○渡部(一)
委員 また総論でやっつけられましたから、今度はもう少し細かくいきます。
きょうは時間がなくなってきましたからもう後ほどんど言えませんが、私は
日本の議員としてはまた野党の議員としては大変珍しいことでありますが、
アメリカ軍の戦闘作戦司令部のかなり中枢まで見せてもらった一人であります。その信用にこたえて余りしゃべらないことも事実ですが、
一つはっきり言っておかなければならぬことがあると思います。
それはNORAD、つまり
アメリカ防衛軍総司令部でありますが、コロラドスプリングズのそばにある核攻撃に耐え得る総司令部は
アメリカ及びカナダ
両国軍をもって編成されており、あらゆる核攻撃に対してそれをはね返し戦闘する中心総司令部であります。そこを見せてもらいましたときに私が一番問題だなと思いましたのは、核攻撃をもし
日本が受けるという時点になってミサイルが飛んでくるとか核爆撃機が侵入してくるときに、あそこでは全部情報がわかるようになっていますし、空に舞い浮かんでいるところの人工衛星その他のものは全部二十四時間キャッチしており、適正かどうかも判断しているところでありますから当然それはわかるわけであります。そのときに
アメリカ大陸に撃たれたものでありますならば即時応戦態勢が整っておる。ところが同盟国ごとに対抗策が即時でいくのと即時でいかないのと段差がいろいろある。
日本の場合はどうなっているかと言うと、あそこの総司令部はそれをキャッチすると大統領に報告して、大統領から国務省に報告している、国務省が
日本の出先の大使館に報告して、それから
日本の
外務省及び官邸に報告されるというルートであることをあの人たちは僕らに話してくれました。どれくらいの時間がかかるのだと言いましたら、恐らく一時間と
答えたのが印象的でした。
この話をするのは十年ちょっと前の報告だから申し上げているわけであります。今どうなっているかわかりません。しかし、それが本当であるならば、核抑止力というふうな概念で
日本の生存を期するということは非常に危険なのではないか、核抑止力に頼り過ぎるのは問題なのではないか、そうしたポイントはもう少し詳細に詰めておかなければいけないのではないか、現実の政治家として私はそう思うのです。これは今まで当
委員会で
議論されておりません。したがって、核抑止力の問題については私は御研究をいただかなければならぬと思うのです。これに御
答弁をきょう求めるのは無理だと思います。だからきょう御
答弁は求めません。この次この続きを論戦させていただきたいと思います。
もう
一つ、先月の米下院歳出
委員会軍事小
委員会の公聴会の記録によりますと、八三年にロサンゼルス級攻撃型原潜六隻が
核トマホークを
配備する能力を既に備えたとなっておるわけでございますが、その六隻の中にサンフランシスコが入っているようであります。ところが、
政府の
答弁雷を拝見しておりましたところ、
昭和五十九年七月二十日付「衆議院議員稲葉誠一君提出
トマホーク実戦
配備と
非核三
原則に関する
質問に対する
答弁書」によりますと、
昭和五十八年一年間における米原子力潜水艦の本邦寄港回数は計二十五回。そのうち、
トマホーク運用能力の付与が計画されているスタージョン級及びロサンゼルス級に関する寄港回数はそれぞれ十二回及び五回、そのロサンゼルス級の方はオマハが一回、サンフランシスコが二回、ロサンゼルスが一回、インディアナポリスが一回、まさにここのところにサンフランシスコという名前が登場するわけであります。
この公聴会の記録を拝見いたしますと、核
配備の能力を持つようにしたと書いてありますけれ
ども、核を
配備したとは厳格には響いてありません。
言葉上のレトリックでは、
日本に来る途中で、核
配備の能力は持っておるけれ
ども、ハワイあたりで核兵器はちゃんと置いてきたとか、途中の黒潮のあたりで核兵器を水の上に浮かしてきたというようなユニークな御
答弁は可能であります。私は今ちゃんと大臣に逃げ方を教えているわけであります。しかしながら、ごくまともに読めば、サンフランシスコが
核トマホークを
配備して寄港していたのではないか。この公聴会の方はこれから
配備する計画なんですが、八三年の分については
実施されている計画が述べられているわけであります。ですから伺うわけでありますが、この点をどうお考えであるか承りたいと存じます。