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1984-02-21 第101回国会 衆議院 商工委員会 第1号 公式Web版

  1. 会議録情報

    委員昭和五十八年十二月二十八日(水曜日) 議長の指名で、次のとおり選任された。       甘利  明君    浦野 烋興君       尾身 幸次君    奥田 幹生君       加藤 卓二君    梶山 静六君       粕谷  茂君    亀井 静香君       木部 佳昭君    岸田 文武君       高村 正彦君    近藤 元次君       田原  隆君    辻  英雄君       仲村 正治君    野田  毅君       原田昇左右君    深谷 隆司君       古屋  亨君    森   清君       渡辺 秀央君    奥野 一雄君       後藤  茂君    城地 豊司君       中村 重光君    浜西 鉄雄君       水田  稔君    横江 金夫君       和田 貞夫君    渡辺 嘉藏君       長田 武士君    木内 良明君       中川 嘉美君    日笠 勝之君       福岡 康夫君    青山  丘君       宮田 早苗君    横手 文雄君       小沢 和秋君    野間 友一君 十二月二十八日  梶山静六君が議院において、委員長に選任され  た。 ————————————————————— 昭和五十九年二月二十一日(火曜日)     午後零時八分開議 出席委員   委員長 梶山 静六君    理事 浦野 烋興君 理事 田原  隆君    理事 森   清君 理事 渡辺 秀央君    理事 城地 豊司君 理事 水田  稔君    理事 長田 武士君 理事 宮田 早苗君       甘利  明君    尾身 幸次君       奥田 幹生君    加藤 卓二君       粕谷  茂君    高村 正彦君       辻  英雄君    仲村 正治君       野上  徹君    野田  毅君       深谷 隆司君    古屋  亨君       綿貫 民輔君    奥野 一雄君       後藤  茂君    中村 重光君       浜西 鉄雄君    横江 金夫君       渡辺 嘉藏君    木内 良明君       中川 嘉美君    日笠 勝之君       福岡 康夫君    青山  丘君       小沢 和秋君    野間 友一君  出席国務大臣         通商産業大臣 小此木彦三郎君         国 務 大 臣         (経済企画庁長         官)      河本 敏夫君  出席政府委員         公正取引委員会 高橋  元君         公正取引委員会         事務局経済部長 佐藤徳太郎君         公正取引委員会         事務局取引部長 奥村 栄一君         公正取引委員会         事務局審査部長 伊従  寛君         公害等調整委員         会委員長    青木 義人君         公害等調整委員         会事務局長   海老原義彦君         経済企画政務次         官       山崎武三郎君         経済企画庁長官         官房長     窪田  弘君         経済企画庁長官         官房会計課長  遠山 仁人君         経済企画庁調整         局長      谷村 昭一君         経済企画庁物価         局長      赤羽 隆夫君         通商産業政務次         官       佐藤 信二君         通商産業政務次         官       大木  浩君         通商産業大臣官         房長      福川 伸次君         通商産業大臣官         房審議官    棚橋 祐治君         通商産業大臣官         房会計課長   山本 雅司君         通商産業省通商         政策局長    柴田 益男君         通商産業省貿易         局長      杉山  弘君         通商産業省産業         政策局長    小長 啓一君         通商産業省立地         公害局長    石井 賢吾君         通商産業省基礎         産業局長    野々内 隆君         通商産業省機械         情報産業局長  志賀  学君         通商産業省機械         情報産業局次長 児玉 幸治君         通商産業省生活         産業局長    黒田  真君         工業技術院長  川田 裕郎君         資源エネルギー         庁長官     豊島  格君         特許庁長官   若杉 和夫君         中小企業庁長官 中澤 忠義君  委員外出席者         商工委員会調査         室長      朴木  正君     ————————————— 委員の異動 一月十八日  辞任         補欠選任   亀井 静香君     野上  徹君 二月七日  辞任         補欠選任   近藤 元次君     綿貫 民輔君 同月十四日  辞任         補欠選任   甘利  明君     相沢 英之君   加藤 卓二君     村田敬次郎君   岸田 文武君     武藤 嘉文君 同日  辞任         補欠選任   相沢 英之君     甘利  明君   武藤 嘉文君     岸田 文武君   村田敬次郎君     加藤 卓二君     ————————————— 二月二十一日       浦野 烋興君    田原  隆君       森   清君    渡辺 秀央君       城地 豊司君    水田  稔君       長田 武士君    宮田 早苗君  が理事に当選した。     ————————————— 本日の会議に付した案件  理事互選  国政調査承認要求に関する件  通商産業基本施策に関する件  経済計画及び総合調整に関する件  私的独占禁止及び公正取引に関する件  鉱業一般公益との調整等に関する件      ————◇—————
  2. 梶山静六

