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1984-04-19 第101回国会 衆議院 逓信委員会 第7号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和五十九年四月十九日(木曜日)     午前十時十九分開議 出席委員   委員長 志賀  節君    理事 戸井田三郎君 理事 畑 英次郎君    理事 吹田  愰君 理事 鈴木  強君    理事 竹内 勝彦君 理事 西村 章三君       足立 篤郎君    亀岡 高夫君       近藤 鉄雄君    左藤  恵君       佐藤 守良君    額賀福志郎君       綿貫 民輔君    渡辺 紘三君       阿部未喜男君    伊藤 忠治君       松前  仰君    森中 守義君       小谷 輝二君    鳥居 一雄君       中井  洽君    永江 一仁君       佐藤 祐弘君  出席国務大臣         郵 政 大 臣 奥田 敬和君  出席政府委員         郵政政務次官  関谷 勝嗣君         郵政大臣官房長 奥山 雄材君         郵政大臣官房経         理部長     高橋 幸男君         郵政省郵務局長 永岡 茂治君         郵政省貯金局長 澤田 茂生君         郵政省簡易保険         局長      奥田 量三君         郵政省電気通信         政策局長    小山 森也君         郵政省電波監理         局長      鴨 光一郎君  委員外出席者         日本電信電話公         社総裁     真藤  恒君         日本電信電話公         社資材局長   池田  勉君         日本電信電話公         社国際局長   室谷 正芳君         逓信委員会調査         室長      芦田 茂男君     ――――――――――――― 本日の会議に付した案件  電波法の一部を改正する法律案内閣提出第三  七号)  逓信行政に関する件      ――――◇―――――
  2. 志賀節

    志賀委員長 これより会議を開きます。  逓信行政に関する件について調査を進めます。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。中井洽君。
  3. 中井洽

    中井委員 電電公社真藤総裁お尋ねをいたします。  きのうの質疑の中で総裁は、我が党の永江議員質問へのお答えの中で、現行料金体系が続くなら電電事業への新規加入はやすやすとできるのだ、こういう見通しを述べられました。またきょうは数紙全国紙が一斉に一面トップで、総裁がきのう遠距離料金大幅値下げということを第二電電に対抗する一つの手段として記者会見で言われたということを取り上げているわけでございます。このお考えは、現行電話料金というものが必ずしも原価主義に立っていない、こういうところからかねて遠距離料金を下げ、場合によっては近距離料金を上げる、こういう形で合理的に正そうというお考えが従来から公社の中にあったし、また私どももそういった意味での議論もしてまいった、このように思うわけでありますが、もう少しこの記者会見でお述べになられた真意あるいはこれらの問題に対するお考えをこの委員会でお述べをいただきたいと思います。
  4. 真藤恒

    真藤説明員 この委員会でも御質問がありまして、私は現状のままの長距離料金であれば新規参入はやすやすと入ってこれるだろうと申し上げたことがございます。そこで、記者会見でそれはどういうことなんだ、新規参入が入ってくれば今の料金に比べて一体どのくらいのコストでオペレートできるんだというふうな意味質問がございましたので、まず大ざっぱに考え幹線コストだけで考えれば今の私ども料金の三分の一だったらいけるんじゃないかな、大ざっぱに計算をすればそういうふうになるんだが、そう言ったわけなんですが、それがああいう記事ということに御了解いただきたいと思います。  それから、きのう大蔵委員会でもそういう意味の御質問がございましたので、ここでお答えしたのと同じ意味のことをお答えしております。  それで、新規参入が入ってくるということは、具体的に考えますとどうしてもやはり長距離幹線から入ってくるということと、長距離幹線を私ども市外局に結び込んで、それから私どもの線でエンドユーザーの方へつながっていくということになるのがまず手始めだろうと、具体的な問題としては考えられるわけでございますが、現在御存じのようにこの市内料金というものは非常に大きな赤字になっておりまして、長距離料金はかなりの黒字になっておりまして、大ざっぱに計算してみましても毎年この市内料金赤字を補てんするために約三千億前後の、もっとたくさんの、計算の仕方でいろいろでございますけれども電話番号案内費用を除きましても三千億近い赤字補てんの姿になっております。  そこで、私どもは私どもなりにいろいろ考えてはおりますが、単純に今の市内料金を三分十円を十五円にするとか二十円にするということはとても許されないと思います。それともう一つ、この前の値下げのときに国会附帯決議がついておりまして、グループ料金制というふうなことも考えるという御趣旨をいただいておりますので、その単純なグループ料金制度でさしあたりやるか、あるいは、この間ちょっとここで申し上げたと思いますが、県内行政区画に合わせた最低料金制度をつくって、そして実際のユーザーに対してできるだけ使いやすくて、しかもできるだけ負担増加にならないような方向をやりながら、近距離近距離で自立できる形にしておいて、長距離料金を下げていくということで通話量増加を期待しやすくすることと、またそういうことをやっている間に私ども自体合理化を進めていくということで、長距離料金をかなり大幅に合理化しないと競争原理には立てないというふうに数字の上では出てまいりますので、そういう意味のことを考えておるわけでございますけれども、じゃこれから先料金体系をどうするかということについては、郵政の御当局といろいろ組織的に一緒に勉強をして、いろいろ御指導をいただきながら本格的に事を進めていかないと、今度新しい法案が通りますと、今のままじゃまるで素っ裸で競争するようなことになりますので、その辺の対策も立てなければいかぬのだというふうに考えております。
  5. 中井洽

    中井委員 民営化というか、民営化をするという話が出ただけで料金値下げというような話が出てくるということであれば、実に歓迎すべきことでありますが、逆に言えば、電電がそういう民営化の中で残っていこうと思えば、やはり近距離料金の是正というものを考えざるを得ない。一般市民にとって電話というものは随分日常生活に溶け込んだものになりましたけれども、まだまだその使用範囲というものは自分の身の周りの近距離に限られているわけであります。逆に遠距離をたくさん使うユーザーというのは特定の者だ、こういう形になるわけであります。したがって民営化によって現行料金体系というものが考え直される、それはそれで合理的なものであるのはいいことであるけれども近距離料金の一方的な値上げになるということについては、私どもいささかどうかという考えてあります。  一方、逆に新しく加入しよう、参入しようとしている人たちにとっては、そういう料金体系であるがゆえに利益が出るということであろうかと思います。これは国際電電もそうだと思うのです。日本とアメリカだけの国際電電というものを考えれば、私はかなりもうかってやっていけるんじゃないか。そこだけに参加するといういわゆるいいとこ取りだけをしようという業者にとっては大変おいしい話であろうかと思うのです。そういうところを郵政省は、これから法案審議の中でやるわけでありますから余り言いませんが、料金については許認可制という形になっておる。そこのところを、民間競争原理とそれから今までの料金体系、そういったものをどういうふうにバランスをされようと長期的にお考えになっておるのか承ります。
  6. 小山森也

    小山政府委員 料金体系の問題でございますけれども、実は今までの料金考え方そのものがいわゆる総括原価主義でございました。それで料金決定原則につきましても公衆電気通信法には公衆電気通信役務を合理的な料金で、あまねく、公平にということだけが規定されておりまして、それでは何が合理的なものであるかということについては明確な根拠を示したものがない、こういう状況でございます。したがいましてこれにつきましては当委員会等での附帯決議等料金適正化というものは常に考えるべきであるというような御指摘をいただいておりますので、私の電気通信料金問題調査研究会というのを設けまして、料金決定原則、それからくるところの料金体系というようなものをどうすべきかということを検討したわけでございます。その結果一応の結論は出たのでございますけれども結論を一言で申し上げますと、まず料金水準というのは合理的な経営を前提として、それに今までは考えていなかった公正報酬、これを事業体考える、一種の適正な利潤を加算してよろしい。そうした公正報酬を加えた総括原価主義でまず水準を決めなさい。それから、それではその内訳としてどの体系にどのような料金をするかということは、やはりこれはコスト主義で行け。と申しますのは、今で申しますと、やはり真藤総裁先ほど申せられたように、遠距離料金というものがコストに比べて高ければコスト主義で下げるべきである、こういうような一つ方向が出たわけでございます。  ただ、しかしながら、こういった一つ結論は出たのでございますけれども、具体的な料金というのはまことに長い間の歴史の頂点に立っているものでございますので、なかなか現実の料金とその論理面と一致できません。  そこで、今後といたしましては、やはりそういったコスト主義にのっとりながら、料金収入が総費用を賄うというような一つの総原価主義、それに伴いますところの効用、これを考え類似サービス料金との均衡というようなものを考えていかざるを得ないのではないかというように考えております。
  7. 中井洽

    中井委員 それではこの議論はまた次の委員会の機会に、法案が付託された時点議論させていただきます。  もう一つ総裁お尋ねをいたします。  私は、電話会社というものは国内通信国外通信すべてを持っておって一つ電話会社と言えるんだ、こういうふうに考えるわけであります。しかし、日本においてはいろんな歴史的な経過があって、国際電電それから日本電電公社と分かれて担当していただいたわけであります。しかし、今回出されました法案が通りますと、国際電電もそれから電電公社も同じ民間会社、ちょっと形は違うかもしれませんが、ほぼ同じ会社ということになるわけであります。  今まで電電公社利潤を上げてきた、莫大な技術投資をやってきた、あるいは先行投資もやれてきたということは、受話器の、電話伸び国内通信伸びによって支えられてきたわけでありますし、電電公社自体も御努力をいただいた。しかし、この狭い国土で人口もそう飛躍的に伸びない、こういう事態になってくると、大体国内通話というのは限界に来る、そういう限界に来る中で民間との競争をやっていくんだ。そのときに本当に国際電電の部門を持たずに電電公社というのは民間会社としてやっていけるんだろうか、こういうことを考えるわけであります。  電電公社自体も現在たくさんの国際電電株等をお持ちであります。この電話通信という業務に関して国内国外と分けている、こういう分け方、そういった垣根を取り外して一つ民間会社として進む、そういった考えというものを持つべきじゃないかと私は思うのでありますが、総裁のお考え、どのようなものでしょう。  あるいはまた、郵政省もこの民営ということに関して、国際電電一つにするというような議論、あるいは将来統合するというような議論、そういったものは真剣に考えられたのかどうか、そういった点でお答えをいただきたいと思います。
  8. 真藤恒

    真藤説明員 現段階におきましては、私ども直ちに国際線に参加するということは考えておりません。これは時間がたつにつれて状況の変化が著しく出てくると思います。国際線にも新規参入が入ってくると思いますので、国内線と国際線と大きく状況が変わると思いますし、それからまた、新しい法案ではVANの自由化ということも出ておりますし、それから私どもも、国際線に手を出す前に国内の問題で四、五年間は七転八倒してやらなければなりませんので、現時点で私ども自体として国際線に手を出すということはまだ考えておりません。
  9. 小山森也

