選択したのはだれがやったの。
  18. 三浦信

    三浦説明員 契約といたしましては、GEとの契約は、東芝GEとの間の契約でございます。
  19. 森中守義

    森中委員 そうしますと、結局、「あやめ」の場合も、アメリカ失敗というものが、部品欠陥があったということは大体わかってきた。今度の場合も、さっきの局長説明を、十分じゃないけれども、GEものであって、しかも、送信管フランスものであった。しかも、東芝GEと話をする場合に、三百六十億という大きな商いだから、構造がこうなっている、そういうようなことは説明も何もないのですか。
  20. 三浦信

    三浦説明員 トランスポンダーを初めとして、衛星設計製作等については、宇宙開発事業団十分承知をしておりまして、管理をしております。
  21. 森中守義

    森中委員 郵政大臣、問題はここのところですよ。アメリカは、貿易摩擦があるから衛星をうんと買えと、この前、小此木さんがアメリカに行かれたときも、衛星購入が十分でないといって大分文句を言ったらしい。うんと買わしておいて、肝心の部分軍事秘密だというわけで、ブラックボックスに全然手をつけさせない。日本側日本側、何でもかんでもアメリカものであればそれで十分だと思って買い込んでくる。しかも、これは欠陥品だ。いいのですか、こういうことで。
  22. 三浦信

    三浦説明員 説明が舌足らずだったかもしれませんけれども、宇宙開発事業団として開発をいたします際に、この衛星につきまして、ブラックボックスということではございませんで、トランスポンダーについても、その設計製作等について十分チェックしておりますし、試験も十分やっておるわけでございまして、アメリカのものをただ持ってきたというようなものではございません。
  23. 森中守義

    森中委員 いや、それは三浦君、そうじゃないんだよ。向こうは全然手をつけさせぬというじゃないか、これ以上になると、軍事機密だと言って。片一方では、はい、何百億買え買え、こう言って、一生懸命売り込んでおいて――薬でも見てごらんなさいよ、風邪薬だって、成分はこういうものであって、こういうような効能があるといって効能書きがちゃんと入っている。この三百六十億の大商いについて、今度の故障原因というのは、心臓部に当たると新聞はみんな言っている。心筋梗塞を起こしたのか、狭心症を起こしたのか、わからぬ。そういうのがわからぬ状態で買ってくるからだめだと言うのだよ。何が宇宙政策だ。  どうですか、大臣小此木さんがアメリカに行かれたときに、ブロックという向こうの大将から、しきりに、衛星の買い方が少ないよといって文句言われている。それで、では、近いうちにひとつ作業部会か何かやろうじゃないかという話になっているようですが、幸いなことに、ブロックよりもっと強い、鉄筋のようなブッシュが来ている。ブッシュに会って、困る、衛星衛星で買うから、ちゃんとブラックボックスを開放せい、そのくらいの話をしなければ、これはだめですよ、何回やっても。それは、三百六十億といっても、そう簡単なものじゃない。そのくらいの性根を据えたことをやらないから、私は何もアメリカがけしからぬと言うわけではないけれども、日本の外交が少し軟弱、これでは損ばかりしている。何が財政再建ですか。しかも、東芝契約を結んだ際にも、保険保険受注者として相当保証をしますぐらいの、商慣行に基づいた契約条項があってもいいはずだ。会計検査院もよくこんなのを黙って見ているものだと思った。  ブッシュ大統領に会いますか、会ってこの話をやってくださいよ。
  24. 奥田敬和

    奥田国務大臣 実は、けさ会いました。今晩も会います。  今お話しの内容については、非常にデリケートな面がございますので、ただ先生に言えることは、全くやりきれない、肝心な心臓部の、しかも、そのメーカーアメリカであれ、フランスであれ、まあ未熟な分野とは言いながら日本宇宙開発現状、しかも、これが世界初放送実用のサテライトということで、国民もこの十二日からの放送開始も含めて、大変な大きな期待を持っておっただけに、しかも、この結果がまた国民負担にはね返ってくると、期待も大きかっただけに、もう先生の御指摘どおり痛恨事であると同時に、何か国産率三〇%程度の星であったという実態も含めて、本当に何とおわびしていいかわからぬ、つらい気持ちでございます。  それで今言っているような日本技術現状も踏まえて、このことは本当は自分の自主技術の力があれば、こんなやりきれない気持ちではないわけですけれども、リスクリスクとしても、また新しい飛躍の面について緊褌一番と申しますか、頑張ってもらわなければいかぬわけですが、しかし、今度の場合、本当にやりきれない。何をやったのかと、こっちはただロケットを飛ばして、がらんどうの、心臓部はあちらという形になりますと、本当につらい気持ちでございます。しかし、先生の言われるとおりに、そういった面について、いわば単に機密のベールというだけでなくて、日米共同の体制の中で飛ばした技術的な量なら星らしく、やはり今後、原因究明も含めて、またおしかりを受けるかもしれませんけれども、今後に引き続くBS2bあるいはBS3という宇宙開発計画に基づくこういった打ち上げ計画には、こんな事故は本当に繰り返してはならぬということを銘記して頑張らなければならぬと思っております。  前回も同じような、同じ部分故障ではないようですけれども、前回失敗の経緯も踏まえますと、本当にこういった形を、先生の御質問にこうして答えておるだけでも、何かむなしい気持ち、やりきれぬ気持ちになるわけですけれども、本当に今後の宇宙開発計画に関しましては、最終的には国民負担に大きくはね返ると同時に、国の技術威信も含めて、大変な遺憾なことであることを銘記いたしております。
  25. 森中守義

    森中委員 大臣、お気持ちはよくわかるし、歴代の郵政大臣にない、たぐいまれに見る名大臣ですよ。ですから、これはお互いに痛みを分け合わなければいかぬ。  さっきちょっと申し上げた、小此木さんが、ワシントン三十日発と、こういうから一月のことでしょうね、三極通商会議出席のときに、ブロック米国通商代表と会談をした。その中でブロック代表から、衛星購入などが非常に少ないと言って強い不満が表明された、それで議論の結果、目下中断されている高度技術作業部会を来月中に再開、専門家による会合を開くことで合意した、こうなっている。これはいい機会ですよ。しかも、ミスターブッシュが来ているわけですから、けさも会う、今夜も会うというのはいい機会です。ただハローハローで終わらないように。ブラックボックスをちゃんと開放しなさい、そうしなければ衛星は買わないぞと。これは売り手市場よりも買い手市場ですよ。そのくらい強い姿勢でやってください。そうしないと、日本宇宙政策というのはこういうことの繰り返しばかりであって、しかも、NHKはどこに苦衷を持っていきますか。まさか中曽根内閣が、三百六十億ぽしゃったんだから三百億見ようなんということにならぬでしょう。事業団あるいは東芝にも少しぐらい持たせますか。東芝も目いっぱいもうけさせないで、今度は少しは出させなさい。何も土光さんにもうけっ放しにもうけさせる必要はない。ですから、こういうブッシュ大統領が来ている機会に――少し今の大臣のお気持ちが、お話しになるのもむなしいでしょうが、聞いている方もむなしい。これでもう二回目ですから、二度あることは三度あるというから、このままいったらまたやりますよ。この次の大臣はどなたであるかわからぬけれどもね。こんなむなしいことを何回も繰り返すようなことは、日本の国威に照らしてもいいことじゃない。ブッシュ大統領にやりますか。援軍で助っ人に行ってもいい。ネクタイを握ってやりなさいよ。  それからいま一つは、要するに、よそに頼み過ぎているからこうなる。ロケット自主開発をやるというならば、衛星だって自主開発できぬことはないでしょう。これは、薬の効能書きみたいなものがちょっとでも入っているなら、日本電気通信研究所なり電波研究所放送技術研究所へ持っていってみなさい、一発でこんなものはすぐわかる。何もアメリカに拝みます、頼みますといって聞かなくてもすぐわかる。そのくらい日本高度技術は進んでいますよ。効能書きを見せぬからこうなる。自主開発でいくのか、あるいはよそ者依存でいくのか、これもはっきり決めようじゃないですか。これをひとつはっきりさせてもらいたい。
  26. 奥田敬和

    奥田国務大臣 先生の御指摘の件は、私も政治家の一人として、今回の事故日米間の一つ技術格差も見せつけられたような問題もございますし、今後技術的にも友好関係を維持していくために、緊急の問題としてはっきりとお話し合いをさせていただきます。  と同時に、先生日本先端技術のそういった高い水準についての御指摘でございましたけれども、私は、何か日本の場合、応用技術の面は多少世界のトップクラスにあるかもしれませんけれども、基礎技術と申しますか、こういった特に宇宙開発の面に関してまだまだ大変なおくれがあるのじゃなかろうかという、技術的なギャップというものも感じました。たとえ心臓部アメリカであれ、それをやはりブラックボックスというような形でない、今度の場合、特に聞いておりますと、そういった形では技術的な話し合いも十分やったようでございますし、その結果に起きた事故というだけに、非常に衝撃が大きいということにもなります。  いずれにしても、宇宙開発計画というのは国全体の推進しなければいかぬ命題ではございますし、かといって、今すぐその技術ギャップを埋めるだけの力が、何かまだもどかしいけれどもないような気もしますし、そういう点も踏まえてひとつ技術当局も、結局は国民負担にはねかえってきて、大きなリスク国民がかずくということになるわけですから、その点を心して、技術面の検討もともどもに、本当に残念なことですけれども、性根を据えてかからなければならぬと思います。
  27. 森中守義

    森中委員 これは大臣NHK技師長あたりに聞いたらわかりますよ。要するに、箱をちょっとばらして、どうしてどうなっている、そういうことがちょっとわかれば、これはもう目をつぶっておってもどこが悪いんだとすぐわかるという、そのくらい日本技術は進んでいるのじゃないですか。今、大臣の言われるような状況であるとするならば、後世のためにも、進めるためにも自主開発が必要です。ですから、政策的にアメリカに、貿易収支改善のために高いものを買おう、こういう政策をとっていくのか、あるいは民族の将来のために自主開発をやるかという、そういう一つの分かれ道だと思うのですね。  アメリカだってフランストムソン社から興っているじゃないですか。アメリカ万能じゃない。それでも、ちゃんとブラックボックスで枠にはめて開いて見せない。それなのに、三百六十億も買っては損する、買っては損する。しかも、もう間もなく衛星の受信ができるというわけで、受益者相当の地域で設備投資をやっていますね。これに与える影響をどうしますか。  それと、つい先般この委員会決定をした料金の改定、三百六十億NHKが丸損、これはどうしますか。政府が少々出すこと、あるいは東芝にも無責任にもうけっ放しにもうけさせるわけにいかぬでしょうね。東芝にだって半分ぐらい出させなさいよ。それで、NHK財政対策をどうなさるおつもりか、これを最後に、この問題は終わりたいと思います。
  28. 鴨光一郎

    鴨政府委員 事務的な点を私からお答えいたしますけれども、保険関係につきましては、先ほど申し上げたとおりでございます。  今、御指摘の点につきまして、宇宙開発という全く新しい分野での問題でございまして、なかなか難しい問題がたくさんあるわけでございます。その中で今回大変残念な状態になっているわけでございますが、その補償という点につきましては、保険が先ほど申し上げましたような状況にございますのと、それから、宇宙開発事業団あるいは機構NHK等との間におきまして、故意による場合を除いては損害賠償をしないという取り決めにもなっておりますので、まことに残念でございますけれども、そういうことでの対応が、現在のところではその取り決めに従うしかないという状況にあるということでございます。
  29. 森中守義

    森中委員 これはもともと、たしかGEに行って製品検査したというんだ。検査合格はだれが認定したのですか。東芝がやったのか、それとも、事業団あるいは技術庁、どっちですか。
  30. 三浦信

    三浦説明員 宇宙開発事業団において、最終的な受け入れを決めているということでございます。
  31. 森中守義

    森中委員 事業団も来てもらっているはずですが、これはたしか事業団GEの社内で検査合格をやったという話のようだけれども、そのときに、こういうような部品欠陥、まだ耐用年数も何も過ぎていないのにこういうことになるなんということが全く想定されなかったのかどうなのか。――事業団が来ているだろう。事業団も責任があるよ。
  32. 三浦信

    三浦説明員 詳しい点は事業団からお答えいただきます。
  33. 山内正男

    山内参考人 御質問にお答えいたします前に、このBS2a開発に関連しまして、三系統中継器のうち二系統ふぐあいを生じ、国民皆様方に大変御迷惑をおかけしたことにつきまして、これの開発を担当いたしました宇宙開発事業団としてまことに遺憾に存じております。  御質問の、GEにおいて製作されたものについての検査、これは宇宙開発事業団で実施しております。
  34. 森中守義

    森中委員 とにかくきょうはこれで終わりますが、さっき委員長にもお願いしましたように、こういう問題を集中的にいろいろ協議できるような機会をこの会期中、二十三日までの間にぜひ一、二設定していただくようにお願い申し上げて、詳細はまたそのときにいたしましょう。  大臣、今夜ブッシュにお会いになるなら、やかましく言っておるぞ、おまえさんの方の上院と同じようなところで、おれはもう大臣として立つ瀬がない、どうしてくれるんだというくらいでひとつやってください。  電波法についてお尋ねしますが、外務省にちょっと聞いておきます。  今回、電波法の一部改正は、IMO、国際海事機構の拡大海上安全委員会決定した附属書の改定ということですね。きのうも衆議院の本会議で、こういう条約関係の附属書が変わったということで法案が一つ上がりましたが、ちょこちょこういう条約に係る附属書の改定等が行われておりますが、こういう国際機構関係のある問題等について、日本側の意向の表明があるいは問題が提起できるような、関係省庁との協議というのが随時行われているかどうか、これをひとつ御説明いただきたい。
  35. 西村六善

    西村説明員 お答え申し上げます。  この種の会議におきまする条約ないしその附属書の改正につきまする議論の際におきましては、私どもに一番最初資料がいろいろな方面から届けられるわけでございますけれども、その資料に基づきまして関係省庁とは十分に協議をいたして進めておる次第でございます。一具体的に申しますと、その改正の趣旨とか目的、特にその内容について、その内容が我が国の利害とどのような関係に立つかといった点について関係省庁の方々から御意見をいただきまして、我が国として一定の対処方針をつくって会議に臨んでいる次第でございます。十分な連絡と協議の体制を経て会議に臨み、その立場の確保のために種々の工作ないし交渉を行っている次第でございます。
  36. 森中守義

    森中委員 去年の三月八日、官報一万六千八百二十七号で運輸省の省令が出ている、これはどういうことでしょうか。千九百七十四年の海上における人命の安全のための国際条約が今回と同じように附属書の改定で変えられておる。これを受けたものがこの運輸省の省令になったのか、あるいは今回のものがそれになっているのか。衛星の航法の装置、第五条と海事衛星通信装置、第十一条、この二つが運輸省の省令で変わっている。これは前者を指すのか今回のを指すのか、どっちですか。
  37. 神津信男

    ○神津政府委員 お答え申し上げます。  三月に行いました省令改正は、安全法に基づきまして行っております施設の型式承認のための手数料の変更のための省令改正でございまして、今回の改正ではございません。
  38. 森中守義

    森中委員 そうしますと、SOLAS条約というものは運輸省と郵政省の共管になっているわけだな。それで郵政省では電波法の改正をやる、運輸省では省令の改正でいく。この辺に省令と法律の相当の落差があるわけだが、これはもう少し統一できぬものですか。
  39. 鴨光一郎

    鴨政府委員 電波法関係でございますが、私ども条約で定められました事項のうちで、国民の権利義務に係る事項あるいは人命の安全に係る事項等の重要事項は法律で定めることが適当というふうに考えております。したがいまして、海上人命安全条約で規定する義務船舶局の今回お願いいたしております有効通達距離及び聴守義務につきましては、電波法が昭和二十五年の立法当時から法律事項として定めていたものでございますけれども、今回これらの規定についての必要な手当てを行わせていただきたいということで改正案を御審議いただいている次第でございます。
  40. 神津信男

    ○神津政府委員 船舶安全法は、同法二条において、船体、機関等船舶に施設すべき事項及び当該事項の備えつけ要件、性能要件等は省令への委任を行っております。今回の海上人命安全条約の改正の実施に際しまして取り入れるべき事項はすべて船舶安全法第二条に定める事項に該当しておりますので、同条に定める関係省令で対処できるために法律の改正は行っておりません。
  41. 森中守義

    森中委員 これはそもそも考えてみると、船舶安全法は昭和八年に施行されておりますね。電波法はずっと後だから、その限りにおいては決して運輸省けしからぬとは言わぬ。けれども、条約の附属文書がこう変わっていくということは、恐らく外務省から運輸省にも郵政省にも同時に通知が行くと思う。したがって、その段階で二省間のこの問題に対する取り扱いというのか協議というのはできているのですか。  確かに船舶局長の言われるように、船舶安全法の二条では省令でよろしいとなっておるわけですね。しかしながら、より完全な海上における人命と財産の保全を図ろうとするには、片や省令片や法律というのではどう考えてみても適当だと思えませんね。むしろ両者間の話し合いがもう少し必要じゃないですか。我々がこの法案に反対だというのは、この辺に非常に問題があるからです。むしろ郵政省から進んで運輸省に協議でもした方がいいのじゃないかな。
  42. 鴨光一郎

    鴨政府委員 一九七四年の海上人命安全条約の関係でございますが、レーダーの備えつけといったことについて、運輸省の省令改正に関しては、御指摘郵政省と運輸省の間での協議はいたしております。そして、覚書などの交換もいたしておる状況でございます。
  43. 森中守義

    森中委員 どういう覚書がわからぬけれども、覚書を出してくださいよ。全然わからない、どういう覚書を交わしているのか。  今までのところこういうことについて問題が起きぬからまだいいけれども、もしBSのような問題でも、あるいは海上の航法上のミスでも起きて、船舶事故でも起きた場合どうしますか。
  44. 鴨光一郎

    鴨政府委員 ちょっと私のお答えが間違っておりましたが、先生指摘の今回の条約改正に伴う問題につきましては、現在運輸省で省令の改定作業中であるということでございまして、私ども従来からの動きからいたしまして、運輸省との間での協議を進めていく考えでございます。
  45. 森中守義

    森中委員 そうすると、覚書というのは何を指したのですか。覚書というのはいつのことなんですか。その覚書が見たいんだ。
  46. 鴨光一郎

    鴨政府委員 先ほど私が申し上げましたのは、昭和五十年十一月に船舶設備規程の一部改正を公布したときにおきます協議の問題でございます。
  47. 森中守義

    森中委員 五十年と言えば相当昔の話だけれども、そういうのがあれば二省間にまたがる問題ですから覚書を持ってきなさいよ。資料として出しなさいよ。別に秘密じゃないんだろう。
  48. 鴨光一郎

    鴨政府委員 ここで覚書の概要を申し上げますと、検査制度の整備に伴って、電波法による無線局の検査制度と無線設備の型式検定、それと船舶安全法による検査制度及び型式承認との従来の関係、これはそれぞれの省がそれぞれの所管に応じて行っていくというものでございますが、それの関係に何ら変更を及ぼすものではないという形で取り決めをいたしております。
  49. 森中守義

    森中委員 とにかくこのSOLAS条約というのはちょこちょこ改正しているようだから、これが二省にまたがる問題であればあるほど非常に慎重でなければいかぬ、片や法律、片や省令という状態であっていいとは思えませんね。ですからもう少し慎重に、場合によっては電波法を船舶安全法の中に持ち込んでいってもいいし、あるいは船舶法を電波法の中に持ち込むとか、何かそういうふうに統一するようなことはできませんか。
  50. 鴨光一郎