    梶山委員長 これより会議を開きます。  この際、一言ごあいさつを申し上げます。  先般、私が商工委員長に選任されました。まことに光栄に存じております。  御承知のとおり、現在我が国経済及び産業を取り巻く内外の諸情勢は非常に厳しい状態にあります。各国に台頭しつつある保護主義を排除し、自由貿易体制維持強化のための秩序ある輸出入の施策総合エネルギー対策内需拡大等による経済安定成長及び高度情報化社会への対応等、緊急に解決すべき幾多の問題が山積しております。このときに当たりまして、本委員会に課せられた責務はまことに重大であると存じます。  微力ではありますが、練達堪能なる理事並びに委員各位の御支援と御協力を賜りまして、委員会の公正かつ円満なる運営を期してまいりたいと存じます。何とぞよろしくお願いを申し上げます。(拍手)      ————◇—————
  3. 梶山静六

    梶山委員長 これより理事互選を行います。  理事の員数は、その数を八名とし、委員長において指名するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 梶山静六

    梶山委員長 御異議なしと認めます。  それでは、委員長は       浦野 烋興君    田原  隆君       森   清君    渡辺 秀央君       城地 豊司君    水田  稔君       長田 武士君    宮田 早苗君をそれぞれ理事に指名いたします。      ————◇—————
  5. 梶山静六

    梶山委員長 次に、国政調査承認要求に関する件についてお諮りいたします。  通商産業基本施策に関する事項  中小企業に関する事項  資源エネルギーに関する事項  特許及び工業技術に関する事項  経済計画及び総合調整に関する事項  私的独占禁止及び公正取引に関する事項  鉱業一般公益との調整等に関する事項以上の各事項につきまして、議長に対し、国政調査承認を求めたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  6. 梶山静六

    梶山委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。      ————◇—————
  7. 梶山静六

    梶山委員長 通商産業基本施策に関する件、経済計画及び総合調整に関する件、私的独占禁止及び公正取引に関する件並びに鉱業一般公益との調整等に関する件について調査を進めます。  この際、通商産業大臣から、通商産業基本施策について所言を聴取いたします。小此木通商産業大臣
  8. 小此木彦三郎

