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平石委員 そこでもう一言、国保についてお聞きしておきたいのですが、今度保険料の最高が三十五万になりますね。これは大変だと私は思うのですよ。これはいわゆる標準報酬が被用者保険の場合は七十一万になる。それで国保の場合も三十五万を最高限に、ぐんと引き上げたのです、二十八万円から。今の保険料もみんなが大変だと言って払っているわけですね。だから、これが三十五万になりますとこれは
負担が大変なことになるのです。この被保険者の七十一万に上げたということの論議もしたいのですけれ
ども時間がありませんが、それの半分だ。
事業主
負担がないから大体その半分程度ということで、これも三十六万円を三十五万円にしておる、こういうことだそうですけれ
ども、これはちょっと高い。そして一方、七十一万の標準報酬月額のいわゆる被用者保険の方々は給付が違うわけです。国保の場合は七割ですから、七割でもってその半分でございますということでこられましても、これは大変な
負担がかかるのですから、そこを何とかもうちょっと、保険会計へ国庫補助をするなりして、今のようなダウンをさせずに、これへの影響を緩和する
方法ができぬものかどうか。これは要請をしておきます。
〔
委員長退席、今井
委員長代理着席〕
そこで、今度は
医療の適正化というところへまた戻ってきます。
大阪の中野診療所、この間、私も新聞で見ました。新聞によりますと、この中野診療所について「乱診乱療ケタ外れ」こういうことが出ております。こういうことが事実とするならば、大阪府は取り消しを決定したようですから恐らく事実だと思いますが、そういうようなことはまさに
日本の
保険制度を破壊するものだと思う、
言葉はきついかもわかりませんが。だから、関係するお医者さん、診療側のお医者さんも、そして受診する被保険者も、国も、みんなが力を合わせてこの
制度は守って
発展させていかなければならぬ、そういう中に、一部とはいえこういうようなことが出てくるということはまことに残念だ。これはどういうところに
原因があるのだろうかということを新聞その他で見てみますと、やはり出来高払いということが、非常に
日本の
医療を
発展させ、そして自由な診療ができる、
保険制度の中では自由な診療ができるけれ
ども、これは一面非常にメリットなんです、これはメリットであって、このことをどうのこうのは言いませんけれ
ども、その中でやはり両刃の剣であって、濃厚診療をするという場合に、あなたのは濃厚診療ですよ、こう言うことがちょっと難しい。言えない。そういう状況の中でこれが出てくるわけです。だから、医師会にこういうことが起きないように自主的にもやっていただかなければならぬ、私はこう思うわけですが、この適正化については、今
局長さんは多方面にわたっての適正ということを言われたが、私は診療に限ってひとつお話を進めていきたいと思うわけです。
そこで、今回提案がなされておるようですが、
医療法、これはまさに
日本の
医療の基本法になるわけですが、不十分ではありますけれ
ども出てきたようです。そこでの論議にもなりますけれ
ども、診療というものに対する適正化あるいは監査さらには審査の強化、そして顧問医の設置、こういったものが対策としては出てきておりますが、一番根本になってくるのはやはり濃厚診療、この
医療の内容に足を踏み込むのか踏み込まないのか。これは、今まで富士見病院もございましたし、あちこちでありましたが、住民から訴えが出てきた。おかしいな、何とかしてほしいという訴えが六回にわたって、あの富士見産婦人科病院のときには市の窓口に上がっておる。そういう訴えを聞きながら、どうにもならない。あのときの審査でも、
厚生省は調査に行っておりますけれ
ども、水道の蛇口を見たり帳簿を見た、こういうことだそうです。これは診療の中身にまで立ち入れない、そういった限界があるのですけれ
ども、この出来高払いという中にはそういう点で自粛をいただかなければならぬ問題が出てくる。そして、それは医の倫理なり、お医者さんの良識に担保された出来高払いです。ところが私が考えてみるのに、お医者さんの医の倫理と言われるそういったものの前に、いわゆる世間の常識がある。この世間の常識とお医者さんの医の倫理、医の良識。この出来高払いは結構なことだが、これはお医者さんの良識を担保に仕上がっておるのですが、我々が外から見たときに、
国民の良識があると思うのです、医に対する良識が。この医に対する良識とお医者さんの良識というものに、全部のお医者さんのことを私は言ってはおりませんよ、今ここへ例に挙げた新聞報道、一部の医者ですけれ
ども。だから、多くのお医者さんは世間の良識とお医者さんの良識とが一体になってやっておると思うのですよ。そしてこういうようなものが出てくるのは、いわば世間の良識から外れたそういうものではなかろうか。ここで、私は、診療ということについてその世間の良識をまとめるというか代行するというか、それは行政だと思うのです。もう一般の
国民には手が届かないところなんです。そこを、診療について初めて、中野病院が乱診乱療という出来高払いの中にある一面を見てこういう処分がなされたようですが、これから医の内容に踏み込むのか踏み込まないのか、そしてここを見つけるのにはどうして見つけていくのか、ここらあたりをひとつお答えをいただきたい。