    鴨政府委員 電波法につきましては、先ほど申し上げましたような事情、状況でございますが、それぞれの所管の法律につきましては、私どもの電波法につきましても昭和二十五年からという長い経緯、歴史を持っているわけでございますが、そういった経緯等の中から今お話を申し上げているような事態が出てきているかと思いますけれども、先生指摘のようなことにつきましてはこれからも運輸省と十分話を詰めていきたいと考えております。
  51. 森中守義

    森中委員 鴨局長、施設を必要とする義務船舶、強制船舶は日本で何隻くらいありますか川
  52. 鴨光一郎

    鴨政府委員 約千五百隻でございます。
  53. 森中守義

    森中委員 その辺のことを二省でもうちょっと整合してくれというのは、やがてインマルサットというのが出てくる、これでまたこういう程度のものじゃなくて相当大幅に航法が変わってくるだろう、その際に一体どうするのか、恐らくIMCOに対しては進んで日本から問題を提起するような時代が来るんじゃなかろうか、こういうように思うわけです。船舶局長どう思いますか。
  54. 神津信男

    ○神津政府委員 先生指摘のとおり、技術進歩に伴いまして船舶の航行も当然いろいろ形態が変わってくるということは十分承知しておりますし、またその面での研究もいろいろ進めておるところでございます。  なお、これの実施に関しましてIMOへの対応等につきましては十分従来からも郵政省と連絡をとってやっておりますし、今後もそのつもりでIMOにも働きかけ、またその実施に当たりましても十分調整をとってやっていく所存でございます。
  55. 森中守義

    森中委員 それからこの中に手数料の問題が出ていますが、手数料もみんな省令にゆだねるというわけで、はっきりしていない。これはまたどういうことですか。要するにこの機会に手数料の値上げをする。言いかえるならば財政対策としてやろうというのかどうなのか、この辺をはっきりしてもらいたい。
  56. 鴨光一郎

    鴨政府委員 今回電波法関係手数料について規定しております第百三条の改正をお願いしておりますが、これは国の各種の手数料等に関する規定の合理化を図るということの一環でございまして、実はいわゆる一括法と称される各種手数料等の額の改定及び規定の合理化に関する法律というのが今国会で四月二十日に成立いたしておりますが、私どもが今お願いいたしております改正も、この一括法の中で処理されようとしております手数料と同じ趣旨、目的を持って行おうとするものでございまして、この一括法に入れませんでしたのは、電波法について今回SOLAS条約等に関連いたします改正をお願いしておるということで、この今回の改正案の中に手数料関係も盛り込ませていただいたということでございまして、趣旨といたしましては、これまでの国会における委員会決議等の趣旨を踏まえまして、経済情勢等の変化に弾力的に対応できるように規定の合理化を図る、こういう趣旨のものでございます。
  57. 森中守義

    森中委員 これは根拠はわかったけれども、電波法上の問題で手数料として大体どのくらい徴収してきているのですか、金額でどのくらいになるのですか。
  58. 鴨光一郎

    鴨政府委員 手数料収入でございますが、五十八年度の電波関係の手数料収入につきましては現在各地方電波監理局で集計中でございます。まだ若干の時間がかかるわけでございます。ただ五十八年度の予算で見積もりました額は四十六億四千百万円でございます。それから五十九年度の予算見積額をあわせて申し上げますと五十六億九百万円ということになっております。
  59. 森中守義

    森中委員 予算編成の際に、これに対して相当の大蔵省の見返りをつけるのですか。
  60. 鴨光一郎

    鴨政府委員 先生御案内のように、現在の財政法によりますと、収入予定額と支出予定額というのはそれぞれ別個に予算に計上されるという仕組みになっておりまして、その意味ではこの収入に関連してこれだけの支出があるという形にはなっていないというのが現状でございます。
  61. 森中守義

    森中委員 今、電波局の検査体制も十分でない。旅費等についても非常に窮屈だと聞いておる。こういうように取りっ放しになって大蔵省へ持っていくばかりでなくて、少しくらい予算をとってきなさいよ。何もそう大蔵省の代行をする必要はないよ。これだけ集めたら、半分くらいよこせと言って、予算編成の際にちょっとくらいやっていかなければ。  それからもう一つ、これは法律とちょっと離れますけれども、非常無線通信協議会というのがありますね。これの運用状況、特に自治体の加入状況、施設状況はどうなっていますか。
  62. 鴨光一郎

    鴨政府委員 大変申しわけございませんけれども、現在ちょっと手元に資料を持ち合わせておりませんので、後ほど御説明させていただきたいと思います。
  63. 森中守義

    森中委員 これは毎年、災害が発生するたびごとに関係の特別委員会はもちろん、どの委員会でも、防災対策をもう少し重視して国家的な見地から対応をやらなければいかぬということで、必ず議論されてきている。そういうこととして非常無線通信協議会というのが設置されている。これは中央の場合には電波監理局長が会長ですよ。地方にもできて、地方電波監理局長が会長になっておる。地域的には知事等が会長になっている。事務局はいずれも電波監理局に置いてある。これはいつ何とき災害が発生しても、即対応できるような体制になっているのかどうなのか、それを聞きたいわけです。  それと、行政無線の設備をやろうじゃないかと自治省が提唱している、全国の自治体がかなり加盟していると思うけれども、その辺の状況はどうなのか、ちょっとわかっているだけでも説明してもらいたい。
  64. 鴨光一郎

    鴨政府委員 非常無線通信協議会は先生指摘のように、中央と地方にございます。私ども、御指摘のような災害時における無線通信の利用ということにつきましては、災害の多発というふうな状況の中で、これからの社会でますますその重要性が高まるというふうに認識をいたしております。  それで、地方公共団体自体の意欲ももちろんおありでございますけれども、私どもの方からもこうした無線の活用ということにつきまして、行政あるいは防災無線という形での活用方を要請をし、またその促進を図ってきている状況にございます。これからも地方自治体とは十分な連絡、協議をしながら、その促進に努めて、最終的な目的である災害の場合の無線通信体制というものをできるだけ確立をしていきたいというふうに考えているところでございます。
  65. 森中守義

    森中委員 これは、テレトピア構想なんてこの前から問題になっているけれども、こういうものもテレトピア構想の中に入れても決しておかしくはない。それからもう一つ、中央非常無線通信協議会の加盟団体は二十一団体、この二十一団体ある中で大事なものが少し抜けておる。何が抜けておるかというと、政府の窓口になるところがはっきりしない。総理府が入っていない。それから衛星機構が入っていない。民放連が入っていない。そしてこれはただ中央非常無線通信協議会というだけのものであって、どういう性格のものかはっきりしない。もちろん法律の根拠を持ったものでも何でもない。これを機会に、例えば社団法人であるとか、財団法人であるとか、そういうものをきちんと定義を、性格を与えておく必要があると思う。  これは予算もないですよ。こういうもので通信の訓練をやるとか、一年に一回総会を開くとか、幹事会をやるとか言ってみても、今、局長がその運用状況を聞かれて、資料がありませんなんという答弁をするようなことでは、お粗末で話にならぬ。むしろ郵政省が中心で、会長には電波監理局長がなっているわけだから、各省庁に相談をし、総理府あたりとも相談をして、これをきちんとした法人化していくとか、あるいは政府機関にするとか、何か検討を加えてみたらどうですか。
  66. 鴨光一郎

    鴨政府委員 法人化の問題につきましては今この場で直ちにお答え申し上げかねるわけでございますけれども、いずれにいたしましても、名前のとおり協議会ということで各種の機関に入ってもらっているわけでございます。要はその協議会の目的をいかにして達成するかということでございますので、私どもといたしまして無線通信の主管省という立場で、先ほど申し上げましたような対応をしてまいりたい。これからもその一層の努力を払いたい、このように考えております。
  67. 森中守義

    森中委員 なまぬるい。結局、そういうロビー的なものではだめですよ。一朝何かあった場合に災害対策をやるならば、相当の拘束力を持つ必要がある。そういう意味で法人組織をやりなさい、もうちょっと法律の根拠に基づいた機関をつくったらどうか、こう言っているわけです。  ここに災害対策特別委員長の経験者はたくさんいらっしゃる。私も九州の災害復旧には特別委員会へ出ていって随分このことを主張した。そのたびごとに国土庁も自治省も腰を浮かしてその必要性を強調する。済んでしまえばこういうことでしょう。昔から「治にあって乱を忘れず」という言葉がある。平素からこういうことを考えておかなければだめですよ。何が非常災害対策だ。しかも今日CSが上がっておる。CSは非常通信の対応策でしょう。こういうものとどう結合していくのか。こんなこと何にもないでしょう。こういう中身のないような協議会じゃだめじゃないですか。これが地方、地区を統括できるようなそういう組織をつくって初めて国土と人命の安全と財産の安全は保障される。これはそういう一番大事な通信を扱うものの唯一の使命でもある。検討を加えたらどうですか。
  68. 鴨光一郎

    鴨政府委員 御指摘のように非常無線通信というものは、人命の問題あるいは災害の救援といったもろもろの問題に関連をいたしますので、私どもとしてもできるだけの努力を払っていきたいというように考えております。
  69. 森中守義

    森中委員 郵政大臣、お休みのようでしたが、話している中身は大体お耳にとまっていると思う。せっかくの機会ですから、ひとつ在任中に各省庁を督励して、国土と国民の人命と財産を保全するために通信を利用して一何も電電改革、これだけに憂き身をやつしてはだめですよ。こういう地道なことをやってみたらどうですか。少し熱に浮かされているから、こんなことをちっとも考えない。あなたが提唱して、中曽根さんに直訴でもしてやろうじゃないかと言って、非常無線対策、災害対策をひとつおつくりになったらどうですか。
  70. 奥田敬和

    奥田国務大臣 各省機関にまたがる問題だと思いますし、本当に、人命の安全を含めて、災害通信の必要性のことは、もう認識の上ではみんな持っているわけでございます。  先生の御指摘は、何か横の連絡も含めて、関係各機関が一体的にこういった非常事態に備えるように、平素からちゃんとやっておかなければだめだということだと思います。確かに、これは大事なことだと思いますし、特に、CS2、通信衛星の打ち上げと目的もまさにそこにあるわけでございますから、衛星機構の方も含めまして、また、マスメディアの中でも、テレビとか、そういったことも援助を仰がなければいかぬ、援助というよりも、協力を願わなければいかぬということもございますから、そういう広い機関を統合するような形の協議機構を早急に打ち立てる必要があるということは進言してみたいと思っております、結果は別として。
  71. 森中守義

    森中委員 いずれその結果を承る機会もありましょうが、役人はああいう調子、人ごとのように考えているわけだから、しかし、それは政治家大臣のお仕事、いいものをおつくりになるように特に要望いたしまして、質問を終わります。
  72. 畑英次郎

    ○畑委員長代理 次に、鈴木強君。
  73. 鈴木強

    ○鈴木(強)委員 提案されております電波法の一部改正法案について、若干の質疑をいたしたいと存じます。  その前に、ただいまも、森中委員から若干触れられました放送衛星二号aの問題について、特に、森中委員からは事業団、放送機構等に対して質疑がございました。もちろん、私も委員長にお願いしておきたいのでありますが、これは非常に重大な問題でございますので、ぜひひとつ、十分時間をとって、過去の経緯を踏まえ、現状いかなるところに原因があったのか、これを克服するためには、今後どうあるべきか、それらの点を中心にして、本委員会において徹底的な論議をする必要があると思いますので、詳細はその際に譲ることにいたしまして、きょうは、若干の状況だけの報告を受けておきたい、こう思う次第でございます。  そこで、NHKとしましては、五月十二日から、BS2aによるテレビジョン放送を始めみということで、大変張り切っていろいろと準備を進めておられたわけでございますが、突然こういう異常な事態が生じまして、正式な放送を中止せざるを得ない、こういうような立場に置かれていると思うのでございます。きのうですか、おとといでしたか、責任者が、申しわけないというようなことをテレビで放送をしていらっしゃるのを、私も、たまたま拝見いたしましたが、一番の問題は、科学技術庁宇宙開発事業団あるいは放送機構にあるのでございまして、NHKは、正式に運用されるものとして引き受けた、そして、試験放送をやっている間に故障になったということでございますから、むしろ責任は科学技術庁宇宙脚発事業団にあると私は思うわけであります。大変迷惑を受けているのはNHKではないか、こういうふうに思います。  そこで、もし五月十二日から放送を開始する、もしというよりも、放送を開始するという立場に立って準備を進められておったものが、この異常な状態が惹起いたしましたために、変更せざるを得なかったという点はどういうところか、これをちょっと、概略最初に御説明いただきたいと思います。
  74. 坂倉孝一

    坂倉参考人 五月の十二日から、テレビジョンの二チャンネルによりまして衛星放送が行われることを前提に、この放送開始に備えてきたわけでございますけれども、先ほどからの説明にあったように、これが一チャンネルしか正常には作動しないということになりましたのは、まことに遺憾であると考えますと同時に、視聴者の皆様方の御期待に沿えなかったことに対して、深くおわびを申し上げる次第であるわけでございます。  ともかくも科学技術庁あるいは事業団の方で原因究明、修復の努力をお願いし、それをやっていただいているわけでございますけれども、この五月の十二日の放送開始に、二チャンネルというのは無理であるという判断のもとに、一チャンネルでやっていくわけでございますけれども、この一チャンネルだけで放送せざるを得ないという状況でございますので、系続からいうと、これは第二衛星放送のチャンネルで教育テレビを中心とした番組を流す系統であったわけでございますけれども、これを変更いたしまして、総合テレビを中心といたします衛星第一テレビジョンの番組というものを、これによって放送していきたいというふうに考えているわけでございます。ともかくも一日も早くこれの回復をいたしまして、二チャンネルが放送でき、難視聴解消にも十分お役に立ち得る状況になることを、心から念願している次第でございます。
  75. 鈴木強

    ○鈴木(強)委員 三系統のうち、A、B、Rと三つございますが、Bが幸い順調に運用しているようでありますから、Bによって当面は総合を中心に教育をまぜてやっていく、こういうお話でございます。  そこで、もちろん、これは本免許、本放送としてのものではなくて、やはり試験放送としてやっていく、こういうことでございますね。
  76. 坂倉孝一

    坂倉参考人 そのとおりでございます。放送試験局としての放送ということでございます。
  77. 鈴木強

    ○鈴木(強)委員 そうしますと、受信料等についても、これは徴収できないというふうに理解していいですね。
  78. 坂倉孝一

    坂倉参考人 二チャンネルでやっていくということが不可能になりましたので、現時点ではこれを放送試験局というふうな免許に切りかえたわけでございますので、受信料の方はちょうだいはいたさないということでございます。
  79. 鈴木強

    ○鈴木(強)委員 それで、A、B、Rの三系統のうちで故障になっておりますAとR、この故障回復のためにいろいろと努力をされておると思うわけでありますが、これは最初、Aがどうもうまくないということを私は新聞報道で伺ったわけでありましたが、その後またRも異常状態になってきたということでございますが、Aの方については正常化する脈はまだあるわけですか。Rについてはどうなのか。Bについては、またAとRのようなことになる可能性というのはあるのかどうなのか。その辺はどういうことに技術者として考えておるか、これをひとつ教えてください。
  80. 山内正男

    山内参考人 お答え申し上げます。  今、御指摘のように、A系統R系統の二つの系統が異常を呈しておりまして、皆様方に大変御迷惑をおかけして、この開発を担当いたしました事業団といたしましてもまことに遺憾に存じておりますが、このA系統につきましては、三月二十三日にふぐあいが発生をいたしました。そこで、これにつきまして、たまたまBS2a開発を行っております途中の段階で、エンジニアリングモデルというのを製作したのが東芝に置いてございました。これをGEの方に持ってまいりました。そして、事業団から担当の技術者をGEに派遣し、また、主契約者である東芝技術者もGEに派遣をいたしまして、これで目下原因究明の努力をいたしておるところでございます。まだ現在の段階では、原因がここにあるというのを確定的に申し上げるわけにまいらない段階でございます。  それから、R系統の方につきましては、五月三日に異常が発生をいたしました。これに対しまして事業団は、早速NHKの放送センターの方に担当技術者を派遣いたしましたし、また、東芝GEの人たちもあわせて放送センターの方に行ってもらいまして、これの原因究明のためのいろいろのテストを実施いたしました。現在は、そのテストの結果を解析しておるところでございます。  それからまた、GE並びに進行波管を製作をいたしましたフランストムソン社、この方に対して、原因究明に対する意見を言ってもらいたいということで意見を求めておりますが、こういう意見を求め、それから、事業団の方でNHK及び通信放送衛星機構に御協力申し上げて、データの解析をしたものと総合いたしました上で、今後の原因究明をどういうふうに持っていくかということをはっきりさせてまいりたいと考えております。  したがいまして、現在の段階におきましては、まだA系統R系統の回復の見通しというようなことについては、どうも確定的なことを申し上げることができないような段階でございまして、今後鋭意原因究明を急ぐというようにしておるわけでございます。
  81. 鈴木強

    ○鈴木(強)委員 あなたは事業団理事長さんですね。そうですね。
  82. 山内正男

    山内参考人 はい。
  83. 鈴木強

    ○鈴木(強)委員 何か人ごとのようにちょっと私は伺ったのですが、もうあなたの方では、A、B、R三系統について、三月二十三日にA系統故障が起きたということがわかったわけですね。それから、五月三日にR系統がだめになってきたのですが、要するに、一応打ち上げた星は正常に動いている、A系統はちょっと故障があるが、あとの二系統については放送できる状態にあるということで、その星そのものの運用は放送機構に任せ、それで、六〇%の費用を出したNHKに対して星そのものはもう引き渡した、こういうようになっていたところへ事故が起きて、またもとに戻っていくわけでしょう。引き渡して、後で事故が起きたから、事業団の方では、それは私の方は知らぬ、こういう態度なのか。ちょっとそんなふうにも聞こえたものですから、そこはどうなるわけですか。
  84. 山内正男

    山内参考人 お答えいたします。  御指摘のように、四月二十一日に、これまでの機能確認が終わりまして、通信放送衛星機構にお引き渡しをいたしましたが、このお引き渡しをいたしました後においてふぐあいが発生をいたしました際に、事業団といたしましては、この開発を担当したという立場から、お引き渡しをした通信放送衛星機構それからNHKに御協力を申し上げて、それの原因究明と対策、回復に全力を尽くすということを考えておるわけでございます。
  85. 鈴木強

    ○鈴木(強)委員 一般的に、例えば家を建てた場合に、工事が完了すれば施主の方に引き渡しますね。その以降起きた、火事になったとか台風が来て家がつぶれたとかという責任は一切建て主の方にあるわけだ。それと同じようにこの星が、打ち上げて、しかし三つの系統のうち一つ故障のあることは間違いない。これは中途半端だ。  要するに、異常事態が一つあるが二つあれば何とかいけるだろうという、Rは予備ですからね、そういうことでもう正常のものとして引き渡してしまった、だから、その後はどうなろうと放送機構NHKがやればいいんだ、宇宙事業団は側面的な協力をすればいい、こういうことになっているのですか、建前は。
  86. 山内正男

    山内参考人 お答えいたします。  ただいまのお話のように、引き渡しをした後はどうでもいいというような無責任なことは考えているわけではございませんで、これの原因究明、それからそれの対策、回復について、機構及びNHKに御協力を申し上げて、鋭意これの努力をするということを考えておるわけでございます。
  87. 鈴木強