    小此木国務大臣 一言ごあいさつ申し上げます。  このたび通商産業大臣を拝命いたしました小此木彦三郎であります。よろしくお願い申し上げます。  第百一回国元における商工委員会の御審議に先立ちまして、通商産業行政に対する私の所信の一端を申し上げます。  我が国をめぐる国際環境を見ますと、世界経済は、二度にわたる石油危機による深刻な不況から脱し、ようやく回復に向かいつつあります。しかしながら、欧米諸国における保護主義圧力の高まり、発展途上国等の累積債務問題、不安定な中東情勢に見られるように、世界経済は依然として困難な課題を抱えております。最近とみに進行してきた世界経済における相互依存関係の深化と構造的変化は、戦後の世界繁栄を支えてきた国際経済関係を律する枠組みを見直すことさえ必要としております。我が国としては、世界の一割国家としての強い自覚を持って、欧米諸国とともに、自由貿易体制維持強化のための新たなるルールづくり世界経済活性化に積極的かつ具体的な貢献を行わなければならないと考えております。  国内面においても、現在我が国経済社会は、一つの歴史的転換期に差しかかっております。すなわち、情報技術中心とする先端技術分野における技術革新飛躍的進展は、産業面のみならず、社会全般に大きな変革をもたらしつつあります。これまでの近代化への過程においては、革新的動きはまず欧米諸国経験され、我が国はその経験を教訓とし、あるいはその成果を吸収しつつ対応してまいりました。しかし、今や、我が国自身経済社会変化先端に位置することとなっております。これらの変革の兆しをみずからのものとしてとらえ、活力ゆとりのある社会実現するため、英知と創造力を持って未知の分野にも積極的に挑戦していくことが必要であります。  国民ニーズも個性を充足するような生活質的充実に向かっております。このような多様なニーズに対応する選択機会を提供し、ゆとりある生活社会実現し支えるという観点に立って、政策制度を見直すとともに、豊かさを支える諸要素を認識し、その基礎を確固たるものとしていくことが必要であります。  以上申し述べましたように、現在我が国は、内外両面において、かつてないほどの大きな変革経験しつつあります。このような変革を踏まえつつ、来るべき二十一世紀に向けて我が国繁栄の礎を築き上げていくことは、時代が我々に課した責務であります。  私としては、以上のような認識のもとに、以下の六点を中心とした通商産業政策全力を挙げて推進してまいる所存であります。  最近の我が国経済は、米国中心とした先進国経済回復から、昨年来、徐々に輸出が増加し、これに加えて、国内需要にも一部に持ち直しの動きが見られます。これらを受けて生産が増加し、雇用情勢が改善するなど、景気は緩やかながら着実に回復してきております。しかしながら、業種別地域別には、なお、ばらつきが見られ、他方、対外面では、輸入が増加の傾向を示しているものの、依然として経常収支の大幅な黒字が続いております。  このような景気回復を一層確実なものとし、対外均衡を図りつつ、内需中心とした息の長い安定した経済成長を定着させていくため、昨年十月に決定した総合経済対策を着実に実施していくとともに、今後とも、機動的かつ適切な経済運営に努めてまいる所存であります。  次に、中長期的観点に立って見ますと、現在進みつつある技術革新は、産業社会に画期的な変化を与えつつあります。このような技術革新を中核として、創造性豊かな産業社会実現すべく、その環境整備全力を尽くしてまいりたいと考えております。  中でも情報関連分野における技術革新は、産業革命にも匹敵するような変化をもたらしつつあります。我が国は、工業化社会においては、世界に誇るべき繁栄をおさめ得たわけでありますが、これが直ちに新たな情報化社会での繁栄を保証するものではありません。来るべき高度情報化社会構築に当たっては、細心の注意を持って工業化の成功をもたらした諸要因を受け継いでいくことが必要であります。私としては、このような認識のもとに、第五世代コンピューター開発を初め、情報化社会の形成に必要な技術開発推進するとともに、民間の自由な創意と活力最大限に生かされるよう、高度情報化社会にふさわしい制度の見直しと新たなルールづくり等基盤整備に取り組んでまいりたいと考えております。ソフトウエアにつきましては、その法的保護制度を確立すべく、現在プログラム権法案の提出を検討しているところであります。また、地域産業社会ニーズに即応する情報システム構築を図るニューメディアコミュニティー構想推進にも力を入れてまいりたいと考えております。  バイオテクノロジー、ファインセラミックス、新材料、エネルギー関連技術資源探査衛星等の新時代を切り開く技術開発促進は、我が国にとって将来の活力に満ちた創造的社会実現を約束するばかりでなく、世界経済の新しいフロンティアを開拓するものであります。このような技術開発については、今後とも、産学官有機的連携という基本方針のもと、民間企業活力最大限に発揮されるよう適切な支援を行うとともに、民間部門のみでは、リスクの大きさ、研究期間の長さなどから、達成が困難であるような技術開発について、政府みずから開発に取り組んでまいることといたしております。さらに、世界経済活性化に積極的に貢献していくという観点から、国際研究協力にも力を入れていく考えであります。  特許制度は、技術開発成果を適時かつ的確に保護することにより、技術開発を支える制度的基盤を形成しております。しかしながら、活発な技術開発の反映として、現在、出願の累増等により、審査期間が長期化しつつあり、近い将来、制度本来の任務を果たし得なくなることが予想されます。このため、総合的コンピューター化によるペーパーレスシステムの構築中心としてこの問題の抜本的解決を図るべく、その財政基盤確保するため、特許特別会計を創設してまいりたいと考えております。  経済社会がその若さを持続する力の源泉は、健全で活力のあふれる産業活動であります。この点で設備投資の停滞は大いに懸念されるところであります。このような認識のもとに、我が国経済が抱える構造的問題の解決及び内需中心の健全かつ安定的な経済成長実現のため、エネルギー効率的利用中小企業メカトロニクス機器等導入テクノポリス地域への企業導入等を目的とする投資減税を創設することとしております。  さらに、繊維産業につきましては、多品種少量短サイクル化進展等に対応するため、昨年取りまとめられた、いわゆる新繊維産業ビジョンを踏まえ、繊維産業先進国型産業への脱皮を目指すことといたします。このために、繊維工業構造改善臨時措置法の一部を改正する法律案を提出することとしております。  また、基礎素材産業につきましては、特定産業構造改善臨時措置法の運用を通じて、引き続き民間構造改善活性化への自助努力支援することとしております。  現下の世界経済は、昨年来の原油価格の低下、インフレーションの鎮静化背景として、米国中心として景気回復への動きが見られるものの、さきに申し述べましたように、欧米における失業問題、発展途上国等累積債務問題等課題を抱えております。とりわけ、欧米諸国では、貿易赤字等背景に、保護貿易主義が高まる気配すらうかがわれます。かかる状況のもとで、政府は、内需中心成長実現と、輸入促進市場開放により貿易拡大均衡を図るとの観点から、昨年十月に総合経済対策を決定し、その着実な実施を図ってまいることとしております。  自由貿易体制のもとで、世界経済の一割を占めるに至った我が国は、今や、自由貿易維持拡大世界経済への貢献という視点に立った積極的行動が求められております。かかる観点に立って、私は、本年二月に開催された四極貿易大臣会合において、米、加、EC貿易担当大臣と、世界経済の現状及び今後の世界貿易体制のあり方について積極的な意見交換を行ってまいりました。特に、総理が提唱された新しい多国間の国際ルールづくりのための交渉、いわゆる新ラウンドについては、私から、その準備に積極的に取り組むとともに、発展途上国を含め幅広く国際的合意を形成していくことが必要であることを指摘し、参加閣僚は、その開始に向けて努力していくこととなりました。