    小山政府委員 今回の電電株式会社法案を提出するに当たりまして、国内国際それぞれの電気通信事業の目的とか特性、また規模、こういったものを総合的に検討の上で、国際電電を新電電に含めるという考えをとらなかったものでございます。もう先生十分御承知のことと思いますけれども国際電気通信というのは、国際間の条約とか取り決め、それから国際慣行というようなものが非常に多く、例えば国際通信衛星一つとりましても、インテルサットとかインマルサットなどは国際機関との調整を要するということで、国内電気通信分野と異質なものがございます。また、料金体系につきましても、技術にいたしましても、常に相手国との国際共同事業としてやっているというような問題がございます。また、これは附帯することでございますけれども、言葉にいたしましても外国語をフルに使わなければならないというような点があって、非常に特性を持っているというところからそういうような考えに至ったものです。またさらに、国内の問題にいたしましても、これから民営化した場合に電電会社はいろんな問題を克服しなければならない、その問題を抱えて、さらに国際的なこういった問題を処理するというのは、今の時点において将来見渡してなかなか難しいのではないかというように考えまして、分離の方向で決定したものでございます。
  10. 中井洽

    中井委員 それでは郵政省に他の問題でお尋ねをいたします。  最初に郵政大臣お尋ねをいたします。  実は私、国会に議席を得さしていただきまして七年有余になるのでありますが、何回やっても何回聞いてもなれないものの一つが、予算の中に赤字で組んでくるということであります。NHKの問題にしろ他の問題にしろ、もう赤字が組み込まれるというところにどうしてもなじめないものがあるわけであります。今回の郵政省郵便特別会計の中でも百五十五億、五十九年度で累積四百四十八億円という赤字予定をされているわけでございます。十分御努力をいただき、ぎりぎりのところでの予算案だとは思いますが、大臣自身としては、こういう赤字含み予算を四年ぶり組まれて、そのときの大臣としてどういう御感想をお持ちでしょうか。
  11. 奥田敬和

    奥田国務大臣 ちょうど五十六年に郵便料金値上げを御承認いただいてから、ことしの予算では残念ながら赤字見込みを計上しなければいかぬというときに、こうして大臣になっておるということはまことにつらい限りでございます。従来、随分システム改善もやっておりますけれども郵便事業人力依存度が九〇%ということで、人力依存度の非常に多い仕事であるということ、そのことで今までのベースアップ等人件費の毎年毎年の値上がりという形の中から、非常に厳しい環境の中で今日推移してきていることも事実でございます。しかし、他面においては、従来にない機器のシステムも含めて、輸送面改善も含めて努力を重ねておるところでございますけれども、こういった人件費のアップにどうしても少しずつ追いつけないという状況の中で、今回も予算的には非常に厳しい形の見積もりをさせたわけですけれども、そういった形になったことは大変残念でございます。  しかし、私たちもこの郵務郵政関係の中でも特に郵便事業に関しましては、この委員会でも御指摘ございますようにやはり前垂れ主義に徹しておったかどうかということも不断に反省しなければなりませんし、また人員の効率的な運用も含めてまだまだ、民間のそういった厳しい条件の中で競争しておられる方に比べて、果たしてこれで完璧であるかどうかということも反省しなければなりませんし、いろいろな意味において、今、努力をして何とかことしの収支予想の中の百五十五億の赤字を少しでも解消に持っていく。そしてまた五年ごとに一回の値上げのパターンのような形を踏まないように何とかひとつこれを先へ延ばして、国民皆さんの御負担をできるだけ先延ばしの形の中で経営努力を重ねたいということでございます。御指摘のとおり大変残念でございますけれども、しかし事実は事実としてやはり予算に組み込まなければいかぬものですから。ただしこれからの努力目標、経過相まって、その数字はできるだけの最小限の形で、むしろゼロに近い形の方向努力をしたいということでみんなに頑張っていただくようにお願いしておるところでございます。
  12. 中井洽

    中井委員 五十八年度分の郵便実績というのはもう集計が出ているのですか、出ていましたらお教えをいただきたいと思います。
  13. 高橋幸男

    高橋(幸)政府委員 お答え申し上げます。  五十八年度の決算は今、集積中でございます。
  14. 中井洽

    中井委員 大体予算は上回りそうなんですね。
  15. 高橋幸男

    高橋(幸)政府委員 感じの問題で申し上げて甚だ申しわけないのでございますが、今、私の得ている感触といたしましては、五十八年度の予算で計上しております二百四十六億の黒、これを上回るであろうというふうに感じております。
  16. 中井洽

    中井委員 景気回復も相まち、あるいは現場の皆さん方挙げての努力もあって、私どもも大体上回るのじゃないかというような感じを持たしていただいております。  そうしますと、五十八年度の予算またはそれを上回った実績から見れば、五十九年度に書かれているこの郵便の収益の金額、こういったものは少し低く見積もられておる、私はこのようにも思うわけでございます。人件費、その他の費用の面でまだ入り用増加の面もあろうかと思いますが、大臣から百五十五億計上されておる予定赤字をできるだけ減らす努力をする、こういう御決意がございましたが、私どもからすれば必死でこういう赤を出さない実績というものをつくり上げていただく、このことが肝要であると思うのでございます。そういった面について事務当局はどのような対応策をお考えになられておりますか。
  17. 永岡茂治

    永岡政府委員 ただいま経理部長から五十八年度の決算見込みについての予算上の二百四十六億を上回るであろうというような感触のお話がございましたが、内容を子細に見ますと、五十八年度は衆議院の選挙もございましたし、参議院の選挙等もございまして、そういった収入が約百億近く占めているのじゃないかと思います。  一方地方郵政局に令達いたしました収入目標達成状況を見ますと、約半分の郵政局達成できておりますが、半分の郵政局は未達成だ、総額で五十億程度予定収入に達してない、そういったもろもろのことを考えてみますと、五十九年度の予算はなかなか容易ではないというふうに思っております。大臣からも百五十五億の赤字をできるだけ減らすように強い御指示も得ておりますし、私どもも例えば暑中見舞いはがきにいたしましても、昨年度よりもたくさん発行してそれを完売し少しでも予定収入を上回る実績を得たいというふうに考えておりますが、全体の二・二%増という一兆二千億の収入達成することはそう容易なことではないというふうに思っております。
  18. 中井洽

    中井委員 確かにこういう高度情報化時代ですし、スピードの時代です。また電話等の普及もあまねく行き渡っているわけでありますから、はがきあるいは封書、こういったものに頼るというのは少なくあるいは頭打ちの限界にあるというのは認めるわけであります。しかし赤字を減らすときというのは売り上げをふやして使い道を減らす、これしかないわけであります。この二つの面で具体的にどういう合理化努力あるいは販売促進努力をとられておるのか、それを教えてください。
  19. 永岡茂治

    永岡政府委員 まず合理化の面でございますが、郵便事業運営に当たっての合理化の面、幾つかの側面があると思います。個々作業、例えば区分作業機械に置きかえるとか、それから窓口販売事務機械化するとか、そういった個々作業機械化もございますし、またシステム合理化もございます。例えば配達度数を一度に減回するとかまた区分運送システムを変えるとか、そういったシステム的な合理化の面もございますが、それらをあらゆる面からできるだけより合理的な運営体制をとることによって少しでも人力省力化を図り、経費を削減してまいりたいというふうに思っておるところでございます。これまでも過去五十三年から五十九年までにそういった施策によりまして約五千人程度人員を節減いたしてきておるところでございます。  また、収入をふやす面につきましては物数を伸ばすということに尽きるわけですが、これはかなり長期的な息の長い仕事だというふうに思っております。それに対して必ずしも妙薬があるというふうには思っておりませんが、基本的には郵便サービスをできるだけ安い料金でしかも正確迅速にやる、また窓口応対等も親切丁寧にやるということが営業活動の基本だというふうには思っておりますが、それはそれとしまして、小包の勧奨とか先ほども申しました暑中見舞いはがきをできるだけ多く販売するために大臣からも特に指示を受けておるわけでございますが、何か年賀はがきにくじがついておるわけです。それに類するような国民の需要を喚起する、そういったものを早急に検討するようにも言われておりまして、この夏は、もう期間が非常に短いわけですが、できることならばそういった施策も織り込みながら対応していきたいというふうに思っておるところでございます。
  20. 中井洽

    中井委員 国鉄等に比べて、郵政当局がはるかに労使とも御努力末端に至るまでやっていただいておることをよく承知をいたしております。しかしきのうも永江議員が申し上げましたように、これ以上値上げをということであれば、本当にますますはがき封書離れというのが起こるのは間違いのないことでございまして、先ほど選挙の話がございましたけれども、私ども選挙をやって何が一番高くなったかというと、本当にはがき通知代というのは高くて高くて何ともならないところでございまして、これは党派を超えての実感であります。そういうところから考えて、合理化努力で乗り切っていただく、これ以外にないと思うのであります。皆さん方からすれば、随分販売促進やっているよ、こういうことになろうかと思います。事実私なんかも日常生活の中でこのごろ一、二年、切手を届けるから買ってくれとか、郵便局にお勤めの方からあるいは特定郵便局からこういう御要請が出るようになりました。しかしまだまだはがきあるいは封書そのものを拡販するという運動に末端の万全体がお取り組みいただいているようには思えない。年賀はがきぐらい、割り当てがあったときだけあるいは暑中見舞いはがきだけやろうか、こういうことだろうかと思います。末端の方々が売るという発想に立たれるということも必要じゃないか。どうも待ってたら客が来るんだというところから抜け切れない面があるんじゃないかと思います。小包なんかもいろいろな合理化努力をいただいて競争されております。しかしいわゆる飛脚さん、急便業、あの人たちと対抗できない最大のものは、飛脚人たちは荷物を取りにくるわけであります。郵便局は持ってきてくれであります。これは重い軽い、扱う物小さい、いろいろなことがありますけれども、この面でも絶対対抗できない。郵便という独占だからまた辛うじて、持ってこい、ポストまで来い、これでまだいけるわけであろうかと私は思います。そういった面を踏み越えて御努力をいただく、民間企業においては当然のことじゃないか、こういう気がいたします。  もう一つは、過般から例えば小包県内配達あるいは郵便県内は翌日配達体制ができ上がった、こういう御報告もありましたし、実際そのように運用されている話を私どもは聞いております。しかしこれが本当に国民の間に十分広がっていもかどうか、伝わっているかどうか、私は疑問に思うわけであります。もっと徹底したPRをして、郵便物というのは、はがきというのは出せば県内は一日で行きますよ、こういうことを周知徹底をしていただきたい。要請をいたします。また同時に、長年の歴史的な地理的要件あるいは商圏あるいは道路網、こういったことを考えますと、小包郵便等も必ずしも県内へ全部明くる日届くからといって便利なわけではありません。逆に県外でも隣の町、私の郷里なんかで言えば、六十キロ先にあります大阪へ一日で届いてくれた方がはるかに便利である。そういった一日配達が可能な県の拡大、そういったサービスの拡大をお考えになるべきだと私は思いますが、いかがですか。
  21. 永岡茂治