    ○鈴木(強)委員 だから、その御協力を申し上げるというよりもむしろ、責任を感じて――その使いものにならぬものを打ち上げて、そして一つ故障があるものを引き渡しておいて、さらに悪くなってきた、今度は協力してやりますというのは、あなた、そんな考え方じゃだめなんだ。私も長いこと、ロケットの問題についてもあるいは衛星本体の問題についても、日本国民はそれだけの力がある、したがって、外国に依存してロケットを借りて打ち上げたり、衛星ブラックボックスみたいなものについてもノーハウは全く何もわからぬ、そんなことではだめじゃないか、だから、日本の科学者は立派な科学者がいるはずなんだから、もっと研究をして、みずからの力によって二百五十トンでも六百トンでもでかい衛星を打ち上げるようにしなさい、それから、ノーハウもほかの国から教えられなければだめだというようなことでなくてちゃんと勉強しなさいと長いこと言い続けてきた私も一人なんです。ですから、事業団科学技術庁一つ事業団としてもっと積極果敢に取り組んで、それで、打ち上げたけれども一つ故障になってしまったものを、中途半端なものを引き渡すとは何ですか。むしろ責任はあなたの方にあるんだ。だから、あなた方の方で一生懸命原因究明をしてやるのが筋じゃないですか、そういうことにならぬと話が合わぬのだ。普通の建物の引き渡しとはこれは違うよ、そこを私は言っているのです。そういうことは法律的に何かぴしっと決まっているの。引き渡してしまったら、故障があってももう宇宙開発事業団の方は責任はないんだ、故障になった方でやればいいんだ、これはこういうふうになっているの。
  88. 山内正男

    山内参考人 私のお答えの仕方が不十分であったかと思いますけれども、原因究明、そしてそれの対策、復旧への努力につきましては、事業団として責任を持って今後も努力を続けてまいります。
  89. 鈴木強

    ○鈴木(強)委員 それを早く言えばいいんですよ。何か人ごどのようなことを言うからちょっと私も頭にきたわけだ。わかってくれればいいですから、ひとつぜひ本格的に、もうここまで来たらどうしようもないんですよ、英知を絞って、A、Rが正常に動くような努力を最大限することですよ。  それで、その費用はどのくらいかかるんですか。これはやはり国とNHKで六、四出すのですか、その修理費は、どうなるのですか、これはどのくらいかかる見通しですか。
  90. 山内正男

    山内参考人 お答えいたします。  ただいま鋭意原因究明いたしておるところでございまして、これの原因究明並びにその対策に要する費用というものばもう少し原因究明が進展をいたしませんと明確なことを申し上げることができない事態でございます。
  91. 鈴木強

    ○鈴木(強)委員 そうでなくて、そういう場合には、故障を修理する費用というのはどういうふうに分担することに、取り決めか何かないのですか、全然そういうものはないのですか。さっきも申し上げたように、そんな故障のあるようなものを引き渡しておくということもちょっと私は不見識だと思うのです。     〔畑委員長代理退席、委員長着席〕 三つのチャンネルが正常に動いているものを引き継ぐならいいよ、しかし、こんなものを引き継がしているんじゃないですか。それで今度は故障になってまただめになってしまった、その修理費についてはどうするか。政府からも四〇%の金が出ているわけですからね、そのくらいのことは何か申し合わせというか覚書というか、そういうものは全然ないのですか。
  92. 山内正男

    山内参考人 お答え申し上げます。  原因究明とか対策に要する費用につきましては、原因究明作業及び対策の内容を詰めました上で関係方面と御相談をいたしたいと考えております。
  93. 鈴木強

    ○鈴木(強)委員 そういうことは全然決まってないというわけだな。  大臣は胸を痛めておられるので、私は大臣質問をするつもりはなかったのですけれども、さっき実際、大臣がこういう事態になったことに対して切々と遺憾の意を表されておりました。全く私も同感でございますが、お聞きのように何か科学技術庁宇宙開発事業団、放送機構NHK、この四者の中における放送衛星打ち上げ後の取り決め、例えば故障があった場合はどうするとかいうようなことについてはまるっきり取り決めがないような気がするのです、今の答弁を聞きますと。これでは、全くだれかも言ったように二度あることは三度ある、あるいはこれからBが故障にならないとも言えないでしょう。そういうときに、その費用の分担とかどこが責任を持ってそれを直していくとか、そういうようなことがほとんど明確にされないのですよ。これでは困ります。  ですから、大臣、ひとつ国務大臣として科学技術庁長官とも直接話していただき、また政府全体としても、そういうことについてはこれからの日本の科学技術の発展、特に衛星に依存していくという状況の中でございますから、もう少ししっかりしたものを決めて取り組んでいただくような御配慮をぜひお願いしたいと思いますが、大臣の御所見を承っておきたいと思います。
  94. 奥田敬和

    奥田国務大臣 宇宙開発計画そのものは、はっきり言って政府全体の責任でもございますし、もちろん担当しておる通信政策の主管庁である郵政省としては重大なこういった意味の責任はあります。  NHKの場合はどちらかと言えばユーザーというか利用者の立場で、換言すれば国民が最後に来るわけですから、そういった意味で実用局から試験局になった、その財政負担のマイナス分も含めて当事者としても大変な被害を受けた立場に来ておるわけですし、また先ほど来の先生との御質疑を聞いておって、そういった契約上の問題も含めまして、本当に星の失敗の痛恨な形は、結局最後は政府全体の責任から国民の皆さんの負担に返ってくるという形に私は胸を痛めておるわけなんで、この復旧対策、原因究明対策等々、あすも閣議もございますし、当然あらゆる機会をとらえてそういった面については関係機関とも積極的に対応策を話し合っていきたいというふうに思っております。
  95. 鈴木強

    ○鈴木(強)委員 わかりました。ぜひ大臣の今後の御善処をよろしくお願いいたします。  最後にNHKに伺っておきますが、五月十二日から放送を開始した場合に、難視聴解消等を含めてどの程度の受信料が徴収できるというふうに見込んでおったのか。これがいつどうなるかわかりません。Aが直る、Rが直るということはちょっと今の見通しては私たちにはわからないような気がするのでございますが、来年打ち上げる2bですかまでどうなるか、その点はよくわかりません。いずれにしてもNHKの収入については減になり、支出はしてきたということで、経営全体から見ると非常にマイナス面が多くなってお困りになるのではないかと思うのですが、その予定しておった収入はどの程度であったのか、これがもしことしいっぱい本放送ができないとすればどの程度の収入減になるのか、その点がわかっておったら教えてください。
  96. 渡辺伸一

    渡辺参考人 衛星が無事に上がりまして、十二日に満足な形で放送いたしますと、一番最初に今まで受信料を取っておりませんでした小笠原、南北の大東地区につきましては受信料の徴収が可能になるわけでございまして、少なくともこの点でまいりますと月々約百万円の収入が上がるというふうに考えておったわけでございます。予定といたしましては、十一カ月でございますので、五十九年度中には千二百万という収入がこのことによって直接的に上がってくるということでございましたので、今、鋭意原因究明して回復に当たるようにしておりますけれども、一カ月おくれることに収入としては約百万というものが欠落をするというふうに見ているわけでございます。
  97. 鈴木強

    ○鈴木(強)委員 これはまだまだたくさんの疑問点がございますが、委員長にお願いしましたように、いずれひとつ集中審議的なものを開いていただくことを強くお願いして、次に移ります。  これは電波監理局長に最初にお伺いいたしますが、電波法の改正につきましては私たちも抜本的な改正を強く要求してまいりました。御承知のように現行電波法は昭和二十五年に制定されたわけでございまして、その後非常な科学の進歩、無線の発達、そういうことからしましてかなり事業量もふえてまいりましたし、加えて民放を含めまして放送局もアメリカ並みの規模で放送されておるわけでございますので、二十五年の当時制定した電波法は少し古くさいというので、その改革を強く要求しておったわけでありますが、幸い昭和三十九年九月八日、臨時放送関係法制調査会から答申が出ました。その間私どももこの調査会に対してはかなり意見も述べたつもりでございますが、出ましたその放送行政に関しての機構というところに放送行政に関する委員会をつくれ、こういうのが出てございますね。この委員会は、「放送行政の公正中立と一貫性を保つためのものとし、通常の諮問機関とは異なり、次のアに列挙する放送行政の基本的事項に関しては、これを議決機関とし、郵政大臣は、本委員会の議決に基づいてのみ、その権限を行使しうることとする。」要するに、例えば放送用周波数の使用に関する計画とか放送局の免許または免許の拒否、あるいは放送局の免許の取り消しとか運用停止、再免許の問題とかいろいろございます。ですから、この放送行政に関する委員会というものを含めて私たちが広く現実に合う電波法の改正を求めてきたのでございますが、それは全くたなざらしにし、ほこりをためてどこかに入れてしまって今日に至っておるのでありまして、まことにこの点は、私は関係をしてきた者の一人として残念に思っておるわけでございます。  今つくづく思うのに、例えばFM放送の問題についてもせっかくチャンネルプランが決まっておる、ところがそれに対して申請者が山ほど出てくる。さあこれをどうするか、調整ができない。結局どこかのだれかにお願いをして調整をしてもらって、そしてまとまれば大臣がそこに免許をおろす、こういうふうなことになって苦しんでいるわけですね。当初全国に民間放送が許可されるとき、郵政省としては大変苦労もされましたし、また一面いろいろなうわさも流れました。免許が絡むいろいろな問題も耳にしたわけでございますが、当時からやはりこういった委員会をつくってそこでぴちっと決めていただいて、そして郵政大臣はその決議に基づいて権限を行使して免許するということにすれば非常に民主的に免許ができる。ということを考えておったわけですが、幸いこれが答申が出たわけですね。この大事な答申をきょうまでたなざらしにしておるために今こうやって苦労しておるのではないでしょうか。なぜこういうふうな、せっかく大臣の諮問機関としてつくった臨時放送関係法制調査会の答申というものを尊重して抜本的な放送の改正をしなかったのか。そうして出てくるのはこんな細切れのようなものを何回か出してきましたけれども、基本的な問題についてはまるっきり放置されておる。この答申というものを一体何と考えてきたのか、これはひとつ局長から聞かしてください。
  98. 鴨光一郎

    鴨政府委員 御指摘のように、臨時放送法制調査会の答申につきましては、私どもも大変貴重なものということで受けとめているわけでございます。それに基づきます放送法改正が審議未了の状態に相なったわけでございますけれども、私どもといたしまして、放送法自体、制定時から三十年以上経過しているということで見直しの必要性等についての議論がございますことは十分承知をいたしているところでございます。  ただ放送法につきましては、何分にも御案内のような言論の自由にかかわるというふうな問題もございますし、私どもといたしましても、全面改正につきましては国民的なコンセンサスを得た上でという気持ちでいるために、なかなかそれ以降におきまして御提案申し上げかねているところでございます。  ただ確かに御指摘のようにその場その場という感じを持たれるかもしれませんけれども、私どもから見まして、当面として必要な事項あるいは緊急を要する事項につきましては、最小限ではございますけれども、逐次所要の手当てを行うということで当委員会でも改正をしてきていただいているところでございます。  近年のニューメディア登場ということで、放送法制定当時想定し得なかったような事態もあるわけでございます。一面こういった放送環境自体、ニューメディアにいたしましてもまだ流動的な側面もございます。私どもといたしましては技術の発展動向あるいは放送の社会生活に及ぼす影響あるいは国民の放送に対する要望、こういったものを総合的に踏まえながら対処をしていきたいというふうに考えているところでございます。
  99. 鈴木強

    ○鈴木(強)委員 これは電波法、放送法表裏一体的なものでございまして、この答申の中にも例えば当時電波監理局の機構というものももう少しちゃんとしたらどうか、そういうような意見も出ております。要するに電波の公正かつ能率的な利用を確保する、そういう立場に立ってこの答申はなされておるわけでありますから、例えば今申し上げましたFM放送等のチャンネルの割り当て等につきましても、この免許に対してはやはりこういう委員会をつくっておったら、大臣があんなに苦労しなくてもうまくいけるんじゃないですか。  これは例えば私の選挙区なんかの場合でも、仮に知事が頼まれたとしても非常に利害がふくそうしてくるわけですから、嫌がりますよ、引き受け手がありません。ですからそういう意味におきましても、こういう機構が整備されておったならば、郵政省の皆さんも大臣を含めてそんなに頭を悩まさなくてもいけるんじゃないですか。そういうふうなことを考えておるわけでして、局長おっしゃるように、私も、時代に即応するような問題に対して、全然そのまま放置したとは思いません。その都度部分的に改正はしてきましたけれども、この答申が言っているような根本的な改正というものは全く無視されてきたということを私は力説しているわけです。  きょうは時間がありませんから、その中の放送行政機構に関する点だけを取り上げて申し上げたわけでございますので、ひとつこの電波監理局、これは今、一般会計に属しておりますから、労働関係についても同じ郵政省の職員でありながら待遇その他についても一般公務員と同じようにやられておる、公労法の適用ができないというハンディも背負っておるわけですよ。そして一方では仕事がどんどんふえている。にもかかわらず定員はまるっきりふえない、ストップされている。私たちが全国を回ってみたとき、かなりオーバーワークしているな、特に監視の部面なんかにつきましては夜も昼も盆も正月もない、一生懸命やっている。にもかかわらずやはり特別な待遇というものがなされておらないではないですか。  そういうことを思うときに、この答申というものがせっかく出たのですから、ひとつあのときに思い切った改革をしておけばよかったのではないか。確かに法律の一部改正案が出されまして途中で消えたいきさつは私よく知っておりますが、いずれにいたしましても、勇断をもって問題解決のために行政が当たっていかなければだめだということを私は申し上げて、この問題についてはこれからのこともありますからもう一度ちゃんとしておいていただきたい。  例えば、一遍免許をすれば、その放送内容がうまいとかまずいということはあるでしょう、しかし、免許して一たんでき上がった放送局を、再免許の際に再免許しないなんということはできないような仕組みになってきちゃっているのですね。だから、再免許の際にも、こういう委員会があれば、具体的に過去二年間、三年間の放送の実績というものを全部調査して、ここはこうでここはだめだというようなことをちゃんと言えるのですな。そうでしょう。そういうことが可能になってくるのですね。再免許の際にはかなり番組の編成等についてもうるさくは注文しますけれども、では再免許を取り消すなんということはできますか。実際問題としてできないでしょう。そういうことを考えるときに、この委員会というのは非常に重要な役割を果たす委員会であったので、せめてこの委員会だけでもつくっておけば大臣が頭を悩ませなくてもできるような仕掛けができておったんだ。そういう点はひとつ十分考えて、大臣せっかく御就任でして、大変古い話を持ち出して恐縮ですけれども、御在任中にそういう方向についてひとつ局長を督励して、何とか私どもが期待しており、また、調査会が答申で出しております。その問題の解決ができるものならばしていただきたい、こういう強い願いを持っておりますから、最後に大臣、一言この点についてお伺いしておきます。
  100. 奥田敬和

    奥田国務大臣 先生お話しするまでもなく、大変貴重、有限な電波の資源であるという認識に立って、最近の問題点も、県民はみんな新しい波が来ることを望んでおる、波も割り当ててある、ところが、これは本当にびっくりするくらいの申請者で、その処理をめぐってこれはもうとてもというような状態の繰り返しというのはまことに残念です。権威のあるそういった調整的な委員会なんかの機構、貴重有限な国民資産であるという認識の上に立って、ちゃんとお願いをして審査をしていただくという機構があるにこしたことはないと思うのです。  ただ、先と言われるとおりに、では放送法を改正して、そういった免許権を持っておる大臣の権限を強くするとまた文句が出てくる。片方では、番組内容一つにしても本当に再免許の際の通り一遍の忠告に終わってしまうといったような例が現実であることは遺憾ながら認めざるを得ません。そういったことの弊害を何とかして、言論の自由を主張される立場も尊重しながら、何かひとつ与野党の先生方で、もう既に放送も三十年たって、ニューメディアの時代に新しい放送の形態も含めて変わってきておるわけですから、ここはひとつ役人ばかりに任さずに、電波あるいは放送行政のあり方というものは本委員会先生方の共同部な責任でもございますから、ひとつそういったことを御意見としておまとめになっていただければ、私としても積極的に動いていくように努力したいと思っております。
  101. 鈴木強

    ○鈴木(強)委員 今のお答えは若干消極的だと思います。それだけに大臣がおっしゃるような難しさもあることも私もよくわかります。行政サイドというものと立法サイドというものは、三権分立として厳密に分かれているわけであります。先般もVANの問題をめぐりまして、郵政、通産の意見が平行線で、結局党に持ち込んで、党三役の決断によってやられた。これは私は行政サイドというものが少しだらしがないと思うのです。これは行政サイドでやるべきです。議院内閣制ですから与党の皆さんの意見を尊重していくということは当然でございますが、少なくとも行政サイドとしてかくあるべしという形はちゃんと出すべきだと思うのです。そういう意味において、私は別に郵政省の立場を擁護するというわけじゃなくて、第二種の特別の場合なんかは厳密に許可制にしていくのは当然ですよ。それを何かわからない登録制みたいなことにしておるのですけれども、そういうことをしておると、そういうふうに行政サイドに対する不信というものが出てくると思います。我々も立法サイドとして、当然、与野党合同で立法をする場合もありますし、また与党がやる場合もありますし、野党がやる場合もあるわけですから、大臣のおっしゃることもよくわかるわけでありますが、同時にやはり行政サイドがもう少ししっかりして、行政に任された問題についてはぴしっと結論を出すような形が欲しいな、実はこういうように感じたものですから、若干感想を述べておきます。  時間がありませんので、それではこの法案について若干お伺いします。  今度の一部改正法案の中身は三つに分かれております。第一の、船舶の無線局に関する規定の整備のことですが、これは、国際航海に従事する旅客船等、それから総トン数三百トン以上の貨物船の無線局について、二千百八十二キロヘルツの無線電話遭難周波数の送信装置の有効通達距離を定めるとともに、百五十六・八メガヘルツの無線電話遭難周波数の聴守を義務づけるとなっておりますね。この五百キロヘルツの点はどうなるのか、それからもう一つ、有効通達距離というのはどうなるんですか、そこのところをひとつ解明してもらいたい。
  102. 鴨光一郎

    鴨政府委員 改正後の第三十四条で定めることとしております有効通達距離でございますが、この中身といたしましては、従来から定めておりました無線電信の主送信設備、これは現行でも第三十四条でございますが、それと、現行の三十五条の二にございます船舶安全法の規定によって無線電信にかえた無線電話の送信設備、それと、現行の三十六条にございます発動機付救命艇に装置しなければならない無線電信の送信設備の三つの有効通達距離のほかに、今回の条約改正によって設置が義務づけられることになりました無線電話の遭難周波数二千百八十二キロヘルツによります送信設備、これらの有効通達距離を定めることにいたしております。  五百キロヘルツにつきましては従来と変わりがないという理解でございます。
  103. 鈴木強

    ○鈴木(強)委員 局長、有効通達距離を定めるというのですが、その有効通達距離というのは一体どのくらいのことを言っているのか、そこのところをお答えください。
  104. 鴨光一郎

    鴨政府委員 現在予定をいたしております有効通達距離といたしましては、無線電信の主設備につきましては百五十海里、船舶安全法の無線電信にかえた無線電話の送信設備につきましても百五十海里、それから発動機付救命艇に装置しなければならない無線電信の送信設備につきましては二十五海里ということを予定いたしております。
  105. 鈴木強

    ○鈴木(強)委員 この条約によって義務づけられる送信装置の費用といったものは当然船主が負担するということになりますか。
  106. 鴨光一郎

    鴨政府委員 費用額は百万円程度のものでございますけれども、これの負担は船主がいたすことになっております。
  107. 鈴木強

    ○鈴木(強)委員 それから、この三つの遭難周波数は常時聴守しなければならないのか。例えば五百キロヘルツの場合は毎十五分から何分でしたか、二分だか三分だか必ず聞かなければならぬということになっておりましたね。この三つの周波数は、例えば通信士が乗っておって三つのものを同時に聞けるような装置になっておるのか、それともオートアラームかなんかでもってそれが察知できるようになっておるのか、その辺の操作についてはどうなんですか。
  108. 鴨光一郎