これに先立って、ブッシュ副大統領を初め米国首脳と、日米間における懸案の諸問題について自由かつ率直な意見交換を行ってまいりました。  これらの会談を通じ、米国首脳及び主要先進国貿易担当大臣が、国内保護貿易主義を抑制すべく真剣な努力を払っていることを強く実感してまいりました。私としても、対外経済関係の諸懸案解決のため全力を尽くすとともに、世界自由貿易体制維持発展を図るために、欧米諸国と協調しつつ、最大限努力を払ってまいる所存であります。  発展途上国との相互依存関係が深まる中で、我が国は、その国際的責務として、経済協力積極的拡充を求められております。このため、新中期目標のもとで民間活力をも活用しつつ政府開発援助を拡充するとともに、貿易投資を通じた協力を積極的に推進する考えであります。また、累積債務問題に適切に対処し得るよう、保険てん補率の引き上げ、債務救済措置に伴う資金調達円滑化等輸出保険制度機能充実を図るため、輸出保険法及び輸出保険特別会計法の一部を改正する法律案を提出することとしております。  最近のエネルギー情勢を見ますと、二度にわたるオイルショックによる世界経済の低迷と、石油消費国における省エネルギー代替エネルギー進展により、現在、石油需給緩和基調にあります。しかしながら、中東情勢は依然不安定であり、また、今後の世界経済成長を見込むと、中長期的には、石油需給は再び逼迫化するおそれすらあります。むしろ、現在のような需給緩和期にこそエネルギー安定供給のための努力を地道に進めていくことが肝要であります。このような認識のもとに、エネルギーコスト低減への要請にも配慮しつつ、セキュリティーの確保基本として、着実かつ計画的なエネルギー政策推進により資源エネルギー制約の克服を図ることとしております。  そのために、具体的には、まず、エネルギーの最大の供給源である石油安定供給確保するため、石油精製設備高度化推進するとともに、石油産業集約化促進して、内外情勢に的確に対応した構造改善実現を目指してまいります。同時に、石油開発の着実な推進を図るとともに、不測の事態に備えるための石油備蓄推進することといたしております。  次に、省エネルギー及び石油代替エネルギー推進について、エネルギー利用効率化等投資促進税制を創設する等、税制金融上の措置充実させるとともに、技術開発の重点的な推進を図ってまいります。また、原子力石炭、LNG、水力、地熱等石油代替エネルギー開発導入促進については、昨年十一月に改定された石油代替エネルギー供給目標実現に向けて一層の努力を傾けてまいります。特に、原子力発電については、安全性確保に万全を期し、国民各位の御協力と御理解を得て、電源立地核燃料サイクル事業化推進してまいる考えであります。この点、先般の米国訪問においてホデール・エネルギー長官意見交換を行い、我が国濃縮工場建設に対する十分な配慮を確認することができたことは、極めて有意義であったと考えております。  去る一月、三池炭鉱におきまして、痛ましい事故が発生いたしました。この場をおかりして改めて犠牲者の方の御冥福をお祈りするとともに、御遺族の方に衷心より哀悼の意を表する次第であります。政府といたしましては、三池炭鉱坑内火災災害対策本部を十九日発足させ、各省庁御協力のもとでの災害対策に直ちに着手するとともに、政府調査団を派遣し、私自身現地事情を直接把握するため、二十日現地に赴いたところであります。今後、学識経験者から成る事故調査委員会協力を得て、事故原因徹底究明を行うとともに、再びこのような事故の起こることのないよう万全を期してまいる覚悟であります。  以上のように、エネルギー政策はなお多くの課題を抱えておりますが、その財源を構成する石炭並びに石油及び石油代替エネルギー対策特別会計石油税収が、原油価格引き下げ等により大幅に減少しております。そのため、歳出面における徹底的な節減、合理化に努め、施策効率化重点化を図るとともに、どうしても不足する財源につきまして必要最小限度財源措置を講ずることと促した次第であります。  我が国経済発展にとって、中小企業はその原動力として極めて重要な役割を果たしてまいりました。それぞれの中小企業の地道な経営努力が、今日の経済大国としての我が国の礎を築いたと言っても過言ではないと思われます。全事業所の九九%以上、全従業者の八一%を占める中小企業の健全な発展なくして、我が国経済の真の発展はあり得ません。  その中小企業は、今日、国民ニーズ多様化技術革新進展という環境変化の中で、機動性と旺盛な企業家精神を持って大きく活躍し得る機会を与えられております。かかる状況のもとにおいて、以下のような施策全力を挙げて取り組む所存であります。  第一に、中小企業活性化を図るため、多様化する組合に対するニーズに対応するよう、組合事業範囲等を見直し、組合機能充実強化を図ることといたします。そのための中小企業等協同組合法及び中小企業団体の組織に関する法律の一部を改正する法律案を提出することとしております。また、新分野の開拓の担い手としてのベンチャービジネス振興を図るため、研究開発促進を初めとして総合的な施策推進することとしております。  第二に、中小企業経営基盤充実を図るため、政府系金融機関による資金調達円滑化下請中小企業対策小規模企業対策等に努めることとしております。また、税制面においては、中小企業技術体化投資促進税制を創設し、情報関連機器導入促進することにより中小企業近代化促進してまいる考えであります。  第三に、中小商業サービス産業振興を図りたいと考えております。このため、中小売商業について、コミュニティーマート構想推進を積極的に講じてまいることとしております。また、大型店の出店調整問題については、いわゆる八十年代流通ビジョンを踏まえ、従来講じてきた措置を引き続き継続することとし、商業調整のより適正かつ円滑な運営を図るため、現行調整制度充実を行ってまいる所存であります。  産業社会活力ゆとりを与えるためには、大都市圏への産業の過度の集中を避け、地域において安定した雇用機会を創出し、自立的で魅力ある地域経済社会を形成することが不可欠であります。  地域における産学住有機的連携実現し、先端技術産業導入地域企業技術高度化を図ることにより、新しいまちづくりを目指すテクノポリ又構想は、まさに二十一世紀を展望した新しい方式であります。先般、具体的な開発計画承認に向けて、各地域に対し、残された課題を提示したところでありますが、今後とも、法律の円滑な施行に努めるとともに、各地域の自主的努力を前提として、税制金融等の手段によりこの構想を積極的に促進する所存であります。  また、消費生活多様化に対応して、消費者信用行政の拡充を図ることとしております。具体的には、近年伸長の著しい販売信用取引の健全な発展を図り、豊かな消費生活実現を期するとともに、販売信用取引をめぐるトラブルを未然に防ぐべく、割賦販売法の一部を改正する法律案を提出し、消費者保護に万全を期することとしております。  さらに、快適な生活環境を実現するため、環境の保全、産業保安、住宅関連技術開発を積極的に推進する所存であります。  行政改革は、二十一世紀を展望した国づくりの基礎固めのための不可欠のものであり、真剣に取り組むべき課題であります。このような基本姿勢のもと、今回、工業品検査所と繊維製品検査所との統合を行うとともに、機械類信用保険業務を中小企業信用保険公庫に移管し、今後予想される事業規模の拡大に対する円滑かつ弾力的対応を図るため、機械類信用保険法の一部を改正する法律案を提出することとしております。  私は、以上のような考え方に沿って、諸般の施策を展開してまいる所存であります。しかしながら、現在、通商産業行政の直面しております諸問題は、いずれも国民各層、各位の御理解と御協力なくしては克服できないものばかりであります。  委員各位におかれましても、一層の御理解と御協力を賜りますようお願い申し上げます。(拍手)
  9. 梶山静六