    永岡政府委員 営業活動が、郵便を売るということが末端まで浸透していないのではないかというお話でございましたが、郵便事業で営業課というものができましたのが三年前あたりでございまして、そういった意味でまだ不十分だということは十分自覚いたしておりますが、だんだん年を経るに従ってそういう面も浸透してきているんではないかというふうに思っておりますし、今後さらに努力をしてまいりたいというふうに思っておるところでございます。  それから、小包とか郵便県内は翌日配達するということのPRについてのお話でございましたが、二月、三月、二カ月間でございますが、全国のテレビスポット、テレビを使いましていままでやったことがない三十秒のもののテレビスポットなどいたしまして宣伝に努めてきておるところでございます。  また最後に、同じ県内よりも隣の県であっても経済的な結びつき、社会的な結びつきが強い方をより優先させるべきではないかというお話もございましたが、私どもも今度の計画で隣接県につきましても翌日配達のシステムをとったつもりでございます。ただ、同じ地域の中心と中心の距離が非常に遠い場合、計画では四時間以内の隣接県について翌日配達というシステムをとったわけでございますが、四時間を超える地域につきましてはまだ翌々日配達というのが現状でございますが、道路の改善、そういうものを待って、今後とも、翌日配達エリアの拡大につきましては努力をしてまいりたいというふうに思っておるところであります。
  22. 中井洽

    中井委員 人員合理化の問題につきましていろいろこれまた御努力をいただいておる現状というものは承知をいたしております。その中で一つお聞きしたいといいますか、これがどういうことなのかお考えをお聞かせいただけたらありがたいと思うのですが、各郵便局あるいは集配局等へ行きますと、日曜日に速達の要員がおられる。地域の方が、日曜日、人がいるので郵便等を、切手等を売ってくれと行くと、速達だからそれ以外の業務はできないのだ、こういう形で速達の方が残っておられる。大きな町の中央局へ行きますと、日曜日でも速達は十通ぐらい一日にあるでしょうが、他のところへ行くと、日曜日の速達というのは今の社会情勢の中でほとんどないんじゃないか、こんなふうに思います。その中で要員を確保し続けられるというのはむだじゃないか、こんなことを考えるのですが、いかがですか。
  23. 永岡茂治

    永岡政府委員 先生御案内のように、日曜日は普通の郵便は配達しない、日曜休配という仕組みでやらしていただいておりますので、急ぐ郵便物につきましての日曜配達の道、やはり速達については日曜日も配達するということは国民からの要請がかなり強いんじゃないかというふうに思っております。したがいまして、速達郵便物については日曜日も配達するという仕組みは今後とも続けてまいりたいというふうに思っております。
  24. 中井洽

    中井委員 ちなみに一日曜日ごとの速達というのは平均してどのぐらいあるのですか。
  25. 永岡茂治

    永岡政府委員 詳細把握しておりませんが、確率からいえば年間約四億通ぐらいの速達郵便物の取り扱いでございますので、日曜日から月曜日までほぼ平均的にあるのではないか。土曜日に出されたものが、恐らく日曜日でございますので、週休二日制等になりまして、企業から出される土曜日の差し出しが少のうございますので、七分の一よりは若干少ないかと思いますが、やはり一割程度のものは日曜日にかかっておるのではないかというふうに思います。
  26. 中井洽

    中井委員 こんなことで言い合いをするつもりは何もない。私はもっとうんと少ないと思いました。一遍統計とっていただいて、本当にむだなことだ。かつては必要であったと十分承知しておりますが、速達制度全体にかかわる問題でございましょうが、そういうことも含めて合理化というのを思い切って御検討いただけたらいいんじゃないか、こんなことを考えます。  次に、郵貯の問題についてお尋ねをいたします。  ここ数年、目標額の設定というのがなかなか難しく、またつくりました目標に対してこれを達成するというのも本当に難しい状況にある、このように聞いております。本年度予算におきましては六兆九千億円、こういう目標額を掲げられたわけでありますが、これは五十四年の実績六兆八千九百億円、大体よく似た数字でございます。どういうところに、こういう低い水準での目標にせざるを得ないと考えられたのか、原因をお尋ねいたします。
  27. 澤田茂生

    ○澤田政府委員 本年度の予算目標、先生御指摘のとおり六兆九千億と、前年度よりも一兆円減らしているわけであります。このうち純増分というのが、実際に窓口でお客様からお預かりをしてふえてくる分というのが実は一兆円でございます。そのほかの分は、今八十五兆円ございますが、郵便貯金は利子が生じます。これを元加する分ということでございまして、大変厳しい郵便貯金の増加状況にあるわけでありますが、最近の郵便貯金の状況伸びというようなものを勘案いたしまして、経済成長率と郵便貯金の伸びというのは大変かかわりがあると言われてきております、そういうような数字も参考にいたしております。また、貯蓄率自体が減少傾向にございます。そういったことは、ある意味では経済が安定成長に移行いたしまして、可処分所得の伸びが低下をしているというようなこともございます。それを反映いたしまして、貯金の集まる時期といいますのは大きな山はやはりボーナス時期でございます。名あるいは夏のボーナス時期、このボーナスの伸びぐあいというのがまた大きな影響があるわけでございますが、最近そう大きな伸びを示していない。本年度もそう大きな伸びは期待できないのではなかろうかというような諸情勢を勘案いたしまして、一兆円減額をいたしました目標を設定したところでございます。
  28. 中井洽

    中井委員 昨今の金融市場をめぐる自由化の動きあるいは銀行と証券の垣根を越えたいろいろな動き、予想を上回るすさまじいものでありますし、大変激しいスピードで変革をいたしておりますし、また国自体も財政当局自体もこの自由化の動きに私ども考えておった以上に速いスピードで対応をしよう、また円自体がそういう役割を持たされておる時代にもなってまいりました。そういう時期での日本独特の郵便貯金、そしてそれが国家財政に大変な寄与をしている、こういうことを考えると本当に難しい面があろうかと思いますが、これからの金融自由化に対して郵貯の立場からどういう対応策考えていこうとされておるのかお聞かせをいただきます。
  29. 澤田茂生

    ○澤田政府委員 金融の自由化、先生御指摘のように、今日の経済、金融環境の中で大変大きな問題として取り上げられております。金融革命とかあるいは金融革新と言われている今日でございます。大量の国債発行あるいは金融の国際化というような中で、この金融の自由化ということは避けられないわけでありますし、金利の自由化というのも避けて通れないものであろうというふうに思います。特に現在におきましても自由金利商品といいますか、高利回りの従来の規制金利商品としての定期預金とか定額と違った商品というものが開発をされて、そちらの方に預貯金から資金がシフトしているという現象が起こっているわけであります。さらに、今後状況を見ましても、例えば六十年度末には約三十兆ぐらいの期近国債、期近債が発行され、償還期限が一年あるいは二年というようなものが出てまいります。これが預貯金と競合する商品になることは間違いないであろう。また、こういったものを組み込んだ新しい商品というものも開発されるのではなかろうか。そうなってまいりますと、規制をそのままに置いておきますと、結局従来の預貯金からそちらの方に流れていくということが起こるわけであります。アメリカにおきましてもそういうようなことで金利の自由化ということが行われたわけであります。日本におきましてもそういう状況というのがもう目の前にある状況ではなかろうかと思うわけであります。  そういった中で、自由化対応ということをいろいろ議論はされておるわけでありますけれども、個人の小口貯金については金利の自由化というのは先送りであるというような議論がとかく出がちでございます。私どもといたしましては全貯蓄自体が五百兆をちょっと超している中で小口の貯金というのは一体幾らであろうか、幾らを小口というかということも議論はございましょうが、マル優あるいは郵便貯金の三百万以下、こういった要するに非課税貯蓄部分だけとらえてみましても、日本の場合は二百十兆円ぐらい現在ございます。したがいまして、相当大きなウエートを占めているわけであります。こういったものを放置をしておいて金利の自由化が進められるのかということが私どもとしては問題であろう。むしろ、放置をしておきますと金融機関からそういう小口の預貯金というものがよそへ逃げるわけでありますから、預金のない銀行というのは取りつけ騒ぎが起きざるを得ないという状況になるわけでありまして、金融の秩序あるいは混乱を招かないためにも郵便貯金も含めた小口預金の自由化というものに対しては適切な対応を進めるべきであろう、こういうふうに思っているわけであります。  私ども金利の自由化に対応するに当たりまして、金利の自由化という場合に金利は一体どうやって決めるかというのが一番の基本でございます。これはアメリカ等において既に昨年の十月に金利の自由化が完成をいたしました。それを見ましても、各金融機関がそれぞれの市場実勢あるいはコストあるいは営業政策というものを踏まえてそれぞれの金利を決めていくということでございまして、それぞれの金融機関が独自に決めるというのが金利のまさに自由化でございまして、郵便貯金もやはりそういった市場実勢というものを踏まえて金利を決めていくということが必要であろうと思っております。そのためには、私どもの今入ってくる収入源としては、資金運用部に全部預託をいたしておりまして、そこからの預託利率というもので支払い利子をお払いしているわけでありますから、そちらの方、出口の方を自由化する、預金金利の方は自由化する、しかし片方は閉じたままということではサイクルが回らないわけでありますので、入ってくる方も自由化せざるを得ないということで、運用面の仕組みを、郵便貯金の経営に市場実勢を反映する仕組みをつくらなければならないであろうということで、実は本年度の予算要求に当たりまして郵便貯金で国債を持つ、要するに国債というのは市場実勢を今、反映している商品であるわけであります。また、郵便貯金は国家資金という観点から見ましても、国債あるいは公共債というようなところに今後とも重点を置いたような形での運用ということが必要であろうと思うわけであります。そういう筋道をまずつくる、仕組みをつくるということによって金融の自由化というものに郵便貯金が対応する、また郵便貯金が金利の自由化に対応できなければ、まさに日本の金利の自由化というものは進まないであろうというふうに思うわけであります。また一面、郵便貯金が自由化に非常に邪魔になっているから日本の金利の自由化というのはそういうふうに進まないのだということをあるいは諸外国にもいろいろ宣伝しているような向きも実はうかがわれるわけでありますけれども、これは私どもはどうもいただけない議論であるなと思うわけであります。そこで言われておりますのは、自由化に当たっては郵便貯金金利も一元的に決めるという仕組みをつくらなければできないのだということでありますけれども、ただいま申し上げましたように、金利の自由化というのは一元的に決めるということではなくして、まさにある意味では多元化でありまして、自由化についての取り違えというような議論が横行しているとするならば、これは私どもとしても本当の意味での金利の自由化というものに向かっての努力を進めなければならないなというふうに考えるわけであります。  自由化になりますれば確かに小口の金利というものが諸外国の例を見ましても規制金利の時代よりも上がってまいります。ただ、お客さんとしては商品を選択する自由というものを得ると同時に、金融機関の方も自由化の場合にはお客さんを選択する自由というものを持ち得るわけであります。したがいまして、必ずしも自由化になれば小口の預金というものが優遇されっ放しであるというバラ色だけを私どもは想定できないわけでありまして、そういう意味で小口の貯金というものを専門に扱っている郵便貯金といたしましても、今後の自由化の中において小口の預貯金というものが十分保護され、また個人の金融活動の充実が図られるように今後とも十分対応してまいりたい、こういうふうに考えております。
  30. 中井洽

