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工藤(晃)
委員 そういう答えだというのですが、通産省の行った
調査も、私の聞いたところではどこかに委託された
調査であろうと思いますし、リベートを乗せないで
調査をした場合と、乗せた
実態とまるっきり違うのですね。それからもう
一つは、さっき言った冷蔵庫ですが、百台か二百台かで格差が出てくる、そういうことをきちっとつかんだ上で、実際に仕入れた価格かどうかで、これはちょっとしたアンケート
調査ではなかなか出てこないわけです。
それで、公取の方で出されました「流通系列化に関する独禁法上の取扱い」、八〇年三月十七日の
報告書がありますが、この中にも、例えば松下電器のリベート体系というのが一種類から七種類ありまして、一種類と二種類だけでも七%に近いリベートがある。これを一々読んでいると大変なんですが、一種類というのは契約リベート、取扱高に比例する累進リベート、現金払いリベート、これが一種類と二種類なのですが、あと占有率リベートだとか七種類ありますから、これを合わせると十数%くらいになる可能性があるのです。ですから、一般的に言って数%といっても百台か二百台でさらに数%上乗せするであろうし、各種リベートを合わせると大体十数%から二〇%、こういう
実態になるということが容易に推測できるのです。
実は私、
公正取引委員長に対してもちょっと苦情を申し上げたいのです。せっかく家電の
調査をされているのですが、もとの資料は何かというと、公取自身の
調査ではなしに、電波新聞とか週刊エコノミストとか日経流通新聞、そういうたぐいのものに依拠した
調査であって、公取らしい
調査というのがない、通産省は通産省でどこかに委託してさせた簡単な
調査に終わっている、これはちょっとまずいのじゃないかというふうに考えるので、この仕入れ価格差、これが諸悪の根源だと小売商の団体の代表者も言っていることでありますから、再度これをもう少し
調査してほしいのです。
もう
一つ申し上げたいことは、先ほど流通革命ということを言いましたが、
アメリカでの独禁法の体系と
日本での独禁法の体系はもとより違うのが当然かもしれませんけれ
ども、
アメリカでは三つある法律の
一つのクレートン法の二条というのが、
アメリカで物すごい量販店の攻勢があった三〇年代にロビンソン・バットマン法というもので改正が行われました。これは量販店とかスーパーというのがメーカーから安く仕入れてくる、そうするとパパママストアは完全に困ってしまう、そういう差別価格は絶対許さない、専らこういう内容になっています。同時に、メーカーがそういう量販店とかスーパーに対して販売促進費だとかいってどんどんいろいろな援助をやる、これはリベートなどがそうですが、それも
禁止するということになっていて、いわゆる流通革命の中で量販店だとか大スーパーが安く仕入れることによってまるきり一般の店と違う
競争条件を持つ、これを抑える役割を果たしているのです。しかもその場合、先ほど何かコストというのは量の差とかいうふうに言われてしまいましたけれ
ども、本当に量の差としてこれだけのコストの差が出るのか、そのメーカーがちゃんと証明しなさい、それを証明しなければ違法であるということをはっきり出しております。それから販売促進費でも、さっきの松下の例のように、多く売ったら販売促進費が一%から二%、三%になるというように、率を上げることは絶対にいけないというように
禁止されています。そのくらい厳しくなっているわけです。
我が国の独禁法の中にも、差別の
禁止ということはもちろんちゃんと入っているわけでありますし、そしてまた、先ほ
どもお答えになったいわゆる流通革命とか言われる
状況が現に起きているわけでありますから、やはり仕入れ価格差が本当にコストに見合った差なのかどうか、リベートを含めて実際上これまでの小売商の
競争を阻害し、営業を苦しめるようなことのないようにする、これが
我が国の独禁法の精神になると思うのですが、そういう点で、これは公取
委員長にお答え願いたいのですが、やはり価格差別の問題というのは、今の新しい時点でもう一歩踏み込まなければいけないと思いますが、いかがでしょうか。