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加藤(孝)
政府委員 先ほど申し上げましたように、そういうような考え方で
雇用促進に懸命な
努力はいたしておりますが、一方においては
重度化がいよいよ進む、あるいはまた
身障者の数もふえていくという中にありまして、
雇用率がなかなか伸びていかないという
現状にありまして、私
どもも苦慮いたしておるわけでございます。
しかし、先生御指摘になりましたように、まだ行政の
姿勢が甘いではないかという御指摘、私
どもも率直にこれは受けとめなければならぬと思っております。
具体的には、そういう
意味におきましても、なぜ
雇用率がなかなか伸びないのかということについて分析を私
どももいたしております。そういたしますと、まず一方では、
身障者を何とか
雇用してくださいということで進めておりますが、一方、最近ではやめる方が随分ふえてきておる。せっかく就職をしていただいても、その職場を定年等でおやめになるという方もだんだん多数出てきております。例えばかつての傷痕軍人と言われましたような
方々がいずれも定年等でおやめになるような年齢等になってきておりまして、それでおやめになる方もございますが、もう
一つは、比較的転職希望という形でおやめになってくる。しかもその転職希望というものが、私
どもがもう少し行政的にそこの支えをしたならばそんな安易な転職をされなくてよかったんじゃないだろうかというような、例えば事業主の方にもその
障害者を本当に十分に能力を発揮させるようなそれなりの配慮というものをしておったであろうかというような問題、それからまた、
障害者の方も職業についての安易な取り組みといいますかそういったものもなかったであろうかというようなこと、そういう
意味におきまして、や
はり最近の
雇用率が伸び悩んでおります大きな原因の
一つが、そういう離転職がふえてきておる、言葉をかえますと定着が悪くなってきておるということが
一つの大きな問題として私
ども考えておるわけでございます。そういう
意味で、実はことしの一月に通達を出しまして、これからは新規採用のためにいろいろ行政が
努力すると同じぐらいの
努力を、定着指導あるいはその職場での能力発揮というような点に指導の
重点を向けてほしい、一度
事業所へ就職させてしまえば後は知らぬということではいかぬぞというようなことでの、定着指導の問題を強く今進めつつあるわけでございます。
それからもう
一つの問題は、これも先ほど先生がおっしゃいました、行政として甘くなかったのかという御批判に私
ども率直におこたえしていかなければならぬのですが、今まで
雇用率の特別悪いところにつきまして、これを特別指導対象
企業というような形で選定をいたしまして、そして、特に
安定所や都道府県庁の幹部を先頭に特別指導というものをやってまいりました。実際に、そういう特別指導対象
企業については、集中的にやった成果も上がりまして、三年ぐらいの間に、今まで平均いたしまして〇・二%ぐらいのものが平均〇・八%を上回るぐらいのところまで伸びるという実績を上げておるわけでございますが、こういう特別指導対象
企業の範囲を今までは
雇用率が〇・五%以下というところに絞っておりましたが、これをや
はりことしの一月の通達によりまして、今度五割アップの〇・七五%以下のところをこの特別指導対象
企業に選定して、懸命に
雇用率達成のために頑張るというようなことで現実に今それも進めておるわけでございます。
行政手段的な面で今先生の御批判におこたえしてどう進めようとしておるのか申し上げたわけでございますが、や
はり問題としては、これからは、
重度の
障害者がなかなか進まない、そういう中で、これは単なる
身障者に対するハードの面での
理解というだけでは進まなくて、具体的なノーバ久というものがどうしてもくっついていきませんとなかなか進まないということがございますので、そういった面でのノーハウの開発というものを、例えば第三
セクター方式によるモデル
企業を育成するというようなこと等を通じまして、そういうノーハウの開発というものもあわせて進めていかなければならぬということでの取り組みをいたしておるというのが
現状でございます。