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1984-05-18 第101回国会 衆議院 商工委員会流通問題小委員会 第1号
公式Web版
会議録情報
0
本小
委員会
は
昭和
五十九年四月十八日(水曜日)
委員会
において、設置することに決した。 四月十八日 本小
委員
は
委員長
の
指名
で、次のとおり
選任
さ れた。
浦野
烋興君
尾身 幸次君
奥田
幹生
君
加藤
卓二
君 糟谷 茂君
高村
正彦
君
田原
隆君 野上 徹君 野田 毅君
深谷
隆司
君
後藤
茂君
城地
豊司
君
中村
重光
君
和田
貞夫
君
渡辺
嘉藏
君
中川
嘉美
君
日笠
勝之
君
福岡
康夫
君
横手
文雄
君
野間
友一
君 四月十八日
後藤茂
君が
委員長
の
指名
で、小
委員長
に
選任
さ れた。 ————————
—————————————
昭和
五十九年五月十八日(金曜日) 午前十一時五十三分
開議
出席小委員
小
委員長
後藤
茂君
浦野
烋興君
奥田
幹生
君
加藤
卓二
君
田原
隆君
深谷
隆司
君
松田
九郎
君
城地
豊司
君
和田
貞夫
君
渡辺
嘉藏
君
中川
嘉美
君
日笠
勝之
君
福岡
康夫
君
横手
文雄
君
野間
友一
君
出席政府委員
公正取引委員会
事務局取引部長
奥村 栄一君
経済企画庁物価
局審議官
佐藤 満秋君
通商産業大臣官
房審議官
山田
勝久君 小
委員外
の
出席者
農林水産省食品
流通局企画課長
古澤松
之丞君
商工委員会調査
室長 朴木 正君
—————————————
五月十八日 小
委員中村重光
君及
び野間友一
君四月二十七日
委員辞任
につき、その
補欠
として
中村重光
君及
び野間友一
君が
委員長
の
指名
で小
委員
に
選任
さ れた。 同日 小
委員奥田幹主君
及び
日笠勝之
君同月九日
委員
辞任
につき、その
補欠
として
奥田幹主君
及び日
笠勝之
君が
委員長
の
指名
で小
委員
に
選任
され た。 同日 小
委員高村正彦
君同日
委員辞任
につき、その補 欠として
松田九郎
君が
委員長
の
指名
で小
委員
に
選任
された。 同日 小
委員松田九郎
君同日
委員辞任
につき、その補 欠として
高村正彦
君が
委員長
の
指名
で小
委員
に
選任
された。
—————————————
本日の会議に付した案件
流通
問題に関する件 ————◇—————
後藤茂
1
○
後藤
小
委員長
これより
商工委員会
流通
問題小
委員会
を開会いたします。 この際、一言ごあいさつを申し上げます。 先般、私が
流通
問題小
委員長
に
選任
されました。小
委員各位
の格別の御協力をお願い申し上げます。
流通
問題に関する件について
調査
を進めてまいりたいと存じます。 本日は、本問題の
現状
と
課題等
について
政府
から順次報告を求めます。 それでは、まず「八〇年代の
流通ビジョン
と今後の
流通対策
」について通商産業省から
説明
を聴取いたします。
山田大臣官房審議官
。
山田勝久
2
○
山田
(勝)
政府委員
お手元の
資料
、二つございますが、ただいま
委員長
御指摘の表題のもの、それから
参考資料
でございます。これを見比べながら三十分
程度
御
説明
をさせていただきます。 八〇年代の
流通ビジョン
、これは
産業構造審議会
の
流通部会
と
中小企業政策審議会流通小委員会
の
合同部会
で約一年半にわたりまして
審議
をし、昨年の十二月に答申が出されたものでございます。これを使いながら
現状
あるいは
課題
、
方向
というものを御
説明
させていただきます。 まず、
流通産業
あるいは
商業
というものがこれからの
時代
においてその
ウエート
、
重要性
、
役割
を増していくのではないかと思います。
現状
におきましての
国民経済
における
数字
的な
シェア
、これは
参考資料
の三枚目、目次の次に一
ページ
で「卸・
小売業
の国内総
生産
」
昭和
五十五年基準の
実質ベース
でございますけれ
ども
、書いてございます。これによりまして、まず五十七年の
数字
を右側で見ていただきますと、全体の一四・五%、大体一五%が
国民経済
における
数字
的な
シェア
であるとお考えくださってよろしいかと思います。それから
従業員数
でございますが、一番下の
数字
でございますが、一八・八%、おおよそ二〇%。我々が
商業
あるいは
流通業
と呼ぶものの
国民経済
における
シェア
を
GNP統計
で見ますと、
付加価値
で一五%、
従業員数
で約二〇%というように御
認識
をいただければと思います。 その次の
ページ
をめくっていただきまして、これは
小売
と
卸売
で分けて考えてみたいと思います。ただいまのは
付加価値額
あるいは
従業員数
ですが、ここで
商店数
というものの数を見ていただきたいと思います。 上の2の一の表、
小売業
の
商店数
、これが今から十七、八年前の
昭和
四十一年には
小売
で百三十七万軒ございました。それが逐次拡大をいたしまして、五十七年、これは
商業統計
の
数字
でございますが、百七十二万軒に
伸び
ております。各
業種別
のブレークダウン、この表はございませんが、
食料品関係
がこの数
年間
ちょっと減少いたしましたが、ほかのものはすべて上昇をいたしております。 なお、四十七年から五十四年までの間と最近時における三
年間
というものの
伸び
を見てみますとやや鈍化いたしておりますが、これは
一つ
には
経済成長
の
程度
ということにも関連しているのではないかと思います。以前には
年間
大体一・六%ずつ上昇いたしておりますが、最近時におきましては〇・九%ということになっております。しかし、これは
商店数
でございますが、売り場の面積を平均でとってみますと、こちらの方は年率五%、それから最近時が三・六と、
商店数
の数よりは若干ふえております。また
年間
の
販売額
も、これは
名目値
でございますけれ
ども
、最近時におきましては八・五%の
伸び
を示しておるわけでございます。 それから
卸売業
、下の方の表を見ますと、こちらの方の
商店数
もかなりふえておりまして、これは
小売
の
伸び
よりも
卸売業
の
商店数
の方が
伸び
ているわけで、大体五%ずつ毎年
伸び
ております。こちらの方はどういうことであるかとさらに分析をいたしてみますと、
地方都市
における
卸売業
のお店がふえている、それも多くの場合には支店の数がふえているということでございます。いわば
経済
の
地方展開
に呼応いたしまして、
卸売業
の
商店数
が
地方
においてふえている、こういうような
現状
でございます。 さて、そういうような
動き
でございますが、今や
商業
あるいは
流通産業
の
国民経済
における
