○澤田政府
委員 お答え申し上げます。
少額貯蓄制度を全般的に見直すというようなことが話題になっているわけでありますが、私
どもグリーンカード制度の存廃ということにつきまして、グリーンカード自体が、名寄せということについて技術的なサイドから見れば非常に厳格を期する制度であることは評価するわけでありますけれ
ども、反面、そういうことの悪用ということにかかわりのないほとんどの国民にいろいろな手間をかけるというような問題もございまして、今後の推移を眺め、よりよい
システムが
構築されることを期待をいたしているわけでありますが、ただ、グリーンカード制度の存廃に
関連をしまして利子配当課税の見直しということでむしろ財源探しという面が強調されまして、郵便貯金やマル優の非課税制度も廃止をして財源に充てるというようなこともうかがわれるわけであります。
非課税制度を廃止いたしましても、ちまたでいろいろ言われておりますような増収が三兆円というような話というのは、税の還付を無視したような幻の数字であろうと思うわけであります。またマル優や郵貯、非課税を廃止するといたしましても税制上有利な非課税の金融商品が現にございますし、なお、そういったものが開発をされ、そちらの方にシフトするわけで、税の増収ということは、利子非課税を廃止したからといってもそう多くは望まれるものではないであろう。むしろ国民の貯蓄のあり方に大変大きな影響を与えるし、また我が国の金融
経済に大変不測の混乱を与えかねないと思うわけであります。貯蓄というのが
経済社会発展の基礎であって、国民の高い貯蓄率が国の今日までの発展に大きな貢献をしてきたし、また今日国債の大量発行というような
状況の中でインフレ圧力もはね返るし、またクラウディングアウトというようなことも生ぜずに
経済の安定運営というものが図れていくというのも高い貯蓄率のせいであるということで、これは諸外国からは評価を得ているわけであります。
今後の国債の大量発行ということを
考えれば、むしろ国民の貯蓄というものを軽視するというような施策はとるべきではないであろうと思われるわけでありますし、またなお高齢化
社会の到来というようなことの中で、国民が将来の老後に対して大変不安を感じておる、また自助努力ということに大変な関心を持ち、また貯蓄をそういう形で行っているということを
考えた場合に、むしろ国はその自助努力に対する手を差し伸べるという政策こそとるべきであろうと思うわけであります。また、物価と貯金の利子の
関係を眺めてみましても、この十年間では約一割以上も物価の上昇率が上回っておるというようなことでございます。したがいまして、貯蓄は目減りをしておる。第二所得でありながら、名目上の所得であり、実質的にはマイナスの所得である。これに税金をかけるというようなことは、これは断じてすべきではなかろうと思うわけであります。
私
どもの郵便貯金限度額管理というものについてとかく言われがちでありますけれ
ども、今、
先生御
指摘の郵便貯金の口座が大変多い、あるいは三億五千万口座もあるというようなことが言われていたことがございます。しかし、郵便貯金の口座というのは六千三百万口座でございます。これは、実は私
どもは通常貯金だけを口座ということで言っておりますけれ
ども、この三億何千万口座というのは恐らく定額貯金の証書を一枚一枚目座として数えた数字であろうか、定額貯金は、これは千円から一枚の証書を発行いたしておりますから、現在数としては二億七千万ございますので、これと六千万を足しますと、三億五千万というようなことでございます。現に郵便貯金の限度額管理につきましては、オンライン化も進みましてそういった形で効率よく厳格にやっておりますし、オーバーした
方々に対してはこれを発見次第減額措置をしていただいておるというようなことでございます。ほんの一部の不心得と申しましょうか、悪用者のために全般的なマル優制度というものがなくなり、貯蓄の重要性というものを損ない、また国民の将来に対する蓄え、自助努力というものに水を差すというようなことではなくして、今日ある限度額というものをさらに充実をしていくというようなことこそ必要ではないか、こういうふうに
考えております。