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薮仲委員 今時間がないから、
質問したことだけ明快に答えてください。
私の聞いたのは、いわゆるごみ処理に混乱を生じておる。乾電池を分別収集したのは二割あります、あと八割は処理場で処理しております。これは行政当局として必要な措置と
考えているのかどうか。厚生省は、地方自治体が勝手におやりになったのだから、それを全国的にやれとかやらないとかということは厚生省の及ぶところではございません。あなた、そんなのんきなことを言っているけれ
ども、厚生省で三年間で見通しを立ててやります。この分別収集がどんどん進んでいってごらんなさい。どうなるか。たまった乾電池をどうするの。一個だったら水銀の量が少ないからいいけれ
ども、たまったらどうするの、立川みたいにあんなにたまって。あなた、そんな甘いことを言っているから事が解決しないんだよ。
今厚生省が一番困るのはごみ処理場じゃないの。下水処理場、し尿処理場
建設反対で困っているじゃないの。厚生省は三年間で広域処理センターをつくります。何を言っているんだ。そのときに広域処理センターをつくれますか。よその県の乾電池を何でうちへ持ってきてうちが処理するの。今東京都区内でごみ処理場がつくれないじゃないですか。よそのごみを何でやるの。ましていわんや、有害な水銀が入っているとなったら、
埋め立ても反対、広域の処理センターも反対、デッドロックに乗り上げちゃうよ、あなたみたいなそんなペーパーを読んでのんきなことを言っていると。私はきょう
長官にここで聞いているのは、あなたのそんなペーパー問答を聞いているんじゃないんだ。だから、国民の感覚と行政の厚生省の感覚が違い過ぎるというのだ。国民は水銀に対してノンと言っている、たとえ
環境がゼロであったって。
きょうだって、東京都のいわゆる処理場から出ている大気汚染の物質は七千分の一と書いてある。国民はそれで納得するか。たとえ限りなくゼロに近づいたってノンという声が返ってくるよ、今のままだったら。そうじゃないの。あなたの言っているようなそんなことは何回もこの
委員会で論議されたのです。もうここまで来ると、誠実に決着をつけなければだめなんだ。あなたが、私が聞けば今言ったように、ごみ処理場でやっているのは大気汚染の影響ありません。そんなこと国民が納得してないじゃないか。だから、
一般ごみとしてやることについては反対な自治体が出てきた。あなたにこれ以上言っても気の毒だからあれだけれ
ども、事実
認識が甘過ぎるよ。私は、将来のことを見通すと、厚生省のやろうとしている広域処理センターなんてできない。
埋め立てたって反対されたら
埋め立てられないですよ。
そこで私は、きょうは
国務大臣として、
環境庁長官ということを離れて、
環境庁が言うとか言わないとかなんというスタンスじゃなくて、
国務大臣として——これは、国民のいわゆる行政に対する不信になってきます。
国務大臣の一人として明快な決断を下していただかなければならないと思うのですが、じゃ、どうすればいいか。さっき
長官もおっしゃったけれ
ども、現
段階で
考えられる最適な処理を、今たまっている分にはこうしなさいということを厚生省が本当はきちっと言うべきなんだ。行政が明確な指導を出さないからこうなっている。今水銀を回収しなさいと言えば、北海道の野村興産ですか、あそこまで持っていかなければいけない。物すごいコストがかかるのですよ。できないのですよ、遠いところは。あんな二十キロ四方の広大なところならできますよ。この関東
周辺の狭いところで水銀の処理センターをつくるなんて、住民
運動が大変ですよ。そうなったら、今何かと言ったら、今たまっている分については適切な処理はこうしなさいという決断を、
環境庁長官と、厚生
大臣を呼んできて、通産
大臣もかかわり合って、どうするか、適切な処理をぱちっと出すことがまず第一です。三年間ほっておいたら大変なことになると私は思う。
第二番は、これは
通産省と相談をして、今日本電池器具工業会が三年をめどに三分の一に、もっと早くして、限りなくゼロにいつまでにできるかという明確なプログラムを出させること。これはこの後
通産省に聞きたいと思うのです。
もう
一つは根っこで断つことです。これは、例えば
国民生活を守る上で使いやすい、便利ですね。コストが安い。今度の水銀乾電池だって、
大臣も御
承知のように、一番根っこにあるのは補聴器なんですよ。あのボタン電池を使っている。大半はボタン電池なんです。お年寄りの使っているボタン電池のコストが水銀を使えば安いのです。あれをアルカリ・マンガンにすると八百円ぐらいになって、二百円、三百円あるいは百円のオーダーであるかもしれませんけれ
ども、そのお年寄りの月の支出が水銀電池をアルカリ・マンガンにかえるとかほかの電池にかえると非常にコストが高くなるし、機器の電圧の
調整もしなければならぬと思うのです。そうなってくるので、問題点を見てみると、この補聴器に一番かかわり合いがある部分なんです。
その他、電池をいわゆる製造
段階でゼロにすることと根っこで断つというのは、使いやすさ、便利さ、安さのほかに、これから
環境庁が
通産省と話し合っていただきたいのは、人間の健康に有害な物質を含む製品はやめるべきだ。たとえそれが安くても、リサイクルできなければ、あるいは処理ができなければ、そのツケはどこかに返ってくるのですよ。全部消費者、国民に返ってくる。恐らく電池のメーカーは、処理の経費を負担しなさいと言えばコストにかけできますよ。それは全部国民にはね返るのです。ですから、やはり行政の責任として何をやらなければいけないかと言えば、使いやすさとかコストの面だけではなくて、健康に悪影響を及ぼす物質の入っている製品は使うな。また、処理しにくい、処理場で問題になるようなものを勝手につくることはやめなさいということを
環境庁、厚生省、
通産省三閣僚がきちっと話し合って、これはいろいろな
委員会で附帯決議で載っているのです、つくらせないようにしましょうということは。そんな紙に書いた文字ではなくて、実効ある措置をここでとらないと、この水銀の乾電池の問題は処理できないと思うのです。
ですから、私が
長官にお願いしたいのは、現
段階でどうするかということを早急に
関係閣僚と話し合って、この処理については明確にする、国民が安心し、納得できる処理方法を現時点で早く明示するということ。そんな厚生省みたいに、地方自治体でおやりになるならないは勝手ですなんて、甘いことを言っては絶対にだめです。これはやっていただきたい。
それから乾電池の量を減らすということも、はっきりとしたプログラムを明確にしてもらう。と同時に、製造
段階でとめるという確固たる措置をこの際確立しませんと、こういう問題がまた出てくると思うのです。
これをほっておけば、蛍光灯が危ないとか何が危ない、ブラウン管が危ない、いろいろな形でもしも危ない危ないということになってくると、
環境庁が言うアメニティー社会のためにどれだけのコストを払わなければならないかという問題になってきますけれ
ども、やはり根底にあるのは、必要なものは、人間の健康や住みやすい社会をつくるためには、断つべきものは根っこで断っておくというきちっとした姿勢を
国務大臣としてとっていただかないといかぬと私は思うのです。
ですから、重ねて、いま申し上げた適切な処置、水銀の量を減らす、製造
段階でとめる、こういう
考えに立ってこの問題を、
長官もここまで来ると、
国務大臣として政治的な決断しかないと思うのです。いわゆる各省庁がきちっと対応していただかないといけないと思うのですが、いかがでしょうか。