    鴨政府委員 お答えいたします。  五百キロヘルツと二千百八十二キロヘルツにつきましては機械による聴守が認められるわけでございますが、百五十六・八メガヘルツの周波数の聴守につきましては、いろいろ船舶の航行の安全を確保するための遭難呼び出し等の重要な通信を受信するとともに危険水域での船舶間の交信、出入港時の陸上との連絡、航行警報、気象警報等の受信といったもろもろの情報収集を目的とするものでございますので、人によって聴守を行うということを予定しているものでございます。
  109. 鈴木強

    ○鈴木(強)委員 総トン数三百トン以上の貨物船というのは日本にはどの程度あるのですか。それから、百五十六・八メガヘルツの聴守に対する義務づけについて、これは人為的に人の手によってやられるということになると通信士がそこに乗り込んでいくわけですが、その通信士は何人乗っておるのですか。
  110. 鴨光一郎

    鴨政府委員 先ほど御質問がございました今回聴守義務が拡大をされます無線局のある船舶は約千五百隻でございます。  それから、百五十六・八メガヘルツでの聴守につきましては、先ほどお答えいたしましたように人による聴守ということを予定いたしておるところでございます。通信士の数は、船の大きさによって異なりますけれども、大体二人という状況でございます。
  111. 鈴木強

    ○鈴木(強)委員 その点はわかりました。  それからこの改正点の第二でございますが、外国人、外国の法人、外資系企業等の開設する無線局について、国際化の進展に対応して、車載あるいは携帯して使用する無線局について、相互主義を前提として免許を与えることができるとすることになっています。それで、たしか昭和五十七年に在外公館に関する免許ができるように法律が改正になったと思います。それからもう一つは五十六年の改正で外国人等が開設するアマチュア無線局、これも認められたと思っておりますが、前者の在外公館に対する免許状況というのはどのようになっておりますか。それから外国人でアマチュア無線局の申請をしてきたのは、もう三年たっておりますが、どのくらいおりますか。
  112. 鴨光一郎

    鴨政府委員 外国公館につきましては一国のものについて認めております。それから、数につきましてはちょっと今私どもの手元にございません。調べて後ほどお答えをさせていただきたいと思います。  アマチュアにつきましては、法律の規定によります相互主義に基づく使用免許につきまして現在折衝中でございまして、まだ実現をしたところがございませんので、アマチュアの数につきましては現在ございません。
  113. 鈴木強

    ○鈴木(強)委員 法律をせっかく改正してみても、申請者がないのではこれはどうにもならぬわけです。我が国はこういうふうに外国人もアマチュア無線局を開設することができるようになりましたというようなことは国際的に何かの機会に、ITUの会議とかいろいろあると思いますが、そういうところで各国に対する周知はしているわけですか。
  114. 鴨光一郎

    鴨政府委員 ただいまお尋ねの点につきましては、法改正後各国に周知をいたしております。同時に日本の側におきましても、今、一部の国とは相互主義のもとでの開放ということにつきましての話し合いをいたしておる状況にございます。
  115. 鈴木強

    ○鈴木(強)委員 それで今度第二の、外国人も車載した無線局あるいは携帯無線局、こういったものは申請すれば許可されることになるわけですが、これはあくまでも相互主義でございますから、例えばこの法律が通って施行された場合にアメリカ人が無線局の申請をしてくる、その場合にアメリカの方が同様に日本人の申請を受理してくれるかどうか。その辺に対しては何か各国との間に協定というか覚書、口上書、そういったものを交換してやるようになるわけですか。その辺の手続的なことはどうなんでしょうか。
  116. 鴨光一郎

    鴨政府委員 今回の改正案におきましては相互主義のもとで無線局の免許を与えることができるということになっているのは御指摘のとおりでございますが、この法案がお認めをいただけました場合に、相互主義によります確認の点でございますが、これは免許を与える旨の確認がされるということがポイントになるわけでございまして、無線通信主官庁間でお互いに関係法制の資料を交換するという形で確認をいたしたいというふうに考えております。
  117. 鈴木強

    ○鈴木(強)委員 その点はひとつ十分に意を尽くして、せっかく法律を改正してアマチュア無線のような格好にならないように御配慮を特にお願いをしておきたいと思います。  それから第三点、最後ですが、手数料の規定を合理化するということで現在法定されておりますこれらの手数料は全部政令にゆだねられるということになっていくわけでございます。この内容を見ますと、千円とかあるいは千四百円とか少額のものもございますが、例えば放送をする無線局の申請の場合等には七十二万三千円というような高額のものもございます。したがって、これを法定から外すということについては問題がある、こういうふうに考えておるものでございますが、なぜせっかくの法定制から政令にゆだねて、政府がある時期にこの手数料を変えることができるというふうにしたのか、その辺がちょっと理解に苦しむ。最近こういう例がたくさんございまして、ほかにもあるわけでございますけれども、郵政省として政令に任せようということにした主な理由は何でございましょうか。
  118. 鴨光一郎

    鴨政府委員 現在お願いをいたしております電波法の百三条の改正でございますが、お話しございますように、国の各種手数料等に関する規定の合理化等を図るという趣旨の一環として今回御提案申し上げているわけでございます。これは四月二十日に成立をいたしました他の各種手数料等の額の改定及び規定の合理化に関する法律、これは既に先ほど申しました四月二十日成立、五月一日公布というものでございますが、これと同じ趣旨、目的で規定をされているものでございます。実はこの一括法と称せられております法律の中に電波法関係のものも盛り込むことを考えたわけでございますが、ただ先ほど来お話のございますSOLAS条約等の関連の改正等がございますので、私どもといたしまして、今回の手数料につきましては、この一括法とは別にいたしまして、御提案をしております電波法改正の中に盛り込んだわけでございますが、その意味合いは衆議院の大蔵委員会あるいは参議院の大蔵委員会附帯決議等の趣旨を踏まえまして、経済情勢等の変化に弾力的に対応できるように規定の合理化を図るという趣旨のものでございます。私どもの電波法上の手数料の政令委任につきましても全く同じ趣旨でお願いをしているわけでございます。
  119. 鈴木強

    ○鈴木(強)委員 一括法から電波法の改正の方に移されたことに対しては敬意を表します。私たち今まで何か十把一からげでほかのところでみんな決められてしまうということに対する抵抗があったわけですけれども、郵政省がそれはいかぬという我々の強い期待にこたえて、電波法改正の中でちゃんとこの委員会に提案したことについては、私たちは評価をしておきたいと思います。  そこで、確かにいろいろと弾力的な運用をするために必要な部分はあると思いますから、私も今、局長のおっしゃることがわからぬわけではないのでございますけれども、大臣がおっしゃったように、電波というものはあくまでも個人のものではないわけでございまして、公共的な使命を帯びて国民のためになるものでありますから、それだけにそれに対する手数料等についてもできるだけ法定化しておいた方がいいだろう。またこれを政令に委任するということになりますと、電波監理局自体が大変難儀をするのじゃないでしょうか。人が足りない中でまたこういったことの政令をつくらなければならないということでございますから、むしろ行政改革に反するような事務の繁忙化を来すようなことになるのではないかという気もするわけでございます。したがって、私はこの点については賛成ができない、こういう立場をとっておるわけでございます。  そこで、この法改正がなされまして政令に移っていくわけですけれども、何か法定から離れた場合にはすぐにでも手数料を改正しなければならぬというようなことが考えられておりますか。この点はどうですか。
  120. 鴨光一郎

    鴨政府委員 当面は改定を考えておりません。
  121. 鈴木強

    ○鈴木(強)委員 では委員長、これで終わります。ありがとうございました。
  122. 志賀節

    志賀委員長 これにて鈴木君の質疑は終了いたしました。  午後一時三十分から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。     午後零時二十六分休憩      ――――◇―――――     午後一時三十三分開議
  123. 志賀節

    志賀委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  質疑を続行いたします。竹内勝彦君。
  124. 竹内勝彦

    ○竹内(勝)委員 最初に、ゆり二号の故障の問題に関して若干質問をしておきます。  今回のこの故障で一番迷惑を受けるのは国民です。難視聴を何とか解消しようということから出発して、そして例えば東京都の小笠原村であるとか他の離島でございますね、そういったところがいよいよ本格的な衛星放送を受けられるであろう、こういうように非常に期待して進んだものが、今回こうして故障で片肺というか一部しか放送ができない見通しになってきた。しかも、NHKとしては受信料収入の見込みもなくなってきた。そういうようないろいろなアクシデントの中から、ちょっとお伺いしておきたいのですけれども、今回のこの故障原因、そしてまた考えられる点、五十三年に打ち上げられたゆり一号がございますね、これは実験用放送衛星ですが、聞くところによるとこれも今回と同様の中継器故障で、本来三年の寿命であったのが二年弱しかもたなかったと聞きますが、その中継器故障原因と、それから、それを十分究明したのかどうなのか、この点を、最初に宇宙開発事業団、それから郵政省と聞いておきますので、御答弁ください。
  125. 山内正男

    山内参考人 お答え申し上げます。  このゆりの事故につきましては問題が四つございました。それの第一は、高圧電源の絶縁材に亀裂が生じたために、放電による高圧電源部の故障でございます。これが中継器に関連をした部分でございます。それから第二は、姿勢制御系のホイールの駆動装置に断線を生じましてホイールの回転が停止した、これが第二でございます。第三は、太陽電池の絶縁材の破損によりまして電力の急激な低下を生じたことでございます。第四は、姿勢制御用のスラスターが触媒の機能低下によりまして推力が異常に低下したことでございます。これらのBSのふぐあいに対しまして、BS2に対しましては次のような対策を施したわけでございます。  まず第一の高圧電源につきましては、絶縁材の改良を行いました。第二のホイールの駆動装置につきましては、電線にかかるストレスの少ない材料といたしました。第三の太陽電池につきましては絶縁材の改良を行いました。第四番目のスラスターにつきましては燃料の純度を向上させたわけでございます。  以上のように、BSのふぐあいに対しましてはその原因究明と対策の検討をいたしました結果、これをBS2a開発に十分に反映させたと考えております。
  126. 鴨光一郎

    鴨政府委員 BSにつきましての状況は今、宇宙開発事業団理事長からのお答えのとおりでございます。
  127. 竹内勝彦

    ○竹内(勝)委員 それでは山内理事長、もう一度お伺いしておきます。  そうすると、今回のBS2aに関しては、先ほどのゆり一号の四つの原因がございましたね、高圧電線、ホイール等の四つの問題がございましたが、それとダブる点があるのですか、もう一度御答弁ください。
  128. 山内正男

    山内参考人 お答えいたします。  結論から申しますとダブっているところはございません。  今回のBS2aにつきましての、まずA系統ふぐあい、それからR系統ふぐあい、その両方がございますけれども、これはいずれも中継器に関連したふぐあいでございまして、それのゆりにおける関連部分というのは高圧電源部でございますが、今回、まだ原因究明中でございますけれども、高圧電源部ではないであろうという見通しを得ておりますので、直接的の関連はないと考えております。
  129. 竹内勝彦

    ○竹内(勝)委員 そうすると、今回の故障は、前回実験用放送衛星では全く予期しなかった、全然考えられないことが急に起こった、こう理解していいのですか。
  130. 山内正男

    山内参考人 御指摘のとおりでございます。
  131. 竹内勝彦

    ○竹内(勝)委員 非常に心配ですね。そうなると、今後いろいろなものが、また次にbを打ち上げたあるいはBS3を打ち上げた、こうなってきたときに、また予期しないものが次から次へ出てきて、こんなことになったら本当に処置に困っていくわけでございますので、ぜひ抜本的な対策をお願いしたいと思います。  そこで、郵政省にお伺いしておきますが、今の故障を修理するとして、修理するのにどれくらいの費用なりあるいは状況なり、そういったものを要するのか。その場合、この費用の負担の比率はどうなるのか、御答弁ください。
  132. 山内正男

    山内参考人 お答えいたします。  ただいまA系統及びR系統ふぐあい原因究明している最中でございまして、これの具体的な対策をどうする、そのような費用につきましては、原因究明された後でありませんとまだ明確な算定ができかねます。現在はそういう状況でございます。現在鋭意その原因究明に努力しているところでございまして、それの結果が明らかになりました時点で関係方面と御相談申し上げるというつもりをいたしております。
  133. 竹内勝彦

    ○竹内(勝)委員 費用はわからないにしても、いずれ費用は出ますね。出たら、それの負担の比率はわかりますか。あるいはどういうように検討するのか。郵政省でもいいですよ、どちらでもいいです、答えてください。
  134. 鴨光一郎

    鴨政府委員 費用がどれだけかかるかという点につきましては、先ほど理事長からの御答弁にございますように、現在原因究明中であるということでございますので申し上げられないわけでございますが、今の費用負担の割合についても、同様に現在の段階では何とも申し上げられない状況です。
  135. 竹内勝彦

    ○竹内(勝)委員 今回のゆり二号aがこういう故障で、つまり衛星放送の予備免許というものを取っておったわけでございますけれども、これを七日の日に返上したと聞いておりますし、改めて試験放送局の免許申請をしたんだとございますが、その間の事情をNHK、述べてください。
  136. 坂倉孝一

    坂倉参考人 BS2で二チャンネルで放送を行いたいということでやってまいったわけでございますけれども、これが先ほど来のようなことで一チャンネルしか放送できないという状況に立ち至ったわけでございます。NHKとしては、この二チャンネルをもって難視解消その他の放送を行っていくということでございましたので、現時点ではそれがどう回復するか見通しを持ち得ないということで、当面の措置として、この衛星15チャンネルでもって一チャンネルの放送を開始するということで、放送試験局ということで申請をし直したということでございます。  そうして、中の番組としては、原則として衛星第一テレビジョンで予定いたしました番組編成を行いながら、早期の実用放送に向かって、それが可能になるような方向が出ることを念願している次第でございます。
  137. 竹内勝彦

    ○竹内(勝)委員 そこで、ゆり二号b、この後打ち上げの予定のものでございますが、さきの論議の中にも、それから報道の中にも、来年の夏にこのゆり二号bの打ち上げを予定しておる、こう伺っておりますけれども、今も御答弁いただきましたように全く予期しない故障がこう出てきたのでは、これはまた同じ機器を同じような、同じというとちょっと語弊がございますが、同じような機器を積んでいるこのゆり二号bの打ち上げ、果たして来年の夏でいいのかどうか、むしろ慎重にしなければならぬのじゃないか、こういった点も考えられるわけでございますけれども、その辺の御見解をお伺いしておきたいと思います。
  138. 鴨光一郎

    鴨政府委員 今回発生いたしましたふぐあいにつきましては、私ども大変残念なことだと考えておるわけでございます。そうした状況の中で、私どもとして関係者が力をそろえて原因究明に当たる、そしてできるだけ速やかにその原因究明して、これから打ち上げる2bの方にそれを反映させたいと考えているわけでございます。BS2bは来年の夏に打ち上げる予定にいたしておりますけれども、そうしたことから、今申し上げました原因がなるべく早く究明され、そしてそれが反映できるようにということを私どもとしても期待をしている次第でございます。
  139. 竹内勝彦

    ○竹内(勝)委員 原因究明並びにそういうものが解消したならば来年夏に打ち上げる、こう理解しましたが、もしもそういう原因究明あるいはいろいろな問題点が解消できなかった場合は、来年夏のこの打ち上げ予定は延期になる、こう理解していいですか。
  140. 鴨光一郎

    鴨政府委員 その点につきましては、現在原因がつかめておりませんので、当面は原因究明に最大限の努力を注ぐということにいたしておりまして、来年の夏の計画をどうするかということについては、もう少し時間が経過した状況の中で関係者間で協議すべきことだと考えております。
  141. 竹内勝彦

    ○竹内(勝)委員 NHKにお伺いします。  今回のこの負担、六割でございますね。a、bも含めてその中の六割で、こちらで計算いたしますと約三百六十億と理解しておりますが、今回の失敗によって、保険がもうきかないとか、赤字になったのはどうするのか。それから、衛星放送を実施した場合に受信料収入を予定していましたね、その受信料の収入見込みはどれくらいだったのか。その赤字の分を、収入のない分をどう補てんするのか。それから、今後のbに関してあるいはBS3に関して、今後の保険という問題にはどういう対策で取り組んでいくのか。幾つも言いましたけれども、あわせて御答弁ください。
  142. 渡辺伸一

    渡辺参考人 まず保険から申し上げます。  この衛星に関して保険はどういう基本的態度でいたかということを申し上げますと、衛星の打ち上げからNHKが引き受ける以降の期間にわたりましては、一日の空白も生ずることのないように保険を掛けるというのが私どもの基本的な姿勢でございました。  具体的には、打ち上げに関しての保険が掛けられておりました。これはもっと細部にわたって申し上げますと、点火前、つまり発射場に運び込まれて組み立てる過程での危険担保という問題と、点火後所定の位置に静止をする状況まで含めて、打ち上げ保険と言っておりますが、この打ち上げ保険を掛けておったわけでございます。これは国の持ち分とNHKの持ち分と一諸でございますので、全体として掛けてあったわけでございます。  この打ち上げ保険の有効期間は、点火後九十日ということでございますので四月の二十一日まででございまして、四月の二十一日に私ども受領いたしますと、それからはいわゆる寿命保険ということになるわけでございまして、私どもとしては寿命保険を時を移さず掛けるべく保険会社と連絡をとっておりました。いよいよ掛けようと思ったところでございますが、そのうちに例のA号機のふぐあいが生じてまいりました。保険会社はこれをもって条件が変わってきたということで、料率を含めて保険の条件を再検討するから待ってほしいということでございました。聞くところによりますと、この保険はかなり巨額のものでございますので、国内の保険会社はさらに海外に再保険をするという状況のようでございますので、世界状況を調査をするという期間もあったようでございまして、残念ながら今日まで条件を提示いただけなかったということでございまして、私どもとしては一日千秋の思いで待っていたわけでございますが、現在のところ保険が付保できないという状況でございました。それが保険のことでございます。  今後BS2bあるいはBS3にどうするかという問題でございますが、これは相手のあることでございますので、今後私どもできるだけ受信者の財産を保全するという意味では掛けたいということで折衝いたしますが、この状況は今後にゆだねてまいりたいと思っているわけでございます。  それから二番目の、これによって収入がどのくらいかということでございます。来年全体の受信契約者の中から衛星によるものを取り出すということは大変難しいわけでございますが、午前中申し上げましたように、少なくも小笠原、南大東島等につきましては、明らかにこれは受信料が取れると考えておったわけでございます。その受信契約者を推定いたしまして受信料に換算いたしますと、五月からでございまして千二百万というふうに考えておったわけでございます。したがいまして、一カ月おくれることに残念ながら百万すっ欠落をするという状況になるわけでございます。  それから、最後におっしゃった財産の問題でございますが、今復旧に努めておりますのでなかなかその状況は言いにくい問題でございますが、さらにわかった場合でも、衛星を構成します部分が共通の部分とそれぞれの三つのチャンネルに分かれる部分とございますので、それぞれの原因というものをつかまない限り、財産上どういう影響があるか、なかなかここで即断できないところがございますので、それは原因調査の結果申し上げさしていただきたいというふうに思っております。
  143. 竹内勝彦

    ○竹内(勝)委員 そこでBS2bは、そうなってくると当初の打ち上げ予定とは変更になってきますね。そうすると同じくその後のBS3、これに関しても打ち上げが予定されておるわけでございますけれども、これも打ち上げ時期に変更が起こるのではないか。早い方がいいのか、あるいはまたその中身の点検をしっかりとした上で慎重にやった方がいいのか、いろいろな論議があると思いますけれども、このBS3の今後の打ち上げ予定というものはどうなりますか。
  144. 鴨光一郎

    鴨政府委員 BS3につきましては、BS2の後継機ということで、BS2の寿命が五年でございますのでBS2の五年後、つまり昭和六十三年度の打ち上げということを予定いたしまして、現在準備に入っているところでございますけれども、BS3につきましても、今回のふぐあいの模様等について原因を把握いたしまして、それを極力反映をさせたいというふうに考えております。  ただ、時期が先ほど申し上げましたように五年後ということでございまして若干2bよりもさらに余裕がございますので、そういった点を考えながら、ただいまのところではまだ関係者間で時期そのものをずらすかどうかというふうなところまでの話には入っておりませんで、原因究明に最大の努力を払っているという状況でございます。
  145. 竹内勝彦