    梶山委員長 次に、経済企画庁長官から、経済計画及び総合調整について所信を聴取いたします。河本経済企画庁長官
  10. 河本敏夫

    ○河本国務大臣 私、このたび、経済企画庁長官を務めることとなりました。どうぞよろしくお願いを申し上げます。  我が国経済の当面する課題経済運営基本的な考え方につきましては、さきの経済演説において明らかにしたところでありますが、当委員会が開催されるに当たりまして、重ねて所信の一端を申し述べたいと存じます。  激動する内外経済情勢のもとで、我々が目指すべき経済運営基本的な課題は、国民生活充実向上を図るとともに、世界経済に積極的に貢献することであります。このためには、我が国経済の潜在的な活力を十分に発揮させるような経済運営を行う必要があります。我が国経済は、物価の安定、高い貯蓄率等の好条件に恵まれており、経済政策のよろしきを得れば、我が国経済活力を一層引き出すことは、十分可能と考えております。また、このことによって、行財政改革の円滑な推進も、対外経済摩擦問題の基本解決もより容易になるものと考えます。特に、現在は、世界経済我が国経済回復基調にあり、我が国経済の潜在的な活力を引き出していく、まさにその好機であると考えます。  さて、世界経済は、総じて、第二次石油危機を契機とした三年続きの不況から脱却しつつあります。その原動力は、アメリカを中心とした先進諸国の景気回復であります。しかし、欧州諸国を中心とした高水準の失業、アメリカの金利の高とまり、発展途上国の債務累積等の困難は続いており、保護貿易主義的傾向は衰えを見せておりません。このような中で、我が国経済は、昨年春以降、緩やかながら着実な回復過程にあります。しかし、対外面では、経常収支は大幅な黒字が続いております。  このような内外経済情勢のもと、昭和五十九年度の経済運営に当たっては、特に次の諸点を基本としてまいりたいと考えております。  第一は、国内民間需要を中心とした景気の持続的拡大を図るとともに、雇用の安定を確保することであります。  昭和五十九年度の我が国経済は、実質で四・一%程度成長することを見込んでおりますが、今後の内外経済の動向いかんによっては、我が国民間経済もさらに勢いを増す可能性もあり、引き続き、民間経済活力最大限に生かすような適切かつ機動的な経済運営に努めてまいりたいと考えております。  財政面では多くを期待し得ない現状でありますが、今後とも、景気情勢に即応して、適切かつ機動的な財政運営を図るべきことは言うまでもありません。さらに、国内需要の拡大を図るためには、民間経済活力最大限に発揮されるような環境の整備を行うことが重要であります。このためには、特に、金融政策について、現在なお存在する種々の制約条件の改善を図り、その機動的運営確保されるよう努めていく必要があります。  第二は、物価の安定を図ることであります。  経済政策を進める前提条件として、物価の安定は絶対に必要なものであり、また、物価の安定なくして活力ある福祉社会実現は望めません。  最近の我が国の消費者物価は、前年度比上昇率二%前後と、近年にない安定ぶりを示しております。政府としては、今後とも物価の動向に細心の注意を払いながら、機動的な政策運営に努め、公共料金についても物価及び国民生活に及ぼす影響を十分考慮して、厳正に取り扱っていくことにより、物価の安定基調を維持したいと考えております。この結果、五十九年度は、卸売物価一%程度、消費者物価二・八%程度の上昇にとどまるものと見込んでおります。  また、国民生活の安定と向上を図るため、各種商品、サービスの安全性確保、消費者取引の適正化、その他消費者利益の擁護、増進のための所要の施策を進めてまいる所存であります。  第三は、調和ある対外経済関係の形成と世界経済への貢献であります。  保護貿易主義の高まりが懸念される中で、我が国は、率先して自由貿易体制維持強化を図り、調和ある対外経済関係の形成と世界経済活性化への貢献を図っていく必要があります。このような状況のもと、我が国は、内需の拡大による輸入の増加を図って世界経済を相互に拡大していくとともに、円の適切な対外価値の維持に努めることが重要であります。こうした観点から、政府は、一連の市場開放対策を決定し、関税率の引き下げ、輸入検査手続等の改善、輸入促進等の努力を払ってきたところであります。また、資本流入の促進、円による国際取引の促進金融、資本市場の環境整備にも努めることといたしております。  また、我が国が平和国家として国際社会へ積極的に貢献をしていくためには、経済協力推進が肝要であり、新中期目標のもとにその一層の充実と効率、効果的推進に努めてまいります。  今後の我が国経済社会は、国際環境経済活動、国民生活の各面で、多重的に変化していくものと考えられますが、これらの変化に対し、積極的、創造的に対応していくことにより、経済社会の安定と発展を目指していかなければなりません。このためには、中長期の経済運営については、昨年八月に決定した「一九八〇年代経済社会の展望と指針」をよりどころとして、経済環境の変化に即応した諸般の施策を適切に推進していく必要があります。  以上、我が国経済の当面する課題経済運営基本的な考え方について所信を申し述べました。  我が国経済は、解決すべき幾多の困難を抱えておりますが、困難を克服していく旺盛な活力を有しており、戦後三十有余年、すぐれた適応力を発揮し、多くの困難を乗り切ってまいりました。昭和五十九年度は、物価の安定、世界経済回復等の条件を生かし、創意と工夫を重ねることにより、持続的安定成長への道を切り開くことが可能な年であると確信をいたします。  本委員会の皆様方の御支援と御協力を切にお願いする次第であります。(拍手)
  11. 梶山静六