役割
というものが質的に
変化
をしつつあるのではないかと思います。 それは
一つ
は、
経済
が
成熟化
しておる、
国民
の
所得
も
欧米水準
になってきた、と同時に、その
ニーズ
も単なる量的な
充足
ということから
個性化
、多様化いたしまして、
消費者ニーズ
が質的に
充実感
を要求している、こういうことでございます。それに応じてこの
流通産業
がどう呼応していくかというのが現在でございます。
成熟化
の
進行
とともに、もう
一つ
は
情報化
というものの
進行
がございます。少し先走った
言葉
で言えばニューメディア、やや着実なことで言えば
POS情報
というようなものがございますが、こういう
動き
とともに、この
流通産業
の
役割
というものが次のように
変化
をいたしております。従来は
生産者
から
消費者
へ物を運ぶ
パイプ役
が
流通産業
でございましたが、現在及び今後は、
消費者ニーズ
の
情報
を川上に向かって、つまり
生産者
の方に流す
情報
の
パイプ役
もまた
役割
になってきた、そういう
意味
でその
重要性
がふえている、こういうふうに思うわけでございます。 それから、これは単に
流通
だけではないと思いますけれ
ども
、
高度情報技術
というものが進めば進むほど、つまり
ハイテクノロジー
が進めば進むほど、逆に人間的な
触れ合い
あるいは
文化
というものへの
志向
が
消費者
によって望まれているということでございます。そのために私
ども
、これはハイテクと
ハイタッチ
が同時に
進行
しなければいけないということを申しておるわけでございますけれ
ども
、この
流通産業
においては、特にこの辺の感じが重要になっていると思います。どんどん
情報化
、そして無
店舗販売
のようなものもまたその
ハイテクノロジー
とともに出てまいると思いますけれ
ども
、それにもおのずから限界がある。逆に言えば、そういった
ハイテクノロジー
を活用することの裏側として、実は人間的な
触れ合い
というものが
流通
あるいは
商業
にとって今までよりももっと重要になってくるというふうに考えるわけでございます。そして、こういった
動き
というものを先導するというか、あるいは先取りするというか、そういう
役割
をまた
流通産業
が持っているわけでございまして、
ごろ合わせ
で恐縮でございますが、
ハイキャッチ
ということが必要ではないかと思います。そういう
意味
において、私
ども
、
商業
あるいは
流通産業
の
役割
は今後重要になってくるという
意味
で
エンカレッジ
をしたいということで、この
ビジョン
では
商業
の再発見というキャッチフレーズを提案いたしておるわけでございます。 それから、次に幾つかの
課題
に分けて御
説明
いたしますと、まず
消費者ニーズ
が
個性化
し、多様化しているということに関してでございます。
参考資料
の方は、表の三というものを見ていただきたいと思います。 従来の
流通政策
というものが、とかく
大量生産
、
大量販売
、
大量消費
という、いわば
消費者ニーズ
が量的な側面での
充足感
を求めておりましたし、
生産面
におきましてもやや少
品種多量生産
という
パターン
が六〇年代から七〇年代にかけまして
一つ
の型でございましたが、これが
変化
をしているということでございます。
消費者ニーズ
がどう変わっているかということは、「
家計消費構造
の
変化
」という表で見ますと、いわゆる
食料
のようなもの、あるいは被服の一般的な基礎的な
ニーズ
というものから、保健あるいは
交通
あるいは教育・教養、その他という、その他というところが非常にふえているわけですが、そのように質的に非常に
変化
をしているわけでございます。 それから、
サービス化
ということが現在行われておりますが、下の表を見ますと、
個人消費支出
の中において、財、物への
支出
と
サービス支出
との
変化
というものがございます。この中身を見る場合に、
名目値
で見る場合と
実質
億で見る場合と若干の差がございます。これは、財の方と
サービス
の方で
生産性
の向上の度合いが違うものですから、価格にあらわれてきまして、
名目
ではかなりの
サービス化
が進んでおりますが、
実質ベース
で考えますと、
サービス化
という
方向
にあるが、そのテンポはそれほど遠いわけではない、こういう表でございます。 ただ、これからは物の
販売
と
サービス
の
提供
ということが各独立して行われるというよりは、むしろ財の
販売
と
サービス
の
提供
ということが一緒になりまして
消費者
の購入になっていくというケースがふえてくるだろうと思いますし、
サービス
の
提供
のためにはそれなりのものが必要だという
動き
にもなっておりますので、単に、
サービス経済化
ということが単純に
サービス提供
の
ウエート
が増すということではなくて、物の
販売
と
サービス
の
提供
が
相互乗り入れ
をしていくというふうに私
ども
考えております。 それから、
消費者ニーズ
が
個性化
、多様化するわけですから、それだけ多
品種
少量
生産
というふうに
生産面
も変わっていくし、先ほどの
情報
というものを得まして
生産
をしていく必要がございます。 それから各
小売店
の
パターン
でございますが、ベーシックな
生活ニーズ
というものは近くの店で、そうしてまた一カ所に寄っていろんな選択ができる、こういう
動き
がございますので、
商店
の数よりは
商店
の大きさというものが大きくなっていくように求められているんではないかと思います。
婦人労働
が
労働市場
に参入されつつございますので、そういった
生活パターン
の
変化
ということもあるわけでございます。 一方、趣味とか余暇とか
文化
とか、そういうものになりますと、多分に
専門店
で買い物をするという風潮になってくると思います。
個性化
ということは非常に
専門店
を好む。そういう
意味
でこちらの方は、大きさは大きくなりませんが、むしろ小さいお店がたくさんできるということがこの
消費者ニーズ
への対応の
方向
ではないかと思っております。 それから
参考資料
の次の
ページ
をめぐりながら、
地域社会
との調和ということが、
流通産業
それ自体あるいは
流通政策
にとって重要ではないかと思うわけでございます。まさに
人口
が
大都市
はもとより、
地方
の
都市
にだんだんその
比率
を高めているという表が4の1表でございます。 これは世界的に
DID人口比率
というような
指標
を使いまして、いかに
人口
が
都市化
しているかということを示しているわけでございます。
DID
というものはどういうものかにつきましては、ちょっと注釈をつけておきましたので見ていただければと思いますが、この
指標
によりますと、
昭和