    ○竹内(勝)委員 次の問題に移らしていただきます。  電電公社にお伺いしますが、本年の三月、電電公社と西陣織工業組合と共同で、京都におきましてVRS、画像応答システムの展示実演についての公表をいたしましたけれども、どのようなものだったのか、また西陣織工業組合としてはねらいはどういうところにあったのか、御説明ください。
  146. 岩下健

    ○岩下説明員 お答えいたします。  いわゆるVRS、これはビデオ・レスポンス・システムの略でございますけれども、端的に言えば動くキャプテン、あるいは音を出せるキャプテンといったサービスと言えようかと思います。  このシステムから申し上げますと、一般のテレビの受像機とこれを操作するプッシュホンの電話機ないしは専用の端末の操作機、これを端末部分といたしまして、センター部分としましては画像あるいは音声のパイルを持つもの、これを処理機能、これがセンターでございます。この端末とセンターの間を伝送路で結ぶというシステム構成でございまして、利用の仕方としましては、ユーザーの方が個別に御自分の要求に応じて情報を選択をして、そのセンターから必要な情報を取り出してテレビ画面にディスプレーとして映す。そのアウトプットといいますかディスプレーに出る出方が、普通のテレビの画像と同じように自然色によります画像あるいはまた音声が出る一種の会話型のシステム。こういうようなところがVRSの概要でございます。  西陣織工業組合といたしましては、かねてから西陣織の紋様あるいは織り柄といったものを保存いたしまして、また必要に応じた検索可能な一種のいわゆる画像図書館、西陣織データベースと呼んでおられるのですが、こういったものをシステムとして構築して利用したいということを検討してこられました。そういう御要望を持っておられました組合が、私どもの今申し上げたVRSのことを勉強なさいまして、これは組合の方の意向に合致した有効なシステムとして使えるのではないかということで、昨年来私どもにお話がございまして、たしかこの春だったかと思いますが正式のお申し込みをいただいたわけでございます。  それで、公社としましては、この組合は一千五百の組合員がいらっしゃるわけでありますが、この方々にこのVRSに対する理解を深めていただくと同時に、あわせて地域社会、一般の市民の方も含めましてこのVRSというサービスを御紹介したいということから、この組合からの申し出に積極的に御協力をしようということで、この四月二十四日から約一カ月間、五月二十三日まで西陣織会館で展示をするということになりまして、現在実施中でございます。現在のところ報告によりますと、この二十四日から約四日間既に五千人の方が見学をしていただいておるという状況でございます。  ごらんになった方の御感想といいますか御意向も、同時に私ども調査をしておるわけでございますが、全般的にこの種のサービスに大変関心をお持ちになっておる。前から御要望の織り柄あるいは紋様の検索活動あるいはこれの創作活動への利用が可能になる、そういう御期待を持っておられると同時に、ただ今の画面では画質が粗いといいますか、こういった点の御注文なり御不満も寄せられておるという状況でございます。
  147. 竹内勝彦

    ○竹内(勝)委員 この実用化はいつごろになりますか。それから今後はどうなってくるのですか。一応一カ月間の実験でございますね。その後のプロセスとしてはどんなことをお考えでございますか。
  148. 岩下健

    ○岩下説明員 まず実用化のめどでございますが、これはキャプテンに比べますと約一千倍の伝送路、いわゆる帯域を必要とします。かなり設備的にも多くのものを必要とするということがございますし、したがってコストも、端的に言いましてキャプテンに比べまして高こうございます。それから利用者の方々の使い勝手といいますか、こういったユーザーサイドからの幾つかのなお調査しなきゃいかぬ問題もございます。ですから、こういうコストの問題あるいは設備のつくり方の問題、それからユーザー側のニーズのあり方の問題、この辺を総合的にさらに検討を深めていきまして、実用化の時期を決めたいと思っておりますけれども、今の時点では恐らく二ないし三年程度先になるのではなかろうかという見通してございます。  それから、現在西陣でやっております実験を継続するかどうかという問題でございますが、当初、組合の皆さんと御相談をしましたところ、大体一カ月あれば所期の目的を達せられるだろうということで五月の二十三日までと決めたわけでございますが、さらに現地の皆様方の御意向も十分伺いまして、この実験の継続がぜひ必要だという場合には、十分御相談の上、若干の期間の延長も検討してみたいというふうに思っております。  なお、実は私どもでは三鷹でINSの実験を九月から実施をすることにしておりまして、この内容についてはこの委員会でも別の機会に御説明いたしましたけれども、この中にVRSで約二百数十の端末を置いて実験をするという手はずをしておりますので、このためのセンターの設備の改造工事を六月から必要としますので、最大限五月いっぱいくらいまでの延長は可能ではないか。これは、また現地の御意向も伺った上で考えてみたいというふうに思っております。
  149. 竹内勝彦

    ○竹内(勝)委員 若干の期間の延長はあり得る。  同時に今、西陣織会館一カ所で行っておりますけれども、これをもし要望があれば二、三カ所なり五、六カ所なり、ふやすことも可能でございますか。
  150. 岩下健

    ○岩下説明員 この端末の増設につきましては、正直申し上げまして、非常に今の時点では難しいというふうに思っております。と申しますのは、先ほども申し上げましたように、静止画でなしに動画も送るあるいは音声も送るという、かなり多量な情報信号を伝送しなきゃいけませんので、簡単に言いまして電話回線約一千回線分くらいの伝送路を実は必要とするわけでございます。今回の実験に当たりましても、このために特に新たに設備を東京にありますセンターと京都との間に増設をしたわけではございませんで、既設の電話回線一千回線分をいわばやりくりをいたしまして、回線を用意して伝送しておるという状況でございますので、この端末機ごとに個々にいわば一千回線分の伝送路を必要とするという事情がございますので、この時点では今の会館以外にさらに増設をするということは非常に難しかろうというふうに考えておるわけでございます。
  151. 竹内勝彦

    ○竹内(勝)委員 西陣は京都でございますが、京都以外にそういうような、今の三鷹の方で積極的におやりになるのは別といたしまして、このVRS、ビデオ・レスポンス・システムの実演の要望、試験の要望、そういったものはございますか、あるいは計画がございますか。
  152. 岩下健

    ○岩下説明員 現在のところ、京都以外からはそういう御要望は承っておりません。
  153. 竹内勝彦

    ○竹内(勝)委員 外国での実例はどんなふうになっておりますか、このVRSの利用方法というものは。
  154. 桑原守二

    ○桑原説明員 外国の状況でございますが、お客様がリクエストして希望の画像の信号を取り出すという方式には、御承知のようにビデオテックスと国際的に呼ばれております、日本ではキャプテン方式という名前にしておりますが、そういうものが外国でも積極的に開発が進められておりまして、例えばフランスのテレテルでありますとか、カナダのテリドンでありますとか、幾つかの方式が今、実験あるいは実際にお客様の商売としてお使いになっている例がございます。ただ、それは皆、電話回線を使っている方式でございますので、先ほどの動く絵を送るだけの情報の伝送路がとれませんので、したがって文字あるいは画像がすべて静止画の形でテレビのブラウン管に出てまいります。そのようなものがございますが、先ほどのVRSのように、動画で利用する方の希望する情報が得られるという形のシステムは、まだ外国で開発されているということを聞いたことはございませんで、実際にサービスしているのももちろんないわけでございます。
  155. 竹内勝彦

    ○竹内(勝)委員 二、三年後実用化ということで見通しを立てておりますが、これはそうすると京都の西陣だけになるのですか。それとも、ほかも一応考え方の中には入っている、こういうものには利用できるんだというもの、その考え方を教えてください。
  156. 岩下健

    ○岩下説明員 現在のところ、具体的な御要望は西陣だけでございますけれども、ただ、これが将来にわたりましてはかの地域あるいはほかの企業群といったところからの御要望が出た場合には、また対処をしてまいりたいと思います。  実はこのサービス、キャプテンなんかに比べますとまだ非常にコストも高いということがございますし、余り一般にまだ知られておらない、一般の理解をまだ得ていないという面もあろうかと思います。したがいまして、私どもとしましても、西陣での実験の展示の成果も踏まえまして、使い勝手あるいはシステムの構築、こういったものにつきましてさらに工夫を凝らすと同時に、こういったサービスのよさといったものもいろんな形でPRもしてまいりたいと思いますし、そうしたことによりまして、将来この種の需要が出てまいりました場合には、これに積極的に対処をしてまいりたいと思っております。ただ、申し上げますように、伝送路としましてかなり広域のものを必要といたしますので、現在私どもが構築を進めております六十四キロビットを主体としたいわゆるINSのネットワークからは、質が違うわけではございませんけれども、若干色合いの違う、一種の広帯域網といったものになりますので、そんなことも考え合わせながら、御要望に対する対応を考えてまいりたいというふうに思っております。
  157. 竹内勝彦

    ○竹内(勝)委員 私、これが普及していくかどうかという問題に関しては、コスト面が一番じゃないかと思いますね。コスト面は、電話でいくと一千回線くらいのものですと、これはもう相当高いものになりますよね。したがって、このコストダウンに関しては克服できるのか。  それともう一点、今、実験をしてみて問題点が出てきた、いわゆる画質が鮮明でない、この点の原因がどうなっているのか。それから、これもあるいは色によってくすんだり派手になったりして配色のバランスに問題がある、こういうことを言っている人もおりますし、そういう画質面での問題点を克服できるのか。以上の二点、この見通しを述べてください。
  158. 桑原守二

    ○桑原説明員 最初に、コスト面でございますが、先ほどの実験では、テレビに映し出す絵のメモリーを入れておくところを東京の現在あります実験の機械を使っておりますが、実際に西陣のシステムでお使いいただくときには、京都にセンターができますので、したがいまして、その電話一千回線分の帯域が必要だという伝送路は、そのセンターから各御利用いただく組合の方のお宅までの、公社の言葉で言いますと加入者線と呼ばれている部分でございます、そこのところを従来の電話線ではなくて光ファイバーを使う必要があろうというふうに考えております。  コスト面で一番効きますのは、その光ファイバーをいかに安くするかというところでございまして、現在まだ光ファイバーはかなり値段が高いのでございますが、それをいかに安くするかということで鋭意研究を進めておりまして、恐らく二、三年後には現在に比べますと数分の一のコストで光ファイバーをつくれるようになるというふうに考えております。そうした面で、コスト面では、電話回線の一千倍が要るということではなくて、せいぜい数倍のオーダーで光ファイバーの線が引けるようにということで検討を進めております。  また、画質の面でございますが、一番の基本は粗さの面でございまして、これは現在の普通に町で売られておりますテレビの受像機、それをそのまま使うのが一番安くシステムとしてつくれるものですから、その普通のテレビを使うということをまず原則として考えておりまして、その場合には絵を映し出すための走査線の数が普通のテレビの標準方式の五百二十五本ということで抑えられますので、そのための粗さの限界がどうしてもあるわけでございます。さらに、より線の細かい絵を映し出そうというためには、高解像度のテレビの受像機を配置する必要がございます。この辺のところも、NHKさん等の研究も進んでおりまして、高品位のテレビというのは技術的には可能でございますが、そのコスト面をいかに調和させるかという点が今後の問題かと思います。  また、色のずれその他につきましては、これは絶技術的な問題だと思いますので、今後組合員の方の御意見等を聞きながら、さらに機械のつくり方をいろいろ検討してまいりたいというふうに考えております。
  159. 竹内勝彦

    ○竹内(勝)委員 次の問題に移らせてもらいますが、郵政省の電波技術審議会、斎藤会長ですね、この審議会が、去る三月二十三日に総会を開いて、微弱電波の範囲を狭める必要がある、こういう完結答申をいたしましたけれども、この内容はどんなものでございますか。
  160. 鴨光一郎

    鴨政府委員 微弱な電波を利用する、免許を要しない無線局の電波の強さの許容値のうち、使用周波数を限定しているものが一部ございますが、限定していないものにつきましては百メートルの距離で毎メートル十五マイクロボルト以下と、非常に技術的なことでございますけれども、定められているわけでございます。ただ、この値は昭和三十二年当時に主として中波放送の受信の保護を図る目的で定められたものでございますけれども、その後、御存じのように電波の使用周波数帯がマイクロ波、ミリ波の領域にまで拡大いたしまして、また利用形態も宇宙通信のように極めて弱い電波を利用するものが増加してきているという状況にございますので、現行の許容値の見直しにつきまして昭和五十八年度に電波技術審議会における審議をお願いをしたわけでございますが、答申の中では、三百二十二メガヘルツを超えて百五十ギガヘルツまでの周波数帯の電波については現行基準よりも厳しい値にするということ、それから微弱な電波のはかり方といたしまして従来百メートルの距離でのものを基準にいたしておりましたのに対しまして、三メートルの距離における強度、具体的には五百マイクロボルトという数値でございます、を基準にしていく。先ほど申しました三百二十二メガヘルツから百五十ギガヘルツまでにつきましては、これよりもさらに厳しい基準という内容のものでございます。
  161. 竹内勝彦

    ○竹内(勝)委員 郵政省として、この微弱電波の規制強化、この答申を今後どういたしますか。どのようなお考えですか。
  162. 鴨光一郎

    鴨政府委員 先ほど申し上げましたような状況の中で答申をいただいたところでございますので、これに沿いまして関係省令の整備を進めているところでございます。
  163. 竹内勝彦

    ○竹内(勝)委員 どういう見通しですか。進めているというのはわかるけれども、今後どういうプロセスで行いますか。
  164. 鴨光一郎

    鴨政府委員 大体今年度中ぐらいを目標に省令の整備をしたいというふうに考えております。
  165. 竹内勝彦

    ○竹内(勝)委員 そうなってきますと、答申どおり規制されると従来の例えば無許可での電気製品の多くがこれは対象になってくるでしょうし、そういったものが郵政大臣の許可が必要になるとか、あるいは規制を直ちに行っていった場合、今、出回っている製品、こういうものが違法の商品になりますね。そうすると業界への打撃というのは相当大きいものではないか、こう考えますけれども、その業界の関連と今後の法規制、こういったものを含めてどのようにとらえておりますか。
  166. 鴨光一郎

    鴨政府委員 私どもといたしまして、省令改正をする際には、御指摘のように、これまで免許を要しないものであったものが免許を要するものになる、そしてまた、免許を要する状態になっているのに免許を受けていないということになりますと不法な状態になるという問題がございます。したがいまして、省令改正に当たっては、そういった移行期間を十分考慮いたしまして経過措置を講じたい、まあ相当期間、例えば五年ぐらいの期間を頭に置いておりますが、そうした経過措置を講じたいというふうに考えております。
  167. 竹内勝彦

    ○竹内(勝)委員 では、音楽を流す有線放送業者のことに関して、若干さきの委員会におきましても私取り上げて委員長にもお願いしておきましたけれども、まず郵政省にお伺いしておきますが、きょうの新聞の報道によりますと、八日までに、全国的に放送網を持つ三業者、まあ名前も出ておりますけれども、ここが、営業停止処分などを盛り込んだにもかかわらず、その処分には懲りずに依然として不法のまま続いておる、いよいよ告発へと、こういうことでございますけれども、具体的にはどういたしますか。
  168. 鴨光一郎

    鴨政府委員 御指摘の有線音楽放送の件につきましては、有線ラジオ放送法の規定の改正を当委員会においてしていただいたわけでございますが、私どもその新しい規定に従っての業者の対応、正常化する方向での対応を指導してまいったわけでございます。そうした中で依然として正常化しない三事業者の十の施設に対しまして、先ごろ三十日ないし四十五日間の業務停止命令を発したわけでございますが、ただ、この業務停止命令自体につきまして、これは現在その実態把握に努めているところでございますけれども、その業務停止命令に従わずに依然として放送を継続している状況がうかがえるわけでございます。  したがいまして、このような状態で推移するとすれば罰則の適田川を考慮しなければいけないということで、先ほど申し上げました実態の把握に努めているところでございますが、先ほどお話のございました本日付の新聞の記事に関しましては、私どもいつというふうなところまで、記事がどういうふうに書かれているかも承知しておりませんけれども、いつというところまでの腹固めを今の段階ではしておりません。
  169. 竹内勝彦

    ○竹内(勝)委員 だから私が聞いているのは、いつ告発するのですか、こう聞いているのですよ。
  170. 鴨光一郎

    鴨政府委員 先ほど申し上げましたように、停止命令違反の事実を告発をいたしますためには十分実態を把握していなければいけませんので、その辺について現在鋭意把握に努めているという状況でございますので、今の段階で、いつという確定した日取りを申し上げる状況にはございません。ただ、なるべく早い機会にということで努力をいたしているところでございます。
  171. 竹内勝彦

    ○竹内(勝)委員 局長、よくわかっていますから、調査調査、具体的に調べるといっても、施行は十二月一日からでしょう。今、五月じゃないですか。そしてこの間はもう営業停止命令を出しておるにもかかわらず、依然として営業停止も聞かないでやってきておるというのですから、そんないつもの答弁のように、いつとはわからぬができるだけ早くなんて言わずに、それは今月中にはやりますとか、もうちょっとわかりやすく答えてください。
  172. 鴨光一郎

    鴨政府委員 できるだけ早くということで、いつかと言われれば、今月中にもというような気持ちでおります。
  173. 竹内勝彦

    ○竹内(勝)委員 大臣、一言。この問題はもう本委員会におきましては長年の懸案でございまして、何しろ正直にやっておる人は全部使用料を払っておるわけですね。ところが、違法でやってくる方は無料でやるのですから、もうかるに決まっている。この間もある報道によれば、でかいビルをつくって、もうもうかってしょうがないのだ、そっちの方は。こんなことを法治国家として許しておいてはなりません。ましてや郵政大臣としての営業停止命令が出ておるにもかかわらず、依然としてそれを完全に無視して営業を続けておる。こういった実態、これは何としても厳重なる態度で今後対処していかなきゃならない、こう考えますが、郵政大臣の御見解をお伺いしたい。
  174. 奥田敬和

    奥田国務大臣 厳正な態度で対応いたしておりますし、いたします。
  175. 竹内勝彦

    ○竹内(勝)委員 そこで委員長、この前の四月十八日の本委員会におきまして私は委員長にお願いしておきましたが、ぜひここまで与野党挙げて議員立法で法を改めて、そしてぜひこれを実行していこうということででき上がったものが、依然としてこんな不法がまかり通って、そして不法にやっておるところだけが膨らんできて、物すごくもうかって、そしてまじめにやっておるところは、私も聞いておりますが、もうどんどん収入が落ち込んできて、夜逃げしなきゃならぬ、こんなばかげたことはないのです。そこでぜひこの三業者、名前も出ておりますから、この前も局長から名前と会社名まで発表してもらいました。その三名に関して、私はその人たちの考え方を聞きたい。この日本の法治国家におる人間として、そこでいろいろな仕事をやっておる人間として一体何を考えておるのか、これはどうしてもわからない。したがいましてぜひ本委員会に参考人としてお呼びいただいて、そしてそちらにも何か言い分があるのじゃないでしょうか、ここまで法律で決めておりながら依然として実行しないということには、恐らく何らかの理由もあるのじゃないか。これがまた民主主義の原理でもあると思いますので、ぜひ御意見をお伺いしたいと思います。したがいまして、ぜひ委員長の御配慮で、この違法に続けておる三業者の方にできるだけ早い時点で参考人として本委員会においでいただきたい、こう考えますが、委員長のお考えを再度お伺いしておきたいと思います。
  176. 志賀節

    志賀委員長 ただいまの御要望、かねてからの竹内委員からの御要望でございますので、これを実現する方向で鋭意取り組ましていただきたいと思います。
  177. 竹内勝彦