    梶山委員長 以上で両大臣の所信表明は終わりました。  この際、佐藤通商産業政務次官、大木通商産業政務次官並びに山崎経済企画政務次官から、それぞれ発言を求められておりますので、順次これを許します。佐藤通商産業政務次官。
  12. 佐藤信二

    佐藤(信)政府委員 昨年の暮れに通商産業政務次官を拝命いたしました佐藤信二でございます。  小此木大臣のもとに、大木政務次官と力を合わせて、微力ではございますが、通産行政の推進のために尽くしてまいる所存でございます。  委員長を初め、委員の各位の御指導と御鞭撻、御協力を心からお願いいたします。よろしくお願いします。ありがとうございました。(拍手)
  13. 梶山静六

  14. 大木浩

    ○大木政府委員 参議院の大木浩でございます。  昨年末に通産政務次官を仰せつかりました。ひとつ佐藤政務次官ともどもに力を尽くしたいと思いますので、よろしくお願い申し上げます。(拍手)
  15. 梶山静六

  16. 山崎武三郎

    ○山崎(武)政府委員 昨年末、経済企画政務次官を拝命いたしました山崎武三郎であります。  景気の持続的拡大を図るために、先生方の一層のお力を賜りますようにお願い申し上げる次第であります。  経済企画庁長官を補佐する立場として、今後とも一生懸命努力いたしますから、よろしく御指導、御鞭撻をお願い申し上げます。ありがとうございました。(拍手)。
  17. 梶山静六

    梶山委員長 次に、昭和五十九年度通商産業省関係予算の概要について説明を聴取いたします。佐藤通商産業政務次官。
  18. 佐藤信二

    佐藤(信)政府委員 昭和五十九年度の通商産業省関係予算案及び財政投融資計画につきましては、お手元の「昭和五十九年度通商産業省予算案等について」に詳細を記述してございますが、その大要を簡単に御説明申し上げます。  一般会計につきましては、予定経費要求額八千十五億三百万円でありまして、前年度当初予算額に比べ百八十八億六千三百万円、二・三%の減となっております。しかしながら、昭和五十九年七月から特許特別会計を創設することにしており、一般会計からの移行分を含め二百五十一億三千四百万円を計上しておりますので、これを含めますと八千二百六十六億三千七百万円となり、対前年度当初予算額に対し六十二億七千百万円、〇・八%の増となっております。  その他の特別会計につきましては、石炭並びに石油及び石油代替エネルギー対策特別会計予定経費要求額は五千七百七十一億九千二百万円で、前年度当初予算額に対し四十二億四千六百万円、〇・七%の減。  電源開発促進対策特別会計予定経費要求額は二千百八十三億一千九百万円で、前年度当初予算額に対し二百三十三億一千七百万円、一二%の増となっております。  また、輸出保険特別会計予定経費要求額は、資金運用部からの短期借入金一千百四十四億円を含め、三千七十一億七百万円を計上しております。  機械類信用保険特別会計につきましては、機械類信用保険業務を中小企業信用保険公庫へ移管することに伴いまして、十月から廃止することとしており、予定経費要求額百六億五千九百万円を計上しております。  アルコール専売事業特別会計予定経費要求額は、歳入四百二十三億一千万円、歳出三百七十一億六千三百万円を計上しております。  財政投融資計画は、総額五兆八千六百八十六億円でありまして、前年度当初計画額に対し九百十九億円、一・五%の増となっております。  以上が昭和五十九年度の通商産業省関係予算案及び財政投融資計画の概要でございます。何とぞよろしくお願いいたします。
  19. 梶山静六

