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1984-02-28 第101回国会 衆議院 科学技術委員会 第2号
公式Web版
会議録情報
0
昭和
五十九年二月二十八日(火曜日) 午後零時七分
開議
出席委員
委員長
大野
潔君
理事
小宮山重四郎
君
理事
笹山
登生
君
理事
平沼 赳夫君
理事
与謝野 馨君
理事
大原 亨君
理事
渡部 行雄君
理事
小川新一郎
君
理事
吉田 之久君 岸田 文武君 櫻内 義雄君 小澤 克介君 松前 仰君 遠藤
和良
君
小川
泰君 永末 英一君
工藤
晃君 辻 一彦君
出席国務大臣
国 務 大 臣 (
科学技術庁長
官)
岩動
道行
君
出席政府委員
科学技術政務次
官
岡部
三郎
君
科学技術庁長官
官房長
安田
佳三君
科学技術庁長官
官房会計課長
窪田 富君
科学技術庁計画
局長
赤羽 信久君
科学技術庁研究
調整局長
福島 公夫君
科学技術庁振興
局長
村野啓一郎
君
科学技術庁原子
力局長
中村 守孝君
科学技術庁原子
力安全局長
辻 栄一君
委員外
の
出席者
科学技術委員会
調査室長
曽根原幸雄
君 ――
―――――――――――
委員
の異動 二月二十四日
辞任
補欠選任
工藤
晃君
不破
哲三
君 同月二十五日
辞任
補欠選任
不破
哲三
君
工藤
晃君 同月二十八日
辞任
補欠選任
工藤
晃君
不破
哲三
君 ――
―――――――――――
本日の
会議
に付した案件
科学技術振興
の
基本施策
に関する件 ――――◇―――――
大野潔
1
○
大野委員長
これより
会議
を開きます。
科学技術振興
の
基本施策
に関する件について
調査
を進めます。
岩動国務大臣
から
科学技術行政
に関する
所信
を聴取いたします。
岩動国務大臣
。
岩動道行
2
○
岩動国務大臣
科学技術庁長官
の
岩動道行
でございます。 このたび、重要な
科学技術行政
を担当することになりました。よろしく
お願い
申し上げます。 第百一回
国会
に当たりまして、
科学技術庁長官
といたしまして、
所信
を申し述べさせていただきます。 現下の厳しい
内外
諸情勢の中にありまして、
経済
の安定的な
成長
と
国民生活
の一暦の
充実
を
図力
、活力あお
社会
を築いていくためには、
科学技術
の
振興
が不可欠であります。
我が国
が戦後の急速な
経済成長
により、
自由世界
第二位の
経済力
を有し、一億二千万人の人々が豊かな
生活
を享受することができるようになりましたのは、ひとえに
国民
のすぐれた
知的能力
とたゆまざる勤勉、
努力
のたまものでありました。
資源
に乏しい
我が国
にとって唯一の
資源
とも言うべき
頭脳資源
を
最大限
に
活用
し、
国民
の英知を結集して、
創造性
豊かな
科学技術
の創出を図ることにより、
経済
の持続的な
発展
と
国民生活
の
向上
を実現し、さらには
世界経済
の
発展
に貢献していくことが、
我が国
の二十一世紀に向けての進むべき方向であると確信いたしております。 私は、現在始まりつつある
高度情報社会
へ向けて、
科学技術
の果たす役割はより一層大きくなっていくものと考えますが、その際、
科学技術
と
人間性
との調和に配慮していかなければならないと考えております。 私は、昨年末、
科学技術庁長官
に就任して以来、
科学技術政策
の
推進
のために精力的に取り組んでまいりましたが、今後とも
科学技術振興
を国家的な
重要課題
として位置づけ、その強力な
推進
を図ってまいる
所存
であります。 以下、
昭和
五十九年度における
科学技術庁
の主要な
施策
につき、
所信
を申し上げたいと存じます。 まず第一は、
科学技術振興調整費
の
拡充等
、
科学技術行政
の
企画調整機能
の
強化
であります。
科学技術会議
の
企画調整機能
の
強化
を図るとともに、同
会議
の
方針
