○宍倉政府
委員 企画庁の方で
お答えするのが本当はよろしいのかもしれませんが、
GNPの企画庁の公表値というのは、そのときそのときの見込み及び確定額で何通りがある
年度の
数字というのが出てくるわけでございます。通常でございますと、ある
年度の開始前に当初の経済見通しがございまして、その経済見通しの中にその
年度の
GNPの見込みが出てまいります。
年度を経過いたしますと、時によりまして、そういうことがあるときもないときもあるのでございますけれ
ども、改定見通しというのを
年度途中で出すことがあるわけでございます。
それで、いずれにいたしましても、何らか補正
予算を計上するというようなことになりますと、通常の場合は、その
時点で当初の経済見通しに手を加えまして、実績見込みという
数字が出てまいります。ですから、補正
予算のときに基準になりますのは、その実績見込みという
数字が、その
時点では一番新しいわけでございますので、基準になるかと思います。
その後でございますが、さらにその実績見込みがだんだん確定してくるわけでございますが、年を越えましてから翌年に国民所得統計の速報値というのが出てまいりまして、速報の確定値というのが出てまいります。翌年の夏ごろかと思いますが、その辺が出てまいります。大体、
決算は七月三十一日に主計簿が締め切られまして、政府の方の手続は終わりますが、その後、検査院の御審査等もありますので、秋ごろに確定してくると思いますが、その秋ごろの
数字と申しますのは、先ほど申し上げました速報値の場合が多いわけでございますが、しかし、またその速報値がその後、その次の
年度の経済見通しのときには確定値として出てまいりますし、また、さらにその後になりまして、
GNPそのものの
数字が変わってくることがあるわけでございます。
でございますから、例えば
昭和五十六年の場合、ただいまの
決算、御審議をいただいておりますが、このときの
数字をもって考えてみますと、五十六年の当初
予算のときは、
予算が二兆四千億でございまして、このときの経済見通しの
GNPというのは二百六十四兆八千億でございました。これが五十五年の十二月でございます。その後、五十六
年度予算につきましては、補正
予算がございまして追加されました
関係上、補正後
予算の数値が二兆四千二百九十一億になっておりますが、このとき五十六年の十二月になってでございますが、五十六年の実績見込みの
GNPの数値というのは、二百五十五兆八千億という形で出ております。
でございますから、補正
時点でございますと、分母、分子、そういう
数字でいきますと〇・九五というような
数字になっておりますが、その後、今度
決算になりますと、
決算が今御審議いただいておりますように二兆四千四百九億でございます。それで、五十七年の八月になりまして、
GNPの速報値が出ておりまして、二百五十一兆五千億というのが出ております。これで
計算しますと、〇・九七という
数字になりますが、さらに、その後五十七年の十二月になりまして、五十六
年度の実績数値が出てまいっておりますが、これが二百五十三兆八千億でございますから、そうなりますと、
決算の
数字と分母、分子合わせてみますと、〇・九六というような
数字に若干ずつ変わっておるわけでございます。
でございますから、先日も私、御答弁申し上げたわけでございますが、当初
予算の場合、それから補正
予算の場合には、これは意図的なものとして
GNPに対する
数字というのは出てまいるわけでございますけれ
ども、
決算の場合におきましては、
決算は終わってしまいまして、分子の方は動かないけれ
ども、分母だけは変わることがあり得るという
意味で、これは事後的と申しますか、ある
程度結果的な要素が非常に強いという面がございますので、その辺のところは、
GNPに対する防衛
関係費の比率と三つあるわけでございますけれ
ども、三つが三つながら全く同じ性格のものではない。若干ニュアンスがそれぞれ違うということになるかと思います。