    梶山委員長 次に、昭和五十九年度経済企画庁関係予算の概要について説明を聴取いたします。山崎経済企画政務次官。
  20. 山崎武三郎

    ○山崎(武)政府委員 昭和五十九年度の経済企画庁関係の予算及び財政投融資計画につきまして、その概要を御説明申し上げます。  総理府所管一般会計歳出予算のうち経済企画庁の予算額は三百十九億八千八百万円となっており、これは前年度予算額に比べて二百四億五千四百万円の増額であります。  また、財政投融資計画につきましては、海外経済協力基金に係る分として三千七百九十八億円を予定しております。  以下、重点事項につきまして、その内容を御説明申し上げます。  第一に、経済協力の積極的展開を図るために必要な経費として二百十億円を計上しております。  この内訳の主なものは、海外経済協力基金交付金二百九億九百万円であります。海外経済協力基金につきましては、経済協力の新中期目標のもとで政府開発援助の拡充に努めるため、事業規模として六千四百八十億円を予定しております。この原資としては、前述の交付金のほか、一般会計からの出資金が一千六百億円、資金運用部資金からの借入金が三千五百三十八億円、政府保証債が二百六十億円、自己資金等が八百七十三億円となっております。このうち一般会計からの出資金は大蔵省に計上しております。  第二に、物価政策推進に必要な経費として二十六億八千四百万円を計上しております。  この内訳の主なものは、生活関連物資の需給、価格動向の調査監視、その他、各省庁の所管する物価対策を機動的に実施するための経費二十五億九千三百万円等であります。  第三に、国民生活政策推進に必要な経費として二十五億五千六百万円を計上しております。  この内訳の主なものは、国民生活センターの運営に要する経費十九億五千七百万円等であります。  これらのほか、経済動向の調査分析、内外経済対策の推進、「一九八〇年代経済社会の展望と指針」に基づく諸政策推進等に必要な経費として十七億円を計上しております。  以上、五十九年度における経済企画庁関係の予算及び財政投融資計画について、その概要を御説明申し上げました。
  21. 梶山静六

    梶山委員長 以上で関係予算の概要説明は終わりました。  次に、昭和五十八年における公正取引委員会の業務の概要について説明を聴取いたします。高橋公正取引委員会委員長
  22. 高橋元