三十五年には四三・七であったものが五十五年には五九・七、そして、やがてこれが約七〇%
ポイント
までいくんではないかと思います。そして
都市化
が進む
程度
というものは、三
大都市圏
におきましては、おおよそ昔から東京、大阪というのは
都市化
しているわけですが、三
大都市圏
でも中核、
中小都市
あるいは特に
地方
における
中枢都市
というものもまた
都市化
の率が高こうございます。こういった点で
消費生活
が
都市
型になってくるというのが
一つ
ございます。 それから今までは
大都市
と
地方
とで
所得格差
、そしてその結果としての一
世帯当たり
の
消費支出
というものの
格差
がございました。したがって、
都市
における
消費動向
だけを見ていたんでは
日本
全体がわからないということだったんですが、最近では、全国における一
世帯当たり
の
消費支出
がよりバランスがとれてきた、その
格差
が少なくなってきたということでございまして、全国津々
浦浦
で
商業
あるいは
流通
というものが登場する、こういうふうに思うわけでございます。ちょっと表の見方は省略いたしますが、一
世帯当たり
の
消費支出
を見る限り、全国的に
大都市
と
地方都市
との
格差
がなくなっているということでございます。そういう
意味
におきまして、特に
地方
における
商店街
あるいは
流通産業
とその
社会
とのかかわりというものが重要になってくるということでございます。 まず
一つ
は、
都市
型の
消費生活
への
志向
ということでございますし、もう
一つ
は、そういった
都市
というものを
中心
にした
文化
、これが今後の
日本
の
社会
の
方向
であろうと思いますので、
商業
というものも、先ほどの
ハイタッチ
ではございませんが、
都市文化
というものへのかかわり、あるいは貢献というものがより一層必要になってくる。別の
言葉
で言いますと、
都市商業文化
というものが創造されるべきであり、その
意味
で
都市商業ルネッサンス
という
時代
を迎えている。その中における
流通産業
の
役割
は大きいということでございます。 そして
情報化
の
進展
とか
交通網
の
発達
とともにモータリゼーションということが起こりますので、
一つ一つ
の
商店街
、
一つ一つ
の
都市
というものの中の
努力
がないとお隣様の
都市
にお客様をとられてしまうという、いわば非常にきつい
競争環境
も出てまいるわけでございます。したがいまして、
一つ一つ
の
商店街
、
一つ一つ
の
都市
におきます御
努力
というものが一層重要になってくるんではないかと思います。 それから、私
ども商業調整政策
と大型店問題をやらしていただいておりますが、その場合におきましても、
都市計画当局
と私
ども都市商業政策
を担当する者との間の連携というものがますます重要になってくるんではないかと思いまして、
政策面
での
都市計画事業
、それから
商店街整備事業
、
大型店調整
、こういったものを総合的に推進していく必要があるというのが私
ども
の
認識
でございます。 それから、こういった
調整
というものとともに、
振興
、特に
中小小売業
の方々の
活性化
と
振興
というものもまた私
ども
の
流通政策
の大きな
課題
でございますけれ
ども
、こういった
都市商業ルネッサンス
の中において、
中小小売商
による自主的な
町づくり
というものを積極的に支援するための
コミニュティマート構想
というものを五十九年度の
予算
でお認めをいただいているわけでございます。
ページ
を次にめくっていただきまして、今度は
情報化技術
を
中心
にしました
流通技術
の
創造的開発
というものも、これまた
一つ
の
課題
でございます。
高度情報化社会
が胎動しておりますが、その中で
流通産業
というものはかなり変革を要求されるようになるのではないかと思います。
流通産業
における
情報化
を円滑に進めるためには、まず
流通データサービス
といいますか、
POS
というのがございます。各スーパーマーケット、
小売商店
に行きますと、
商品
に鮭が二十本ぐらい
大小マーク
としてついております。これが
ポイント
・オブ・セールスの略でございます
POS情報システム
でございますけれ
ども
、こういったことによって、どんな品物がどのくらい売れ、そして在庫管埋、
仕入れ管理
、お客さんの嗜好を直ちに知る
市場調査
、そういったものがたちどころに
コンピューター
に入れられまして分析される、こういうものでございますけれ
ども
、こういった
データ
がまず現在あるわけでございます。 なお、この
参考表
の5というところを見ていただきますと、
日本
における
コンピューター
の
実働台数
の中で
流通業
が所有している
シェア
が実に多いということに驚かされるわけでございます。五十八年三月、ちょうど一年前の
データ
でございますが、
日本
で
コンピューター
が入っている
台数
が十二万八千台、そしてその中の約四、五割の五万七千台が実は
流通業
が所有し、稼働をさせているという実態でございます。 それから、その次の
ページ
をめくっていただきますと、ただいま申し上げました
POS
というものがどのくらい活用されているかでございます。これは、まず会社で、うちは
POS
をつけようということになると、どの
商品
につけるかということで
商品ごと
に
コード
がつくわけですが、その
コード
の中には、これは国際的な
統一マーク
になっておりますので、見本はちょっとここにございませんが、
日本
の
マーク
、そして次に
メーカー
の
マーク
、そして
商品
の
コード番号
、こういうことになっておるわけでございます。 この表を見ていただきますと、五十八年から非常に大きな
伸び
を示しているわけでございまして、私
ども
約十年がかりでこの
POSシステム
の導入をやってまいりましたが、ようやくここへ来て実ってきたということでございます。 まず、
商品メーカーコード登録企業数
というものを見ていただきますと、今から二年前、下の方の五十七年三月のところを見ますと、何と二百十七
企業
がこれを採用しているだけでありましたのが、現在、五十九年四月のところを見ますと五千七百十
企業
がこの
登録企業
になっておる。ここのところ急速に
発達
をしているわけでございます。これは
製品
をつくる方、
メーカー
の方、あるいは
卸売業
など
自己ブランド
でやっている場合も含めているわけでございますが、
小売店
で
POSシステム
を導入しているという
店舗数
の表示が点線でございます。こちらも二年前は七十九
店舗数
でございましたのが、最近値では三千になっているわけでございまして、こちらの方もまた大きく
伸び
ていく
方向
にございます。これによって
情報