に沿って運用する
科学技術振興調整費
の
拡充等
により、
先端科学技術
を
中心
とした
重要総合研究等
を強力に進めてまいります。 第二は、
流動研究システム
による
創造科学技術
の
推進
であります。
科学技術立国
を目指す
我が国
にとって、
次代
の
技術革新
を担う独創的な
科学技術
の芽を発掘し育成することが不可欠であります。このため、
産学官
のすぐれた
研究者
を結集し、
創造性
豊かな新
技術
を創出するための
研究
を行う
創造科学技術推進制度
の
拡充
を図ってまいります。 第三は、
がん関連研究等ライフサイエンス
の
振興
であります。
科学技術会議
及び
がん対策関係閣僚会議
で示された
がん制圧
のための
基本方針
に従い、
がん関連研究
の総合的かつ
効率的推進
を図るとともに、
保健医療
、
食糧
、
エネルギー等
、広範な
分野
において
人類福祉
に貢献する
総合的科学技術
である
ライフサイエンス関連施策
を強力に
推進
いたします。なお、
ライスサイエンス
の
推進
、
活用
に当たっては、
人間
の尊厳という問題に
十分配慮
を払っていくことが必要であると考えております。 第四は、
原子力研究開発利用
の
推進
であります。
資源小国
の
我が国
が将来にわたって
発展
していくためには、
石油代替エネルギー
の中核たる
原子力
の
研究開発利用
を
国民
の
理解
と
協力
を得つつ積極的に
推進
していくことが必要であります。 このような
原子力
の
研究開発利用
の
推進
に当たっては、
安全性
の
確保
が大前提であり、
原子力安全規制行政
の
充実
、
安全研究
の
推進等
の
各種安全対策
を強力に展開するとともに、
電源
三法の
活用
による
地域住民
の
福祉
の
向上
及び
地域振興
のための
施策等
を講ずるなど、
原子力
の
開発利用
の
促進
を図ってまいります。 また、
原子力発電
を円滑に
推進
するためには、
原子力発電規模
の拡大に見合った自主的な
核燃料サイクル
の
確立
が不可欠であり、
濃縮ウラン
の
国産化
、
使用済み燃料め
再
処理
、
放射性廃棄物
の
処理処分対策等
の諸
施策
を
推進
していくとともに、
核燃料
の
有効利用
を可能とする
高速増殖原型炉
「もんじゅ」の
建設
、
新型転換炉実証炉計画
の
推進
など、
新型動力炉
の
開発
を強力に進めてまいります。さらに、
核融合等
の
研究開発
を積極的に
推進
いたします。
原子力船
の
研究開発
につきましては、
資源小国
、
世界有数
の
造船海運国
として、今後とも、
舶用炉
の
研究開発
はどのような方法にせよ続けてまいる
所存
でありますが、
原子力船
「
むつ
」のあり方につきましては、今後
政府
・自民党内において
検討
を行うこととしております。
関根浜
港については、その
検討
結果いかんにかかわらず必要となる部分について
建設
を進めてまいります。また、今
国会
に「
むつ
」の
研究開発
の
実施主体
である
日本原子力船研究開発事業団
を
日本原子力研究所
と統合することを内容とする
法律案
を提出する予定でございますので、よろしく御審議のほど
お願い
を申し上げます。 第五は、
宇宙開発
の
推進
でありますの 昨年の
通信衛星
二号(さくら二号)、先般の
放送衛星
二
号a
(ゆり二
号a
)の打ち上げ
成功等
により、
我が国
は本格的な
宇宙
の実
利用段階
に入りました。このような風向における
宇宙開発
の
進展
や、国際的諸状況の変化を踏まえて、今回
宇宙開発政策大綱
の改定を行いましたが、今後、同
大綱
に示された
方針
に沿って
我が国
の
宇宙開発
を
推進
していく
所存
であります。
昭和
五十九年度におきましては、
気象衛星
三号を打ち上げるとともに、
通信衛星
三号、
放送衛星
三号、
海洋観測衛星
一号の
開発
、
地球資源衛星
一号の
