○斉藤(節)
委員 ただいま
網岡委員が
質問しておられました
ベリリウム問題につきまして、実は私は去る二十一日に
知多半島にあります
半田の
日本碍子工場を視察してまいりました。それにつきまして私の考えなどを述べ、そして各
関係省庁の御配慮をお願いしたいと思うわけでございます。
日本碍子の
半田工場でありますけれ
ども、現在見たところは、あそこは非常に立派でございます。施設も、あの分ならばまず大丈夫であろうと私は思ったわけでありますけれ
ども、あそこは五万五千
立米・
パー・アワーという大きな集じん機を
アーク炉の上に備えまして、現在
アーク炉で銅
ベリリウムの
合金のインゴットをつくっているところにこの集じん機を置いて集じんしておりまして、
アーク炉から出てくるものは、一〇〇%とまでは言えないかもしれないけれ
ども、まず九九・九九%くらいまでは集じんされているであろう、そういうことを見てまいりまして、私はこれならば外へ出ることはないだろうというようなことを
感じてまいったわけであります。
時間の
関係で
ベリリウム関係だけでありましたけれ
ども、さらに施設を回りました。あそこでつくりました
ベリリウムと銅の
合金、これは
アーク炉で
ベリリウムの酸化物、酸化
ベリリウムと銅と炭素の粉でもって還元してつくった銅と
ベリリウムの
合金、
最初は四重量%の
ベリリウムの
合金をつくっているわけでありますけれ
ども、そのインゴットを今度は圧延機にかけて圧延している、最終的には二十段圧延機でもって圧延しているわけです。どのくらいの厚さかといいますと、七十ミクロンくらいのホイルにして、そして、それを巻き取って最終生成物をつくっているわけでございます。そのロールにかける方の
工場も非常にきれいで、しかも空気を
一定方向に流して集じんしております。そのような
関係でまず外に漏れることはないと思います。しかし、
アーク炉の方は、さっき申しましたように五万五千
立米・
パー・アワーの集じん機で集めたものをインゴットにするようにもう一回
アーク炉の方に戻しておりますから、それはそれでよろしいのですけれ
ども、私が圧延
工場でやっておりますときに集められましたちりをどうしているかと尋ねましたところ、きれいに集めてはいるのですけれ
ども、集めてドラム缶に詰めて
敷地内に埋めているという話なんですね。
敷地内ということでありますが、そこが永久に
工場であれば問題はないかもしれませんけれ
ども必ずしもそうとは限りませんので、私は埋めておく場合も単なるドラム缶に詰めて埋めておくだけではこれはもっと危険でありますというようなことを
指摘しまして、これを何とかした方がいいですよというようなことを申し上げたわけでございます。
それから、これは現在まだやっておりませんでしたけれ
ども、ロールにかけましたホイル、箔でありますけれ
ども、七十ミクロンくらいの厚さの
ベリリウム鋼の
合金であります。これは最終的には一・八%まで銅で薄めてそういうあれをつくっているわけでありますけれ
ども、最後にはそのホイルを製品として出すために表面処理するわけですね。表面処理しますと、やはりこれは酸洗いなどしますので、そこで銅と
ベリリウムが
合金になっておりましても、どうしても溶けて出てくるわけです。それを今度は中和槽に入れまして
ベリリウムを水酸化
ベリリウムの形で沈殿させて、それをろ過してペースト状にする。そして、それからどうするかということにつきまして私、
質問したのでありますけれ
ども、それからどうしていいか今のところわからないので、これから考えるのだというようなことを言っておりました。現在その装置はまだ動いておりませんから表面処理がどのようになされているのか私はわからないできたわけでありますが、そのようなことから、その辺を注意されれば今の
段階ではあの
工場からは問題は起こらないであろうということを私は
確認してきたわけであります。
私、ちょうどそのときに、かつて
昭和三十五年ごろ
名古屋に試験
工場をつくったころに実際に働いていたという人、この人は現在私
ども公明党の
半田市の市
会議員の伊藤議員でありますけれ
ども、三十五年ごろからずっと二十年間くらいこの
会社に勤めておりまして、その当時のことについて話してくれたわけであります。
先ほども
網岡委員の話にもありましたように、当時は
緑柱石という原石をそのまま粉砕しまして、酸処理あるいはアルカリ処理によって
ベリリウムを抽出しまして、それを
ベリリウム酸化物に直して、それで
先ほどありましたようないろいろ特別な磁器をつくったりしておったというようなことで、当時はやはり試験
工場でありましたので、大変むちゃなことをやっていたわけであります。それで伊藤議員も実は病気になりまして、そして胸が物すごく締められるようだ。後でまたこの症状については申し上げますけれ
ども、すごい苦しい
状態になりまして、息苦しくなってぶっ倒れるわけでありますが、医者はその治療法がわからぬものですから肺炎と間違えてクロロマイセチンを大量に飲ませたわけであります。また、コーチゾンな
ども使いまして、そのような非常に荒っぽい、わからない、もうむちゃくちゃな治療を行っていたようでありますけれ
ども、現在彼は何とか治って市
会議員を務めているわけであります。病気になりますと大変苦しい
状況になるわけです。それから、皮膚の方もやはり彼は見せてくれましたけれ
ども、ひざの後ろ側が常に湿疹状になってべとべとになっていて乾かない。これは酸化
ベリリウムがつきますと、それによって浸潤された潰瘍ができちゃっている。そのようなことでもって非常に苦しい
状況にあるのですけれ
ども、彼自身は認定患者としての申請はしてないのだというようなことを言っておりました。
先ほどもお話がありましたように、私、
調査しましたときに、
半田市では
住民健康診断をやるそうでありますけれ
ども、今までも認定患者が何人か出ているようでありますが、それ以外にも、今申しましたような伊藤議員のような人もおるということは事実でございまして、何人かいるのじゃないか、そんなふうに私は思っているわけでございます。
そのようなことで、今申しましたように
住民の健康診断、これは六月二十日に受診申し込みがありまして、そして六月二十三日の土曜日に受診日の通知をしております。そして、六月二十五日から六月二十七日にかけて行うそうでありますけれ
ども、これについて向こうから
環境庁の方へ何か通知があったかどうか、その辺ちょっと御
質問したいのです。