というものを一括して処理をしよう、こういうことにこれからなっていくものと思います。 ただ、その場合に、私
ども
はこの
情報化
というものの
進展
がとかく大
企業
の方が乗りやすいのではないかということで、むしろ大
企業
と
中小企業
との
競争力格差
がこの
情報化
という面であらわれてくることを恐れているわけでございます。現在この点を
認識
いたしまして、
中小小売業
あるいは
中小企業一般
への積極的な助成、
誘導措置
を講じていこうということで、ことしの
予算措置
な
ども
含めまして、今後とも行っていきたい重要な
ポイント
でございます。 それから、
POS情報
以外にCATVによる
双方通行
による無
店舗販売
ですとか、あるいはそういった
情報化
を活用した
販売方法
が出てくるとは思いますけれ
ども
、その辺が一体どのくらいの大きさで、どのくらいの時期にあらわれてくるかにつきましては、
産業構造審議会
におきます
勉強会
におきましても、なかなか見きわめにくいということで、結論がいまだ出ておりません。確実にやってくるだろうという
方向
ではあるが、その
程度
、その時期については、まだはっきりとわからないというのが正直なところでございます。 恐らくこの
情報化
の
進展
というものが
流通産業
において重要な
役割
を果たすであろうが、まずは工場におけるファクトリーオートメーションあるいは事務所における
オフィスオートメーション
という形が先に出てまいりまして、
流通産業
におきましても、
メーカー
と
卸売業
との間、あるいは
卸売業
と
小売店
との間という
情報
、あるいは
社内情報化
というものは行われると思いますけれ
ども
、
小売店
と
消費者
との間の
情報化
というものはもう少し後で出てくるのではないかと思います。ただ、そういう
方向
にはなるだろうということで勉強なり、
中小企業
と大
企業
とのギャップが生じないように現在からもう既にそのスタンスでいかなければいけない、こう思っている次第でございます。 それから、次の
課題
は、
組織化
とか、先ほど
商工委員会
でも御議論が出ました
製品輸入
というようなものでございます。まず、
中小企業
というものが
流通産業
におきまして圧倒的な
ウエート
を持っております。そういう
関係
から、この
中小小売業
というものの
地元密着性
あるいは
ニーズ
に直ちに、対応できる
小回り性
などの特性を生かしまして、新しい
流通産業
として発展をさらに続けていただきたいと思っておるわけでございますけれ
ども
、そのためには、先般来御
説明
いたしました
町並みづくり
ですとか、あるいは
文化
的な
志向
ですとか、そういったものも今後の
商店
の
近代化
の
要素
になってくるのではないかと思います。 いろいろアーケードをつくるとか
カラー舗装
をするとか、そういういわゆるハードなものも必要ですが、これからもう一歩進めまして、
町並みづくり
、
文化
的な
要素
を含めたソフトな面での
商業近代化
というものが必要になってくるという
認識
でございます。あるいは
情報技術
を有効利用するということもあります。そういった面で一軒一軒の
努力
にプラスして
組織
による
努力
が加わりますと一層現実的になるということでございますので、ひとつ新しい
方向
に向かっても従来以上に、
ボランタリーチェーン
とかあるいは
フランチャイズチェーン
とか、そういった
組織化
というものによって
中小
の
小売商店
が新しい
時代
に呼応できるようにしていくことが必要ではないかと思います。 七
ページ
の表6を見ていただきますと、現在までの
ボランタリーチェーン
の
動き
というものがございます。
食料品関係
あるいはその他を
小売
、
卸売別
に四つに分類してございますけれ
ども
、ボラシダリー
チェーン
に参加をしている
加盟店
の数は
ぐぐっと右上がり
に上がっているわけでございます。現在把握しておる五十七年度の
データ
で申し上げますと、五万七百七十三店ということになっておりまして、これが
昭和
四十一年度の
データ
の一万一千に比べまして五倍にふえているわけでございます。 ここで、真ん中辺の棒グラフの方を見てみますと、これは
ボランタリーチェーン
の数でございまして、これが五十四年度をピークにいたしまして減少いたしております。五十四年度には百五十三
チェーン
ございましたが、五十七年度には百二十八
チェーン
に減っておる。これはなぜだろうということでございますが、これは
統合化
による
効率化
ということの結果でございます。したがいまして、
加盟店
の方はふえている、
ボランタリーチェーン
の数は
統合化
が行われておりますためにやや減少しているということでございます。 それから、
フランチャイズチェーン
の方もまたふえております。こちらの方は四十八年度の方の
調査
からでございますが、現在、五十七年度の段階で
加盟店数
が二万五千三百十八店、それから
フランチャイズチェーン
の数が百六十四
チェーン
ということになっておりまして、
ボランタリーチェーン
とともに
フランチャイズチェーン
も現在
伸び
ておるということでございます。 それから、こうした
組織化
ということと裏腹の
関係
でございますけれ
ども
、優秀な人材に
流通産業
で働いていただきたい、また、働いて、
消費者ニーズ
に応じていただきたいと思うわけでございます。「事業は人なり」ということも言われておりますが、まさに個々の
商店
におきます優秀な人材、創造性に富んだ人材をふやしていきたい、そのために研修事業を実施しているわけでございますが、もう
一つ
、先ほどの
都市商業ルネッサンス
あるいは
町並みづくり
ということになりますと、やはり
商店街
のリーダーという方々がたくさんいらっしゃることが必要で、この
商店街
リーダーの育成ということも八〇年代の
流通政策
においては非常に重要なことになってくると思います。 それから、
参考資料
の最後の
ページ
でございますが、これは我が国の
製品輸入
額あるいは
製品輸入
比率
というものがどう
変化
しておるかということと、この
流通産業
の
役割
ということでございます。先ほどの
商工委員会
におきます御質疑は、基礎素材の
製品
の輸入ということでございましたが、消費財の輸入に。
流通業
あるいは
商業
がどうやって貢献するかということでございます。 現在、
日本
が世界の一割国家と言われまして、世界
経済
の動向とともに歩む、あるいは世界の国際
社会
へ貢献するということなしには
日本
の生存はないという
認識
でございますので、とかく
製品
を全部
日本
でつくっちゃうという
パターン
で来ましたが、いろいろ
消費者
の
ニーズ
も多様化していることを踏まえまして、外国のいい
製品
は積極的に輸入し
販売
するということを
