○田並
委員 ただいまの
大臣答弁なりあるいは
国鉄の
答弁ですが、安全の確保と良質サービスの確保、これは本当に
運輸の要請でございますので、私の方から
お願いをした大都市交通、地方交通、さらに
国鉄にかかわる安全施設等々の問題について、
予算措置等を含めてぜひひとつ今後とも全力を挙げて
努力を
お願いしたいということ、さらに仲裁裁定の完全実施については手当を含めて、かなり厳しい
財政事情であるということは百も
承知でありますが、少なくとも先ほど申し上げましたように、将来にわたって
国鉄に働く労働者の人
たちに、厳しいけれ
どもとにかく
努力をすれば明るい展望が切り開けるんだということをきちっと与えるような対応を一層
努力されたい、このように思います。
次に移ります。
地域交通政策の推進についてお伺いをいたしますが、その第一点は、先ほ
ども大臣の方から御
答弁がありました地方
陸上交通
審議会における各県部会から出された答申に対して、
運輸省はどう対応されようとするのかということについてお伺いをするわけであります。
既に、十一の県部会、あるいは北海道の場合には
一つの部会でございますが、答申が出されております。これらの中に大体共通をする課題として、幾つかの答申を見てみますと、
指摘をされていることがございます。
一つは、地域交通を守るためにフリーストップ制を導入したらどうだとか、あるいはデマンドバスと言いまして、呼び出しがあればそこへバスが向かっていくという、こういう制度を導入したらどうだとか、あるいはバスがいつ来るのか、待っている人にすぐわかるようにということでバスロケーションのシステムを導入したらどうであるとか、乗り継ぎ施設を
改善をするべきであるとか、いろいろ極めてきめ細かく、しかも利用者の利便を
考えた答申というのが出されているわけであります。これを
一つ一つ着実に実現していけば、まさに大都市における、あるいは地方都市における国民の足というのでしょうか、これが大いに守られ、しかも地方交通機関というものが貢献をするというふうになると思うのです。
しかし、これも実際に実施に移す
段階で、特に大都市圏のバスにしてもあるいは地方都市のバスにしても、
経営が非常に悪化をしているということはもう御案内のとおりであります。企業
努力で何とかできるものと、多額な
経費を要してどうしてもできないもの、こういうものがあります。もちろん、地方バスの施設整備についての補助も
運輸省の方では相当
考えているようでありますが、この答申を生かして、地域交通を守る
立場からさらに助成
措置をもう一歩真剣に
考えてみたらどうか、このように思うのですが、これについての
運輸省のお
考えをひとつお聞かせを願いたいと思います。
それから、地域交通政策の第二点目は、先ほど
基本的な問題で
お尋ねをした大都市圏における交通網の整備の問題とさらに交通環境の整備という点についてお伺いをしたいわけであります。
先ほ
ども申し上げましたように、東京を中心にした神奈川、千葉、茨城、さらに埼玉東部、西部、三多摩、この辺の鉄道の混雑率は、過般、
国鉄総裁も何か常磐線ですか総武線ですか、
現地視察をされて、二七〇%の混雑率でびっくりしたという、あるいは駅舎が非常に古くてこれはどうにもならないとか、階段が狭くてどうにもならないとかいうことが新聞記事に出ております。大体どこでも同じようであります。逐次
改善はされておりますが、まさに通勤通学者は連日通勤地獄に悩まされているというのが大都市圏の交通の
状況であります。また、大都市部におけるバス輸送も実は慢性的な道路渋滞によって定時運行が不可能になっている、こういう
状況であります。これも御案内のとおりであります。これが結果的にバス離れに拍車をかけてきている。まさに大都市圏における交通政策の欠如というのがこういう状態を現出をして、結果的に利用者へしわ寄せをしている、このように私は思うのであります。大都市圏における輸送力の増強と交通環境の整備についてどのような政策をもって推進を今後しようとするのか、ぜひひとつお
考えをお聞かせを願いたいと思います。
あわせて、先ほど言いました県南の西部、東部、これに
関係をする
国鉄線として東北線と高崎線がございます。この輸送力の増強については前から
指摘をされ、逐次
改善はされておりますが、依然として二五〇以上の混雑率が連日続いているわけであります。通勤新線が来年の三月、上越・東北
新幹線の開通と同時に赤羽—宮原間が開業される予定だと聞いております。ぜひこれらを利用して高崎線への乗り入れ、あるいは現行貨物線として大宮から赤羽まで通っておるこれらの貨物線を利用して、もうちょっと高崎線、東北線の輸送力の増強というものを
国鉄は
考えるべきではないか。抜本的には高崎線も東北線も複々線にするのが一番いいわけであります。なかなかそのことは困難でありましょうから、とりあえずの
措置としてこれらのことをぜひ真剣に
考えていただきたいと思います。
ちなみに申し上げますと、東京を中心にして放射状線の鉄道が、東海道、中央、総武、常磐、高崎、東北と走っておりますが、この中で特急斜、急行料を払って乗ってくるのは高崎線と東北線だけであります。ほかは大体快速という電車が通っているんですね。高崎線は、しかも黒字線の中の
一つであります。まことにどうも、お金はいっぱい取る、黒字になって
国鉄には貢献をする、サービスはなかなか返ってこない、こういう
状況が高崎線であり、東北線であります。こういう事情もぜひ御賢察を願って、大都市圏における輸送力の増強の