開発研究等
を行うこととしており、さらに、
スペースシャトル
を
利用
した第一次
材料実験システム
の
開発
、
宇宙基地システム
の
研究等宇宙分野
の
国際協力
を
推進
することといたしております。 また、
ロケット
の
開発
につきましては、
人工衛星
の打ち上げ
能力
の
向上
のため、
HIロケット
の
開発
を
推進
するとともに、
昭和
六十年代後半の
大型人工衛星
の打ち上げ
需要
に対応するため、
大型ロケット
の
研究
を進めるなどその
推進
を図っていくことといたしております。 第六は、
海洋開発
の
推進
であります。
海洋国家日本
としましては、
海洋科学技術
に関する
研究開発
を積極的に
推進
していく必要があります。とのため、
昭和
五十九年度におきましては、
潜水調査船
「しんかい二〇〇〇」による
深海調査技術
の
研究開発
を引き続き進めるとともに、さらに大
深度
を目指した
潜水調査船システム
の
研究
を実施するほか、
潜水作業技術
に関する実
海域実験
を行うための
海中作業実験船
の
建造
を進めるなど、
総合海洋科学技術プロジェクト
を積極的に
推進
いたします。 第七は、各般の重要な
総合研究等
の
推進
であります。
地震
、
雪害等
の
自然災害
の防止、軽減を
目的
として、
地震予知
、
震災対策
、
雪害対策等
の
研究
を
中心
に、
防災科学技術
の
推進
を図ってまいります。 また、
航空技術
の
研究開発
については、
ファンジェット短距離離着陸機STOL機
の
実験機
の
製作
を進め、
昭和
五十九年度には初飛行を行うこととしております。 さらに、
レーザー科学技術
、
材料技術等
、
基礎的基盤的研究
を
推進
するほか、
資源
の
総合的利用方策
の
調査
、新
技術
の
企業化等
を進めてまいります。 第八は、
国際協力
の
推進
であります。
国際化
の
進展
に伴い、
国際交流
の
重要性
が一段と高まりつつあります。このため、サミットで合意された
科学技術
の
国際協力
に積極的に対応するほか、米国、
フランス等先進諸国
との
協力
の
推進
を図ってまいります。また、
我が国
と密接な
関係
を有する
ASEAN諸国
、
中国等
との
科学技術協力
を
推進
してまいります。 第九は、
科学技術振興基盤
の
整備
であります。
科学技術振興
を支える
研究者
の
養成等
、
研究基盤
の
強化
を図るとともに、高度な知識と多額の投資が集約された
科学技術情報
の効率的な
流通
を図るため、
科学技術情報
の
全国流通システム
の
整備等
を
促進
いたします。 最後は、
国際科学技術博覧会
の
開催
であります。
国際科学技術博覧会
は、
科学技術
の
重要性
に関する
国民
の
理解
を深め、
科学技術
の
国際交流
を
促進
するなど、極めて大きな意義を有しております。
準備
の
最終年度
といたしまして、
会場
及び
政府館
の
建設等
を完了させ、
運営等
の
準備
を整え、
昭和
六十年三月から茨城県
筑波研究学園都市
において
開催
することといたしております。本
博覧会
の
開催
については、広く
海外
及び
国民
の
協力
を得て、
国家的事業
にふさわしい立派なものになるよう
最大限
の
努力
をしてまいります。 以上、
昭和
五十九年度における
科学技術庁
の
施策
に関し、その概要を申し述べましたが、これらの諸
施策
を実施するために、
昭和
五十九年度
予算
といたしまして、
一般会計
三千二百九十三億円、
電源開発促進対策特別会計
七百八十七億円を計上いたしました。また、
科学技術振興関係
の税制に関し、民間の
試験研究
の
促進等
のため及び
国際科学技術博覧会
の円滑な
開催
の
促進
のため、それぞれ国税及び
地方税
につき、所要の
優遇措置
を
お願い
いたしてまいる
所存
であります。 エネルギー問題、
食糧問題等