流通業
の皆様方、御
努力
をしていただきたいというのが私
ども
の政策スタンスでございます。 ここのところ、この
データ
のとり方は、石油などの輸入額が減っておりますこともございまして、
製品
の輸入
比率
が少し上昇の
方向
にあります。この消費財、いいものは紹介し
販売
をしていただいて、
日本
の国際的な
役割
も
流通業
は果たしていただきたいということが国際化への対応ということめ
一つ
の主眼でございます。 以上、概略、
消費者ニーズ
への対応、
都市
商業
、政策としての考え方、
流通技術
の創造的な開発、それから柔軟な
流通
組織
の形成と国際化への対応という
課題
を通じまして、
流通産業
の
現状
を御報告させていただきましたが、最後の6というところに「
流通
近代化
の新展開と共存共栄への道」ということで、やや締めくくりをいたしたいと思います。 まず、
流通
近代化
ということは、一九六〇年代、七〇年代にかけての、私
ども
を含めましたキャッチフレーズでございました。その中身とするところは、合理化、
効率化
を進めることによってよりよい物を安く
販売
をすることでございました。特に
消費者
物価がやや上がりました一九七〇年初頭におきましては、こうした
流通
面でも物価対策をやっていこうという意識があったかと思います。 六〇年代におきましては、
大量生産
、
大量販売
、
大量消費
ということが
国民
生活の向上のために必要だという
認識
でございました。これからもそういった
効率化
という考え方は、
流通
近代化
の
一つ
の大きな
要素
として続行していくと思いますけれ
ども
、その内容というものが実は変わってくるわけでございます。従来の
大量生産
、
大量販売
、
大量消費
という
パターン
から、多
品種
少量
生産
ということに変わっていかなければ、
消費者
の
ニーズ
の
個性化
、多様化に呼応できない。それをこの
流通産業
が川上へ向かって
情報
を流すわけでございます。また、現場の
商店
におきましてもそういう意識を持たなければいけないわけでございますので、そういったことの観点から、私
ども
は、新しい
流通
近代化
の内容として、この
情報化
への即応ということを加える必要があるわけでございます。 それからもう
一つ
、この
流通
近代化
あるいは効率性ということだけで
流通産業
の
課題
は尽きるのであろうかということでございますが、先ほど来の
町並みづくり
でございますとか、
地域社会
との調和であるとか、
消費者
は即生活をしている人たちであるとか、そういうことを一般的に考えますと、その
社会
における
役割
あるいは
消費者
の
ニーズ
が、単なる物から
サービス
、
社会
的、
文化
的な
要素
を含めたものに展開をしていくということでございますので、
経済
的効率性という
ポイント
に、加えまして、その
社会
で
流通産業
が有効に機能する、こういった
社会
的有効性というようなものもまた必要な概念ではないかと思っているわけでございます。そして、大型店、
中小
小売店
あるいは各業種、業態別にいろいろ地域の
ニーズ
によりまして存在をいたしているわけでございますけれ
ども
、それが
地域社会
の構成
要素
として、そして全体を盛り上げる
要素
として、ひとつ共存共栄を図っていく必要があるのではないかということが、この
流通ビジョン
の
一つ
の大きな結論でございます。 私
ども
、この
流通ビジョン
を受けまして
流通政策
を行わせていただいておるわけでございますが、八〇年代というのは一般的に転換期であると言われております。明治以来百十年、追いつき型
近代化
で
日本
の
社会
が満身し、そして
日本
人の目標でありましたが、一九八〇年代の初頭におきまして、おおよそフローの
所得
は
欧米水準
になったわけでございます。それからまた、技術、生活面におきましてもほぼ欧米並み、あるいは技術の一部は欧米を追い越しておるような状況でございます。そういった面で
一つ
の歴史的な転換期が現在ではないかと思います。 また、技術面におきましては、新しい
情報化
あるいは新素材のような新しい技術革新の波が大きなうねりを持って来ております。これはまだ胎動期でございまして、一九九〇年代から二十一世紀に、かけまして花が咲くと思います。そういった面での
変化
、あるいは十九世紀のイギリスを
中心
にした石炭文明から二十世紀のアメリカを
中心
にした石油文明、そして二十一世紀に向かって、今度は
情報
文明とも呼ばれるような
社会
が先進国にやってくるのではないか。こういった大きな転換期にあるように思います。
流通産業
もそれに呼応しまして
一つ
の転換期に、ある。それだけこの
競争環境
、技術革新等、流動的でございますので、情勢の
変化
に応じまして
流通政策
をやっていきたい。現在、これだという決め手が、大体決められるものもございますが、まだ流動的なものもございますので、常に情勢の
変化
に応じまして対応をいたしていきたいというふうに思っておるわけでございます。 概要を御報告させていただきました。
後藤茂
3
○
後藤
小
委員長
次に、「
流通政策
の
現状
と
課題
」について、
経済
企画庁から
説明
を聴取いたします。佐藤物価
局審議官
。
佐藤満秋
4
○佐藤(満)
政府委員
お手元の
資料
によりまして、
経済
企画庁から「
流通政策
の
現状
と
課題
」につきまして
説明
させていただきます。 ただいま通産省の方から、
現状
及び将来の
流通
のあり方、見通し等を御
説明
ございましたが、それらを踏まえまして、我々がやっております
流通政策
の問題を御
説明
いたしたいと思います。 まず一
ページ
目の右の方を見ていただきますと、
流通
部門の
国民経済
に占める割合というのが書いてございます。これは先ほど通産省の方から御
説明
のありました
数字
によりますと、このパーセンテージが一五%ということでございましたが、ここにございますように、我々の場合は
流通
部門というところに卸、
小売
のほかに運輸、通信業を加えておりますので、大体二〇%強というところで把握しておるわけでございます。 それから、もう
一つ
コメントを加えておきますと、国内総
生産
、これが先ほどの通産省の
説明
とかなり額が違うじゃないかということでございますが、通産省の方は
実質
をとっておられまして、我々の方は
名目
をとっておりますので、そこのところが、例えば五十六年の場合、二百五十一兆という
数字
でこの二〇%の
数字
をはじき出しておるわけでございます。 このような
国民経済
にかなり大きな
ウエート
を占める
流通
部門につきまして、
経済
企画庁が取り組んでおる観点と申しますのは、主として
国民
生活及び物価の面からの
流通
問題という形で取り組んでおるわけでございます。 では、物価の面でどの