    ○高橋(元)政府委員 昭和五十八年における公正取引委員会の業務につきまして、その概略を御説明申し上げます。  昨年の我が国経済は、世界景気回復、物価の安定等を背景輸出や生産が伸びをみせるなど、緩やかながら着実に回復してまいりました。また、中長期的に見ますと、技術革新とともに経済のソフト化、サービス化が進展するなど、経済社会の構造変化には著しいものがあります。このような中で、民間活力が十分に発揮されるような経済環境の整備を行うことがますます重要になっており、公正取引委員会といたしましては、公正かつ自由な競争の維持促進により我が国経済活性化効率化を図るべく、独占禁止政策の適正な運営に努めてまいったところであります。  特に昨年は、独占禁止法違反事件の迅速な審査に努めるとともに、広報活動や業界に対する指導等により予防行政を推進いたしました。また、貿易摩擦問題に関係した各種の実態調査を行い、その結果を広く内外に説明したほか、下請取引を初めとする中小企業関係の取引の公正化に努めたところであります。  まず、独占禁止法の運用状況について申し上げます。  昭和五十八年中に審査いたしました独占禁止法違反被疑事件は三百四十四件であり、同年中に審査を終了した事件は二百四十五件であります。このうち、法律の規定に基づき違反行為の排除等を勧告いたしましたものは十二件、法的措置をとるには至りませんでしたが、警告を行いましたものは百二十九件であります。また、昨年における課徴金納付命令事件は十五件であり、合計二百三十五名に対し、総額十七億九千百八十六万円の課徴金の納付を命じました。  次に、届け出受理等に関する業務でありますが、合併及び営業譲り受け等につきましては、昭和五十八年中に、それぞれ一千五十七件、七百九件、合わせて千七百六十六件の届け出があり、所要の審査を行いました。  事業者団体につきましては、昭和五十八年中に成立居等千三百七十四件の届け出がありました。また、事業者団体の活動に関する事前の相談に対しましては、適切に回答を行うよう努めるとともに、相談事例を取りまとめて公表することにより違反行為の未然防止を図りました。  国際契約等につきましては、昭和五十八年中に四千二百六十三件の届け出があり、改良技術に関する制限、競争品の取り扱いの制限等を含むものについてはこれを是正するよう指導いたしました。  独占的状態に対する措置に関する業務といたしましては、ガイドラインの別表掲載の十三業種について実態の把握及び関係企業の動向の監視に努めました。  価格の同調的引き上げに関する報告徴収の業務につきましては、昨年中に価格引き上げ理由の報告を徴収いたしましたものは、鋼材六品目、バター、溶接棒、ビール及びウイスキーの計十品目でありました。  次に、経済実態の調査といたしましては、生産集中度調査、企業集団調査等を行いました。また、流通分野においては、医療用医薬品、腕時計等の業種別の実態調査に基づき、独占禁止法及び景品表示法上問題のある行為につきまして、所要の改善指導を行いました。  さらに、近年、貿易摩擦問題の一環として、我が国市場が閉鎖的ないし排他的であるとの諸外国からの批判があることにかんがみ、輸入品の流通実態、輸入総代理店や総合商社の事業活動の実態等につきまして、独占禁止法の観点から調査を行い、昭和五十八年四月、その結果を公表いたしました。  政府規制制度及び独占禁止法適用除外制度につきましては、我が国経済における民間活力を生かし、経済の効率性を高める見地から、引き続きその見直しのための検討を行いました。  独占禁止法上の不況カルテルは、エチレン、石綿スレート及びセメントの三品目について認可いたしましたが、昭和五十八年末までに終了しております。なお、独占禁止法の適用除外を受けている共同行為の数は、昭和五十八年末現在で四百六十八件となっておりますが、その大半は中小企業関係のものであります。  国際関係の業務といたしましては、OECD等の国際機関における会議に積極的に参加するとともに、アメリカ、EC等の独占禁止当局との間で意見交換を行うなど、国際的な連携の強化に努めました。  次に、下請代金支払遅延等防止法の運用状況について申し上げます。  下請事業者の保護を図るため、一千六の親事業者に対し、下請代金の支払い改善等の措置を指導いたしました。特に不当な値引き等の案件につきましては、値引き額を下請事業者に返還させるなど、重点的に取り組みました。また、親事業者及び親事業者団体に対して下請取引の適正化の要請を行うなど、法の周知徹底を図り、違反行為の未然防止に努めました。  最後に、不当景品類及び不当表示防止法の運用状況について申し上げます。  昭和五十八年中に同法違反の疑いで調査した事件は三千五百四十六件であり、このうち、排除命令を行いましたものは十二件、警告により是正させましたものは千二百八十二件であります。都道府県の行いました違反事件の処理件数は、昭和五十八年一月から九月末までで四千九百四十三件となっており、今後とも、都道府県との協力を一層推進してまいる所存であります。  また、同法第三条の規定に基づき、家庭用合成洗剤及び家庭用石けん業並びに不動産業における景品類の提供を制限する告示を制定いたしました。  事業者が自主的に規制するための公正競争規約につきましては、雑誌業における景品類の提供の制限に関する規約など十三件を認定し、昭和五十八年末現在における公正競争規約の総数は百十三件となっております。  以上簡単でございますが、業務の概略につき御説明申し上げました。今後ともよろしく御指導のほどお願い申し上げます。
  23. 梶山静六

    梶山委員長 次に、昭和五十八年における鉱業等に係る土地利用の調整に関する事務の処理概要について説明を聴取いたします。青木公害等調整委員会委員長
  24. 青木義人

    ○青木政府委員 公害等調整委員会が昭和五十八年中に行いました鉱業、採石業または砂利採取業と一般公益等との調整に関する事務につきまして御説明申し上げます。  初めに、鉱区禁止地域の指定に関する事務について申し上げます。  これは、各省大臣または都道府県知事の請求に基づき、鉱物を掘採することが一般公益または農業、林業その他の産業と対比して適当でないと認めた地域を鉱区禁止地域として指定するものでありますが、昭和五十八年中に当委員会に係属した事案は十五件であります。これを請求理由別に見ますと、ダム等の施設の保全に関するもの十四件、環境保全に関するもの一件であります。これらについて、通商産業大臣等関係行政機関の意見聴取、聴聞会の開催、利害関係人の審問等所定の手続をとるとともに、地形、地質、鉱床等の状況及び一般公益の具体的な内容について詳細に検討する等審議を進め、四件について処理を完了いたしました。  第二は、鉱業法、採石法、砂利採取法等に規定する特定の処分に対する不服については、専ら当委員会が審査庁として裁定を行うものでありますが、昭和五十八年中に当委員会に係属した事案は六件であります。これらの事案は、採石法、自然公園法等の規定による知事の処分に対するものであります。これらのうち、四件について裁定を行い、残り二件は審理中であります。  第三は、土地収用法等の規定に基づき、収用裁決等に対する不服申し立てについて主務大臣が裁決等を行う場合には、当委員会の意見を聞かなければならないこととされておりますが、昭和五十八年中に当委員会で処理手続を進めたものは五十四件あり、うち五十一件について処理し、残り三件については審査中であります。  以上が昭和五十八年中に公害等調整委員会が行ってまいりました鉱業、採石業または砂利採取業と一般公益等との調整に関する事務の概要でございます。  今後ともこれらの事務の処理に当たっては、法の趣旨にのっとり、審理を進めてまいる所存でありますので、よろしくお願い申し上げます。
  25. 梶山静六

    梶山委員長 以上で両委員会の業務の概要説明は終わりました。  次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。     午後零時五十九分散会