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国務大臣(
中曽根康弘君) 行革につきましては、公明党の皆様方からいつも御激励をいただきまして感謝しておる次第であります。
ただいま御質問いただきました
機構減らしの点でございますが、この点につきましても鋭意努力をしてきた次第でございます。今回の
総務庁設置法案等を中心にするやり方もその一つの課題でございますが、とにかく最近の事態におきまして中央
省庁に手をつけたというのは今回が初めてなので、この程度のものをやるについても相当な抵抗が官僚の中にあったということはあの当時の新聞をお読みいただけばわかると思うのであります。ですが、思い切った強行策をやりまして、臨調
答申になかった行管庁及び
総理府を
統合再編して新しいものをつくるというところまで前進したわけなのでございます。これによって大臣を一人浮かすとか、あるいは総務副
長官、副
長官を二人やめるとかいろんなこともやって、十分ではありませんけれども、まず第一歩を刻んだというところに意味があると思います。これで私は中央
省庁の問題は終わりとは思っておりません。引き続いてこの時代に合うような展開を次に考えてしかるべきであると思っております。
しかし、今回の
国家行政組織法の
改正をお願いいたしまして、自律的に各庁で再編を行おうという用意をさしております。
法律が成立いたしましたら、来年度予算の編成が十二月に行われますが、それを機に各
省庁の自主的改編策というものを表に出していきたい、そう思っております。なかんずく運輸省あるいは厚生
省等々におきましてかなりの思い切った改編も考えております。
運輸省におきましては、いままで許認可官庁として許認可権を握っていて、いわゆる統制色の強い性格を持っておりましたが、交通運輸
関係全般をつかさどる
統合的な官庁として、政策官庁として脱皮するというていの改革をいまやらしておるわけであります。運輸省におきましても大体成案を得て、いつ実施するかという
法律の成立を待っておるという状態でもございます。これで一つ一つモデルができてきますと、はずみが出てまいりまして、引き続いて各
省庁につきましても自主的にやらしたいと思うのです。
ただ、ここでお断りしなきゃならぬのは、この
機構改革に伴って人員削減とかそういうものが顕著に出るということはなかなかむずかしい。というのは、
昭和四十年代におきまして第一回の臨調
答申が出て、そのとき以来その実際的な出血を伴う、人員
整理を伴う行革については非常に強い反対が社会党その他からありまして、そしてそういう附帯決議が出されておりました。今度の
臨時行政調査会設置法案をつくるについてはそういう附帯決議を排除しまして、そういうことのない臨調というものにいたしまして、新しい展望を開こうとして出てきたことは事実であります。しかし、実際問題といたしまして、人員の削減という問題は、片っ方で第六次の人員削減計画が進行中でございまして、実際これは実質的な人間の削減を及ぼす削減をやっておるわけでございます。昨年あたりで千四百数十人、また今年度におきましては千六百九十五人でございましたか、これはみんな実際の現員を減らしていくということであり、来年は定年制、六十歳定年が出てまいりますから、さらに思い切った削減をやる。それで、いま片っ方で別個の体系で進行している人員削減計画をさらに片っ方では力強く進めていきたい。
機構の問題については、各
省庁が自主的にこれが一番いいというものを各
省庁につくらせまして、それをわれわれが監督しまして、それを検討をし、承認した上で実行していく、この方がはるかに能率的だ、そういう考えを持って進めておりますので、これでおしまいということではありません。まず第一歩である、そのようにお考えいただいて結構であります。