程度
の関連があるのかというのは、一
ページ
目の左の方に「機能別
流通
費の推計結果」というのがございます。これは、実は五十六年に推計しましたものでございまして、その後その推計をいたしておりませんので、ちょっと古い
数字
で御
説明
をいたします。 ここにございますように、五十年の産業関連表を使いまして、
流通
部門のコストがどの
程度
の
ウエート
を占めておるかというのを計算しております。これは総供給額——総供給額というのは、総
生産
額から輸出を引きまして、輸入を足した額でございますが、それに占める各段階別の
流通
コスト、例えば
生産者
段階における
流通
費、卸、
小売
における
流通
費等を足しまして、それを先ほど申しました総供給額の
比率
で見たものでございます。それで見ますと、合計のところにございますが、四十年が一八・三%、二割
程度
、それが四十五年で二〇%、五十年で二二%、約二
ポイント
ずつの上昇を示しておるわけでございます。この形で将来行くかどうかということでございますが、この趨勢で
伸び
るとすれば、五十五年は二四%という形で、
生産
の約四分の一
程度
が
流通
コストで占められるというようなことになるわけでございます。 このようなことからいたしますと、御案内のとおり、最近の五十八年度の
消費者
物価、CPIが一・九%の上昇、約二%でございますが、この
流通
部門の合理化、仮に一割いたしましても二・五%、二・四%という形で下がるわけでございますから、いかに物価に与える
流通
部門の合理化の影響が大きいかということがおわかりいただけるかと思います。この点から、
経済
企画庁といたしましては、
流通
問題に物価政策の観点からも取り組んでおるわけでございます。 では次に、二
ページ
に入りまして、政策絡みで申しまして、ではどういう形の物価政策、その中における
流通政策
にどう取り組んでおるかということでございますが、二
ページ
に、半庁、
経済
企画庁と申しますか
政府
が取り組んでおります物価政策の一覧表をまとめて書いてございます。 きょうは物価政策の御
説明
ではございませんので、ほかのところは簡単にいたしまして、
流通
絡みで申しますと、二番目の「供給の安定及び
効率化
対策」というところの下に「
流通
の合理化」というのがございます。ここにございますように、「一般的
流通
の合理化、個別物資
流通
の合理化」という形で物価政策絡みの
流通政策
を講じておるということでございます。そのほかのところはいわゆる物価政策絡みの総需要管理政策等々が書いてございます。 これを踏まえまして、それでは
流通
の合理化、ただいま申しました一般的
流通
の合理化、物資別の流適合理化の施策はどのようなものが講じられておるかというのが三
ページ
目に一覧表としてまとめてございます。「
流通政策
の概要」というのでございますが、「一般的
流通
の合理化」、「個別物資
流通
の合理化」という大きな二つの柱の中で、それぞれまた二つずつに分けてございます。
一つ
は物流の合理化、それから商的
流通
の合理化ということでまとめてございます。 物流の合理化につきましては、御案内のとおり、非常に間接的ではございますが、道路の整備に始まりまして、海上輸送、
流通業
務市街地の整備、これは法律もあるわけでございますが、物流拠点施設の整備、域内物流の合理化、効率的な輸送体制の整備というような形の、いわゆる物流面の合理化を図っておるわけでございます。 それから二番目の商的
流通
の合理化でございますが、これは先ほど通産省の方からも御
説明
がありましたように、最近の
情報化
というものを踏まえました各般の施策が行われておりましたり、それから、グルーピングと申しますか、そういうものを踏まえた施策でございますが、
流通
機能の高度化、
商業
立地の適正化、
流通
活動の適正化、
中小
商業
者の
近代化
、合理化というようなことを施策として行っておるわけでございます。 それから個別物資
流通
の合理化でございますが、これは後ほど詳しく農水省の方から御
説明
があるかと思いますが、
食料
品の
流通
の合理化、木材等の
流通
の合理化、その他、石炭、医薬品の
流通
の合理化、改善という形で行っております。 では、このすべての施策の
予算
をどのくらいの規模で行っておるかということでございますが、ここに
数字
は書いておりませんが、我々がこれを踏まえまして、これらすべてについて合計して計算いたしますと、約三兆円の
予算
を計上しておるということでございます。 今申しました三兆円というのは
流通
の合理化という施策からの総
予算
でございますが、四
ページ
に入りまして、他面それでは物価政策という観点からの
予算
がどのくらいあるかということでございます。これは毎年
経済
企画庁として取りまとめいたしまして国会の方にも御提出いたしておりますので、既に御案内のとおりの
数字
でございますが、五十九年度、本年度の
予算
規模で四兆三千億という
数字
でございます。このうち、先ほど申しました
流通対策
、これが約四百二十億、約一%
程度
でございますが、先ほどの三兆との絡み合いではどうかということになるかと思います。 先ほど申しましたように、
流通
関係
と思われる諸施策を足しますと三兆、それから物価政策という形から
予算
をつかまえますと四兆三千億ということでございます。
流通政策
、それから物価政策の観点からつかまえました部分でオーバーラップする部分がこの四百二十億ということになろうかと思います。ということは、直接的というか一義的に物価政策として絡んでくる
流通
予算
が四百二十億、そのほか、先ほど申しました三兆円からこの四百二十億を引きました
予算
が間接的にせよ物価絡みというか
流通
の合理化に寄与しているという
予算
になっておるわけでございます。 このようにかなりの額の
予算
が流適合理化に使われておりますが、
経済
企画庁といたしましては、この
予算
それぞれの執行に当たりましては、各省に今お願いしておるわけですが、
流通政策
に対する基本的な考えを、長期的な
経済
運営の方針、短期的な
経済
運営の方針の中でうたっておるわけでございます。 その
一つ
といたしまして、昨年八月に御案内のとおり「一九八〇年代
経済
社会
の展望と指針」という長期的な
経済
運営の指針を発表したわけでございますが、五
ページ
のところにそこの抄録を抜粋で
流通
部門だけを抜き書きしておきました。ここにございますように、ここにおきましても長期的な
流通政策
といたしまして、従来の施策に加えまして、今後も
流通
部門の一層の
効率化
と機能の拡充を図るための誘導もしくは市場機能の補完的施策を講じていくべきであるということをうたっておるわけでございます。 その中身は、
一つ
は
消費者ニーズ
に適応した