    ○竹内(勝)委員 それでは実現いたしましたならば、この委員会は恐らく他の法案の論議が今後また行われていくと思いますが、他の法案の論議を行っておるときでも、参考人がこの日ならば都合よく出席ができるというときには、今後私はこの時間を残しておきますので、そのときに私あるいは他の委員が質疑ができ得るよう御配慮をお願いしたいと思いますが、委員長のお考えはいかがでしょうか。
  178. 志賀節

    志賀委員長 よく承りました。
  179. 竹内勝彦

    ○竹内(勝)委員 そこで、この電波法の一部を改正する法律案といたしまして、今回の無線局の免許申請者の欠格事項、この緩和につきまして、対象を移動する無線局等に限定いたしましたね。その理由は何でしょうか。
  180. 鴨光一郎

    鴨政府委員 従来の電波法におきましては、外国性を一部の例外を除きまして排除してきておるわけでございますが、これは国際電気通信条約によって地域別、業務別に分配された電波をその枠内でまず日本国民の需要を満たすのに使うべきであるという考え方、電波の有限、希少性ということに関連をいたしておりますが、そういう考え方であったわけでございますが、今回御審議をお願いいたしております改正案の中では、こうした外国性の排除を緩和する無線局につきましても、今申し上げましたような基本原則を維持しながら、ただ一方で、我が国における外国人等の、これは日本の国際化といった状況から最近こうした傾向が強まってきているわけでございますけれども、我が国における外国人等の経済活動、社会活動といった面での円滑な遂行に必要なもので、なおかつ電波監理上も支障がない方策のもとで、またその無線局開設について要望のあるものといったものに限定をいたしまして認めようということでございますが、そういう中で、具体的には本社あるいは営業所と移動中の車両等を結ぶ、あるいは移動中の車両相互間で通信ができる、こういったものが先ほど申しましたような経済活動、社会活動の円滑な遂行に必要で、しかも要望も出てきておる、電波監理上も支障のない方策がとれる条件の中で認められるというふうに判断をいたしまして、こういう措置をお願いをしておる次第でございます。
  181. 竹内勝彦

    ○竹内(勝)委員 五十六年十二月に起きたポーランド情勢が緊迫する中で、この電波法第五条で外国政府日本国内で無線局を開設することを禁じた条項によりまして、外務省によりますと、駐ポーランド大使がその情勢を日本に送るのに無線局を設備できなかったと聞いておりますけれども、そのような状況が当時あったのですか。
  182. 鴨光一郎

    鴨政府委員 先生お話しございました五十六年十二月当時、ポーランドにございます日本大使館には無線局が開設されておりませんでした。それで何を使っていたかと申しますと、もっぱら専用回線を使用していたわけでございますが、この専用回線が相手国の、つまりポーランドの政府によりまして封鎖をされたために日本国内との間で通信ができなかったというふうに承知をいたしております。
  183. 竹内勝彦

    ○竹内(勝)委員 今回の法改正によりまして、例えば五条第二項の六号として「自動車その他の陸上を移動するものに開設し、若しくは携帯して使用するために開設する無線局」云々とありまして、イ、ロ、ハ、ニと掲げてますね。そして、「イからハまでに掲げる者でないものがその代表者であるものを除く。」こうございますが、外国政府のものについては対象外としたのはなぜですか。
  184. 鴨光一郎

    鴨政府委員 ただいま御指摘のポイントにつきましては、外国政府またはその代表者につきましても外国性排除の原則を定めておるわけでございます。その原則に従って無線局の開設を認めないということにしているわけでございますが、今回の開放措置につきましては外国人等と同様に扱うことにいたしております。
  185. 竹内勝彦

    ○竹内(勝)委員 それとこの第百二条に、手数料の関係でございますが、「政令の定めるところにより、実費の範囲内で政令で定める額の手数料」と、「実費の範囲内で」、こう追加する理由及び上限額を法定制から政令に改める。まあこれは国会でのこういう論議はもう避けて何でもそちらで政令で簡単にやっていこうという考え方は私ども理解することはできないのですよ。そこで、この理由を国民にわかるように説明してください。
  186. 鴨光一郎

    鴨政府委員 ただいまお尋ねのございました第百二条の改正でございますけれども、これは国の各種手数料等に関する規定の合理化を図るという考え方の一環として行おうとするものでございますが、実は今国会に提出をされまして四月の二十日に成立し、五月一日に公布、二十日から施行されることになっております各種手数料等の額の改定及び規定の合理化に関する法律というものがございます。それの一環として我々考えたわけでございますけれども、一括法と称しておりますこの法律の中に本来盛り込まれてもしかるべきと考えている次第でございますが、今回SOLAS条約等の絡みにおける電波法改正をお願いしておりますので、これを今の一括法から切り離しまして、この電波法の中で改正をしていただきたいということでお願いをしているわけでございますが、理由といたしましては、衆議院の大蔵委員会あるいは参議院大蔵委員会等におきます附帯決議といったもので、経済情勢等の変化に弾力的に対応できるように規定の合理化を図るということがうたわれております。そういった趣旨を電波関係手数料についても実現をしたいということでお願いをしている次第でございます。
  187. 竹内勝彦

    ○竹内(勝)委員 終わります。
  188. 志賀節

    志賀委員長 これにて竹内君の質疑は終了いたしました。  次に、永江一仁君。
  189. 永江一仁

    ○永江委員 電波法質問に先立ちまして、午前中から各議員からいわゆるゆり二号aの故障につきましての御質問が出ておりますので、私も一、二この点について冒頭お尋ねをしておきたいと思います。  けさほど来、郵政大臣もまことに残念だ、本当にこの気持ちあふれる御答弁をいただいたわけでございまして、私も先般たまたまテレビを見ておりましたらNHKの川口専務が残念やる方ないお顔をされまして御説明をしておったのを見たのでございますが、それを聞きましてまず考えましたことは、先般この委員会で今年度のNHKの予算なり事業計画について一応承認をしたということでございます。しかしあの当時のいろいろ答弁を聞いておりましても、一応この通信衛星が正常に行われるということを前提にしていろいろ高品位の問題、けさほど来討議がありますように難視聴対策というような事業計画を踏まえてのあの予算案であったわけでございます。しかしながらそのこと自体が根底的に崩れたという中で、先般承認したこの事業計画なり予算はどうなるのかということをまず感じたわけでございますが、この点については修正なり変更をされるのかどうかお尋ねいたしたいと思います。
  190. 渡辺伸一

    渡辺参考人 お答えいたします。  事業計画の主要なところに放送衛星が据えられていたことは御承知のとおりでございます。これはいま故障が起きてその原因を追及して復旧に全力を挙げておるわけでございます。この衛星がこれで年度内全然機能しないということを決定したわけではございませんので、今、一波でとりあえず放送をいたしますけれども、あとのA号機につきましても極力回復を図っていくということでございますので、事業計画は若干おくれますけれども、年度内までには必ず当初のもので実施できるようにということで全力を挙げて、私どもも期待をして見守っているということでございますので、その一応の原因追及を経た上でないと、今、御質問のことについてはなかなか的確なお答えができないかと思っております。
  191. 永江一仁

    ○永江委員 原因追及、それの解明、そしてせっかく我々が承認をした事業計画が若干の時期のおくれはあっても踏襲されていく、実行されるということを願うわけでございますけれども、どういう原因であるのかという解明の中で、事業計画の変更ということ、今の時点でお答えは難しいかとも思いますけれども、そのときには改めてまた郵政省なり国会に対してその変更はされるわけでございますか。その点についてお答えいただきたいと思います。
  192. 渡辺伸一

    渡辺参考人 今申し上げましたように、これはどの程度の未実施になるのかという状況にもよるわけでございますけれども、計画につきましては、これはほとんどが予定どおり実施されるわけでございますが、中には受信契約者にいたしましても若干の未達成というのがございます。それと、同じ内容であるかどうかにつきましては、繰り返すようですけれどもその事業計画の実施の状況を見ながら決定させていただきたいというふうに思っております。
  193. 永江一仁

    ○永江委員 きょうは本題が電波法でございますからそれ以上は申しませんが、もう一点いわゆる故障を通じて私が感じましたことは、先ほどの竹内委員の御質問にもございましたけれども、保険というもののあり方についてでございます。  大体保険というのは、これは生命保険がその最たるものでございますが、何か故障すればそのことを保険する。そして、現実にこういう故障が起こったにもかかわらず、約款の関係といいますか、わずかの日数の違いの中で一銭も保険が払われないということはまことに納得がしがたいのでございます。端的にお聞きしますけれども、どこの保険会社とどこが、NHKが結ばれたのか事業団が結ばれたのか、お答えいただきたいと思います。
  194. 渡辺伸一

    渡辺参考人 保険全般に関しましては、先ほども御説明申し上げましたが繰り返して御説明いたしますと、まず打ち上げまでの保険というのがございます。これはロケットの発射場までいろいろな部品が運び込まれまして組み立てをするという段階と、いよいよその組み立てたものに点火するという段階がございまして、この二つに分けて契約をいたしました。これはNHKの六〇%の持ち分と国の四〇%の持ち分を一緒にして、通信放送衛星機構を通じて事業団の方から契約していただいたわけでございます。保険はこの打ち上げ保険に続きましてNHKに四月二十一日に受領されたわけでございますが、この後はいわゆる寿命保険でございまして、この寿命保険をすぐに掛けるべく準備をしておったわけでございます。そして、料率その他につきましても保険会社と協議をしておったわけでございますけれども、その間にA号機のふぐあいが生じたということになりまして保険の前提が違ってきたということで、保険会社は急遠海外に人を派遣する尊いたしまして新しい条件の模索に入ったということでございまして、残念ながら本日まで条件の設定に至らなかったということでございます。  それでは、どの保険会社に保険をしたのかということでございますが、これは通信衛星の場合と同じと聞いておりますけれども、日本国内におけるこういう保険の能力のある保険会社は十九社でございますが、その保険会社と契約をしたわけでございます。具体的には、通信放送衛星機構を通じて宇宙開発事業団をもってやったのが打ち上げ保険でございますけれども、寿命保険につきましては国はおやりにならないということでございますので、NHKが独自にその十九社と保険契約をすべく折衝しておったというわけでございます。
  195. 永江一仁

    ○永江委員 それでは、今のはどこか一社の保険会社でなしに十九社の保険会社と共同のような形で契約を結ばれたということですね。
  196. 渡辺伸一

    渡辺参考人 全体として共同して保険をした、それぞれの会社によって持ち分は違いますけれども、共同して責任を持ってもらったということでございます。     〔委員長退席、吹田委員長代理着席〕
  197. 永江一仁

    ○永江委員 一社だけではないということでございますが、我々から見れば、保険会社は十八億八千万円ですか十八億六千万円ですかのただ取りとは言いませんが、非常にわずかな期間で大もうけをしたと言ってもいいのじゃないかと思うのです。六百億の衛星が失われたあるいはその中の六割の三百六十億円をNHKが損害したということで、それに比べれば保険料というのが高いのか安いのかわかりませんが、いずれにいたしましても国民、庶民から見れば十八億八千万円というお金がむだに使われたと言っても過言ではないと思うのです。保険を掛けるということは、幸いにして何の事故もなかったから掛け捨てであっても生きてくるわけでありまして、こういう事故が起こっておるのに全く何の見返りもないということは十八億八千万円ですかのこの保険料、NHKの聴視料からすれば営々として国民から集めたお金を全くむだ遣いした、このことは私はゆゆしき問題だと思うわけでございます。こういうことにつきまして打ち上げまでと寿命と分けておったということでございますけれども、本来ならば打ち上げそして寿命も含めて利用されるかどうか、そこまでも見きわめる保険を最初から掛けるべきではなかったかと思うのですけれども、この点についていかがお考えでございますか。
  198. 渡辺伸一

    渡辺参考人 申し上げますが、先ほど打ち上げ保険を二段階に分けて御説明いたしました。打ち上げ保険は二段階のものを事実上は一緒に契約しましたけれども、点火前の状況が確実であったかどうかを確かめてからその次のステップの保険が有効になるということでございます。したがいまして、もし点火前の状況が違ってまいりますと、事前に契約をいたしましてもその契約の条件は一応御破算になって契約をし直すという状況でございます。私どもが寿命保険を後で掛けたということがいかにも手落ちであるかのごとき響きがございますけれども、四月二十一日に打ち上げを終わって私ども引き取りましたら、それから一日の空白も置かずに直ちに寿命保険を掛けるべく準備いたしました。なぜそうやったかといいますと、打ち上げの状況を確認してからでないと保険会社は料率その他について決定しないというわけでございます。ですから一応健全な状態で上がったときのことを想定して結ぶべく準備をしておったのは事実でございますけれども、寸前になって条件が大きく変わったわけでございますので、保険会社は容易に新しい条件を設定してこなかった、掛けようと思いましたが掛けられなかったという状況でございます。御了承いただきたいと思います。
  199. 永江一仁

    ○永江委員 これは健康な人間が生命保険に入るつもりでおったところが、検査して悪いところがあったから保険会社が断ってきたというのと全く同じことでありまして、私が最初端的にお尋ねしましたように、この保険というものの意味、この衛星が活用されて初めて保険を掛ける意味がある。そうすれば逆に言えば、そこまでの寿命も含めてのことを認めないのであれば最初から保険は断る。これはどちらが売り手か買い手かですけれども、この保険会社からすればこれは非常に大きな商売だったと私は思うのです。そういう点からいえば、NHKですか事業団ですかが、もう少し最初の段階で強気に、このことが完全に用を足すというそこまでの保険を要求することができたと思うのです。そこで分けるという意味は、これはもう保険会社の完全なペースだったと言わざるを得ないと思うのですけれども、いかがでしょうか。
  200. 渡辺伸一

    渡辺参考人 申し上げますように、打ち上げ保険の次に寿命保険を掛けたのが、多少打ち上げ保険の有効期間が切れてから掛けたというところに問題があるということでございますけれども、打ち上げ保険が終わりますのが打ち上げましてから九十日間という期間がございます。これは九十日が百日であった方がいいだろうということもございますけれども、ロケットの打ち上げについてはかなりの実績がございまして、九十日いたしますと一応正常状況というのがある程度実績として定着しておりまして、それで保険会社では九十日をもって一応打ち上げ保険の期限としているわけでございます。それから引き続いて寿命保険でございます。寿命保険は要するに打ち上げのときの状態によって決めよう。ですから、全く五体満足であるという条件だけではなくて、障害がありましたらそれはそれなりに、料率でありますとか保険金額でありますとか、それは新たに決めようということでございます。それが非常に大きな金額でございますので、海外にも再保険をしているようでございます。海外に人を派遣して調査をする等でこの期日の間には具体的条件を提示しなかった、してこなかったということでございます。  なお、打ち上げ保険につきましては、無事に成功すると有効でございますので、打ち上げ点火時の保険の二〇%、約三億円は私どもに返ってくるということになっておりますことをつけ加えておきます。
  201. 永江一仁

    ○永江委員 これ以上お話ししておりましても、若干水かけ論になりかねないのでございますが、いずれにいたしましても、保険料といたしましても十八億というような、これはまことに大金でございます。そういう意味で、こういったことのお金の使い方についても慎重に、そしてNHKが聴視者に対して申し開きができるように、今後は慎重にしていただきたいということを申し添えまして、次の質問に移りたいと思います。  電波法を一部改正する問題についてでございますが、けさほど来この点に触れられておりますが、第百二条の「手数料の徴収」が法定から政令に変わるという点でございます。実は、我が党の立場をこの機会に明らかにしておきたいと思うのでございます。先般の一括法案に反対いたしましたのは、あの中に値上げが含まれておったということの中で反対したわけでございます。我々、基本的に業務の合理化という観点から、この政令に移すことは一概に反対するものではございません。  そこで、けさほどの御答弁の中にも、今回の手数料の法改正の中で、しかし手数料の値上げは当面考えていないという御答弁があったわけでございますが、もう一度確認のためにお答えいただきたいと思います、
  202. 鴨光一郎

    鴨政府委員 御指摘のように、ただいま御審議いただいております改正案の中で政令委任をしていただくように規定をいたしてございますけれども、この政令を働かすこと、つまり政令によります手数料額の改定につきましては、当面は考えておりません。
  203. 永江一仁

    ○永江委員 ただ、いろいろ合理的に、あるいは不公正を直していくという面で、大変大きな放送局あたりが法定で上限を決められて非常に安くなっておるという問題もあるやに聞くわけでございます。そういう点で、今後若干の改定があるということは想像できるわけでございますが、ただ、今後政令に移ったからといって、まさか郵政省の独断でおやりにならないと思いますが、できるだけそういう場合には関係者の意見を聴取して行うべきであるということを私たちは基本的にお願いをしたいわけでございます。  そういう点で、いろいろ船員法等においては手数料の変更については関係者の意見を聞くということになっておるわけでございますが、今回はその点、その関係者の意見を聴取するという項目がないのですけれども、実際に行うという過程の中でそういった関係者の意見を聞くべきであるというふうに思うわけでございますが、この点について御答弁いただきたいと思います。
  204. 鴨光一郎

    鴨政府委員 電波法関係手数料の料額でございますけれども、御案内のように、現行制度では最高限度額を法定をして、その金額の範囲内で政令で定めるということになっておるわけでございます。これを今回、実費の範囲内で政令で定めるということにいたしております。したがって、私どもといたしましては、経済情勢の変化に応じまして、その時期が来た場合に見直しをしようという考え方でございますけれども、その場合には、先生指摘のような関係機関等の意見につきましては十分これを踏まえながら、適正な額を実費の範囲内という法律の規定に沿いながら定めてまいりたいというふうに考えております。
  205. 永江一仁

    ○永江委員 いや、私がお聞きしたのは、実費の範囲内というよりもそのことの影響を受ける関係者の意見もよく聞いて決めるべきではないか、こういうことをお尋ねしておるわけでございます。
  206. 鴨光一郎

    鴨政府委員 関係者の意見も十分聞いた上で実費の範囲内で定めてまいりたいということを申し上げたつもりでございます。
  207. 永江一仁

    ○永江委員 次に、今回のこの電波法の改正ではいわゆる海難の救助に関していろいろ電波の数をふやしたりしておるわけでございますが、今日海上における遭難、安全に関する全世界的な制度、FGMDSSと言われておるそうでございますが、これが国連の専門委員会機構の中で一九九〇年を目途にいろいろ制度の見直しが行われておるということが言われておるわけでございますが、現在いわゆる国際海事機構の中でのこういう制度の見直しはどういうふうに進められておるのか、そしてそのことが今回のこの電波法の改正と関係あるのかどうか、この点についてお答えいただきたいと思います。
  208. 鴨光一郎

    鴨政府委員 国際海事機関、IMOが取り組んでおります「将来の全世界的な海上における遭難・安全制度」今、先生お話ございましたFGMDSS、これは遠距離の通信を安定して行うことができ、また遭難通信が確実に行われるようにということで、衛星通信あるいはディジタル選択呼び出し等の新しい通信方式を利用して、千九百七十九年の海上における捜索救助に関する国際条約の円滑な実施を支援するための新しい総合的なグローバルな制度でございます。この制度につきましては、御指摘ございましたように、一九九〇年、つまり昭和六十五年ごろに導入することをめどにいたしまして、IMOの中の無線通信委員会等で、搭載要件、移行計画通信士の職務、無線設備の性能基準等について審議が重ねられているところでございます。その小委員会では、昭和六十一年の三月の会合までにすべての審議を終了するということにいたしておりまして、FGMDSSの具体化のために必要な規定の整備に関する事項について検討を加えているという状況にあるわけでございますが、このことは全世界的な船舶救助体制の抜本的改革をねらいとするものでございまして、今回の国内的な電波法改正措置とは直接関係がございません。将来の問題ということでございます。
  209. 永江一仁