    中井委員 時間がありませんので、郵貯の問題についてはそれぐらいにして次へ進みます。  次に、去年この委員会で年金保険の積立金の運用枠の拡大というものを行いました。外国債あるいは金融債を扱えるようになったわけでありますが、それの実績がどのようなものなのかあるいは利回りが現在どういう形になっているか、御報告を願います。
  31. 奥田量三

    奥田政府委員 ただいまおっしゃいましたとおり、昨年の五月に簡易保険・郵便年金の積立金の運用に関する法律の改正をしていただきまして、新たに簡易保険の積立金の運用範囲に外国債あるいは銀行預金等が加えられたところでございます。これにつきましては、昨年五月以来徐々に運用の量をふやしてまいりまして、五十八年度末の状況で申し上げますと、外国債の保有高が二千六百八億円、それから銀行預金につきましては、これはほとんど譲渡性預金いわゆるCDでございますが、千五百四億円、こういう状況になっております。外国債の運用対象といたしましては、国際復興関発銀行いわゆる世銀等を初めとする国際機関のほか、カナダ、豪州、スウェーデン、イギリス、デンマーク等の国債あるいは地方債等を購入いたしております。  利回りにつきましては発行国あるいは通貨、銘柄により多少の違いがございますが、五十八年度中の状況で申しますと、おおむね一一%から一三%ということでございます。御承知のように、現在の国内金利は七%台で推移をしたしておりますので、運用の絶対額といたしましては総資金二十二兆に対する二千数百億でございますから今のところはわずかなものでございますけれども、利回りの面で言えば資金運用の改善に、したがいまして加入者利益の増加に大きく貢献をいたしているというふうに考えます。  また、譲渡性預金につきましても、今大体利回りは六%を超えるということでございまして、短期金利としてはかなり高い水準で推移をしておりまして、これにつきましても運用利回りの向上にかなりの貢献をしているという状況でございます。
  32. 中井洽

    中井委員 まだ一年目ということでありますし、議論されたカントリーリスク等もそう心配することなしにかなりうまく運用していただいているということでありますから結構なことでありますが、その際、審議に当たって私ども附帯決議をいたしたわけでございます。その中で、「さらに運用範囲の拡大に努める」べきだという一項がございます。今のように毎年毎年うまく運用ばかりできるとは限らないでしょうが、しかし、この激しい郵貯あるいは年金・保険、こういう中で郵貯は伸び悩む、保険・年金というのがどんどん多様な面も持たされて伸びてきておるわけであります。これがさらに多様な金融市場の中で競争していこうと思えば、利回りというものをきちっと幅広く確保していくことが大事であります。そういった意味で、これを契機にさらに運用面の多様化を図るべきだと私どもは思いますが、郵政当局としては、お考えいかがですか。
  33. 奥田量三

    奥田政府委員 ただいまの御指摘のとおり、昨年の当委員会におきましても、資金運用の改善についてさらに努力するようにという附帯決議もちょうだいをいたしております。そういう趣旨もございまして、実は五十九年度の予算編成過程におきましても、積立金の運用範囲をさらに、例えば証券投資信託でありますとかあるいは国等が出資している法人への貸し付けあるいは特殊法人等の株式というようなところに広げたい。また、これは多年懸案になっておりますが、いわゆる余裕金でございます。初年度の収入につきましては一年間資金運用部に預託せざるを得ないという状況になっておりますが、これもお預かりした瞬間から加入者の積み立てられたいわば共同の準備財産でございますので、当初からこれを積立金として運用できるようにというような考え方で政府部内でいろいろ折衝いたしましたが、残念ながら今回は合意に達しないということになっております。  私どもといたしましては、もともと資金の運用利回りを向上させるということは加入者の皆さんに対する義務でもございます。特に、ただいま御指摘のように金融、金利の自由化、金融商品の多様化という状況を受けまして、ますますその必要は強まっているというふうに考えておりますので、今後ともその運用範囲の改善について精いっぱい努力をしていかなければならない、またまいりたいと考えている次第でございます。
  34. 中井洽

    中井委員 その法案の審議のときにも、こういう問題が出てきたら、専門家が要るんじゃないか、従来の本当に役所的な採用じゃなしにあるいは人事じゃなしに枠を広げた専門家が要るんじゃないか、こういうことを質疑したのを覚えておりますし、また附帯決議の中にもそういうような意味のことが盛られております。そういう面で人材育成をどういうふうにやっておられるか、あるいはさきの郵貯におきましても、これから金融自由化に向かって大変複雑な計算あるいは発想をしなければならない時代であります。郵政省全体としてそういう国際化のあるいは大変な競争の中での人材育成をどういうふうにやっておられるか、あるいはどういうふうにやろうとされておるかお答えをいただきます。簡単にお願いします。
  35. 奥田量三

    奥田政府委員 ただいま御指摘の点につきましても昨年の附帯決議でお示しをいただいております。  私ども、当面いろいろ検討いたしまして、御承知のように最近行政における組織あるいは要員事情、非常に厳しい中ではございますが、今年度私どもの資金運用の担当のセクションにおきまして一つの係をふやし、要員面についても若干の手当てをすることができた状況でございます。また、その要員の内容の問題につきましても、ただいま御指摘のように今回増強する部分につきましては、経済あるいは金融といったようなことについての勉強をした若い諸君あるいは外国語の力のある諸君というようなことを考えまして増強いたしたという状況でございます。  また、いろいろな金融情報等の収集につきましても、最近いわゆるデータバンクというようなものの発達もございます。これの活用についても手がけ始めたところでございますし、さらに資金運用事務全体のコンピューターによる処理については数年来努力をしておりますが、今年度もさらにそれを強化して推進してまいりたいと考えているところでございます。
  36. 中井洽

    中井委員 最後に電電公社お尋ねをいたします。時間がありませんので二つまとめてお答えをいただきます。  一つは、かねてからアメリカと交渉がありました資材購入の三年延長の件であります。今までの実績がどのようなものであるのか、あるいはまた去年でしたかおととしでしたか、真藤総裁にどうして購入が進まないんだと申し上げたら、なかなかアメリカ側が日本の様式に合ったようなものをつくらないんだというようなお答えもいただいておりますが、そういったことが乗り切られてスムーズにいっているのか、それらの点でお尋ねを一点いたします。  もう一つは、過般、電電公社が、電電公社で使われなくなって交換しつつあるクロスバー式自動交換機を中国の方へ提供するんだ、こういうニュースが新聞に載っております。この問題について、私自身は、個人的なことで恐縮でありますが、中国の天満州電電の社宅で生まれた一員でございます。うわさによると、まだ中国の電話水準というのはその当時とそう変わらないというような話を聞きますが、それらの面を電電公社が本当にお手伝いをいただいて、日本が援助して中国の電話技術が進んでいく、普及が進む、こういうことであれば大変結構なことだと考えております。中国に対する長期的な電話普及の援助について電電公社郵政の御当局はどういうお考えを持ってお臨みになるか、この二点でお答えをいただきまして質問を終わります。
  37. 池田勉

    ○池田説明員 一点目についてお答えをさせていただきます。  今お話しございましたように、電電公社が今とっております新しい資材調達方式は、五十六年にスタートいたしまして昨年の暮れで三年目の更新期を迎えました。そういうことで政府間で話し合いが持たれておりましたのですが、事務的な手続というふうに先方言っていたようでございますが、ちょっとおくれましたがことしの一月三十日に更新が行われました。その際に、従来我々が三年間やってまいりましていろいろ経験に基づいてマイナーな手続上の変更をしておりましたが、そういったものを明文化して今回更新になったことでございますので、基本的には手続上は従来とほとんど同じというふうにやっております。  それで、実績でございますが、確かにアメリカの方は、アメリカの技術は進んでいるからもっと出るはずではないかという意見がございましたけれども、電気通信機器の場合に一番問題なのはその国のネットワークに合うか合わないかということでございますので、確かに立ち上がりは遅うございまして、記憶でございますが、初年度は四十四億円で、五十七年度、二年目が百十億円くらいになりまして、五十八年度、三年目は今、集計中でございますけれども、大体三百数十億になろうかというふうに思います。確かに最初は双方なれがございませんでいろいろ話し合いがうまくいかないこともございましたけれども、だんだんなれてまいりましたので、いいものが、安いものがお互いに交流し合うという基盤がだんだん出てきたんじゃないだろうか、そういうふうに思っております。  そういうことで、この手続をつくりますまでに大変紆余曲折ございまして、この席でも大変御指導いただいたのでございますが、最終的につくらせていただきました手続は内外無差別という意味で政府調達協定の基本的な考え方を受けておりますが、電気通信機器の調達にふさわしいといった格好でつくらせていただきましたので、これからも我々この手続をうまく機能させるように努力していきたい、そのように思っております。  それから第二点目については、担当の局長が来ておりますので交代したいと思います。
  38. 室谷正芳