、
我が国
を初めとする
世界各国
が直面している諸問題を克服し、豊かで明るい
人類
の未来を開く上での重要なかぎとなるのが
科学技術
であります。 私は、
科学技術行政
を担当する者として、その使命の重大さを深く認識し、
科学技術
の
振興
に
誠心誠意努力
してまいりますので、
委員各位
の御
指導
、御
鞭撻
を
お願い
申し上げますとともに、
国民
の皆様の御
理解
、御
協力
を心から
お願い
申し上げます。 以上をもちまして、私の
所信表明
を終わります。(
拍手
)
大野潔
3
○
大野委員長
この際、
岡部政務次官
より発言を求められておりますので、これを許します。
岡部政務次官
。
岡部三郎
4
○
岡部政府委員
昨年の暮れ、
科学技術政務次官
を拝命いたしました
岡部三郎
でございます。
科学技術
の
振興
は、ただいまの
大臣
の
所信表明
にもございましたように、
我が国
にとりまして非常に重要な
政策課題
でもございます。
委員長
初め
委員
の諸
先生方
の御
指導
、また御支援、御
鞭撻
を賜りまして、
誠心誠意努力
をいたしまして
大臣
を補佐してまいりたい、かように考えております。どうかよろしく
お願い
をいたしたいと思います。 ありがとうございました。(
拍手
)
大野潔
5
○
大野委員長
次に、
昭和
五十九年度
科学技術庁関係予算
について説明を聴取いたします。
安田官房長
。
安田佳三
6
○
安田政府委員
昭和
五十九年度
一般会計予算
におきまして
科学技術庁
の
歳出予算額
は、三千二百九十三億四千六百万円を計上いたしております。 また、総理府、大蔵省及び通商産業省の共管による
電源開発促進対策特別会計
のうち、
科学技術庁分
といたしまして、
歳出予算額
七百八十七億四千五百万円を計上いたしておりますが、両
会計
を合わせた
科学技術庁
の
歳出予算額
は四千八十億九千百万円となり、これを前年度の当初
歳出予算額
に比較いたしますと百一億三千六百万円の増額となっており、その比率は二・五%増となっております。 この
歳出予算
のほか、
国庫債務負担行為限度額
といたしまして、
一般会計
一千九十億六百万円、
電源開発促進対策特別会計
七百六十五億三千五百万円を計上いたしております。 また、
一般会計予算
の
予算総則
におきまして、
原子力損害賠償補償契約
に関する
法律
第八条の
規定
による国の
契約
の
限度額
を二千五十八億円にするとともに、
動力炉・核燃料開発事業団法
第三十四条の
規定
により、
政府
が保証する
借り入れ等
の
債務
の
限度額
を二百三十一億円とし、これに基づく借入金を
使用済み燃料
再
処理施設
の
操業費等
の一部に充てることといたしております。 次に、
一般会計歳出予算額
のうち
重要項目
につきまして、その大略を御説明いたします。第一に、
科学技術会議
の
方針
に沿って、
科学技術振興
に必要な
重要研究業務
の
総合推進調整
を実施するための
科学技術振興調整費
の
拡充
を図り、同
会議
を
中心
とする
科学技術行政
における
企画調整機能
の一層の
強化
を図るための
経費
として、六十三億五千九百万円を計上いたしました。 第二に、
流動研究システム
による
創造科学技術
の
推進
といたしまして、
産学官
のすぐれた
研究者
を弾力的に組織化して、
次代
の
技術革新
を担う
創造性
に富んだ新
技術
を創出するための
研究
を
推進
することとし、これに必要な
経費
として新
技術開発事業団
に二十二億九千六百万円を計上いたしました。 第三に、
保健医療
、農業、
工業等
、広範な
分野
において
人類福祉
に貢献する
総合的科学技術
である
ライフサイエンス
の
振興
につきましては、七十六億五千七百万円を計上いたしました。このうち、
科学技術会議
及び
がん対策関係閣僚会議
で示された
がん制圧
のための
基本方針
に従って、
