○鈴木(強)
委員 ぜひよろしくお願いを申し上げます。
さて今回の
料金改定の問題でございますが、私は最初に
料金決定の基本原則というもの、これは一体どうなっているのか、同時にまた
料金値下げが今後の
公社財政にどういう
影響を及ぼすのか、長い目で見ていかなければならないと思いますので、そういう
意味でひとつ最初にこれは
総裁にお伺いをいたしますが、ここ数年来電電
公社は
料金値下げを行っています。これは非常に結構なことでございます。昭和五十五年十一月から深夜割引制度、四割引きの導入、夜間割引対象は、対象時間の拡大、これを行いました。昭和五十六年八月からは五百キロメーター以上の
遠距離通話料を下げました。これは一五%から一七%、加えて日曜・祝日の割引を実施した。さらに五十八年七月からは三百二十キロ以上の
遠距離通話料金の引き下げをいたしております。これは一一%から三三%。今回また六十キロメーター以上三百二十キロメーターまでの
中距離の
電話料の引き下げを行おうとしているのでございます。そこで私は、さっきも同僚議員から
質問がございましたが、物価がどんどん値上がりしていく中で少なくとも
公共料金が下がるというようなことは全く珍しいことでございまして、電電
公社の皆さんの御苦労というものは本当に大変なことであるといつも感謝をしておる者の一人でございます。ただ、さっきも申し上げましたように、将来に向かって
公社のあるべき
電話料金体系というものがどうなのかということですね、これがまだどうもはっきりしていない。ですから
お話がありましたように、ちょっと見ておりますと行き当たりばったり約あるいは細切れ的な
値下げではないかというような印象を受けるのはこれは事実だと私は思うのですよ。
総裁が四月四日の
記者会見で
市内通話料の値上げについて触れられておりまして、二分で十円あるいは三分で二十円、これはいずれもインテラゲーションマークをつけた
記事になっておりますが、そういう
記事が出まして、私は一つの
考え方であるということはわかりました。そのとき直観しました。ただ、全体的な
料金体系というのをどうするかというそのことがまだ決まってないのではないかと思うのですよ。我々は早くから
グループ料金制を志向するようにということで、何回も何回も、
国会で
公衆電気通信法が審議される都度意見を出しております。
例えば昭和五十一年十月の
公衆電気通信法の改正の際には、附帯決議をつけまして、その二項に「公平な
料金決定方式を確立すること。」とつけました。それで
政府、
公社に対して要請をいたしました。昭和五十六年四月の公衆
法改正のときにもやはり附帯決議がついておりまして、その場合は、
グループ料金制の導入を検討することというふうになっておるわけでございます。
それからずっと前でありますが、昭和四十六年、私、当時参議院におりましたが、広域時分制あるいは
距離別時間差制等の実施の際にもいろいろな意見がございました。そのときにもやはり英国のような
グループ料金制を導入することが必要ではないか、特に
距離別時間差制のときには、今は亡き遠藤正介氏が、もう御
指摘のことはそのとおりだと思います、しかし今直ちに
グループ料金制を志向するということは非常に時期的に無理でございますから、その方向に向かってまいりますけれ
ども、とりあえずはこの
距離別時間差制でやらしてほしいという意見もございまして、これはここに議事録もあります。
そういう長い歴史的な経過を経て電電
公社の公共的な使命を持つ
電話料金あるいは電報
料金というものは一体どういうのがいいのか、その原理原則というものをはっきりさせておく必要がある、こういうふうになっておるわけであります。ですから、それをお決めになっておって、その一環として
市内から
長距離にわたってどういう
料金体制に適正にしていくか。特にINSが入ってまいります。今も
お話しのように、ディジタル化してまいります。そうしたら
遠距離と近
距離が確かに
格差は是正しておりますけれ
ども、それで果たしてINSというものがやれるのかどうなのか。やはり特別な
料金制度を考えなければならぬのじゃないだろうか。いろいろあると思うのです。
ですから、そういうものを考えて、一面におきましては資産十兆円とも言われておりますが、六兆の借金を抱えておる。その借金を払っていかなければならない。しかもINS構想がいよいよ実行
段階に入ってきますと、これからは全体的にたくさんのお金が必要になってくるでしょう。そういうときに、
政府の方から四千八百億も、特別法をつくって
公社法に違反するような上納金を取られているじゃないですか。さらに今も
法案が出ておる。また二千億も取り上げようとしているのです。今まで何回かの
料金改定で、どのくらいの数になりますか後で教えてもらいたいのですが、
サービスはしているはずです。ですから国には奉仕し、お客さんには
サービスをし、そしてそこに働く職員に対してどういう待遇ができておりますか。私は上納金があったら、その金で六兆円の借金を返したい、できるだけ負債をなくしていきたい、そして将来の展望の上に立って仕事をやらなければいけないといつも思っておるわけなんです。ただ単に下げればいいというものではないんだと思うのです。
利用者というのはよりよい
サービスの提供を喜ぶでしょう。これから限りなく出てくる新しい
サービスに対してどうこたえていくのか、それにこたえてくれることを
国民は願っていると思うのです。そのために多少
料金が現状維持であっても、いい
サービスを提供すれば我慢してくれると私は思うのですね。ですから、その辺の政治哲学、経営哲学というものは、
総裁は民間におられた方ですから非常に厳しい試練を経てこられていると思います。官僚のなまぬるいような世の中につかった経験はあなたはないでしょう。私はその点は厳しくやっておられると思いますけれ
ども、そういう
意味においてもう少し全体像を、こういうふうな体系で、将来はこういう展望があるから、こういうふうに
料金を変えていっても大丈夫ですというような、みんなが安心できるようなものを示して、そして今度
中距離はこう下げますというような、そういう展望なくしてこういう
料金改正を出してきたところで正直言ってぴんとこないです。
私が一方的にしゃべりまくりましたけれ
ども、そういう
意味で、今までここで決議をした二回、三回の決議による電電
公社の
料金というのは基本的なものはこうだというものを確立しなさいというものにこたえてやってあるのですか。そして、
グループ料金制というものを今度はどの
段階で導入していこうとしているのか。今、杉並区と吉祥寺、武蔵野市を境にして八十秒十円、二十二区はどこへかけても三分十円、ですから、そこらをもう少し工夫していけばいい知恵が出てくると私は思うのですね。そういうことももちろん考えておられると思いますけれ
ども、
総裁、その展望はできているのですか。
ですから、さっきも総括原価主義とかいろいろ言われましたけれ
ども、そういう
料金はかくあるべきだという基本的な体制ができて、その上で、それでは
グループ料金制というものはいつごろから導入していくとか、そういうものがあるならひとつここで明確にしていただいて、我々が
法案を審議するに当たって今度下げてみても心配ないというふうに安心できるような、ひとつうまい答弁をしてください。