    ○室谷説明員 お答え申し上げます。  中国へのクロスバー交換機の移転につきましては、先ほど郵政大臣から正式に電電公社の方に協力するようにという御指示をいただいておりまして、これに基づきまして積極的に進めていきたいと考えております。  中身としましては、電電公社で一応使用計画の終了しましたクロスバー交換機を中国に譲渡する、それから中国側がみずからの手でそれを建設あるいは保守をされるわけでございますけれども、それに対して必要な技術協力を電電公社の方で行うという考え方でございまして、具体的な中身につきましては現在中国側と折衝中ということでございますので、今後中国側の要望を踏まえた形で前向きに対処していきたい、このように考えております。実際には、まず試験的に装置を持ってきまして、向こうで本当に動くかどうかというふうなことの試験段階をまずやりまして、それが成功すれば本格的に移転するという形で今後積極的に進めていきたい、このように考えております。  以上でございます。
  39. 中井洽

    中井委員 ありがとうございました。
  40. 志賀節

    志賀委員長 これにて中井君の質疑は終了いたしました。  次に、佐藤祐弘君。
  41. 佐藤祐弘

    佐藤(祐)委員 きょうは郵便の問題を中心にお聞きしたいと思います。  あすはちょうど五十一回目の逓信記念日でございまして、郵政省は身体障害者の問題で国民の理解を深めるという目的で青い鳥はがきというのを発行しておられます。ちょうどあすから発売されるわけです。一般に発売するとともに、申し出のあった重度の身障者に一人二十枚無料で進呈するということでして、私は非常に結構なことだというふうに思います。これは昨年何%の身体障害者の方が利用されたか。それからもう一点は、この青い鳥はがきのことを身体障害者の方にどういう方法で知らしておられるか、その二点をまずお伺いしたいと思います。
  42. 永岡茂治

    永岡政府委員 お答えいたします。  青い鳥はがきは、先生お話しのように、重度の身体障害者を対象といたしまして、逓信記念日の一つの行事として発行いたして、無料で配布しております。全国で対象となります重度の身体障害者は、若干資料は古いのですが、六十四万八千人というふうに承知しておりまして、昨年青い鳥はがきを利用された方はそのうちの約三〇%でございます。  それから第二点目の、どういった形でそういう制度があることを周知しているかということでございますが、まず第一番目に、本省及び地方の郵政局で報道発表いたします。また郵便局におきましては地元の市町村の広報紙に記事の掲載方をお願いしております。また全国の郵便局や福祉事務所、それから地方公共団体の施設等に周知用のポスターも掲出しておりますし、厚生省に依頼しまして都道府県に対して周知指導もお願いしております。本省で発表いたしました報道内容は全国紙各紙とも取り上げていただいておりますので、かなり周知は行き届いているものだというふうに思っております。
  43. 佐藤祐弘

    佐藤(祐)委員 今の御答弁ですと三〇%ということなんですが、私の地元の東京の足立、葛飾、江戸川の三区でちょっと調べてみたのです。そうしますと実数がかなり少ないのです。細かい数字はありますが、省略しまして。それともらえるのが六歳以上ですね。ちょっとその数字がありませんで、八歳以上の数字しかないのです。ですから比率としてはやや高目に出るわけですけれども、八歳以上の方を基礎数にして実際に利用された方の比率を割り出しましても、足立て七・八九%、約八%ですね。葛飾が一〇%、江戸川一二%というのが実際の利用状況なんです。三〇%というのが正確なら、東京都は特に少ないのかというちょっと疑問を持つのですが、同時に、実際には知らなくて利用されていないという方が多いのですよ。私は、せっかくの制度ですから、もっと有効に知らせることをぜひともやっていただきたいというふうに思うわけです。確かに新聞発表をなさっていますが、載っていない新聞もありますし、載っておりましても、いわゆるべた記事でほんの目立たない、しかも郵政省の発表では郵送でもよろしいということになっておりますが、私の見た限りではそのことを書いている新聞は一紙もないのです。代理でもいいというのは一社ありました。ですから、わざわざ重度の方が郵便局まで行かなければならぬというのは大変なことなんですね。そのために郵政省としては代理でもよろしいし、郵送でも受け付けるという配慮をしておられるわけですが、このことが徹底されていないわけです。そういう問題もあります。  それから、ポスターにしましても、例えばここの国会郵便局にも見に行きましたが、青い鳥ポスターは張っておらないのです。せっかくいいことをやりながら非常にPRが足りないといいますか。それで私思うのですが、提案もしたいと思うのですが、対象は身体障害者ですから、チラシをつくって障害者団体の方々に協力を得るとか、それも中央段階だけではなくて都道府県段階ぐらいは望ましい、必要だろうと思います。そういうことをもっとやっていただきたいというふうに思うのです。  さらに、一番いいのは、福祉事務所を通じてすべての重度身障者、一、二級ということになっているのですが、渡していくというのが精神からいったはいいんだと思います。ただ、費用の問題などでその辺はためらっておられるのかという気もいたしますが、いずれにしましても、本当に利用できるようにしていただきたい。  それから、関連しましてもう一点なんですが、国際障害者年を機会に各郵便局で身体障害者用のスロープとかトイレをつくられた、これも結構なんですが、実際には使えないようなところがあるのです。例えば東京の練馬区ですね。この練馬局の場合は、トイレは確かにできているのですが、そこへ行く通路が段差があって、身障者は自分一人では利用できないわけです。これでは名目だけといいますか、形だけで、いわゆる仏つくって魂入れずといいますか、そういうことだと思うのですね。やはり本当にやるなら心を込めてやっていただきたい、まずその点、この点は大臣にもお聞きをしたいと思います。
  44. 永岡茂治

    永岡政府委員 いろいろな御質問がございましたので、順を追ってお答えいたしたいと思います。  私どもの把握しておる利用者数は三〇%程度だと思っておりますが、先生のお話ですと、東京都の場合非常に低いというお話でございますので、そういう発行の目的に沿ってないというふうに思いますので、できるだけ利用の勧奨を図っていきたいというふうに思います。  それから、郵便でもいいということは、もちろん記事の書き方が非常に簡略化されておりますのでおわかりにくいのかもしれませんが、サンケイ新聞、東京新聞、日経等では郵便局窓口郵便で受け付けるということの記事にはなっておるというふうに思っております。  いずれにいたしましても、青い鳥はがきは三千万枚発行いたしまして、全部の身体障害者が利用を受けられても約千二、三百万枚ということでございまして、残りは一般に発売するということなんですが、十二分に需要を満たし得る枚数が発行されておりますので、交付率を高めることについて今後さらに努力をさしていただきたいというふうに思います。  なお、最後に、障害者用のスロープとかトイレとかいう施設が不十分だ、仏つくって魂が入ってないという御指摘でございましたので、実情を調べさせていただきまして、せっかくお金をかけてつくるわけでございますので、十分利用していただけるように改善していきたいというふうに思います。
  45. 奥田敬和

    奥田国務大臣 青い鳥はがきの企画は大変秀逸なものだと私は思っております。私は就任早々、要するに国民に一番親しまれておる郵便局窓口にしなければいかぬということもございまして、特に目の不自由な視覚障害の皆さんには音声を導入した点字のCDとかATMの機器をすぐ、できるだけ早い期間のうちに各窓口に取りつけるように指導したところでもございます。また、車いすの皆さんにも郵便局が親切に応対できるように、これから新改造する郵便局には全部カウンターを改造して、車いす導入ができるというような形に建築の方にも指導しておるという形で、これも今、新しいいろいろなユニット式な規格も開発を急がせておるというのが現状でございます。  それに付随して、今、便所の問題等々の御指摘がございました。確かにつくってあっても利用できないという形では困りますので、そういった身体障害の皆さん方にも何とか人手をかりないで利用していただけるような方向の中で郵便局のイメージアップ、国民に密着した窓口という形をモットーにしてやってまいりたいと思っておるわけです。  PRが不足しておるということを役所だけ御指摘されますけれども、やはりこれはマスコミにも協力いただかなければいけませんし、こういうものに余り宣伝費をかけてやって周知徹底させるというよりも、公的機関にも協力をいただかなければなりませんし、一般紙の皆さん方にもこういった形で御協力願う。先般来、点字の証書あたりの作成なんかについても随分一般紙の皆さんの報道の御協力もいただいたという形で、青い鳥はがきも、そういった意味ではシーズンでございますから、できるだけ広報の方を通じまして、一般紙の皆さんにも丁重な御紹介をいただくように御協力を願おうと思っております。
  46. 佐藤祐弘

    佐藤(祐)委員 テレビなども非常に有効かと思うのですが、ぜひそういうことでお願いします。それと、私のポイントは、当事者である身障者の団体、そういうところによく御連絡いただきたい。  さて郵便の問題では、ことしの二月一日からの郵便輸送システム改善といいますか改革ですね、この問題が非常に大きな問題だと思います。全種目郵便物の大幅なスピードアップを図り、利用者のニーズに即応したサービスを提供しよう、一言で言いますとそういうことであるわけですが、実施に移されて二カ月半以上もうたちました。それの現在の状況改善はうまくいっているのかどうか。それからまた現時点改善すべき点があるとお考えかどうか、そのことをまずお聞きしたいと思います。
  47. 永岡茂治

    永岡政府委員 二月一日からの郵便輸送システム改善郵便の送達速度の向上を図るために従来のやり方を抜本的に変革したものでございまして、同じ県内であれば、郵便局に夕方まで差し出されたものを必ず翌日お届けする、隣の県でありましても、その中心と中心を結ぶ時間距離が自動車で四時間以内の範囲であれば翌日に配達するということを目的として計画したものでございまして、当初、大雪等のために若干の乱れはございましたが、二カ月余りたちました今日、同一県内の翌日配達はほぼ一〇〇%確保できておるというように思っております。隣接府県につきましては四時間以内でございますので、二時間で行くところもございますし、三時間かかるところもございます。また四時間のところもございます。一応基準が四時間でございまして、ダイヤとしては四時間半かかるというところもございまして、そういう同じ隣接と申しましても、より遠い隣接県につきましては、車が若干おくれるとか、その日の郵便が非常に多いとか、そういった場合に規定の便に接続できないという事態がまま起こります。私どもの把握では約五%程度そういったものがあるというふうに思っておりますので、県内はほぼ一〇〇%、隣接府県については約九五%程度が翌日配達になっておるというふうに考えております。  なお、今後改善すべき点があると認識しているかどうかというお話でございますが、それは全国的に見ますと、なお改善すべき点がいろいろあるというふうに思っております。予算の都合もございますし、労働組合と話をしていくという一定の手続の問題もございますので、若干時間はかかりますが、できるだけ早い時期に改善していきたいというふうに思っております。  なお東京都でございますが、東京都の改善はこの二月一日の改正からは除外しておるわけでございます。それはいろいろな事情がございますが、東京都はほかのところと違ってまだそういった意味でのシステム的な組織的な改善は先延ばしにされているということをちょっと付言させていただきたいと思います。
  48. 佐藤祐弘