一環として、今申し上げた点をぜひ実現をするように
お願いをしたいし、
考え方を
国鉄からお聞かせを願いたいと思います。
さらにもう
一つ、これは大都市圏における輸送力の増強とちょっと離れて申しわけないのですが、
国鉄の財産、要するに遊休地の活用の方法について、私
どもは、
基本的に
国鉄が最も有効に活用するべきである。売っ払ってみても、結果的には借金の穴埋めに焼け石に水のような
状況であります。それだったらもうちょっと頭を絞って、知恵を出して、
国鉄として何かもっと有効に活用され、国民から喜ばれ、しかも収益の上がるようなことを
考えたらいかがなんだろうか、こういうふうに思うのです。
例えば、大宮操車場駅三十三万平米が五九・二によって遊休地になりました。今は貨車の墓場であります。使っていない貨車が野ざらしになって、
国鉄に長く勤めておった人にとってみると、まことに昔日の感がするというんですね。こんな状態に
国鉄はなってしまったのか、と。あれがもっと、仮に遊休地になったとしても、本当に
国鉄のために大いに役に立っている、おれ
たちがあそこで働いておったところがこういうふうに立派になったというふうに言われるように、もうちょっと
国鉄も知恵を絞ってやるべきじゃないかという話をしばしば聞くわけでありますし、私も高崎線で国会へ来るわけでありますから、いや応なしに大宮操車場の跡地が目に入ります。まさに墓場であります。貨車の墓場であります。やはりこれの有効活用というものを
国鉄はもっと真剣に
考えるべきだろう。万が一、どうしても売り渡しをしなければいけないというときには、まず自治体に相談をして、自治体の都市計画やら、あるいはそこに住んでいる人
たちのためになるような形で自治体に最優先をさせて、その活用を任せるべきだ、このように思いますが、この辺も含めてお
考えをお聞かせを願いたいと思います。
最後までやってしまいますが、地域の交通政策の第三点目として、地方バス対策についてであります。先ほ
ども申し上げましたように、今、地方バスは大変危機的な
状況に陥っております。過疎化の進行、モータリゼーションの
影響、これらによって利用者が急減をし、
赤字を理由に路線の廃止が続いております。五十八年度の
運輸白書ではこのことを
指摘をして、「地方においては人口の過疎化と相まって公共交通の維持が困難になり、それに依存せざるを得ない人々の足の確保の問題が生じている。」というふうに
指摘をしているわけであります。さらに、先ほど申し上げました地方
陸上交通
審議会の各県部会の答申の中でも、いわゆる交通弱者の対策として、地区の実情に応じたシビルミニマムの確保について
提言をし、地方バス対策の重要性を、十一出ている答申の中ですべてが
指摘をしているわけであります。地方バスの危機というのは、その地域の人々の生活を危機に陥れるだけではなくて、実はまさに地域そのものの崩壊にまでつながるそういう重要な問題であります。
しかしながら、
運輸省は、その地方バス対策について軽く扱っている、と言うと怒られますが、
予算的には昨年よりも補助額をふやしているのですが、先ほど申し上げましたが、現状の
指摘はあるのですけれ
ども、しからばこれをどういうふうにするかというのが五十八年度の
運輸白書の中には明らかにされておりません。ところが五十五年、五十六年、五十七年とずっと見てまいりますと、地方バス対策についてずっと出ているのですね。そして五十五年度の白書では、先ほどの府県部会の答申と同じように、地域の実情を踏まえて、シビルミニマムとしての公共交通の維持確保に努める必要があると、ここでも地方バスの重要性を
指摘しているわけであります。わずか三年で
運輸白書から消えてしまった。別に他意はないのでしょうけれ
ども、うがった見方をすれば、いよいよ地方バスもこれで終わりになるのかな、こういう感をするのは私一人だけではないと思うのです。今日まで地方バスの補助制度の適用を受けておって三年間補助を受けておった第三種の生活補助路線については、五十八年度から第二種に格上げをするか、自治体に代替バスを出させてそれに移行するか、これをしませんと、昨年の十月以降、これらの切りかえ
措置のできない地方のバス路線については補助対象から外されて、廃止をするということになってしまったわけであります。
細かな
内容は申し上げませんが、結果的に昨年の十月現在で今日まで走っておったたバスで廃止になったのが全体の五五・六%であります。何とかして残ったのが四四・四%であります。もちろん五五・六%の中には完全に廃止したところ、その他未決定を含めてでありますが、こういう厳しい地方バスの実態であります。しかも現在二種路線であっても、現在走っている二種路線のうちの大体三割から四割が三種路線に転落するのは時間の問題だという
状況にあるようでありますから、これまた転落をしますと路線が廃止されてしまう。ますます交通弱者と言われるお年寄りや子供や体の不自由な方々の足が守れなくなる。しかもその地方の過疎化が一層進行していく。こういう厳しい
状況にあるわけであります。ぜひひとつ地方の人々の足を確保して地域の活性化を促し、住んでいてよかったというような地方をつくり上げるために、
運輸省は今日までも
努力はされておりますが、さらに積極的に地方バスの維持強化の
方向に政策転換を図るべきだというふうに思います。
以上申し上げて、三点の問題について地域交通政策の
関係を、
関係の皆さんの方から御
答弁をいただきたいと思います。