○関
委員 ただいまの質疑応答の中ではっきりしたと思われるのですが、とにかく再
処理工場について
我が国の
技術は未確立の状態のものである。そうしてとにかく二百十トン再
処理をやろうといって
計画していながら、四年の間にその七割
程度で終わっているわけですよ。一年間でいくと四十三トンの計算になるわけなんです。まことに非効率、非能率で、私は難しいことを示して余りあるものだと思うのです。そこで、一でもだめ、二でもだめ、三の道をとって、私は三の道もだめだと思いますよ。なぜならば同じものだからです。フランスだって同じように故障はあるんです。故障はあるんだけれども、故障を乗り越えて知らぬふりしてやっている向きも大分ある、だれも見ていないからいいだろうというので。だからフランスの実態だって、フランスの設計に基づき、フランスの
技術に基づいてやっているんですから、フランスでよくて
日本で悪いはずがないんですよ。向こうがよくてこっちが悪いというなら、こっちの施工や管理がいいかげんであったし、手抜きであったということにもなるでしょう。しかし、そうではないと私は思う。向こうも同じように故障がある。
そこで、再
処理ということの
技術はとにかく難しいものだ。そしてまた再
処理によってさらに進んでプルトニウムを得たとしても、プルトニウムを
一般的に
燃料に使うなどということは、プルトニウムをとる以上に多くの、四倍以上の金がまたかかると計算されているわけなんです。でも地元へ参りますと、あなた方はいい宣伝をしておりますよ。
燃料をたいて、結果としてたいた以上の
燃料がまた出てくるんですから、これにはだれでもびっくりして、いいことだなと思いますよ。しかし、たいた以上に出てきた
燃料を取り出して使うと、これにかけた金の四倍以上もかかるという計算。計算で四倍以上だが、実質でやったら十倍以上もかかるであろう、こうまた見られているわけですよ。ですからこれは容易なことじゃない。こんな容易でないことに踏み込んでいって、つくるのだけはじゃんじゃんつくる、そして後の始末には手を上げることになると、これは
原子力行政からいって容易なものじゃない。トイレなきマンションだという
言葉は、
言葉としては冗談半分に聞きながらも、トイレがないマンションであれば隣のマンションへ行けばいいようなものだから、まだいい。あるいはまたおまるを持って歩けばいいかもしれない。これはそういうわけにいかないでしょう。
そういうことを
考えると、こうした再
処理のことについてまだ自信も確信もないのに、青森県の下北半島ならば人がいいものだから持っていけば受けるであろう、こういうことで押しつけているんじゃないですか。青森県は貧乏だから、青森県民は無知だから、覚えられると困るから今のうちにここへ攻め込んだ方がいいだろう、こういうことでやっておられるんじゃないでしょうか。青森県も、また東通村の村長さんも六ケ所村の村長さんも、
政府のやることなすことすべてうそ、ごまかしできたものだから困っちゃって、最後にこれで助けてもらえるなら助けてもらおうかと思っているんです。
日本国じゅう至るところでこれは困ると言っている。北海道の奥尻へ持っていけばこれもだめだと言うし、徳之島に持っていけばここでもいけないというし、長崎へ持っていけばここでも困りますと言っているのです。みんな困ると言っているのに、何で青森県の諸君たちがいいと言っていることに黙っておられるんです。青森県だって反対するのが筋でしょう。無知と貧乏をいいことにして、あなた方の
行政が
利用しているんじゃないでしょうか。
私は、六ケ所の村長さんと東通の村長さんが奪い合いっこをして、負けた方が非観した姿が新聞に報道されたときに、何という情けないことが青森県の中だけに起こり、そして国民に見せなきゃならないんだろうかと悲しみました。みんな笑っている。青森県も、あの下北半島をこういう
原子力半島にして、人も住めない猿も住めない、そんなものにしてはならないはずです。私はここは観光半島にしたらいいだろうと言っているんです。もう観光はオジャンですよ、これが来ればね。(「そんなことないよ」と呼ぶ者あり)知らない者がそんなこと言っているのはまだいい方だ。かわいい方ですよ。知らないって恐ろしいことですよ。また悲しいことです。そういう意味において、こうした安全も確立されないのに電事連がそういう申し込みをしてしゃにむに進んでいるということについて、何で
行政がチェックしないのだろうか。これは
行政も既に了解済みで組んでいるのだとすれば、ともに許しがたいことになる。
そこでこの際、
長官に聞きたいと思います。
科技庁
長官は、こうした未確立な
技術の現状にありながらも、再
処理工場をしゃにむにあそこに押しつけて持っていかなければならない、そういう決意でおられるのか。あるいはまた、このことについては
世界の
技術に学び、
日本の将来を
考え、そうして
原子力行政というものについて有沢
委員会がいろいろ進めてきたことに誤りがないのかどうか、ここにもメスを入れて検討を加える、これがまた科技庁
長官の仕事でもあるだろう、私はこう思うのですけれども、無知と貧乏を悪用して、地元の人たちがいいと言うならば知らぬふりしてやったらいいだろう、こう思っておられるとするならば、これまた大変です。そういう意味において、この際青森県の下北半島の六ケ所村に三点
セットを持っていって、そうしてここをそうした箇所に何が何でもしてしまおう、こういう
方針で
長官もおられるのかどうか、伺っておきたいと思います。