○田中(美)
委員 法律が変わらなくても
現行法でやるというのは、これは今まで全部やっていることじゃないですか。
予算が通りさえすればそれを全部そのままやるというんだったら、こんな
国会要らないじゃないですか。金がない、金がないって、年がら年じゅう金がない、金がないって、あなたもうそばかり言いなさんなよ。金がない、金がないなんて、全くもう金がないと言えば、それはもう
国会なんて要らないじゃないですか。もう
予算が通っちゃえばそれでいいということになるじゃないですか。何を言っていますか。それは
国会軽視ですよ。今までだって全部それでやってきているじゃありませんか。そんな
答弁はおかしいと思うのですね。
国会軽視ですよ。
それから、その次の
質問に進めていきますけれ
ども、この二枚目ですね。今の配付した文書ですね。まさに怪文書ですよ、これは。怪文書と言うより恫喝、インチキ文書と言ってもいいと思うのですけれ
ども、これの(三)のアというところにあります。ここに「政管健保の医療費支払いは、かなり窮屈なものとなります。」、こう書いてあるんですね。これは大うそじゃないですか。政管健保は現在黒字じゃないですか。そうでしょう。それで医療費が、もしこの
法律が通らなかったら七・五%医療費が伸びるかもしれないなんて、これは想定でしょう。伸びないかもしれないじゃないですか。これは吉村さんの想定でしょう。もしこれが通っても四・五%伸びるんだ、こう言っているわけですね、そちらは。そちらが言うことも先に言っておかないと時間がなくなりますのでね。国庫負担というのは一六・四%と
法律で決まっているわけですからね。今黒字なんですし、伸びるか伸びないかまだわからぬじゃないですか。流感だって起きるかどうかわからないし、それはわからないじゃないですか。わかりもしないうちから、金がない、金がないって。なくなってから言ってください、お金がないって。黒字のうちから、ない、ない、ない。それはもう間違っている。こんなことで、あなた、厚生省が自民党の
国会議員をだまかすというのはけしからぬと思うのです。(「だまされていないよ」と呼ぶ者あり)それはだまされているかだまされていないかはわかりません。しかし、だまかすような文書を出しているというのはけしからぬということなんですね。
その次に、同じ(三)のイとウですね。これを読んでみますと、こういうふうに書いてあります。「国保の医療費支払いは、保険者によっては遅延するものがでできます。」、こう書いてありますね。それからウの方は「老人保健事業に対する拠出金の支払いができない保険者もでてくると予想されるので、老人保健の円滑な運営が困難となります。」こう書いてあるのですね。これはまた大きなインチキじゃないですか、
渡部さん。保険者というのはこれは市町村をおどかしているわけですよね。第一、厚生省はどういう指導をしたのですか、保険者に。対して。吉村さん、一番よく御存じでしょう。去年並みに、国保の
予算は前年並みに決めなさいというふうにやっているわけでしょう。ですから、今は国保は前年並みにみんな立てているのですね。
予算を組んでいるのですね。そうしておいて、この
法案が通らなかったら、この
法案が通らなかったらじゃない、通ったら――よく
大臣、聞いていてくださいよ。通ったらですよ、国庫補助が現行より、現行は四五%でしょう、それが三八・五%に引き下げられるじゃないですか。そうすると金額にして約千七百億円削られるのです、通ったら。そうでしょう。
それから、退職者医療制度をつくった、だから医療費が軽減される。これは
大臣、すぐ言うかもしれないので、言うことは決まっていて、さっきから何遍も同じことを言っているから、私の方が先に言います。時間がどんどん過ぎていきますのでね。これは金額一千億円でしょう。そして、七百億円というのはこの
法案が通ったら減るのですよ。通らなかったら国保は助かるのですよ。これは老人医療費もそうです、国保でやるわけですからね。そうすると、この
法案が通ったら、国保はもっと困るのですよ。それなのに、ここでは、保険者に払わなくなるかもしれないと言っている。これが恫喝でなくて何でしょう。まさに恫喝だと私は思うのです。こんな怪文書を流すなんということはけしからぬというふうに思うのですよ。
それからまだあります。これは(四)ですね。これは全部やりたいのですけれ
ども、時間がありませんので、私のはらわたが煮えくり返るところをちょっとやっているのです。(四)のここを見ますと、「また、医療
関係者の一部には診療報酬の改定を期待する声もありますが、これに応ずることも全く不可能となります。」、「全く不可能となります。」、一体この言葉は何ですか、
大臣。こんなことを知ってて書いているのですか。診療報酬というのは
国会が決めるのじゃないでしょう。診療報酬の改定は法改正ではないでしょう、中医協で話し合って、それを省令で決めるのでしょう。ですから、今の医師の技術料がいかに低いかということはこれは今非常に問題になっているのですね。だから医者が薬でもうけるんじゃないかというようなことも言われているのは技術料が低いからと言っているわけですから、この医療保険の改定どこれは
関係ないことなんですよ。だから、医者の技術料が低いならばこれはすぐにだってやろうと思えばできることじゃないですか。それを、この
法案が通らないとできないのだなんということは、これは医療保険の改悪と取引材料にしている、これは本当にけしからぬね、けしからぬやり方だと思うのです。
それで、わずかな点だけしかできなかったが、これだけたくさんあるのを全部やって、それこそ大げんかしたいと思いますけれ
ども、卑劣だからですよ。思想、信条が違うのはこれはしょうがないのですよ。あなたと私とは全然思想、信条が違うのですから。だから、それでその
法案について堂々と討議するのならいいのですよ。それをこういう卑劣なものを出して、そこらにいる厚生省の人はみんな共犯者ですか。本当にどこでつくったか知りませんけれ
どもね。どこでつくったかもだれが共犯者かも私にはわかりませんけれ
ども、これは怪文書ですからね。この文書は結局国民と医療
関係者を分断し、恫喝して、だまかすものなんですよ。
もう一度言いますけれ
ども、ですから、厚生省が国民や医者を恫喝する、それだけでないですよ。もし――「もし」と言っておきますよ、懲罰にかかるといけないから「もし」と言っておきます。もし自民党議員がこれに屈したり、ここにいらっしゃる方がこれに屈したり、もしだまされたりして、この採決のときにそれが
影響するとすれば、まさに立法府の見識が問われる、そういう重大な問題だと私は思うのです。ですから、先ほどのいろいろな追及はありましたけれ
ども、私は、単なるちょっとけしからぬ怪文書が流れたなどというものではなくて、
国会の存立に対する侮辱だというふうに思うのですね。自民党議員に対する侮辱でもあると思うのです。自民党議員は何も知らないからだまかしてやろうという気でしょうか。(発言する者あり)でしょうかと言っているじゃないですか。だまそうとしているのでしょうかと聞いているのです。ですから、この文書というのは直ちに撤回すべきだと思います。撤回してください。