がん関連研究
の総合的かつ
効率的推進
を図るための
経費
として三十四億五千八百万円を計上いたしております。 まず、
理化学研究所
におきまして、
がん関連研究等ライフサイエンス
における先導的基盤的な
研究
を
推進
するための遺伝子組みかえ
研究棟
の
建設
及び
最高度
の
物理的封じ込め機能
を有する遺伝子組みかえ
実験棟
を用いた
がん
の
本態解明
のための
研究等
に着手するほか、
人工臓器等
の
研究開発
を
推進
するための
経費
など十二億八千二百万円を計上いたしております。次に、
がん制圧
に必要な遺伝子及びたんぱく質に関連する
共通基盤技術等
、
ライフサイエンス
についての
研究開発
を積極的に進めるため、
科学技術振興調整費
及び新
技術開発事業団
の
委託開発制度
を
活用
することとし、三十三億七千万円の充当を見込んでおります。また、同
事業団
における
創造科学技術推進制度
により高
耐性微生物
に関する
研究等
を実施するための
経費
として七億四千万円を計上いたしております。 さらに、
放射線医学総合研究所
を初め
国立試験研究機関
における
放射線
による
がん診断
、治療のための
研究等
を実施するための
経費
として十八億二千百万月を計上いたしております。 また、
日本科学技術情報センター
におきまして、
がん関連研究等ライフサイエンス
に関する
科学技術情報
の
収集
、
提供
を進めるための
経費等
として四億四千四百万円を計上いたしました。 第四に、
原子力研究開発利用
の
推進
といたしまして一千六百六十一億一千二百万円を計上いたしております。 まず、
原子力安全規制行政
及び
環境安全対策
につきましては、
原子力利用
における安全の
確保
に万全を期するため、
原子力安全委員会
の
運営
、
放射能測定調査研究
などに必要な
経費
として二十億四千六百万円を計上いたしております。 次に、
動力炉・核燃料開発事業団
におきましては、
高速増殖炉
の
実験炉
の
運転等新型動力炉
の
研究開発
を進めるとともに、
ウラン資源
の
海外調査探鉱
、
遠心分離法
による
ウラン濃縮パイロットプラント
の
運転等核燃料サイクル確立
のための
研究開発
を進めることとし、これらに必要な
経費
として同
事業団
に対する
政府出資金
と
補助金
を合わせ六百三十七億二百万円を計上いたしました。 また、
日本原子力研究所
におきましては、
原子力施設
の
安全性
及び
環境安全性
に関する
試験研究
を進めるとともに、
臨界プラズマ条件
の達成を目指した
臨界プラズマ試験装置
の
建設等
、
核融合
の
研究開発
を
推進
することとしております。 また、
多目的高温ガス炉
に関する
研究開発
及び
放射線利用
に関する
研究開発
を進めるほか、
各種基礎的研究
を行うなど、これらに必要な
経費
として、同
研究所
に対する
政府出資金
と
補助金
を合わせ八百二十五億八千九百万円を計上いたしました。 さらに、
日本原子力船研究開発事業団
につきましては、
関根浜新港
の
整備
、
改良舶用炉
の
研究開発等
を行うために必要な
経費
として七十七億三千万円を計上いたしました。 また、
放射線医学総合研究所
におきまして、低
レベル放射線
の影響に関する
研究
、
内部被曝実験棟
の
建設
、
運営等
を進めるため六十億五千二百万円を計上いたしましたほか、
国立試験研究機関
及び
理化学研究所
における
原子力試験研究等
に必要な
経費
として三十九億九千三百万円を計上いたしております。 第五に、
宇宙開発
の
推進
といたしまして八百五十八億一千二百万円を計上いたしました。 まず、
宇宙開発
事業団
におきまして、重量約五百五十キログラムの
静止衛星
を打ち上げる
能力
を有し、
自主技術
による
液酸液水ロケットエンジン
、
慣性誘導装置等
を用いた
HIロケット
の
開発
を進めるとともに、
昭和
