○小渕(正)
委員 きょうは午前中より、特にこの
鉱害事業団の
九州支部に関する汚職
事件ですか、不正
事件ですか、これを中心にして論議が行われておりますので、話の継続性として、私も一点のみこの点についてお尋ね並びに意見を申し上げたいと思います。
現在の
石炭対策予算の約三分の一を使って
鉱害復旧工事が行われているわけでありまして、今日までもう五千数百億の国費が投ぜられている
鉱害復旧事業でございます。かねてから特にこの
筑豊地帯の
鉱害復旧についてはとかくのうわさが流れておったわけでありますが、このたび、その氷山の一角と申しますか、そういった
一つのうみが一部ようやく司直の手によって白日のもとに出されてきた、こういう感じではないかと思うのであります。
私も一昨年、非公式に
筑豊地帯を中心に
鉱害復旧のいろいろな
状況を見て回りましたが、非常に
筑豊地帯は、どなたかも言われたと思いますけれ
ども、この
鉱害復旧事業が
筑豊の基幹
産業だとか、また、それに合わせる同和
行政対策がこの
筑豊の基幹
産業だ、この二つが
筑豊地帯における
産業の柱だとまで言われるような
状況の
地域であります。そういう中に
暴力団が一部加わったような形の中で今日まで事業が進められておるわけでありまして、私もいろいろ見てきましたけれ
ども、
鉱害復旧御殿だというような立派な屋敷といいますか、まさに城のような建物もあります。
地元の
人たちに言わせますと、これは
鉱害復旧によって建てた屋敷だというわけであります。そういった普通の
鉱害復旧の常識をはるかに超えたようないろいろな建物が散見されたわけであります。しかし、公式的な説明を聞きますならば、それは自己負担分、本人の自己資金を投入して
鉱害復旧事業とのセットの中でやったのであるということで実は言われているわけであります。ところが、実際に
地域の中でうわさとして流れているのは、必ずしもそういうことを素直に受け取れないような
状況をいろいろと散見した次第でございました。
また、農地
復旧にいたしましても、特にこれは有資力
関係でお聞きをしたわけでありますが、いつまでも本人の同意を得られないために、毎年毎年農地に対する補償費として拠出している。そういうことがあるものだから、もう絶対本人は農地
復旧に対する同意を与えない、こういう形の中で毎年毎年農地の補償費としてそういうものが必ず出されているような
状況で困っている、こういう話もお聞きしたわけであります。
いずれにいたしましても、長い間のこういった
鉱害復旧の
あり方についてのいろいろな絡みの中で、そういった
一つの問題が今回こういう形であらわれたと思います。
したがいまして、
先ほど来
委任状の
関係を排除するとか、
鉱害屋が介入できないような
措置を講ずるとか、いろいろこれからの
鉱害復旧事業の
行政の
あり方について
改善をするということを言われておりますが、ここらあたりでもう一度スタートに戻っていろいろと考え直すべきときに来ているのじゃないか。何も私、
鉱害復旧事業をやめろということじゃない、
鉱害復旧事業の
行政の進め方といいますか、そういう
あり方について、ただ単なる大臣の通達とか
鉱害復旧事業団における業務のやり方をいろいろ変えるとかいうことじゃなしに、ここらあたりで、第三者的な
人たちの意見も聞きながら、こういった
行政をどのように進めたらいいか、もう一度スタートに戻って考え直すべきではないか、私はそういう気がしてならないわけであります。
特に審査過程についても、でき得れば公正な第三者機関等を設けながら、そこの中で最終的な審査をしていただくとか、これはいろいろ困難な問題がありましょうけれ
ども、ともかくここらあたりでもう一遍スタートに戻って考え直してみるという
段階に今日来ているのじゃないか。
その場合におけるいろいろな
鉱害復旧のそういったものの苦情の受け付けとか苦情
処理のやり方についても、
警察、司法等の
関係といろいろと打ち合わせながら、そういった
あり方等も含めてもう一度ここらあたりでスタートに戻ってやるべきじゃないか。そうしないことには、単なる窓口上における
行政の
あり方を変えるとかそういうことだけでは、これだけ長い間で蓄積されておるいろいろな問題の
解決にはほど遠いのではないかと
いう気が私はしてならないわけであります。
特に、そういった点では、
事業団がいろいろな圧力に屈して時価以上に
復旧に金をかけてやる、そういうことが今度有資力の
復旧事業にはね返ってきて、普通の世間常識での
復旧に対してもいちゃもんがつけられて、もっともっとグレードの高いものを要求されて困ってしまう、こういうことにも実はなっているようでありますので、有資力、無資力を含めた
鉱害復旧事業の
あり方について、ひとつスタートに戻って再
検討して出直すべきじゃないか。もちろん
復旧事業はどんどんやらなくてはいけませんけれ
ども、とかくこれだけこういう問題をはらんでいる
内容でありますから、いい機会だと思いますので、ぜひひとつ
そこらあたりを再
検討していただきたい、かように大臣にお願いするわけでありますが、その点、大臣の御見解をお聞かせいただきたいと思います。