○青山
委員 大臣としてひとつぜひ責任を担っていただきたいと思います。
実は先般、札幌での記者会見がありましたが、
ソ連との対話の拡大強化を目指す意向を
安倍外務大臣は表明しておられます。この点に関してお尋ねをしたいと思いますが、今日の日ソ
関係というのは非常に厳しい
状況にあります。その原因となっておるものは、第一に七九年末の
ソ連によるアフガニスタンの侵攻でありました。またポーランドにおける一連の
ソ連の
行動あるいは北方領土問題に対する
ソ連の態度、解決済みであるというような、こうしたかたくなな態度、さらには七八年以降の北方領土への軍事力の増強、SS20など極東
ソ連軍の増強、そして大韓航空機撃墜事件など、一連のこうした問題がたび重なってきました。
この日ソ
関係に立ちはだかっておる基本問題は一体改善されているのかどうか。私の
立場で少し触れさせていただきますが、北方領土問題については一九七三年の田中・ブレジネフ会談では、当時、
共同声明の中に「未解決の諸問題を解決して」云々と、こういう中に、当時の田中総理は、領土問題も入りますねと再三確認をされた。ブレジネフ当時の書記長はうなずかれて、口頭でその点を
認めておられたと聞いております。にもかかわらず、その後、解決済みであるとか存在しない、こういう態度をとり続けてきました。
さらに、先般の高島駐ソ大使が天皇誕生日に当たって
ソ連国民へのテレビ演説の際に、北方領土に関する部分が昨年と同じような
内容であったにもかかわらず、修正削除を要求されてきた。こういうようなことでもわかりますように、
ソ連側はむしろ従来より
日本側に対して厳しい姿勢を見せていると思います。
さらにアフガンでは軍事的圧力を抑制するどころか新たな兵力を投入して大攻勢を展開していることが伝えられております。
さらに大韓航空機事件についても、当時グロムイコ外相が、世界はそのうち忘れるであろう。世界はそのうち忘れるであろうと言ったとおり、事件については何らの謝罪、賠償は得られておりません。
また北方領土への
ソ連軍の増強、極東へのSS20の増強等々、やはり依然として軍事力の強化を図っております。
こういう
状況の中で、日ソ間に立ちはだかっておる基本的な問題は一体改善されているのかどうか。いやむしろ、それよりは厳しい
状況になってきておる。にもかかわらず、こういう
状況で
大臣の方から対話の手を差し伸べていかれる。その意図は一体どんなところなのか、ぜひひとつ御説明がいただきたいと思います。