○馬場説明員 お答えいたします。
今、
国税庁の方から御説明のありましたように、私
どもといたしましては、本来は酒造用米というのは自主流通米に最もなじむ性格のものである。それはなぜかというと、どういう品質の、どういう産地のものがいいかということで酒屋さんはいろいろ注文がありますし、
政府米というのはいわばあてがいぶちになりますので、自主流通米の制度に一番なじむというふうに思って運用してきているわけでございますが、そうはいってもやはりお酒に使う米、大事な米でございますから、酒屋さんがやっていけるようにということもあり、またアルコールを使っている、それを米にかえてもらうという意味で米の
消費拡大にも資するということで、昭和五十一年から後、
政府米を年年ふやしてきておるわけでございます。
それで、今御
指摘の、ふえておらぬじゃないかとおっしゃいますけれ
ども、最初四万トンぐらいから始まりまして、今、先ほどお話がありましたように計画
ベースで十六万トンぐらいまでふえてきておるわけでございます。これは、一方では自主流通の分野を
政府米が食っていくということになりますから、生産者団体の方から見ますと、やはり自分たちの品質のいい米を酒屋さんに使ってもらうという意味で、
政府米をむやみやたらにふやすということは必ずしも問題がないわけではないという
指摘もあるわけでございます。したがいまして、これは毎年の米の需給あるいは酒屋さんの状態等もにらみながら決めてきているわけで、傾向としてはふやすという形でやってきているわけでございます。
しからば本年どうか、こういうお話でございます。自主流通米の価格というのは、大体出来秋に生産者団体と需要者側とで決めるということで、年一本で決めております。昨年の秋に大体値が決まって、今回の、今使っておりますものはもう値段が決まってしまっているというふうに
考えていいと思います。ことしの秋については、これは米全体の問題でございますから、まだ何とも申し上げるわけにまいらぬというふうに
考えております。
それから、他用途米の指定にしたらどうかという御
指摘でございます。他用途利用米というのは、今回、水田利用再編第三期対策ということで新しく導入したわけでございます。これを導入しました契機というのは、一つは水田の持っています高い生産力を維持していくために、地域によっては非常に転作率が高いとかあるいは適切な作物がない、そういう地域において、従来過剰米で対応しておった用途、こういうものについて、過剰米が五年の計画で処理が終わりますので、国内で何とか安い価格で米ができないかということで、生産者団体、実需者団体に自主的に流通契約を結ばせまして実現させるという
方向でございます。したがいまして、この他用途利用米の分野というのは、従来の過剰米処理で国内産米を充てていた市場、これに対する国内産米の供給という
考えでございます。酒米というのは別の分野でございまして、従来自主流通米なりあるいは
政府米という高い
水準の価格の分野でございますから、これを他用途利用米の対象にするということはなかなか問題があろうかと思います。しかもこの仕組みが、生産者団体と実需者団体の自主的な流通契約に基づくという形になっておりまして、
政府はそれに対する助成はいたしますけれ
ども、そういう
観点からいうとなかなか生産者団体も、従来高く売れておった分野に安い米、他用途米を回すということについては納得しないんじゃなかろうかというふうに
考えているわけでございます。
それから最後の一点でございますが、では、
政府の売る米をもっと安くできないかということでございます。先生御
指摘のように、もとは酒屋さんというのは
かなり高い米を使っておられたわけでございまして、だんだん
政府米の比率が多くなってきていることは事実ですが、主食用よりもさらに安くというのは、これはまた実際に
消費者なり何なりから見ればなかなか納得できないだろうと思いますし、私
どもとしても、食糧管理制度の中で特に特別の用途について安くということはなかなか困難であろうというふうに思っております。