○岡田説明員 先般、七月二十一日の山陰線の踏切事故におきまして、乗客一名の方が死亡され、二十数名の方が負傷されるという事故が起きましたこと、まことに残念に、申しわけなく存じております。
この山陰線の踏切についてでございますけれ
ども、この踏切は当初四種踏切でございましたものを三十九年に三種踏切に格上げをし、四十四年には一種踏切に格上げをし、五十四年の十月に、山陰線の複線化に基づきまして踏切の構造改良をいたしたところでございます。先生御指摘のように、踏切の幅員が狭い。まあ道路の幅員も狭いわけでございますが、踏切の幅員も狭い。今回特に大型車のすれ違いの問題が原因であったということにかんがみまして、早急に公安
委員会の方とも御相談を申し上げまして、例えば大型車の車禁とか、そういった措置をとるように
考えたい。また近所には比較的近いところに立体交差もございますので、そういう措置がとれるかどうかということについて早急に御相談をしながら
検討したいというふうに
考えております。
それから外房線の八積−茂原間の踏切についてでございますが、これは五十九年の五月十八日に一種化を完了いたしております。さらに踏切の拡幅というお話がございましたけれ
ども、もし踏切を今の道路幅員に合わせて拡幅をされるということでございますと、この踏切の拡幅につきましては道路
管理者の方に費用
負担をお願いするということになるわけでございます。
それから、全般の踏切対策がどうなっているかということの前に、お話ございました奈良線の東福寺の件でございますけれ
ども、これにつきましては、この中学生の方がはねられた現場と申しますのは、踏切という
状況にはなっていない箇所でございまして、ちょうど
国鉄奈良線のホームの端にあるところでございます。踏切の新設をという御要望もございますけれ
ども、御
承知のように、現在
国鉄といたしましては、例えば立体交差による踏切の廃止あるいは統廃合による廃止ということで、踏切事故を減らすためにまず踏切の数を減らすことが先決であるということで対策を進めておりますところでございますし、また奈良線のホームのすぐ縁端という位置でございまして、踏切をつくるということは非常に困難な箇所でございますので、この位置に歩道橋を設置をするということをお
考えいただいてはいかがかということで、その後京都市といろいろお話を申し上げておりますが、現在のところまだ実現をしていない
状況でございます。早急に協議を進めたいというふうに
考えております。
なお、京阪電車と比べて非常におかしいではないかというお話もございましたけれ
ども、京阪電車の場合には、道路からこの京阪電車を横断をいたしまして
国鉄との間に若干民地が残っておりまして、そこに民家が三軒ぐらいあるということで、そこに御通行なさる方のためにもどうしても踏切が必要であるということでそういう措置がなされているというふうに
考えております。
また、全般的に踏切の改良促進の
状況はどうなっているかということについてでございますけれ
ども、先生御指摘のように、五十七年度の数字の御指摘がございましたけれ
ども、五十八年度一年間におきましても、一種の踏切の格上げ、それから踏切全体の廃止と申しますか、例えば連続立体交差でございますとかあるいは単独立体交差による廃止、それから地元の方々とお話し合いをさせていただいて踏切を統廃合するということで廃止を進め、かつその残った踏切については極力一種化を進める、あるいは四種の三種化を進める、四種につきましても、地元あるいは公安
委員会とお話の上で車禁を進めるということで強力に進めてきておりまして、五十八年度現在の数字を申し上げますと、一種踏切は一万八千八百三十三ということで、五十七年度に比べましても増加をいたしております。なお、全体の踏切の数は二万九千四百十一から二万八千九百三十九ということで減少を見ている中で、一種踏切については増加を見ているということでございます。それから四種踏切につきましては、五十八年度末では六千八百八十二ということになっておりまして、このうち車禁の踏切が五千三百八十五でございますので、いわゆる車が通れる四種踏切というのは
国鉄全体の踏切の中で千四百九十七カ所、五%というような数字になっております。御
承知のように、
国鉄の財政、非常に厳しい中でございますが、こういった安全に直接かかわりのある投資につきましては極力最重点で
予算を配分するということで進めております。
以上でございます。