    ○永江委員 今お答えありましたように、一九九〇年を目途に海上における海難通信ですか、こういうことが一変をする。私も聞きましたところ、今まではモールス信号でやっておったのが宇宙衛星という関係、これも先ほどの通信衛星故障から考えますと非常に心配なんでございますが、そういうふうなことで制度が一変をするというふうに聞いておるわけでございます。  そこで、日本も海運国といたしまして、こういった遭難、安全体制の国際的な体制の変化でございますから、日本だけが特別なやり方でできるわけでないわけでございます。世界じゅうが同じ方向でこれを受けとめていかなければならないわけでございます。そういう意味でこの会合といいますか、特に無線通信の小委員会のいわゆるCOMという会合の重要性が非常に増しておるわけでございますが、ちょっと資料を調べてみますと、予算の関係でございますか、それぞれいわゆる通信の小委員会がたびたび開かれておるわけでございますけれども、郵政省からも二、三人の方が出席されておるのでございますが、非常に参加が少ない。これは調べてみますと、第二十四回のいわゆる小委員会が八二年の三月十五日から十九日にかけて、また第二十五回の小委員会は一九八二年十二月十三日から十二月十七日にかけて、第二十六回の小委員会は八三年の九月十二日から九月十六日にかけてロンドンで行われておるのですが、またそれの分科会、それには郵政省からは二名の方が、そして在英日本大使館の一等書記官等が出席はしておるわけでございますが、分科会が五つ六つとなりますと、第二十四回も第二十五回も第二十六回も、大事な分科会、航行警報の放送に関する作業部会とか、技術的事項に関する作業部会というのはこれは日本が不参加になっておるわけですね。まことに重要なこの会議、しかも海運国日本と言われる中で、今、鴨局長おっしゃった、こういったグローバルな体制の中での変化が起ころうとしておる中で、日本の意見が反映されないということは、ゆゆしき問題だと思うのでございますが、このことはどういうことだったのでございましょうか。
  210. 鴨光一郎

    鴨政府委員 FGMDSSにつきましては、無線通信委員会、COMと略称されておりますが、そこで重点的に審議が行われているということで、この小委員会には郵政省の代表が毎回参加をいたしまして、海上における無線通信に関する諸問題について専門的な立場から我が国の意見を表明し、あるいは検討をしている次第でございます。  それから、先ほどの小委員会の分科会というお話とは別でございますけれども、小委員会の上部機関でございます海上安全委員会、これは通信問題だけでなく、海上の安全に影響のあるあらゆる事項について審議することを任務としておりますけれども、その中でFGMDSSに関する事項等を扱う会議につきましては、郵政省としても必要に応じて代表を参加させているところでございます。御指摘のように分科会ということで出席できないという場面も出てくることはないわけではございませんが、私どもといたしましては、小委員会における参加、あるいはその上部機関の海上安全委員会への参加ということで、我が国の意向を反映させているというふうに考えているわけでございますが、なお、今後につきましても、厳しい財政事情の中ではございますけれども、極力これらの会議に積極的に参加をしていきたいと考えているところでございます。
  211. 永江一仁

    ○永江委員 今の局長の御答弁の最後に、財政が厳しい、これは端的に言えば、旅費が足らないから、分科会が六つあっても二人しか参加できない、こういうことなわけですか。
  212. 鴨光一郎

    鴨政府委員 端的に申し上げますと、そういう事情もございます。
  213. 永江一仁

    ○永江委員 今のところは実は大臣に聞いていただきたかったのでございますが、そういうことで、あわせまして分科会が五つあり、あるいは六つあるような会合でも、郵政省専門家が二人しか参加しなければ、いやでも応でもどこかは穴があく。そして、そういうところで重要なことが決められていくということになっておるわけでございます。我が党の調査によりますと、外国では、例えば国際運輸労連あたりのあれによりますと、それぞれの各国は、そのことに従事する労働組合の代表もその会議に連れていって発言の機会を与えておる。こういうことは当面、日本におきましては、海員組合を中心として、本当に船に乗って遭難、海難の一番矢面に立つ職場に働く人々の声がこういった国際会議に反映できていない。しかも、それを代弁すべき郵政省あるいは日本政府の代表が不参加の中でそういったことも決められておるという実情があるわけでございます。  そういう点で、特に無線通信士は、従来はモールスでやっておったのが、今度はそういうことで一変していくという中での、新しい制度に対する非常な不安を今持っておられるわけですけれども、こういう点も勘案いたしまして、この重要な新しい制度をつくり上げようとしておるこの国際会議には、政府はもっと力を入れて参加すべきであるというふうに考えるわけでございますが、大臣、旅費も足らないというようなことでは大国日本といたしましてもまことに残念なことでありますし、中曽根さんのお話を聞いておればとても今のような答弁は出てこないことでございますので、ひとつお答えいただきたいと思います。
  214. 奥田敬和

    奥田国務大臣 今、御論議の推移を聞いておったのですけれども、特に海事会議等々の、日本の海洋国家としての立場をはっきり鮮明にしなければいかぬというような重要な会議のようでございます。今、旅費が足らないというような形を言いましたけれども、それは会合は大変多いわけでございますけれども、やはり質の選択もあると思うのです。先生の御指摘されるような大事な会議のときに、事前にそういった会議内容をチェックした上で、出なければいかぬものには最大限の努力をいたそうと思います。何か、今聞いておるだけでも、大変重要な会議メンバーの中に我が方が入っていないという御指摘でございましたから、それは早速改めて、万難を排して出席させるように努力いたします。
  215. 永江一仁

    ○永江委員 結構でございます。ぜひそういう方向でよろしくお願いいたしたいと思います。  あわせまして最後に、この点に関しまして、日本の無線通信士があるいは海上で働いておる人々が今、心配しておりますことは、一九九〇年にそういうふうに全く新しい制度になる。先ほどもちょっと申しましたけれども、従来八十年間モールス信号でやっておった、このことが変わるわけなんですね。これは何か、自動化される、非常に近代化されるようですけれども、けさほどからのBS2故障のことでもおわかりのように、新しいものというのにはなかなかそこに落とし穴がある、そういうことで今回はテレビが見えなくなるというぐらいのことですからいいのですけれども、海難というような一刻を争う、非常に人命にかかわることが、新しい制度に変わったけれども、新しい機械がまだまだいろいろ思いもかけない故障があって十分届かなかったというようなことにもなり得るわけでございますので、でき得ましたら日本の立場といたしましては、この新しい制度の安全というものが本当に確認されるまではできるだけ慎重に対処すべきであるというふうに考えるわけでございますが、この点について、この新しい制度、FGMDSSという制度に対する基本的なお考えについて改めて最後にお聞きしたいと思います。
  216. 鴨光一郎

    鴨政府委員 FGMDSSにおきましては、衛星通信設備あるいは自動呼び出し装置、直接印刷電信装置といった新しい設備の備えつけが義務づけられることになる予定でございます。これはまだ今の段階では予定ということでございますけれども、こうした設備はそのほとんどが現在開発途上のものでございます。したがいまして、私どもといたしましてはその導入に当たって、先生指摘のように機能の試験を十分に行う、そして実用に供し得ることをあらゆる面から確認を行って信頼性が得られた後に導入さるべきものというふうに考えておるところでございます。
  217. 永江一仁

    ○永江委員 次に、午前中の御審議にもございましたが、電波法の改正の中で例えば第六十五条の聴守義務で五百キロヘルツあるいは二千百八十二キロヘルツは自動的に聞ける、しかし今度新しく加えられた百五十六・八メガヘルツは常時生の声で聞かなければいかぬ、この間お聞きしましたら、これは自動的じゃなくて生の声であるから特別な無線通信士でなくても聞いておれるので二十四時間それに対処できるというお答えでございました。いずれにいたしましても、こういった電波法の改正というものは直接に海上従事者、特に無線通信士の仕事の内容あるいは業務体系にも大きな影響を与えるわけでございます。  実は今、これは運輸省の管轄のようですが、いわゆる海上従事者に対する近代化委員会というのが発足いたしまして、いろいろ船乗りさん、海上従事者の仕事の内容についての近代化に取り組まれておるわけでございます。端的に申しますと、通信士は今まで通信だけ聞いておったらいいあるいはモールス信号だけ打っておればよかったのが、それでは合理化の中でやっていけない、いろいろなことをやらなければいけない、こういうことを近代化委員会において検討されておるようなんでございますが、一方では郵政省が、電波法の改正という形で海上の労働条件、労働のあり方ということと全く切り離されたような法案だけをぼんと出されてくるということは非常に問題があるわけでございます。そういう意味で、運輸省の近代化委員会というものがあるわけでございますが、ここに郵政省の意見を反映させる道が現在のところないようでありますけれども、運輸省の方に来ていただいておるわけでございますが、この点について運輸省としては、郵政省の意見を聴取しながら近代化委員会というものを正しく運営していく方向のお考えがないかどうか、お尋ねいたしたいと思います。
  218. 山本昌彦

    ○山本説明員 私どもでは五十二年以来船員制度近代化プロジェクトというものを進めているわけでございますが、これは外航海運におきまして日本船の国際競争力の回復、強化というものを図りまして、そのことでひいては日本人船員の職域が確保されますよう、船舶の技術革新に対応しましたところの船内職制等乗り組み体制の近代化を図ろうというものでございますが、昨年四月には船員制度近代化委員会におきます関係者の努力によりまして第一段階の実用化を見たところでございます。  具体的には部員レベルにおきますところの機関部作業と甲板部作業をともに行います船舶技士の創設、さらに三等レベルの商船士官のデッキとエンジンにおきます当直作業を共通に行います運航士の創設ということをもちまして数万トンの船も十八名の体制で安全に動かせるというようなことになったわけでございます。そして現在この委員会におきましてさらに第二段階にステップアップするという実験を検討いたしておるところでございますが、既に十八名という少数乗組員で運航されている現状でございますので、これをステップアップするということになりますと、いずれかの段階でこれまで余り触れられていなかった通信部門の職制のあり方にも論議を深める必要があろうかというふうに考えておるわけでございます。  また先ほど来お話もございますFGMDSSの国際的な実用化の動きもございます。このことはまた船舶通信士の職務内容、ひいては船員制度の近代化に重大な影響を与えるものというふうに考えるわけでございます。先行きの情勢につきましてはかように見通すわけでございますが、現時点におきましては、この通信業務に関係いたしますステップアップを今後の近代化プロジェクトのどの段階でどのような方向を目指して行うべきかということがいま一つ煮詰まっておりません。またFGMDSSに関します国際会議も検討の緒についたばかりでございまして、いまだその行方は漠としてございます。そこで、これらの情勢を見きわめつつ近代化プロジェクトと電波法とのかかわり合いを調整するという問題につきましてはその方法論も含めまして今後適時適切に郵政省電波当局と御相談してまいりたい、かように考えておる次第でございます。
  219. 永江一仁

    ○永江委員 今、運輸省のお答えのように、船員の合理化の中で無線通信士の仕事も大変複雑あるいは拡大されてくる、しかも世界的な制度が一変をしようとしておるという中で、郵政当局、特に電波当局の意見も聞くということでございますけれども、そういう運輸省からの要請があれば、郵政省といたしましても当然、積極的に参加すべきだと思うのでございますが、この点についていかがお考えでしょうか。
  220. 鴨光一郎

    鴨政府委員 船員制度近代化の検討につきましては、その動向いかんによりまして幾つかの問題、例えば船舶局の円滑な運用の確保、それから遭難通信等の確実な取り扱い、無線従事者の適正な配置、こういった点で私どもの所管をしております電波法制上も大きなかかわりを持っておりますので、郵政省といたしましてもこの近代化の検討については重大な関心を持っております。運輸省から相談があるとすれば私どもも積極的にこれに対応したいと考えております。
  221. 永江一仁

    ○永江委員 いずれにいたしましても、海上従事者、船員の皆さんの御苦労も非常に多いわけでございますが、この電波法との関係の中で無線通信士がこういった船員体制の近代化の中で非常に努力をしておるわけでございます。このことは十分踏まえていただきまして、電波法電波法、船員さんの仕事の内容はもう運輸省、こういう割り切りではなくて、その中での連絡を十分密にしながらやっていただきたい。これは郵政省との関係もございますので、電波とのかかわりの中で海上従事者の中での無線通信士の立場というものを十分御勘案いただいてこのことに取り組んでいただきたいと思いますので、最後に郵政大臣にお答えいただきたいと思います。
  222. 奥田敬和

    奥田国務大臣 今ほども運輸省からの答弁がございましたけれども、そういった呼びかけがあれば、協調体制の中で、無線の海上勤務の皆さん方の安全に関する問題でもありますから、積極的に参加させて協力させるように努力いたします。     〔吹田委員長代理退席、委員長着席〕
  223. 永江一仁

    ○永江委員 終わります。
  224. 志賀節

    志賀委員長 これにて永江君の質疑は終了いたしました。  次に、佐藤祐弘君。
  225. 佐藤祐弘

    佐藤(祐)委員 私も、電波法の前に、ゆり二号の故障問題で若干お尋ねしたいと思います。  午前からの質疑で幾つかの点が明らかにもなりつつあります。また、非常にこれは大きな問題だと思いますので、委員長にお願いをしたいのでありますが、近いうちに集中審議機会をぜひつくっていただきたいというふうに思います。  私は、大きく言って、究明されなければならない点が二つあるというふうに思います。一つは、ニューメディア時代の幕明けということで推進されてきたわけでありますが、その計画が挫折した、重大な変更を余儀なくされたということに伴う政治的、社会的な責任の問題であります。もう一つは、技術面を含めて計画全体について再検討が必要ではないか。今度のことで国民の信頼が大きく揺らいでいると思います。視聴者の理解と支持の上に進めなければならない事業でありますから、今、不安を感じている国民が十分納得できるようなこれからの計画の再構築、そういうものが必要になっているというふうに考えます。その点はまた後で述べたいと思います。  まず最初の問題としまして、いわゆる難視対策の問題。そもそも放送衛星の大義名分は、難視解消でありました。しかし、それが事実上しばらく空白になるという事態になったわけであります。これまでの御答弁を聞いておりますと、予備機に期待をつないでおられるようであります。予備機がうまくいったとしましても、稼働するのは早くて来年の十一月であります。一年半、また、事故原因究明によってはもっと遅くなることの方が考えられるということになりますと、一年半、二年、さらにはそれ以上難視対策が空白のままになる、これではやはり私は、責任は果たせないと思うわけであります。  ですから、今回の事態に伴って、地上における難視対策を継続すべきだというように私は考えるわけでありますが、この点、まずNHKの御見解をお聞きしたいと思います。
  226. 矢橋幸一

    矢橋参考人 お答えいたします。  今回のBS2ふぐあいの発生によりまして、五月十二日からの衛星放送につきましては、平常に動作しておりますB系統の一チャンネルによりまして、原則として地上の総合テレビジョンを中心とした番組を放送いたしまして、五月十二日から放送を開始したいというふうに思っておりますけれども、今、御指摘がありましたように、難視解消につきましては、総合テレビジョンを中心とした番組一チャンネルでございますので、十分な難視解消にはならないと思っております。  我々といたしましては、小笠原地域あるいは大束島の方々がやはりこの衛星放送というものの放送の開始を待っておられるということもございますし、いささかなりとも難視解消に寄与していきたいという考えております。またNHKといたしましても、宇宙開発事業団によります原因究明あるいは回復措置を速やかにやっていただいて、ともかく、できるだけ早く二チャンネルによります正式な難視解消というものを可能にするように、引き続き我々も協力して、努力していきたいというふうに思っております。現在二チャンネルの衛星放送を待っている方々に対しましてはまことに申しわけないという気持ちを持っておりますが、同時に、宇宙開発事業団からのこの回復措置ができたという朗報を、本当に一日千秋の思いで待っているという気持ちでございます。
  227. 佐藤祐弘

    佐藤(祐)委員 同じ問題で郵政大臣にお伺いしたいのですが、郵政大臣は今度の事故で、非常につらい思いだ、結局は国民負担になり痛恨の思いだというふうにおっしゃっておられます。私はやはりそれを、言葉だけではなくて、形にあらわしていただく必要があるのではないかと思うわけです。  そして、今申しましたように、結局、一チャンネルが動いたとしましても、二チャンネルの当初の計画はとんざしたわけでありますから、そういう意味では、本当の意味の難視聴解消にはならぬわけです。しかも、一チャンネルしか動かないのに三十万円もするような受信装置を果たしてどれだけつけるかという問題もあります。この点は前回の私の質問でも、非常に見通しがないのじゃないか、そういう意味では虚名に終わるのではないかということも質問したわけでありますが、いよいよその受信装置がつけられない可能性が強くなると思います。  ですから、これだけの巨額のお金をつぎ込んだにもかかわらずの失敗、この責任という意味でも、難視解消を進めることが必要ではないかというふうに考えるわけです。大臣がおっしゃった痛恨の思いを形にあらわしていただくという点でもその方向を検討していただきたいと思うのですが、大臣、いかがでしょうか。
  228. 奥田敬和

    奥田国務大臣 小笠原とかそういった離島難視の解消というのはまさにこの衛星によらなければならないという形の中で、その人たちの期待が強かっただけに、大変残念でございます。世界初の放送衛星ということで私たちも大変大きな期待を持って見守っておっただけに、これはもう単に運が悪かったというようなことではとても済まされない。そういった意味で、先ほど来、痛恨であり残念であり遺憾であるという気持ちを表明したわけでございます。  もちろん、技術原因の追及、検討、それにあわせて責任も含めて、これは急いで明らかにしなければならぬことは当然でございます。拙速でやることはとても許されないと思います。先ほども言いましたように、結局最後には国民の大きな負担となって御迷惑をかけてきたわけでございますから、そういった意味においても、これらの技術原因も含めて、私たちは、本当に慎重の上にも慎重に検討して次の星の問題のときに生かしていかなければならぬと思っております。  地上の難視解消のそういった計画は引き続きNHKの方にも相談をしてまいりますけれども、事業計画の中でも引き続きやっていくということをはっきりさせておるわけですから、そういった意味合いで、双方、星と地上設備の難視解消対策とあわせて努力していきたいと思います。
  229. 佐藤祐弘

    佐藤(祐)委員 地上の難視解消対策も進められるということですが、今年度予算では、放送衛星を前提にして、そちらがうんと弱まっているわけですね。ですから、放送衛星がこういう状態になった中では見直しが必要ではないか、強化が必要ではないかということで御検討いただきたいと思うのです。  それから、今お話が出ました特に小笠原、南大東などにつきましては、現地が非常に困惑している状態ですね。CATVでこれまでやってきておったわけですが、これが、衛星放送が開始をされるというので廃止を決定した。五月十一日でCATVが打ち切りになるというように聞いております。新聞の報道によりますと、小笠原の小学校では教育テレビを授業に活用しようと時間割まで変更して放送開始を待っていたということなんですが、こういうことがすべてだめになるわけでして、NHKの方では受信料を取らないということを言っておられるわけでありますが、受信料を取らないだけでは済まぬ問題だと思うのです。私は、この問題では特に小笠原、南大束などに関しましてはひとつ御検討いただきたいということを提案したいのですが、BSはだめでも通信衛星ですね、CSの利用というのを考えられないかどうか、これを利用して教育テレビの方を送る、再送信などの設備はもうあるわけですから、これは十分可能だと思います。これはNHKの公約を果たしていくという点からいっても、当然検討されていい問題ではないかというふうに考えますし、このCSの容量は現在でも十分あるわけです。その点についてそういう提案をしたいわけですが、お考えをお聞きしたい。
  230. 坂倉孝一