流通
機能の高度化の推進と、先ほど通産省の方から御
説明
のありました
方向
と一致しておるわけでございます。それから二番目に、物流面における
効率化
の推進ということでうたっておるわけでございます。詳しくは省略いたしますが、今言ったようなところが昨年の「八〇年代
経済
社会
の展望と指針」に盛られているところでございます。 このような形で、
経済
企画庁といたしましても
流通
の合理化のための施策を推進しておるわけでございますが、最近、御案内のとおり諸外国から
日本
の
流通
問題につきまして、これがNTBではないかとか後進的であるという趣旨の批判が出ております。ちなみに当庁でいろいろ諸外国との絡みでその辺のところの比較をしてみましたが、例えば諸外国から、
日本
の
流通
経路というのは長過ぎる、先進国に比べて長過ぎるというような批判がございます。確かにこれをつかまえる
指標
というのは難しいのでございますが、我々
一つ
試算してみましたのは、
小売
販売額
分の
卸売
の
販売額
という形の
比率
でその辺のところを把握してみますと、アメリカ、イギリス、フランス等の
比率
、これが約一・五でございますが、これに対しまして
日本
の場合五・二ということで約三倍ぐらいの、
小売
販売額
で割りました
卸売
額の
比率
がそうなっております。ということは、
日本
の場合一次、二次卸というような形での
流通
経路の長さを、この係数は表示しておるのではなかろうかというようなことは言えるかと思います。 それからもう
一つ
試算してみましたのは、絶対数といたしましての
商店数
、これは先ほど通産省の方からも御
説明
ございましたが、
日本
の場合百六十万ぐらいの
小売
の
商店数
がございますが、アメリカで見ますとこれが百三十万、市場規模がかなり向こうは大きいわけですから、英国で三十五万、フランスで六十万、西独で三十万というような形で
日本
は非常に多いということが言えるかと思います。ただ、市場規模との
関係
で見なければ、今の絶対数、
小売
の
商店数
だけで議論するというのは当を得た議論ではございませんので、仮に千人当たりの
小売店
の数ということを見ましても、
日本
の場合は十四軒ぐらいでございます。ちなみにアメリカの場合は六軒、イギリスも六軒、ドイツも六軒、フランスはちょっと多くなりまして十一軒ぐらい。
日本
よりも多いのは先進国のうちではイタリーが非常に多うございまして、
日本
の十四軒に対しまして十六軒ということで、イタリーだけが多いというようなことになっております。 こういうことで、
日本
の
流通
部門の合理化、
近代化
は今後も進めるべき問題であろうということで
経済
企画庁としても考えておりまして、
経済
企画庁の物価局の局長の諮問機関として
流通
問題研究会というのを設けまして、我々も
流通
問題の勉強をしておるわけですが、その報告を来月にでもまとめて発表したいというふうに考えております。 最後に
一つ
、当庁がかんでおります法律がございますが、先ほどちょっと申しました
流通業
務市街地の整備に関する法律ということで、
経済
企画庁とほかの五省庁で基本方針をつくるということになっておりますが、これにつきましての最近の実績を申し上げますと、一番最近時点では、本年の一月に広島の東部
流通業
務地区の追加という形で基本方針を変更いたしまして、いわゆる
流通業
務市街地等の込み合っている地域についての
流通
の合理化についての基本方針を作成したということがございます。 以上で
経済
企画庁を終わります。
後藤茂
5
○
後藤
小
委員長
次に、「
流通
行政の
現状
と
課題
」について、
公正取引委員会
から
説明
を聴取いたしますが、時間の
関係
でひとつ簡潔に御
説明
をお願いしたいと思います。奥村取引部長。
奥村栄一
6
○奥村
政府委員
平素
公正取引委員会
の業務につきましては、いろいろと御指導をいただいてありがとうございます。まずもってお礼を申し上げます。 早速御
説明
申し上げます。 近年の我が国
経済
を見ますと、産業構造の
変化
に伴いまして、
流通業
を含む第三次産業の
ウエート
の上昇、
役割
の増大が見られるわけでございますが、特に
流通
分野におきましては、
流通
系列化あるいは不当な取引慣行等競争政策上種々の問題がございますので、自由な取引の維持、促進とともに、取引の公正さを確保することが重要になってきておるわけでございます。 また、外国の方から、我が国の
流通
機構が閉鎖的であり、一種の参入障壁ではないかという御指摘もございまして、この面からも
流通
問題に取り組むことが要請されておるわけでございます。 このような中におきまして、
公正取引委員会
では、これまで
流通
問題に対しまして、
メーカー
の行う
流通
系列化の問題、例えて申しますと、再
販売
価格の維持でございますとか、一店一帳合い制、テリトリー制などにつきまして、独占禁止法研究会を設けまして理論的実証的研究な
ども
行っております。また個別の業種として、二十余りにつきまして業種、業態について
流通
実態
調査
を実施いたしまして、その実態の把握に努めるとともに、競争政策上問題があると認められる場合には、所要の是正指導をいたしてまいったわけでございます。 このほか、もちろん独占禁止法に違反する個別の事件に対しましても厳正に対処いたしておりまして、この面からも
流通
分野における公正かつ自由な競争の確保に努めてまいりました。 二
ページ
に参りまして、せっかくの機会でございますので、
流通
実態
調査
のうち主要なものの若干につきまして御紹介申し上げたいと思います。 まず、
メーカー
の
流通
系列化、
販売
業者に対する優越的地位の乱用に関する問題といたしましては、例えば自動車の押し込み
販売
、リベート制、テリトリー制などであります。あるいはまた家庭電器
製品
のテリトリー制、取引先の制限、化粧品につきましては、行き過ぎた美容部員の派遣、コーナー制といった問題がございます。これはそれぞれ、自動車については責任
販売
台数
制にするとか、白地手形制度を是正させるとか、リベートの是正を図るというふうなことを行いまして、家庭電器
製品
につきましても、競争制限的な契約条項の是正を行っております。化粧品につきましても、美容部員の派遣基準を設けるとか、コーナー設置基準の明確化などの指導をしております。 それから、大規模
小売業
者の納入業者に対する購買力、優越的地位の乱用に関する問題としましては、御存じかと思いますが、例の三越事件に代表されるものでございますが、百貨店、大型スーパーによる納入業者に対する押しつけ
販売
、協賛金の要請、こういった問題、あるいはカメラの量販店による手伝い店員の派遣の要請などがございまして、それぞれ是正のために、例えば自主規制基準をつくっていただいて、そのように実施していただく。あるいはカメラにつきましても、手伝い店員、協賛金に関する自主規制基準をつくらせる、こういったことで指導したわけでございます。 また、
