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島田(琢)
委員 けさの新聞の内容について、林政部長はほぼお認めになったわけであります。
実は、これは大分古いことになりますが、四十一年に参議院の
決算委員会におきまして我が党の大森議員が取り上げまして、その後質問が保留になったまま今日に至っているわけであります。しかも、今林政部長が後段のところで述べられておりますが、交換された山の手入れが本当にあなたのおっしゃるような形になっているかと言えば、決してそうではない。
そもそも私が冒頭で、国有
財産の問題でありますから、そこにいささかも損害をこうむるような事態があってはならぬ、こういうふうに主張いたしましたのに対して、大蔵省のこれを管理する
課長も、そのとおりだと答えているわけであります。私は、今のような国有林の現状というものは、林政部長のような言い抜けで済まされる問題ではないと思うのです。しかも、等価交換。確かにおっしゃるとおり、ほぼ百八十万ほどの差でありますから、ほぼ等価交換である。表向きはそうでありますけれ
ども、当時の
関係者が新聞のインタビューに対して答えているこの交換に至るまでの経緯についても、私
どもは、
調査の結果ほぼ明らかだ、こういうふうに思っております。
そういたしますと、これは大変な問題を含んでいるというふうに思います。とりわけ交換された那須は、当時別荘のブームでありまして、大変な値上がりをすることが見込まれていた、あるいは有利な販売が考えられていた。そういう
状況のもとで、驚くべきことに一坪、当時の売買で言えば一坪で、現在の三・三平米
当たりでありますが、わずか六十数円で実は評価されている。ところが、その後この小針社長は、交換されたらすぐに藤和不動産へ総額九十億円で転売しているのであります。これはもちろん交換された国有地ばかりではありません、隣接する土地も含めての値段であります。しかし、このときの平均の坪単価というのは四千円であります。六十四、五円で買った土地を四千円で、何十年もたった後で売っているのじゃありません、半年か一年の間に転売している。つまり、売買が成立している以上は、その価値がここにあったということであります。それが見込めなかった、まさに大きな損害をここでこうむったわけであります。それは昔の、前任者や先輩のやったことだからおれら知らぬと言って済まされる話ではないと私は思います。単価で比較いたしましても、実に六十数倍という値段で、ほとんど一年以内にこれが売買されている。大変なもうけをしたということになる。それぐらいのことはやりかねない小針社長でありましょうけれ
ども、逆に言えば、交換によって国が大損をしたということであります。
それは当時の九十億ですよ。今から二十年前の九十億ですから、今の円価値からいいますと恐らく数百億円になるのではないかと私は思う。取り返しのつかない国家的大損をたった一人の暗躍、あるいはその裏に随分たくさん政治家が介在していたようであります。こういうばかげたことが行われたという事実に対して、その後不思議なことに、いずれの当局からも、この問題に対するその後の扱いや結果について報告されていない。改めてここで
国民的な疑惑にこたえる
責任が
国会にある、こういう立場で私はこの問題を取り上げました。本当は
予算委員会でこれを取り上げたかったのでありますが、私も事実
関係の
調査に少し時間がかかりました。たまたま私が考えておりました疑惑に満ちた小針社長の周辺が最近社会的な話題になってまいりましたので、この機に私の
調査の全貌について
国会で明らかにすることによって、ぜひこの疑惑を解明したい、こう思ってきょうはこれを取り上げたわけでありますが、今林政部長が話しておりますアカマツの植えられている造林地というのは、当時の林野庁
長官の答弁によりますと、大変成績がよくて、将来に対しても生産性向上の見通しが明るい地域である、こういうふうに断定しているのですね。ところが、現実はどうなっているかというと、まず荒れ果てた状態になっている、当時よりも変わり果てた現状になっている。これでは、当時大森議員の質問に対して答えている
政府の
責任というものが
一つも果たされていないばかりか、極めて無
責任だということになると思うのです。許されることではないと思うのです。あなたの方はどういう
事業計画をお持ちになっているかわかりませんが、私の調べた施業計画あるいは施業案によりましても、ほとんどこれに手が加えられている事実がない。加えられているとすれば、アカマツのところの雑木を少し切ってアカマツ林らしく見せかけるような施業が行われている。これが果たして施業計画によって行われたものかどうか私はわかりません。この辺のところは、その後のこの山の扱いについて、あるいはこの施業計画について、あるいは実際に
事業を興したとすれば、何年にどのような
事業を興しているのか、やっているのか、その点について後で
資料として
委員会に提出されるように、
委員長にもお願いを申し上げておきたいと思います。
確かに少しばかり植林された形跡はございますが、ほとんど雑木林のままに放置されている。この現実に対してどうお考えになりますか。もう時間がありませんから一言で答えてください。