    坂倉参考人 午前中から申し上げておりますように、衛星がこういった状態になりましたことはまことに遺憾でございますし、視聴者の方々からの御期待に沿い得なかったという、放送の面での視聴者の御期待というのが非常に大きければ大きいほど大変残念におわびを申し上げる次第でございますけれども、私どもとしては、先ほど技師長がお答え申し上げましたように、ともかくも今の状況が一日も早く回復をして、当初の予定のとおり二チャンネルによる放送ができ得ることを期待いたしまして、事業団等に極力お願いを申し上げているわけでございます。  それにいたしましても、五月十二日からは、この一チャンネルの放送が今までテレビの電波の届き得なかったところに届くということで、そういう意味ではいささかなりとも難視解消ということには寄与はいたせるのではないかというふうに考えているわけでございます。  それから、将来に向けまして、私どもは、まだ国の宇宙開発計画がこれによってとんざを来すような状況というふうには把握をいたしていないわけでございまして、今後もそういった問題を究明していただきまして、そしてこの衛星放送の持つ将来への可能性といったものが十分発揮できる方向へということを念願いたしているわけでございます。  そういう意味で、難視聴解消も、これはこの前の委員会のときにも申し上げましたように、やはり経済性あるいは一挙にできるといったような面での難視解消ということは衛星放送をもって行うべきであるという判断は、現時点におきましては、私どもはまだ変えていないわけでございまして、こういった国の宇宙開発計画ということとの関連の上において、その問題は今後も十分検討してまいりたいというふうに私どもも考えるわけでございます。  それと、今、先生お話のございました小笠原でございますけれども、これにつきましても、この送信系統は、衛星放送の開始に備えまして再送信の施設の置局の準備を整えたわけでございますけれども、一チャンネルしか、一系統でしか運用できないというような状況でございまして、小笠原につきましては、先生指摘のとおりあそこのCATVがこれの開始ということで五月十一日をもって廃止することに決まったというふうに私どもも聞いているわけでございます。ただ、この一チャンネルによって、今までCATVでやっておりました内容と申しますと、週一回、一回二時間三十分程度のものでございまして、今まで大河ドラマでありますとか「NHK歌謡ホール」でございますとか「NHK特集」、そういったものを現地に送って一回二時間三十分程度の番組を見ていただいていたわけでございまして、これがともかくも十八時間の毎日の放送、総合テレビが送られるということでございますので、私どもといたしましてはそれへ万全を期すとともに、何回も繰り返すようでございますけれども、もう一チャンネルの早い回復を望んでいる次第でございます。
  231. 佐藤祐弘

    佐藤(祐)委員 私は、NHKが誠意を見せるという意味でCS2も利用してはということを言ったわけですが、これは大臣御存じと思いますが、電電公社が今持っているマイクロ波帯の中継器が二個あるわけですね、CS2。これは一つでカラーテレビが二つ分、電話が百九十二回線とれるというもので十分容量はあるわけです。ですから、そういうものを今後生かしていくことも当然考えていいのではないかと思うわけです。ちょっと念頭に入れておいていただきたい。  今おっしゃられた問題ですが、率直に言いまして、私は少し甘いのじゃないかという気がするのです。いろいろ願望とかおっしゃるのは結構ですが、願望ではちょっと困るのではないかという気が今、非常に強くしております。今度の事故全体を見ますと相当深刻だと思うのです。三月二十六日の当委員会での予算審議のときでしたが、川原会長は私の質問に対して「新しい仕事を展開していく場合にどうしても全国の視聴者の支持がなければ成功するものではない」ということをおっしゃられました。この立場が今、非常に大事だと思うわけです。  冒頭申し上げましたように国民の放送衛星に対する信頼が揺らいでいる。これをどう取り戻すかということだと思うのです。先ほどからの御答弁を聞いておりますと、今はともかく事故原因究明で、これまで立てていたBS2b、BS3などの計画の再検討までは考えていないというふうに聞こえるわけです。もちろん原因究明、これは徹底して必要だと僕は思うのです。国民のあれだけ巨額のお金をむだにしたわけですから、その責任としてもこれは徹底的にやる必要がある。東芝GEに対する責任追及も当然必要だろうと僕は思うのです。同時に、今回の事故についての原因がわかったというだけでは万全ではないのですね。今度AとRと違う種類の故障だということですが、その二ケースの原因がわかっただけでは万全ではない。経過的に言っても、ゆり一号の場合に一年二カ月から二年二カ月の間に中継器が三個とも故障した。今度はわずか四カ月の間に三つのうちの二つまでが故障したわけです。あとの一つがあす故障するかもしれないという状況だと思うのです。こういう全体の経過を見てみますと、BSはまだテスト段階であって実用の段階には至っていなかった、早過ぎたんだというのが今の中間的な結論とならざるを得ないんじゃないか。そういう意味で事故原因究明は続けると同時に、それが明らかになったとしても中継器の信頼度とか安定度、そういうものを本当に十分に確認するための期間が必要だろう。そういうふうに考えますと、全体の計画の見直しがBS2bについてもBS3についても求められているというふうに考えるわけですが、その点、見解をお聞きしたい。
  232. 鴨光一郎

    鴨政府委員 私どもBS2aの予備機といたしましてのBS2bを来年度の夏に打ち上げる予定をスケジュールとして持っております。それから五年後にBS2シリーズの後継機としてのBS3を打ち上げるという計画を持っているわけでございますが、いずれにつきましても、先ほどからたびたび出ておりますように今回起きましたトラブルの原因究明、そして回復措置ということに当面最大限の努力を払う、同時にそういった計画に把握できました原因を反映させまして、そういった事態を再現することがないようにしていくということが私どもの仕事であろうというふうに考えております。
  233. 佐藤祐弘

    佐藤(祐)委員 今のでは少し違うのですがね。一般的願望、期待は結構なんです。しかし、私が言っていますのは、今回のAとRの二ケースの事故原因究明されても、それだけでもうすべて万々歳だ、解決だということにはならぬのではないかということを申し上げておる。今回の原因究明されたとしても本当に信頼性のおける中継器をどう開発するのか、これは自主開発を含めて考えられても結構だと思うのですが、いずれにしてもそういう検証期間が必要である、検証期間がなくてまた上げる、また故障するという愚を繰り返してはならぬ。そのあたりをどう考えておられるのかということをお答えいただきたいのです。
  234. 鴨光一郎

    鴨政府委員 私どもといたしましては、これまでの段階でも宇宙という新しい分野への挑戦ということではございますが、最大限の慎重さで関係機関においての検討あるいはテスト等をしてきたというふうに考えているところでございます。大変残念なことでございますけれども、BS2aがこういう状態になったわけでございますが、今の段階では私どもといたしましては、BS2bあるいはBS3につきましてはこうした全く同じことが生じるということではもちろんいけないわけでございますが、そうしたことがないようにするということを前提にして速やかな原因究明で把握されました事実を、これらのBS2bあるいはBS3に反映させていくべきだというふうに考えているところでございます。
  235. 佐藤祐弘

    佐藤(祐)委員 それではちょっと別の方から聞きます。ブラックボックス問題ですが、大臣のきのうの記者会見とかその前の日のNHKの副会長の会見ではブラックボックスだというふうに話しておられました。けさの科学技術庁の答弁ではブラックボックスではないんだということだったわけですね。これはどっちが本当なのか。私は常識的にいってブラックボックス部分が全くないということはあり得ないと思っております。中継器はどうだったのか、ブラックボックス部分がどうあったのか、お答えをいただきたい。
  236. 鴨光一郎

    鴨政府委員 このことにつきましては宇宙開発事業団からも御答弁いただきたいと思っておりますが、私どもといたしましては関係機関においてあらゆる角度からの原因究明を行っているところでございますが、御指摘ブラックボックスという点につきましては概要についての把握はなされているというふうに承知をいたしております。
  237. 山内正男

    山内参考人 お答えをいたします。  今回事故を起こしております中継器でございますね、これは中継器GE製品でございまして、それの中の進行波管はフランスのトムソンの製品を使っております。それで、一般のブラックボックスと申しますと、これの技術の開示は一切されなくて、これの実用における運用の主導権というのが外国の企業にあるというようなものを言っているようでございますけれども、今回の中継器につきましては、ある程度の技術、例えば回路図のようなものは開示されておりますし、東芝におきまして進行波管なんかにつきましての性能試験あるいは寿命試験といったたぐいのものを実施をいたしております。したがいまして我々といたしましてはいわゆるブラックボックスとは違うものであるというように考えております。
  238. 佐藤祐弘

    佐藤(祐)委員 そうしますと、中継器の安定度だとかそういう実験ですね、それには宇宙開発事業団あるいはNHKから技術者が参加されたのかどうか、どういうように確かめられたのかという点ですね。
  239. 山内正男

    山内参考人 お答えをいたします。  もう少し原因究明につきましての具体的な動きを御説明申し上げると御理解いただけるんじゃないかと思いますが、まずA系統中継器につきましては、これの事故が発生いたしましてから直ちに、ちょうどBS2a開発途上でエンジニアリングモデルを製作したものが東芝の工場に置いてございました。これはGEの方に輸送いたしまして、そして事業団からは担当技術者をGEに派遣し、また東芝が主契約者でございますので、東芝技術者もGEに派遣して、そこでGEと一緒になってこれの原因究明に当たっておるわけでございます。  それからR系統につきましては、これは五月三日に異常が発生をいたしますとともに事業団から技術者を派遣いたしました。それから東芝からもNHKの放送センターの方に技術者を派遣いたしまして、そこで検討を進めておるわけでございます。
  240. 佐藤祐弘

    佐藤(祐)委員 お聞きしているのは事前のテストのことです。事後の調査団を派遣したという話ではなくて、事前に地上実験を現地でどういうふうにされたのか。
  241. 山内正男

    山内参考人 これは受け入れ前の試験のことでございましょうか。
  242. 佐藤祐弘

    佐藤(祐)委員 そうです。
  243. 山内正男

    山内参考人 これは進行波管についての性能確認試験、それから寿命試験、これはフランストムソン社の方で責任を持ってやりますけれども、その場合に宇宙開発事業団、それから東芝技術者を派遣してやっております。それから実際の受け入れ試験、これはGEの方で行いますけれども、その場合にも、事業団東芝から技術者を派遣して受け入れ試験を実施いたしております。
  244. 佐藤祐弘

    佐藤(祐)委員 事前にも技術者を派遣して調べてということだけでは、これは解決にならぬわけですよ。そうしてテストをパスしたものがすぐ故障したというのは、じゃどこに問題があるのかということになりますし、恐らくこれは素人のあれですが、あるレベルのものをテストするにはこちらの水準もそうでなければわからないということがあるだろうと思うんですね。その辺での技術格差があるのではないかという疑念が私はあるのです。本当に万全にテストできたのなら、事故原因究明もただGEにお願いするというだけではなくて、かなりのことができるはずだ。そのあたりの事前の検査、点検が不十分だったのではないかというふうに推論せざるを得ないわけですが、その点いかがでしょう。
  245. 山内正男

    山内参考人 お答えいたします。  現在の中継器につきまして、地上で軌道上にあるものと同じような条件を与えて、これでいわゆる寿命試験を実施し、それについてのいろいろの問題点も出て、それを摘出し、解決を図りながら開発が進められた。その間に、当然のことですけれども、事業団の職員、東芝GE、そういうものが一緒になって事を運んできております。  それで、技術的な格差があったので、そういうものの内容がよくわからなかったのではないかというような御指摘がございました。この点につきましては、我が国におきまして進行波管の開発というのを現在進めておりますけれども、その当時といたしましては、まさに御指摘のように日本技術レベルの方が低かったことは事実でございます。そういうものを製作するための技術が、その当時、五十四年ころでございますけれども、そのころの技術では日本でまだ製作ができないという状況にありましたために、やむを得ず外国の技術に依存をしたわけでございます。その場合の、それが性能的に果たして十分であるかどうかの判定の問題でございますけれども、その判定の問題となってまいりますと、日本技術水準によりましてこれが大丈夫か、どうも難しそうか、それの判定はできたと考えております。
  246. 佐藤祐弘

    佐藤(祐)委員 時間も迫ってきましたので急ぎますが、どうも今のお話を聞いておりましても、本当に十分に万全の事前の実験テストがやられたというふうに私は思えないのです。今後その辺はしっかり教訓にして進んでいかなければ、ただ機種をヒューズからトムソンにかえただけで解決されない。単純比較で言いますと、かえたけれども逆に悪化しているわけですね。ですから、相当慎重な検討が必要だろうと私は思うのです。  ところが、遺憾なことがNHKさんの態度の中にもあると言わざるを得ないのは、A系統故障が起きたのは三月二十三日ということでしたね。ちょうどNHK予算審議がやられていた第一日目の日なんです。二度目は二十六日だったのです。ところが、全然そういうことも報告されない。聞かなければ言わぬということではなかろうと思うのですね、ほかの問題は大いにPRされるわけだから。これは我々逓信委員会をある意味ではないがしろにしているものじゃないかというふうに私は思わざるを得ぬわけです。こういう大事業を進める際には、事実は正確に報告もしてもらい、検討もさしていただくということでなければ、逓信委員会としても責任ある検討はできないということになってまいります。  また、これはちょっと笑い話のようなこともあるのですが、打ち上げは当初ことしの二月と言われていた。それが一月二十三日に繰り上げられまして、聞くところによりますと、一月二十三日午後四時五十六分に打ち上げたかったのが、何かの都合で五十八分になったそうでありますが、一、二、三、四、五、六というごろ合わせをなさった。ゆとりがあるというか、はしゃぎ過ぎというのか、もっとこういう問題については厳しくやっていただかなければならぬと思うわけです。  さっきの報告がなかった点は大変遺憾だと思うのですが、その点どういうことだったのでしょうか。
  247. 矢橋幸一

    矢橋参考人 確かに二十三日にそういう異常現象が発生したわけですけれども、ただ、それ自体が直ちに致命傷かということは我々としては相当慎重に、同時に宇宙開発事業団の方へ報告して検討しなければならない重要な問題ですから、やはり検討するのに時間がかかるということをぜひ御理解願いたいと思います。
  248. 佐藤祐弘

    佐藤(祐)委員 少し時間がかかりました。電波法の問題でも幾つもお聞きしたいことがあるのですが、今申し上げた中でもBS問題でかなりいろいろな問題があると思うのです。郵政省としてもこれは大事業ですから、同じ過ちが繰り返されない、そういうことで十分計画も再検討して、おくれても一向差し支えないと思うのですよ、それは受像機などが売れない電気機器メーカーは若干困るかもわかりませんが、国民的立場でそこはしっかりしたものをつくっていただくということを最後に大臣にぜひお願いしたいと思うのですが、いかがでしょうか。
  249. 奥田敬和

    奥田国務大臣 御指摘のように、二度と愚を繰り返さないことを銘記して、関係機関に本当に慎重に計画を進めてもらうようにお願いをいたします。
  250. 佐藤祐弘

    佐藤(祐)委員 最後になってしまいましたが、電波法で一問だけお尋ねします。  手数料問題です。今回の改正では、現在法定になっております手数料の上限額を政令によって変更することができるようにしようということになっております。この理由は合理化するためということなんですが、郵政省はこの手数料を一年間に何回も変更しなければならない、そういう状態になりそうだというふうにお考えなのかどうかということをまずお聞きしたい。
  251. 鴨光一郎

    鴨政府委員 私ども今回、一括法とは別に、この電波法改正の中に手数料改正案を盛り込ませていただいているわけでございますが、この政令にゆだねる形になりました場合でも、当面につきましては手数料を改定するつもりは持ち合わせておりません。それから、じゃあ将来はどうかということでございますけれども、将来につきましてもそうたびたび変更するというつもりではございませんで、およそのめどでございますが、三年に一度くらいの割合で見直しをしていこう、これは、今回の目的が経済情勢の変動等に弾力的に対応できるような合理化という趣旨でもございますので、そういうふうなつもりでおります。
  252. 佐藤祐弘

    佐藤(祐)委員 そういうことですか。そうしますと、三年に一度というようなことであればなおさら、法定制を変える必要はないというふうに私は思わざるを得ない。  それから、合理化という意味がどうも国会での審議を省略するというのを合理化ということになっておるように思われるのですが、それはやはり正しくないのではないか。戦前の旧憲法時代、法定を必要としなかった手数料が、新憲法のもとでは、財政民主主義の立場から法律によって定めるということが財政法第三条などに明記されているわけです。その詳細は省きますが、例えば大蔵省の局長だった方が書かれている逐条解説によりましても、財政法第三条に定めている法律または国会の議決に基づいて定めなければならないものの中に課徴金があるが、この中には手数料は含まれるということが明記されております。今回の手数料の上限額を政令に委任するという措置は、財政法、財政民主主義、大きく言えば憲法に反するものだというふうに私は考えるわけです。この手数料に係る改正条項を撤回すべきだというふうに私は思うのですが、いかがでしょうか。最後にこの点を大臣にお聞きして質問を終わります。
  253. 奥田敬和

    奥田国務大臣 上限は法定でもちろん御審議願うわけでございますし、今ほど局長も申しましたように、料金見直しに関しては慎重に関係機関と御相談してやりたいということでございます。そういった意味合いで本法案の撤回をするわけにはまいりません。
  254. 佐藤祐弘

    佐藤(祐)委員 終わります。
  255. 志賀節

    志賀委員長 これにて佐藤君の質疑は終了いたしました。  以上で本案に対する質疑は終局いたしました。     ―――――――――――――
  256. 志賀節

    志賀委員長 本案に対し佐藤祐弘君から修正案が提出されております。  この際、提出者から趣旨の説明を求めます。佐藤祐弘君。     ―――――――――――――  電波法の一部を改正する法律案に対する修正案     〔本号末尾に掲載〕     ―――――――――――――
  257. 佐藤祐弘

    佐藤(祐)委員 電波法の一部を改正する法律案に対する修正案の趣旨説明をさせていただきます。  私は、日本共産党・革新共同を代表して、電波法の一部を改正する法律案に対する修正案について、その提案理由と概要を御説明いたします。  御承知のとおり、政府提出の電波法の一部を改正する法律案は、  第一に、千九百七十四年の海上における人命の安全のための国際条約の附属書が一九八一年十一月に改正されたことに伴って、船舶の無線局に関する規定を整備すること、  第二に、我が国における外国人、外国の法人、外資系企業等の無線局の開設についての条件を緩和すること、  第三には、現在、法定されている電波関係手数料の上限額を、政令で改正できるようにする、という内容であります。  我が党は、第一と第二の改正については賛成の立場をとるものであります。  しかし、法定されている電波法関係手数料の上限額を政令で変更できるようにするという提案は、財政民主主義に反するものであり、合理化の名のもとに、国権の最高機関である国会の権限を縮小するもので、反対の立場をとるものであります。  以上が修正案を提案する理由であります。  次に、本修正案の概要について御説明申し上げます。  第一は、手数料の徴収を規定している電波法第百二条の改正規定を削除し、電波法関係の手数料については、現行どおり、上限額を法定することといたしております。  第二は、第百三条の改正規定を削除するのに伴い附則のただし書きを削除することにしております。  以上が本修正案の提案理由及び概要であります。何とぞ慎重審議の上、速やかに御可決くださいますようお願い申し上げます。
  258. 志賀節

    志賀委員長 以上で修正案の趣旨説明は終わりました。     ―――――――――――――
  259. 志賀節

    志賀委員長 これより電波法の一部を改正する法律案並びに本案に対する修正案の討論に入るのでありますが、別に討論の申し出もありませんので、直ちに採決いたします。  まず、佐藤祐弘君提出の修正案について採決いたします。  本修正案に賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕
  260. 志賀節

    志賀委員長 起立少数。よって、佐藤祐弘君提出の修正案は否決されました。  次に、原案について採決いたします。  本案に賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕
  261. 志賀節

    志賀委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。  なお、ただいま議決いたしました本案に対する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  262. 志賀節

    志賀委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。     ―――――――――――――     〔報告書は附録に掲載〕     ―――――――――――――
  263. 志賀節

    志賀委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。     午後四時三分散会      ――――◇―――――