    佐藤(祐)委員 おおむね順調にいっているという御説明でしたが、どうも必ずしもそうじゃないのではないかというふうに思っているのです。  新聞に投書なども出ておりまして、郵政省の方でお調べになったものもあるようですが、「普通郵便は確実に遅くなった」というような見出しで投書が載っていたり、これは大阪朝日ですが、「遅配続出どういうこっちゃ」という見出しで大きな特集的な記事も出ております。東京都内はまだだとおっしゃっていましたが、それは都内配達についてのことですね。都内から滋賀県の草津に八日間もかかったというような例も聞いているのです。これはあるいは例外的なことかもわかりませんが、どうもまだ全体に郵政省のおっしゃっているようにはいっていないというように思われるわけです。郵政省としてはこの日数表というのが国民に対する約束になるわけです。これが実際にどうなっているのかというのをどういう方法でお調べになっておられるのか、試験通信のようなことでもやっておられるのかどうか、お聞きしたいと思います。
  49. 永岡茂治

    永岡政府委員 私どもも新聞投書等で、郵便のスピードが速くなったと言われておるにもかかわらずそうでないといった記事を見ますと非常に愕然とするわけでございます。ただ、それらの記事の中で、いつどこで出したのかはっきりしない記事もたくさんあるわけです。そういったのはどうも信憑性が若干疑わしいなという感じもいたします。それから、東京から滋賀に八日というのは信じられないわけですが、それは何らかの事故だというふうに御理解いただきたいと思います。  全般的に地方に行きますと、郵便は非常に速くなった、人によっては信じられないくらい速くなったと言う方もおられますし、郵政省では毎月一回試験通信をいたしましてその実態を把握いたしておりますが、先ほども申しましたように東京が絡む問題につきましては、システムに全然手をつけておりませんので、例えばこういうことがございます。  東京のポストの取り集めは夕方の八時ごろでも取り集める場合がございます。そうしますと、それは取り集められて日付印としまして、例えばきょう、四月十九日の十八時から二十四時というスタンプが押されるわけです。したがって、利用者から見ますとああ十九日に引き受けられたのだなということになるわけですが、ポストをごらんになりますと、取り集め時刻が書いてありましてその一部を赤い枠で囲んでおります。その赤い枠で囲んだものが翌日配達だということなんです。この辺は国民皆さんはほとんど御存じないと思いますが、本来は最終に取り集めたものは翌日配達にするような仕組みに変えないと非常に誤解を与えるわけです。先ほど申しました二十時ごろに取り集められるものは、赤い枠に囲まれておりません。それは要するに翌日配達でないのだ、郵便局まで取り集めても中央の郵便局にその日は送らないのだ、送っても間に合わないのだということでございます。そういった一つの事例でございますが、東京に関してはまだその辺の整備がされておりません。そういった意味で誤解を与える面もございます。  それから、東京中央郵便局は施設が非常に古くて狭隘でいろいろ大きな問題があるわけです。その問題を解決するために今、鋭意努力しておるわけですが、この二月一日にはそれが間に合わなかったものですから、できるだけ早い機会に何らかの対応策を講じたいと思って努力しておりますが、残念ながら東京都圏に関してはまだ極めて不十分だということを申し上げ、御理解いただきたいというふうに思います。
  50. 佐藤祐弘

    佐藤(祐)委員 首都東京が大変おくれているというと、何かちょっと意外な感じもしますし弁明のような気もしますが。しかも、二月一日に間に合わなくとももう二カ月半以上たっているわけですから、一体いつごろになれば東京都は本格的になるのかということに疑問を持ちます。  それと速達の場合は、そのことにかかわりなく翌日配達が基本ですね。ところが、これは郵政産業労組というところが実際に試験通信をやったのです。その結果を私持ってきておるわけですが、この間私自身も試験通信をやってみたのです。それでも幾つかの問題が出ておるわけです。その郵政産業労組がやられた結果で言いますと、これは東京から発信の速達で、ただし時間はそこを考慮しまして午後四時までに区内の郵便局前のポスト、ですから当日収集に確実になるような時間を設定して投函した、この結果が出ているのです。これは全国的に発送したわけです。そうしますと、約半数近くが速達で二日かかっているのです。北海道もそうですし、盛岡というのは当然翌日配達、普通郵便でも翌日配達のところです。ところが、三月十九日に投函しまして二十一日にしか着かないというようなことで、どうも郵政省さんの宣伝とは実態がかなり違っておるというふうに思わざるを得ないのです。テストを往復やったわけですが、普通郵便で言いますと三十五通出して片道で四日以上かかっているのが二十四通です。それだけあるのです。それから速達の場合も四十八通のうち十八通しか翌日配達されていない。パーセントで言いますと翌配が三七・五%、そういう状況なんです。これは三月中旬から下旬にかけてやったわけなんです。ですから、私聞いておりまして、どうも実際の状況がつかまれていないのではないがという気がするのです。あるいは報告がどうも美化した報告といいますか、そういうものが上がっているのじゃないかというような気もいたします。そのあたりを本当によく調べていただきたい、調べる必要があるのじゃないかというふうに思うのですが、今の数字を聞かれてどう思われますか。
  51. 永岡茂治

    永岡政府委員 先ほどから若干弁明させていただいておるわけでございますが、東京中央が絡んだ郵便の配送については、私は絶対的な確信を持っておりません。東京の問題はいつ改善されるのだという冒頭の御質問がございましたが、例えば埼玉県は人口が約五百万ぐらいだといたしますと、現在浦和と川越と越谷と熊谷という四局で埼玉県の郵便の面倒を見ているわけです。私たちはそれを地域区分局と呼んでおりますが、四つの地域区分局で埼玉県の郵便を処理しているわけです、中心的な局が。東京は一千万を超える人口を擁しているにもかかわらず、東京中央一局でやっておるわけです。もちろん小包の集中局とか大型の局というのは分割されておりますが、手紙、はがきに関して言えば、東京中央郵便局で一千万の人口の、しかも一人当たりの利用の非常に高い郵便を処理しているわけです。  そこで、それでは業務の安定的な運営はできないということで、今、鋭意検討しているわけですが、ことしの予算で多摩地区に地域区分局を設立するための土地の予算を御承認いただいております。したがいまして、早急に多摩地区に地域区分局をつくって、いわゆる東京都かの郵便はそこで全部面倒を見る、そうしますと東京中央の負担がそれだけ軽くなるわけです。そうしまして、さらに東京都区内を今の計画では二分割して、東京中央とそれから晴海という郵便局をうまく活用して二分割で処理していこう、東京都内の手紙、はがきの処理を三地域区分局でやっていこうということで計画をしております。しかしそうはいってもなかなか時間もかかりますので、私どもはさしむき都下に仮の施設、仮設をつくってでもそういったことを早急にやりたいというふうに考えて計画をしておるところでございまして、ただそういった仮設をつくる場所またそれにかわる適当な施設が今のところめどが立ちませんので、いつ改善できるということを今申し上げられないのが大変残念でありますが、最初申しましたように、一千万を超える東京都の手紙、はがきの処理を東京中央郵便局一局で処理しているところに実は根本的な問題があるわけです。  東京中央ができましたときは、東京都の人口は四百万程度でございまして、四、五百万の郵便人口の処理には十分耐えるのかもしれませんが、もちろん一人当たりの利用物数もふえておりますのでそれでも無理かもしれませんが、いずれにしましても、東京中央の問題を解決しないと、東京を経由して東京から出ていったり東京へ入ってきたりする郵便は安定性がないというのは残念ながら事実でございまして、特に超過勤務協定が結ばれない時期だとか、非常に物数増加する月末であるとか週末であるとかといった場合に、若干の業務の不安定な状況がありますので、今の翌配率三十何%というのは非常に私どもは信じがたい数字でございますが、例えば埼玉県から千葉県に出されるとか、千葉県から茨城県に出される、そういった試験通信をしていただければ、九〇%を超える、九五%を超える翌配率を現在でも維持しているというふうに思っておるところでございます。
  52. 佐藤祐弘

    佐藤(祐)委員 しかし我々お聞きしていますのは、これも東京都区内各局から全国の各市あての日数表ということで承知しているわけですし、利用者もそう思っていると思うのですよ。東京は別で、おくれるんだとは思っていない。早くなりますというのは全国的に説明しているわけですから。そういう点では公約違反の状態が現に続いているということですね。速達は日付が押されますからはっきりしています。何日に受け入れて何日に配達だ。この実数がここに出ているわけです。普通郵便も、いかに東京がおくれているといいましても、例えば広島市内で、東京から出して六日かかっているというデータもある。それから四日というのはたくさんあります。岩手、北海道、宮城、新潟もそうですし、尼崎も四日、西宮市も四日、普通郵便です。ですから、ぜひその辺は実情をもっと正確に調べて改善の必要があるというふうに思うわけです。それと特に東京については、そういうことですと、郵政省さんの発表を信じて利用しておる方は非常に迷惑をこうむるということにもなるわけです。翌日に着くと思って出したのが着かないとか、そこの早急な改善も要望したいと思います。  今の問題で別の面からお尋ねをしたいのですが、今度のシステム改善では輸送コースの設定というのと同時に、今の説明でありました地域区分局、ここの作業がキーポイントじゃないかと思うのですよ。ここにいわばいろいろな矛盾も集中しておるというふうに思います。それで郵務局の方で編集なさっておる「ぽすとまん」という広報誌ですね。ここでもシステムをうまく運んでいく上では結束の確保が従来にも増して重要になるのだというふうに強調しておられるわけですが、これは郵便のスムーズな流れの上で結束というのはどういうふうな意味を持っておるのかという点を最初に、なぜ従来にも増して重要というふうに強調しておられるのか、その点をお聞きしておきます。
  53. 永岡茂治

    永岡政府委員 郵便の結束と申しますのは、わかりやすく言えばダイヤどおり仕事を運ぶということでございまして、取り集めをした郵便を規定の運送便に乗せ、またそれを定められた運送便で地方に送り、届いた郵便を決められた配達便に乗せて規定のダイヤを守っていくということでございます。
  54. 佐藤祐弘

    佐藤(祐)委員 少し具体的にお聞きしたいのですが、兵庫の姫路局ですね。郵政省さんの方からも資料をいただきましたが、この地域区分局です。ここでの二月二十八日と二十九日、両日の不結束物数は幾らになっておるのですか。
  55. 永岡茂治

