○辻(第)
委員 ところで、三月に入ってから、日航の副操縦士の地上勤務の問題をめぐってたびたび
新聞紙上をにぎわしておりますし、月末にはストライキがあったということでございます。この問題は、いわゆる
経営の安定ということで、副操縦士を三十四名だったですか、地上勤務にさせ
ようということであります。しかも、乗員組合の合意や納得を得ない
状態で、これを業務命令として命令をしたという
ような状況の中でこの問題が起こっているということだと思うのですが、この外人機長の問題が本当に熱意を持ってやられて
解決をしておられれば、私はこの副操縦士の地上勤務という
ような問題はまず出てこなかったのではないかと思います。それからもう一つは、もっと機長を養成するという点での御努力が足りなかったということもあったと思うわけであります。
いろいろな問題はあろうと思いますけれども、大体何年先には副操縦士はこれぐらいになるだろうとか、機長はこれぐらい要るだろうとか、そうきっちりはいかぬと思いますけれども、そこそこのめどは私はあると思うわけであります。今日は予測できたと私は思うわけであります。そうなりますと、機長をもっと養成するとか、そして外人の機長を
日本人の機長にかえていく、こういうことがやられれば、この
ような問題はこういう
状態にならずに
解決をした、こういうことだと思うわけであります。
この問題では、乗員組合の方だけではなしに、機長会の方も
見解を発表されているわけであります。「機長会として現在、行なわなければならない事は、今後副操縦士の乗務機会が減少していく現実を認識し、乗務機会増大・技リョウ維持向上が図られる
施策の検討をすすめる事です。余剰時間活国策としての副操縦士の地上業務については、当該副操縦士の技リョウ低下につながるおそれがあり問題があると考えます。」この
ように
見解を発表されているわけです。これは五十八年の五月二十一日にこの
見解を発表されて、そしてさらに五十九年三月八日にこの
見解を再確認されております。さらに「
会社の都合でどんな業務でも命ずる事ができるのであれば、機長を含めた全乗員の合意を得るのはむずかしいと考える。この問題で労使
関係が紛糾し、争いが長期化ずるのは好ましくないと考える。」この
ような
見解も新たにつけ加えられているという状況であります。
全く一方的にこういう操縦士になる副操縦士の人に地上勤務をさせるということは、私はとんでもないことだと思います。私も言うなら技術者でありますが、副操縦士というのは長年訓練をして、そして技量が向上をして、もうすぐ機長になるという
ようなときは脂の乗り切っているときで、どんどん技量が上がっていく、そういう時期じゃないかと思うのです。
そういう時期に
会社は見通しを誤りというんですか、十分な対策をとらずに、外人機長は十分減らないし、機長の養成も十分できていないという
ような状況、それだけじゃなしに、今度は地上勤務だという
ようなことになれば、これは合意や納得の得られる
ような問題ではないと私は思います。それを合意もないのに業務命令だと一方的に押しつける、そういう状況の中で、そうなればそれは組合も頑張りますから、ストライキという
ようなことになったわけだと思うのです。そのことはやはりお客にも迷惑をかけますし、また国民の信頼もそれで失われることになると思うのです。
私は、こういう状況の中で、日航当局はメンツだとかいろいろあると思うのですけれども、ここで副操縦士の地上勤務を白紙で撤回をされることを望むわけであります。しかも副操縦士が地上勤務するということによりまして、技量維持が低下をしてくる、私はそういうことも心配をするわけであります。労使の安定という面からも、あるいは技量が後退をするという面からも、
安全性にとっても重大な問題があると私は考えるわけですが、いかがお考えか、
お尋ねをいたします。