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水田委員 まさに
公益専売制というのが非常にうまく機能しておるというぐあいに思うわけですね。そこで、例えば今
塩専売事業が、国内の塩
産業の
製塩コストが高いために、このままではまさに暴騰するというような心配は全くないわけです。一面いえば国際
価格へということで、あの数字を見ますと大体五十八年から三年間で四千二百円ぐらい、急激に下げなければならないんです。これは
コストでいえば二〇%なんですね。塩が
コストが高くて、いわゆる
塩専売会計が米のような逆ざやで
政府財政を圧迫するということは全くない。
そこで、それを急激にやれば何が起こるかというと、雇用不安というのが起こるわけですね。見ておりまして、何でそう短兵急に、緊急にとにかくそこまで持っていかなければならないか。もちろん国際
価格に近づけていく努力はしなければならぬ。そして今考えられておるのは、いわゆる機械化、ロボット化というのが非常に進んでいく。そういう中で雇用の問題というのは、これからの
日本の
産業の中で大変大事なことになってくるんですね。そういう点では、先ほ
ども言いましたように、塩
産業というのは、かつて一万何千人とおったのが今千人になるというように、雇用の場を喪失したわけです。さらに
価格設定の、
公社との間のいろいろな話を聞きますと、どうも立ち行かなければ七つでは多いから手を上げろと言わんばかりの、何かそういう雰囲気。言葉で言うたというんじゃないですよ。そういう
感じもするわけです。それは、そこに働いておる人にとっては大変なことなんですね。
それから、先ほ
ども言いましたように、塩
産業というのはまさに
中小零細企業なんですね。三年間で二〇%というと——いわゆるLSIは別です。あれは生産量がばっと上がって
コストが下がる。これは大
企業ですから、相当な設備投資をやってもやれるわけです。しかし、塩
産業というのはそうはやれぬですね。例えば
専売公社が言う重油を石炭に転化しろといっても、石炭のボイラーにかえていくことによって二十億円ぐらいの金が要るでしょうね。その金利を考えれば、
コストは下がるにしても、その金利負担というのは相当ふえてくる。あるいは
コストを下げるために膜を全部やりかえようと思えば、これまた何億か何十億かの金がかかる。それを全部自己資金じゃなしに、借金で賄っていかなければならぬという形で二万七千円に近づけていく。
それをやると、先ほど
総裁からお話がありましたスケールメリットというのは、本来言えば、まさに今までの塩
産業が置かれた環境で、
合理化で一番つらいところはスケールメリットを求めることができなかった。量が限定された中で
コストを下げる努力をしろ、しろというのは、例えばエネルギー効率の問題、あるいはいわゆる生産設備の
改良、膜の
改良、あるいは人件費を抑えるか、人を減らすか、それは同じ固定費で量がふえれば、固定費の負担が半分になるということができなかった。そういう仕組みを背負って今日までやってきた。それで三年間で二〇%の
コストダウンをやれというのは、
中小企業に対しては実に酷なあれだと思うのですよ。
努力をしなくていいという
意味じゃなくて、そういう点ではやはりそれだけの
合理化で、ボイラーの転換なり膜の更新なりをやるということは、大変な負担がかかっていく。そういう努力をしておるんだ。そういうことを見て、やって、なおかつだんだん下がって、
コストが引き合わなんだらおまえのところやめろと言われたんでは、投資をする意欲もわいてこぬわけですね。そういうことにならぬように、
中小企業ですから、国際
価格に持っていくというにしても、対応できる時間的な余裕、あそこに働いておる人も
企業と一緒に努力をして生き残っていけるという希望が持てるような時間的なものは十分考えなきゃならぬ。ことしも、トン当たり千七百円下げる予定のところを千三百円にされたというのは、千三百円でも本当は大変だと思うんです。そういう点では
専売公社もそれなりの御配慮をしているとは思うんですが、基本的には、
総裁、今言うように大変な設備投資をして
中小企業がやっておる、努力をしておる。それに対してそれを、やったかいがあったという形になるように、時間的な点については余裕等は若干見る必要があるんじゃないか。基本的にはそういう気持ちで、国際
価格に近づけるというのは、
公社あるいは新しい
会社になってもそういう対応をぜひしていただきたいと思うのですが、いかがですか。