六十年代後半の
大型人工衛星
打ち上げ
需要
に対応するため、
HIロケット
の
開発成果等
を生かして、
大型ロケット
の
研究
を行うこととしております。また、
静止気象衛星
三号を
昭和
五十九年度に打ち上げるとともに、
放送衛星
二号に次ぐ
放送衛星
二号、
スペースシャトル
を
利用
した第一次
材料実験システム
の
開発
、
能動型観測技術
の
確立
を図るとともに、
資源探査
を主
目的
に、
国土調査
、
農林漁業等
の
各種観測
を行うことを
目的
とする
地球資源衛星
一号の
開発研究
に着手するほか、
放送衛星
二
号b
、
海洋観測衛星
一号、
技術試験衛星
Ⅴ型、
通信衛星
三号の
開発
、
宇宙基地システム構成要素
の
研究等
を行うこととしております。これらに必要な
経費
として同
事業団
に対する
政府出資金
と
補助金
を合わせ八百四十三億五千八百万円を計上いたしました。 次に、
宇宙科学技術
の基礎的、
先行的研究
といたしまして、
航空宇宙技術研究所
において
大型ロケット用液酸液水ロケットエンジン要素
の
研究
、
衛星基礎技術
に関する
研究等
を進めるための
経費
として九億一千八百万円を計上いたしました。 また、
人工衛星
の打ち上げを円滑に実施するため、
種子島周辺漁業対策事業
の
助成等
を行うために必要な
経費
として五億三千六百万円を計上いたしております。 第六に、
海洋開発
の
推進
といたしまして五十一億四千六百万円を計上いたしました。 まず、
海洋科学技術
に関する
研究開発
を
推進
するため、
海洋科学技術センター
におきまして、
水深
二千メートル
級潜水調査船
による
深海調査技術
の
研究開発
を進めるとともに、さらに大
深度
を目指した高
耐力潜水調査船システム
の
研究
を実施するほか、
水深
三百メートルまでの
潜水作業技術
の実
海域実験
に使用する
海中作業実験船
の
建造
を行う等、
総合海洋科学技術開発プロジェクト
を進めることとし、これらに必要な
経費
として同
センター
に対する
政府出資金
と
補助金
を合わせ四十九億六千三百万円を計上いたしました。 また、
関係省庁
の
協力
を得て、黒潮の
開発利用調査研究
、
海洋遠隔探査技術
の
開発研究等
を進めることとし、これらに必要な
経費
として一億八千三百万円を計上いたしております。 第七に、
重要総合研究等
の
推進
といたしまして二百六十五億九千三百万円を計上いたしました。 まず、
防災科学技術
の
推進
につきましては、関東・
東海地域
における
地震予知研究
、
地震発生機構
に関する
研究
、
平野部直下型地震
の
予知研究等
を行うほか、
地震防災関連研究
、
雪害対策研究等
を実施するため、
国立防災科学技術センター
の
予算
を
中心
に二十一億一千万円を計上いたしております。 次に、当庁の
附属機関
のうち、
航空宇宙技術研究所
の
航空技術部門
におきまして、
短距離
で
離着陸
が可能であり、かつ、低騒音を特徴とする
ファンジェットSTOL実験機
の
製作
を前年度に引き続き行いますほか、
航空技術
に関する
各種研究
を実施いたしますため八十八億六千二百万円を計上いたしております。また、
金属材料技術研究所
及び
無機材質研究所
における
極限科学技術関連材料
など
材料技術研究開発
のための
各種試験研究
及びこれに関連する
施設
の
整備
のため必要な
経費
として五十三億五千四百万円を計上いたしております。
理化学研究所
につきましては、
原子力関係
に計上いたしました
経費
のほか、
ライフサイエンス関係
、
レーザー科学技術
の
研究等
の
各種研究
を
推進
するための
経費
として八十億六千七百万円を計上いたしております。
資源
の
総合的利用方策
の
推進
といたしましては、
自然エネルギー
の
利用
を
中心
とした
地域エネルギー総合利用
の
実証調査等
