○塩田
政府委員 お答えいたします。
まず第一点、村当局に四月十八日、
防衛庁の職員が要請に行った、新しい情勢の変化があったかということでございますが、別に新しく
説明を付加するに足る情勢の変化、条件の変化等があったわけではございません。伺いましたのは、村長が病気をしておられまして、治って執務されるに至りました。また、その間島をこの問題についていろいろお騒がせをしておりますので、表敬訪問に伺い、あわせて、国の大きな問題でございますので、我々に
説明する機会を与えていただきたいということをお話ししに行ったわけでございまして、率直に申し上げて、まだこの建設問題を要請しに行くという段階ではないと我々は考えております。
第二点につきましては、三宅島について米側から強い要請があったという報道があるが事実かということでございますが、この点、米側はNLP問題の解決についていろいろ強く要請をしてきておりますけれ
ども、三宅島とかそういうふうな具体の場所を地名を挙げての要請はございません。
それから第三点は、昨年の十二月、改選前の村議会が、先生のお話ですと唐突な議決を行った、その間に
防衛庁側からの下工作が強く行われたのではないかといった風説が強いが事実はどうか、今後またそういうことがあり得るかということでございますが、これは従前から私
どもが
三つのテーマで
調査いたしております第二のテーマ、新しく新設する飛行場の適地はないかという場合に、伊豆七島が対象の
範囲の中に入っておるということは事実でございまして、従前からそういう
意味では
関心を持っておりましたけれ
ども、改選前の十二月二十一日の村議会の議決について私
どもが具体的な何らかの工作をしたということはございません。今後どうかということでございますが、今後とも私
どもは慎重に、村当局を初め村の方々に対しまして、この訓練の実態といったものについては御
説明させていただく機会を欲しいと思っております。そのための努力は続けていきたいと考えております。
それから、四月十八日の村長の拒否は最終的なものであって、村の意思を代表するものである、
防衛庁もそのように理解しているかということ、それからその次の、村長のあるいは村議会の意思は第一に尊重されるべきものであるということについての
お尋ねでございますが、村長の今回の訪問に対しての回答というものは、当然村長の
言葉としてそれなりに受けとめるべきものであると考えております。ただ、先ほど申し上げましたように、私
どもの
立場としましては、今後とも村当局初め
関係者に御
説明をし、話し合いをしていく機会が欲しいということは、今後ともそのための努力を続けていきたいと思っております。
なお、第五点の、村長あるいは村議会の意思を無視して強行手段をとらないかという点でございますが、これは一般的に言いまして、三宅島に限らず共通の問題でございますけれ
ども、この種の問題は、
関係地方公共団体あるいは村民の方々の御理解、御協力がなければ実現できるものではございません。そういう点を私
どもは十分、百も
承知をいたしております。したがいまして、三宅島につきましても、村当局及び村民の方々の理解をいただくような努力を今後とも
最大限にしていくべきであると考えております。
それから、
防衛庁が三宅島の訓練場について
三つの案を持っておって、その位置、
規模、住民の被害、経費、建設
期間等についての詳細なデータを出せという御要望でございますが、今申し上げましたような段階でございまして、私
ども、三宅島につきましても、三宅島のどこというふうにまだ具体的な
調査をしておる段階ではございません。したがいまして、御指摘のような具体的な騒音の及ぶ
範囲でありますとか、建設のためのいろいろな
期間でありますとか経費でありますとか、そういったようなことについてまだ具体的に
資料をお出しするような段階には至っておりません。
それから、このタッチ・アンド・ゴーの飛行場はいつまでの完成を目指すのかというのが第七問だったと思いますが、この点は非常に差し迫った緊急な課題でありますけれ
ども、この種の事柄からいきましても、具体的に期限をつけていつまでに解決すべきであるといってもなかなかできないのも
現実でございまして、なるべく早くという気持ちは私
ども非常に強く持っておりますけれ
ども、具体的な期限をつけて対処しようとしておるわけではございません。
それから第八問、伊豆七島あるいは
小笠原、こういったシーレーンの戦略上極めて重要とされるこの地区、三宅島にこういう話があるということはシーレーン問題とどういう関連をするのかということでございますが、私
どもは、現在やっておりますのは、厚木における艦載機訓練場の問題の解決のためにどこがいいかということで
調査いたしておるわけでございまして、シーレーンのことを念頭に置いているものではございません。
それから、三宅島が唯一の候補地か、ほかにも候補地があるか、
交渉しておるのか、あるいは海上飛行場はどうかといったような
お尋ねが次の問題であったと思いますが、毎々申し上げておりますように、
三つのテーマによりましていろいろなところにいろいろなテーマで
調査をいたしております。したがいまして、候補地につきましても複数持っておるわけでございますけれ
ども、三宅島もその中の
一つであると御理解をいただきたいと思います。ただし現時点では、三宅島も含めましてどこに絞るということが言えるような段階にまで至っておりません。
それから最後に、このタッチ・アンド・ゴーの訓練飛行場の建設そのものを断念する考えはないかという御趣旨だったと思いますが、私
ども、この問題は
米軍のパイロットの練度維持という観点から、ひいては日米
安保体制の効果的運用という問題に大きくつながっておる非常に重要な問題であると考えております。したがいまして、私
どもは、大変困難な現状にございますけれ
ども、何とかこの問題の解決を見出すべく努力をしていきたいと考えております。