    永岡政府委員 全国で地域区分局が現在八十八ございますが、その八十八の局の毎日の運行状況の報告を受けておりますが、その中で御質問のありました姫路局が最も成績の悪い局でございます。原因はいろいろあろうかと思いますが、そういう状況でございまして、お示しいただきました二月二十八日は私どもへの報告では一万二千通というふうに聞いております。二月二十九日は四万二千通というふうに聞いております。
  56. 佐藤祐弘

    佐藤(祐)委員 この数字がまた大変違うのですね。郵政産業労組の姫路支部というところが調べたところでは、これは公に機関紙に載っておるのです。これを見ますと、二十八日は十九万通、ボテ箱が何杯でというふうに詳細に書いてあります。これで見ますと他地域から来た白地域あてのものですね。その方が多いようですね。白地域から他地域に出ていぐよりも他地域から白地域に来たもので不結束になっておるものが多いというのが一つの特徴ですし、数が非常に多いですね。二十八日は十九万通で、二十九日は二十六万通というのが現場での調べとして出ているわけです。また、この姫路局の数字も今おっしゃった郵政省数字と違うのですよ。郵便局の局側、官側ですね、官側の数字では、二十八日が郵政省さんは一万二千とおっしゃったが、二万、それから二十九日が七万ですね。正確には七万三千通です。そういうのが局からの報告ですね。姫路局から近畿郵政局への報告になるのですかね、それではそういう数字になっているわけです。それが本省になりますとこういう少ない数字になる。ですから、どうもうまくいっていないのをそのまま出さないようにしているというふうにこれは見ざるを得ないわけです。今申し上げたのは郵便局数字もありますから、姫路局の数字とも本省の数字は非常に違っているわけですから、結束の確保というのを、非常に重視するということであれば、ただ報告の集計というだけではなくて、実際に現場へも行って調べるとか、そういうことをしなければならぬのじゃないかというふうに思うのですが、局長はどうお考えか聞きたいと思います。
  57. 永岡茂治

    永岡政府委員 私どもがまず翌日配達ということでお約束しておりますのは、手紙、はがき、一種、二種でございまして、姫路の状況なんかを聞いておりますと、東京から第三種の郵便物がコンテナで何百台も着いたとか、そういう状況をお聞きするわけです。したがいまして、今、先生がお話しになりました数字は第三種等を含めた……(佐藤(祐)委員「いや、通常です」と呼ぶ)もちろん通常郵便物ではありますが、通常郵便物の中の第三種等を含めた、そういったものも含まれた数字だというふうに思いますし、私どもがとっております数字は、翌日配達とすべき部数で翌日配達とならなかった部数の報告を求めておるというところにそごがあるのではないかというふうに思うわけでございます。
  58. 佐藤祐弘

    佐藤(祐)委員 どうも余りに数字が違い過ぎまして、ぜひそこをお調べいただきたいというふうに再度お願いをいたします。  今度は郵便配達度数の問題です。一日一度配達というのを通常郵便は原則にする。速達は従来はたしか五回だったと思いますが、三回ということになっておるわけです。これ自体私は、冒頭言われておりました利用者のニーズにこたえるという点で果たしてどんなものかと疑問を持っておるわけですが、この実施の中では、一部通信力の高い地域は普通郵便でも二度配達をする、二度配達地域を残すというふうになっております。これはどんな地域なのか。
  59. 永岡茂治

    永岡政府委員 配達の一度化につきましては、諸外国の実情、我が国のいろいろな社会の変動等も考慮して数年前から順次実施してきておるところでございますが、今お尋ねの、そうは申しましてもどうしても二度配達の必要が非常に高いところにつきましては、二度配達制度を残そうということで考えております。例えば東京都区とか都道府県庁の所在の市またはそれに準ずる二十万以上の市であって都市計画法に定める商業地域で配達部数の非常に多い地域、具体的には一区で二千通程度のものを配達するような、そういった大都市の商業地域で配達部数の多いところについて、二度配達地域として残しておるという状況でございます。
  60. 佐藤祐弘

    佐藤(祐)委員 要するに、仕事などで郵便をよく使っている地域ということですね。この場合の二度というのは当然午前一回、午後一回というふうに考えてよろしいのでしょうか。
  61. 永岡茂治

    永岡政府委員 一応原則として午前一回、午後一回ということです。
  62. 佐藤祐弘

    佐藤(祐)委員 そこでお尋ねなんですが、中央区の京橋郵便局、これはいろいろなところが集中している大事な局だと思うのですが、この京橋郵便局で二度配達地域があるわけです。この地域の中でもう午前中には配達しない、配達は午後からしかやらないということになってしまっている部分があるのですね。このことは郵政省は御存じでしょうか。
  63. 永岡茂治

    永岡政府委員 私はちょっと承知しておりません。
  64. 佐藤祐弘

    佐藤(祐)委員 実情を余りお詳しくないようですから、若干御説明いたしますと、京橋局の場合はビルとかマンションもいろいろあります。こういうところに対する配達は、通常の配達とは別のやり方で便間配達方式というのをやっておられる。これは速達配達をやられる勤務の人とか収集をなさる人とか、そういう人たちがそれぞれの仕事の合い間に決められたビル群に幾つかに分けまして配達をしていくというやり方ですね。この方式で配達されるビルは、私たちが調べたところでは二百二十二あるわけです。そのうちの四十五のビルはどうなっているかといいますと、詳細なあれもありますが、収集の夜勤者が配達をするということになっておるのですよ。収集の夜勤者というのは出勤が十二時二十分なんです。ですから、それからですから、当然第一回の配達さえ午後になる。システム的にそうなってしまっているのですね。これでは利用者にとっては非常に不便といいますか、むしろ約束に反してそれこそ利用者のニーズを無視したやり方だ、こういうのは直ちに私は改善をしてもらいたいというふうに思うわけです。ここにアンケートもあるのですが、この地域の方たちは非常に強い要望を出しておられるのです。ずっとありまして詳細説明し切れませんが、要するに二回配達は絶対欲しい、いろいろ商売の関係とかありますし、それからそういう点からいいましても午前中の配達をぜひしてもらいたいという方が九一%というふうなアンケート結果も出ております。実際に土曜日休むところが最近ふえておりますし、それから土曜日も半日で終わりというようなところで午後しか配達されないということになりますと、実際の仕事、商売にも差し支えるわけですね。ですから、体制的にも午後しか配達しないというような状況はもう早急に改善をするべきだというふうに思うのですが、どうでしょうか。
  65. 永岡茂治

    永岡政府委員 先生お話しの京橋郵便局とか東京中央郵便局とか日本郵便局とかいう東京都心の郵便局は、例外的な非常に特別な地域でございまして、一軒のビルに普通の集配かばんでは入り切らないほどたくさん郵便があるとかそういった地域でございまして、そういった郵便局では、私たちは大口配達だとかビル配だとかというふうに呼んでおりますが、普通の杉並だとか世田谷というような郵便局の配達のやり方とは違った特別なやり方をやっております。京橋郵便局の実情について私は詳細存じておりませんが、先生のお話ですと二百二十程度のビルをビル配でやっておるということは、それはそれなりにいいのではないかというふうに思いますが、そのうちの四十五のビルについて取り集めをする夜勤者が午後配達しているというお話でございますので、実情を調べさせていただきまして改善していきたいというふうに思います。
  66. 佐藤祐弘

    佐藤(祐)委員 ぜひ実情を調べて改善をしていただきたい、お言葉どおりにやっていただきたいというふうに思います。  さっきから質問しておりましてちょっと感じるのですが、私の方で具体例を調べて挙げました姫路局の場合も特別悪いんだとか、京橋、日本橋は例外的に悪いんだとか問題が多いんだとか、ちょっと言いわけ的な感じがしないでもないのですが、そこは置いておきまして、もう一つの大きな問題であります勤務の問題。区分局に作業が集中するということでかなりの配置転換を相当やられたわけですね。それでも人手が足りないということで大量の非常勤の職員を今やっておられるわけですが、東京中部の場合で、二月と三月それぞれ何人雇用しておられるか、それと昨年の二、三月の数字お答えをいただきたい。比較をしたいわけです。
  67. 永岡茂治

    永岡政府委員 東京中央で二月に採用しました非常勤は延べ九千三百五十人でございます。ただ、そう申しますと大変多いというお感じを持たれると思いますが、現在私ども郵便業務を運行する場合に、まず基本的には定員でやっておるわけでございますが、定員は平均的な物数に対応する必要な要員を配置しているということでございまして、週末だとか月末だとか、また月によって、十二月なんかは非常に多いわけですが、そういった物数の非常に多いときに対応する手段として、まず職員の超過勤務がございます。しかし、それでもカバーできない場合には非常勤職員を雇用するということで対応します。また、職員一人につきまして二十日の年次有給休暇がございますので、その後補充として常時非常勤を雇用するということもございますし、例えば研修所に入る後補充のための非常勤であるとか、冒頭申しました繁忙のための非常勤、それから本務者の後補充のための非常勤というものを常時雇用しておるわけでございまして、東京中央の職員が大体三千人でございますので、そういったことを考え合わせて御理解いただきたいというふうに思います。
  68. 佐藤祐弘

    佐藤(祐)委員 今ことしの二月だけお答えいただいたのですが、三月、それから昨年の二月と三月、それと今後の見通しもあわせてお答えいただきたい。システム移行時は相当非常勤勤務員の雇用が必要になるということはここにも書いてあります。その点で今後の見通しですね。
  69. 永岡茂治

    永岡政府委員 切りかえのときは非常にたくさん鉄道郵便局から人がかわって来たりしまして、そういった新しい職員につきましては二月、三月に一人二週間研修所に入っていただきまして再訓練をしたというようなことでございまして、切りかえ時にはアブノーマルな状態でございまして、多くの非常勤を雇用して業務を回してきたわけでございますが、だんだんそういった新規転入職員の訓練も終わり落ちついた状態になりますと、特別の事情で雇用した非常勤は必要がなくなりますので、ノーマルに必要な非常勤の雇用に落ちついていくというふうに思っております。  申しわけありませんが、数字は今承知しておりませんので、後ほど御連絡させていただきたいと思います。
  70. 佐藤祐弘

    佐藤(祐)委員 数字が正確に出ませんとどうも見通しもはっきりしないという問題もあると思います。実情からいいますと、非常勤の勤務を相当数投入されて、なおかつ勤務はかなり厳しいということだと思うのです。だから、そう簡単に非常勤が減らしていけるという状況でもないんじゃないかと私は思わざるを得ぬわけですが、勤務の問題点としましては、郵便課の仕事が、夜中の仕事が従来に比べて大量にふえた、いわゆる十六勤というのがふえておるわけですね。労働密度も濃いということなんですが、郵政省としてはこの夜勤、十六勤、これを四週間の間で一人何日以内というような基準はお持ちなんでしょうか。
  71. 永岡茂治