を行うほか、
資源調査所
における
各種調査等
のため必要な
経費
として三億六千三百万円を計上いたしました、 新
技術開発事業団
につきましては、前述の
流動研究システム
による
創造科学技術
の
推進
のための
経費
のほか、新
技術
の
開発
を効率的に進めるとともに、その
成果
の普及を行うための
経費
として、同
事業団
に対する
政府出資金
と
補助金
を合わせ十八億九百万円を計上いたしております。第八に、
国際協力
の
推進
を図りますため、
エネルギー分野
及び非
エネルギー分野
における
日米科学技術協力
を初めとする
先進国
との
科学技術協力
に必要な
経費
として三十七億四百万円を計上いたしましたほか、
ASEAN諸国等
の
開発途上国
との
科事技術協力
に必要な
経費
として一億二千四百万円を、また、
経済協力開発機構等国際機関
との
協力
に必要な
経費
として八億二千九百万円をそれぞれ計上いたしました。 第九に、
科学技術振興基盤
の
整備
といたしまして、まず、
研究公務員
の
海外
・
国内研修等研究基盤
の
強化等
に必要な
経費
として五億三千五百万円を計上いたしました。 次に、
日本科学技術情報センター
における
内外科学技術情報
の
収集
、整理及び
提供業務
の
充実
を図る等、
科学技術情報
の
流通
を
促進
するために必要な
経費
として四十二億五百万円を計上いたしましたほか、
科学技術
の
広報啓発活動
の
推進
に必要な
経費
といたしまして一億九千百万円を計上いたしております。 第十に、
昭和
六十年に
筑波研究学園都市
において
国際科学技術博覧会
を
開催
するために必要な
経費
として二百六十七億二百万円を計上いたしました。 本
博覧会
は、
科学技術
の
重要性
に関する
国民
の
理解
を深めるとともに、
科学技術
の
国際交流
の
促進
に寄与すること等を
目的
として
開催
するものであり、
昭和
五十九年度においては、
会場
及び
政府館
の
建設
並びに
政府出展展示物
の
製作
を完了するとともに、
運営等
の
準備
を整え、
昭和
六十年三月から
開催
することとしております。一以上、
一般会計
の
歳出予算
につきまして、その
重要項目
を御説明いたしましたが、次に、
電源開発促進対策特別会計
のうち、
科学技術庁分
の
重要項目
につきまして、その大略を御説明いたします。 まず、
電源立地勘定
におきましては、
原子力施設
の
立地
を一層
促進
する見地から、
原子力施設
の
周辺地域
の
住民等
に対する
給付金
の交付及び
周辺地域
における
雇用確保事業
の
推進
に必要な
経費
として十三億円を計上いたしております。また、地方公共団体の公共用
施設
の
整備
に必要な交付金に充当するため二十五億七百万円を計上いたしましたほか、
放射線
監視対策、
原子力
防災対策などの
原子力
安全対策等に必要な
経費
として六十六億七千四百万円を計上いたしました。 また、
電源
多様化勘定におきましては、
高速増殖原型炉
「もんじゅ」の
建設
、新型転換炉実証炉に関する
研究開発等
新型動力炉
の
開発
を進めるとともに、
使用済み燃料
再
処理
技術
の
開発
及びウラン濃縮原型プラントの
建設等
のウラン濃縮
技術
の
開発
に必要な
経費
として
動力炉・核燃料開発事業団
に対する
政府出資金
と
補助金
を合わせ六百三十九億六千三百万円を計上するとともに、原子炉解体
技術
の
開発
、
放射性廃棄物
処理
技術
の
開発
等を
推進
する
経費
として四十三億百万円を計上いたしました。 以上、簡単でございますが、
昭和
五十九年度
科学技術庁関係予算
につきましてその大略を御説明申し上げました。
大野潔
7
○
大野委員長
次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。 午後零時三十七分散会