小売業
者による不当な顧客誘引行為、不当廉売あるいは不当表示に関する問題でございますが、例えば眼鏡、腕時計、家庭電器
製品
につきまして
調査
を実施しまして、不当廉売に該当する事実は見当たりませんでしたけれ
ども
、例えば根拠のない比較対照価格を付すといういわゆる不当な二重価格表示がございましたので、これについて是正を警告するとともに、業界団体に対して、表示の適正化を図るよう会員を指導するように要望しております。 また、貿易摩擦に関連する問題といたしましては、諸外国から指摘のございました輸入自動車とか医療機器、スポーツ用品等につきまして実態
調査
を実施いたしたわけでございますが、その結果、国産品と輸入品との間につきまして差別取り扱いなどは見られず、独禁法上の観点から問題となる事実は認められませんでした。 そのほか、フランチャイズシステムなどにつきましても、
調査
をいたしまして、指導をいたしております。また、新聞業における
販売
の正常化につきましても、所要の指導をいたしておるわけでございます。 最後に、近時、
流通
分野において
情報
システムの高度化、多様化が急速に
進展
しまして、
流通
分野は新たな変革を見せているというふうに言われております。
公正取引委員会
としましては、このような新しい状況も踏まえまして、今後とも、
流通
分野における諸問題に対し、公正かつ自由な競争を促進する観点から、引き続き所要の
調査
、是正措置を講じていくつもりでございます。今後ともどうぞよろしく御指導をお願いいたします。
後藤茂
7
○
後藤
小
委員長
次に、「食品
流通
の
現状
と施策の概要」について農林水産省から
説明
を聴取いたしますが、一言で要点だけお述べいただきたいと思います。
古澤松之丞
8
○古澤
説明
員 お手元に配付しました
資料
でございますが、簡単に
ポイント
だけ御
説明
したいと思います。 まず、第一
ページ
でございますが、私たちの方は食品の
生産
から
流通
を所管しておるわけでございますが、食品産業の
現状
でございます。表で見ていただきまして、
食料
品製造業で全体の一一%、それから
卸売業
で二〇%、
小売業
では
販売額
で三〇%、店舗の数で四二%という
シェア
を占めております。先ほど
経済
企画庁さんの方でございましたが、
流通
の長さを
小売
と卸の
比率
で計算いたしますと、食品の場合は二・七倍となっております。 そういう
現状
を踏まえまして、私たちの方ではどういう政策展開をしているかということが次の二
ページ
でございまして、四つの点に分けて整理してあるわけでございますが、
一つ
は、
流通
の
効率化
の推進ということで、
情報
のシステム化、物的
流通
の
効率化
ということでございます。その次が、生鮮
食料
品の
流通
体制の整備ということで、産地出荷体制の整備、
卸売
市場の整備ということでございます。それから、
小売業
、
卸売業
の
近代化
。第四番目が公正取引と効率的な
流通
秩序の確保。そういう四点に整理してあるわけでございます。 その中の
効率化
の話では、特に具体的な話として私たちやっているわけでございますが、第一番目は、生鮮
食料
品に関する共通取引
コード
の設定でございまして、加工食品につきましては、雑貨と一緒に、先ほどお話ございましたように、
流通
システム開発センターで
コード
をつくっていただいておりますが、生鮮
食料
品についても検討を進めているということでございます。 第二番目は、
卸売
市場
関係
業者による
情報
処理システム化の推進でございまして、
関係
者を集めまして鋭意検討を進めているところでございます。 第三番目は、加工食品の
POS情報
を収集、加工して、
メーカー
、問屋等に還元するシステム化の推進でございまして、基本的には、
POS情報
、
小売
屋さんが一番
情報
を持っているわけでございますが、その
情報
を具体的に活用いたしまして、
メーカー
それから問屋も利用したいということで、その実験に着手しているわけでございます。 さらに、食品産業におけるニューメディアの活用ということも検討しているわけでございまして、その右側にございますように各種の
予算
をお認めいただきまして、鋭意検討を進めているところでございます。 三
ページ
に入りまして、物流の
効率化
でございますが、(ア)、(イ)、(ウ)というようなことがございますが、具体的に言いますと、三
ページ
の右側の「参考」にございますように、
食料
品問屋の共同輸配送システムの開発というようなことで、都内百貨店は大変混雑する場所にあるものでございますので、問屋さんが共同いたしまして、従来であると七台で毎日運んでいたものを一台で配送するというような実験をいたしまして、大変成果をおさめているのが
現状
でございます。 第四
ページ
に入りまして、生鮮
食料
品の
流通
体制の整備ということでございまして、
一つ
は、これは
中心
的に農林省がやっているわけでございますが、産地出荷体制の整備ということで、野菜の産地、果実の産地、それから畜産物、水産物、それぞれ産地につきましては、右にございますような
予算
を使いまして、総合的な施設整備をやり、合理化を図っております。 その次の
卸売
市場の整備でございますが、現在、第三次
卸売
市場整備基本方針に基づきまして鋭意やっておりまして、中央
卸売
市場それから
地方
卸売
市場、そのほかの
卸売
市場の施設の整備をやると同時に、金融につきましても、農林漁業金融公庫の資金等を使いまして、鋭意その合理化を図っているところでございます。 最後に、五
ページ
に参りまして、
食料
品卸
小売業
の
近代化
の促進というようなことで、総合
食料
品
小売
センターの整備であるとか、
小売
屋さんが共同でやりますストック
ポイント
の整備であるとか、外食向け食材のための施設の整備であるとか、もろもろの事業をやっておりますと同時に、生鮮
食料
品の
小売
屋に対しましては、
国民
金融公庫の特別貸付枠を設けまして融資も行っているところでございます。 第四番目は、公正取引と効率的な
流通
秩序の確保でございまして、これは具体的な指導の話でございますが、食品産業センター等におきまして取引改善
委員会
を設けるとか、量販店に対する指導を行うとか、ガイドラインの設定をやるとか、公取
委員会
との連絡を強化するというようなことで、鋭意合理化に努めているところでございます。以上でございます。
後藤茂
9
○
後藤
小
委員長
以上をもちまして
政府
からの
説明
聴取は終わりました。
政府
に対する質疑は後日行うことといたします。 本日は、これにて散会いたします。 午後零時五十七分散会