    永岡政府委員 翌日配達の仕組みを確立しようと思いますと、どうしても地域区分局では夜間に労働をしていただかなければそういったことは不可能でございます。それで、この二月一日からは全国の八十八の地域区分局では夜間労働が増加しました。しかし、その他の集配特定局を含めますと約五千局ぐらいあるわけですが、私たちは一般局と呼んでおりますが、そういった一般局の夜間労働は著しく減少いたしました。その分が若干地域区分局の方にしわが寄ってきているという状況でございまして、それなりの定員の措置もいたしたわけでございます。八十八の地域区分局には約三千名近くの人を増配置して、それらの人たちは鉄道郵便局からの転勤者が主でありますが、全国的な調整をいたしておりまして、それなりの手当てをいたしたわけでございます。  先生お尋ねの十六勤という勤務がふえたわけでございますが、四週間に何回以下だ、大体何回ぐらいやるんだという基準があるのかということでございますが、そういった基準はございません。業務を運行していくのに必要な回数を十六勤で勤務していただくという考え方でございます。
  72. 佐藤祐弘

    佐藤(祐)委員 私は、基準がないのはちょっと問題だと思うのです。十六勤というのはとにかく十六時間ぶっ続けの勤務なわけですから、これがどの程度一カ月のうちにあるか、労働者の健康の問題からでも大問題だと思うのです。  福島の郡山の例で調べたのですが、郡山の場合は四週のうち十六勤が九日間ある。それからいわき市の平郵便局、ここの場合で言いますと、これまで十六勤が四週のうちで五・五回から六・五回だった。五九・二以前ですね、ところが五九二一以降は七・五日から九・〇というふうにふえているということなんです。十六勤が九日ということは大変ですね。月のうちの七割ぐらいということになるんじゃないですか。十六勤ですから、八時間で言えば十八日間、一週間で日勤は一日ぐらいしかないということになるわけです。  システム改善していくという場合に、それを支える職場の労働者の労働条件、労働密度、そういうこともよく考えないと、結局短期的に無理はきいても崩れていく。ある意味では、せっかくの改革がそういうふうには進まないという結果になるんじゃないか。この点ぜひともこういう過酷な労働強化になっている状況改善していただきたいというふうに思うのです。
  73. 永岡茂治

    永岡政府委員 先生誤解されているとは思いませんが、十六勤と申しますのは、夕方の四時半に出勤しまして翌日朝の八時半まで勤務する、拘束十六時間の勤務を私たちは十六勤と言っております。それは一日分だけじゃありませんで二日分でカウントしているわけです。したがって二日分をまとめてやるために、例えば一週間六日だとしますと、十六勤を三回やれば終わるわけです。そのことが一つと、それから十六勤は二日分でございまして、労働基準法で決められておる休憩は当然与えておりますし、それから特例休息という時間がありまして、夜中ですから仮眠時間というものが、局によって若干違いますが数時間、二、三時間程度与えられております。そういったことで従来よりも十六勤の勤務の内容が非常に密度が高くなったということは事実なんですが、休憩、休息時間はもちろん正しく規定どおり付与しておりますので、私どもは十六勤の勤務が総体的に厳しいというふうには思っておりません。  ただ、一回の勤務で二日分やるわけですから、そのかわりに翌日は八時半に帰って次の日の夕方四時半に出勤すればいいという形ですから、連続して二日分をやる勤務ですから、何といいますか二日分の疲れが残るといいますか、そういう感じにはなると思いますが、先ほど申しましたように特例休息も付与しておりますし、まあ総体的に十六勤が過酷な勤務だというふうには私たちは全く思っておらないわけでございます。
  74. 佐藤祐弘

    佐藤(祐)委員 もう時間も大体終わりに近づいてきましたので終わりにしますが、その十六勤が過酷な勤務と思っておられないというのはここのところの状況を御存じないというか、そういうことをしたことがないからです。夕方の四時から翌朝八時というのは、深夜に作業をするというのは人間の生理上からいっても大変なんですよ。しかも労働密度が濃くなっているということはお認めになったわけですね。今特例休息のことをおっしゃったけれども、逆に慣行休息を減らそうということも現に出ておるのですよ。それは十分保障していくというよりはこれまで慣行的にあった休息時間を削減しようというのが現に出ているのですよ。この問題はきょうはやりませんけれども、ですから、労働密度は濃くなったし、そういう十六勤という生理的に言っても過酷な勤務の日数がふえているわけです。それが二日間に相当するなんということは当然承知しています。それが九日間となれば実質的には月のうちの七割ぐらいがそういう準夜から深夜にかけての夜間勤務になっているということなんですね。ですから、これはやはり解消する方向考えていく必要があるというふうに私は思います。  最後に大臣にお聞きをしたいわけですが、今いろいろ質疑をいたしましたように五九・ニシステム変更以降二カ月半という時点で、本当に配達が国民に約束したようにいっているのかどうか。また、労働の状態、この五九・二の改革というのは、郵便史上、輸送システム上大改革だと思うのですよ。それだけに二カ月半たった時点で十分に実態を調べて、正すべきものは正すということをやる時期じゃないかと思うわけです。そしてまた、さっき東京の場合は例外的だということがあったのですが、実際に日数表を信用して郵便を出した人の間ではかなりの苦情が起きておるのですよ。つまり今は電話も併用しますから、商取引の場合でも電話で、じゃあれは送ってくださいねということになりますね。すぐ送りますよという返事をする。ところがなかなか届かないとなりますと、そこで不信が生まれるということさえあり得るわけです。実際に取引上困るとかですね。これは別に御当人の責任ではなくて郵便の方の責任なんだけれども、そうは思わないわけですよ。電話で約束しておきながら、何で早く送らないんだというようなことでトラブルが起きるとか、そういうこともありますから、配達の実情と労働の実情という点を、本当に実情をよく見ていただくというふうにして早急に改善を図るべきものは図っていくというふうにしていただきたいと思うわけですが、その点大臣にお伺いをしたい。
  75. 奥田敬和

    奥田国務大臣 五九・二のそういったシステム改善によってまだ必ずしも全国的均一に定着していないという面の御指摘であったと思うのです。ですけれども、これは六千人近い配置転換を含む、これまで鉄道郵便業務に携わった人たちがふなれな仕事の形にも参らなければいかぬ大幅な異動でもございましたし、これを定着させて公約どおりの翌日配送システムまでに、一〇〇%そういった形になるまでには多少の時間をかしていただきたいというのが実情でございます。特に今、集中局で、東京都内の問題についての御指摘もございました。先生の御意見を聞いていると、サービスはやらなければいかぬ、これは国民の手前当然のことでございます。今度は予備バイトを含めてそういった形の効率的な運用で、経費はまた国民サービスの面からいっても節減しなければいかぬ、勤務状態においても、これは十六時間という形の体制が夜間勤務の過重な形で、これはもう健康第一でございますから、そういった面の配慮もしなければいけませんけれども、これに対しても過重で、それはもう人権じゅうりんだというような形でいきますと、サービスもしなければいかぬ、財政再建を含めた手前効率化も図らなければいかぬ、勤務条件はもううんと緩和しなければいかぬ、こういう形になってきますと、これはなかなか難しい問題だなということを実感しておるわけです。どこかで調整をしなければいかぬ。どこかで正すべきものを正して、サービスを含めてそういった国民皆さんサービス要望にこたえていかなければいかぬということでございますから、そういった夜間勤務の状態も含めまして労使間でよく話し合いまして、そして正すべきは正す、また組合側の求めるべき筋については聞くべき点は聞いていくというような形の中でやはり労使一体、そして国民サービスに寄与するという使命感の上に立って、今言われたような難点を解消してまいりたい、全力を尽くして努力いたしたいということでございます。
  76. 佐藤祐弘

    佐藤(祐)委員 終わります。
  77. 志賀節

    志賀委員長 これにて佐藤君の質疑は終了いたしました。      ――――◇―――――
  78. 志賀節

    志賀委員長 次に、電波法の一部を改正する法律案を議題とし、審査に入ります。  まず、提案理由の説明を求めます。奥田郵政大臣。     ―――――――――――――  電波法の一部を改正する法律案     〔本号末尾に掲載〕     ―――――――――――――
  79. 奥田敬和

    奥田国務大臣 電波法の一部を改正する法律案について、その提案理由及び概要を御説明申し上げます。  航海の安全を確保するため、船舶の構造、設備等について定める条約として千九百七十四年の海上における人命の安全のための国際条約があり、我が国もその締約国となっております。この条約の附属書が人命及び航海の安全をなお一層確保する観点から一九八一年十一月に改正され、本年九月一日に発効することとなりますので、その内容に沿って、船舶の無線局に関する規定を整備する必要があります。  また、我が国における外国人、外国の法人、外資系企業等の社会活動、経済活動の円滑な遂行に資するため、無線局の開設に関する外国性排除を緩和することにより、外国人等に一定範囲の無線局の開設を認める必要があります。  さらに、国の各種手数料等に関する規定の合理化に合わせて、電波法関係手数料についても、規定の合理化を図る必要があります。  この法律案を提出した理由は以上のとおりでありますが、次にその概要を御説明申し上げます。  まず第一に、船舶の無線局に関する規定の整備でありますが、国際航海に従事する旅客船及び総トン数三百トン以上の貨物船の無線局について、二千百八十二キロヘルツの無線電話遭難周波数の送信装置の有効通達距離を定めるとともに、百五十六・八メガヘルツの無線電話遭難周波数の聴守を義務づけることとしております。  第二に、外国人、外国の法人、外資系企業等の開設する無線局についてでありますが、国際化の進展に対応して、車載あるいは携帯して使用する無線局等について、相互主義を前提として免許を与えることができることとしております。  第三に、手数料に関する規定の合理化についてでありますが、電波法関係手数料について、その上限額が法定されていることを改め、具体的金額は政令に委任することとしております。  その他、所要の規定の整備を行うこととしております。  なお、この法律は、昭和五十九年九月一日から施行することとしております。ただし、電波法関係手数料についての改正規定は、公布の日から施行することとしております。  以上が、この法律案の提案理由及び概要であります。  何とぞ慎重御審議の上、速やかに御可決くださいますようお願い申し上げます。
  80. 志賀節

    志賀委員長 これにて提案理由の説明は終わりました。  本案に対する質疑は後日に譲ります。  次回は、来る五月九日水曜日午前十時理事会、十時十分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。     午後零時三十一分散会      ――――◇―――――