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説明員(
高木文雄君) まず第一の、職員の仕事の縮小と職員の身分の
関係でございますが、たまたまめぐり合わせと申しますか、来年の春あるいは再来年の春やめる年回りになる職員が非常に大
ぜいおります。したがって、いま三坂常務から申し上げましたような大変大規模な要員削減を計画はいたしておりますけれども、それを実行いたしましてもいまおっしゃる、生首という言葉をお使いでございましたが、生首に及ぶということはまずあり得ないと考えておりまして、その点はこの
機会にはっきり申し上げさせていただきます。ただ、配置の転換の問題がなかなか大規模に起こってまいります。ヤードにおります職員が大量に要らなくなるということでございまして、ほかにも動力車乗務員なりあるいは車掌さんのような仕事も減りますけれども、圧倒的に大きいのがヤードであります。そこでヤードについてはかなりの程度配転について摩擦的な問題が起こることが考えられます。入社後まだ間もない若い人
たちはよろしいんですけれども、長年ヤードいちずにやってきた人
たちにどういうふうにして納得をしてもらって、そしてどういう職種にかえていくかというのが問題のあるところでございまして、これらは、よく一人一人について行き届いた配慮をした上で配置転換を考えるように指導いたしております。
それから二番目の、労使問題でございますが、これはおっしゃるとおり何分非常に大きな要員減でありますし、それから
輸送方について抜本的に変わるわけでございますので、いろいろ戸惑いが職員にあることは必至でございます。その職員の一人一人に、同じことでありましても気持ちよくわれわれの計画を受け入れてもらうということについては労働組合の役割りが非常に大きいわけでございますので、いまおっしゃいましたように、従来にも増して労使
関係ということについては心を砕いていかなければいけませんし、また組合の方からもそうした問題についての話し合いの
機会をいろんな形で持ちたいという申し入れも現実に受けておりますので、期間は長くありませんけれども、精力的にそういう計画に取り組んでいきたいと思っております。
三番目の、関連事業の仕事に従事している職員の身分の安定といいますか、その問題でございますが、これはなかなか実は厄介でございまして、企業ごとにいろいろ
事情も違うようであります。通運業界の非常に多くのものにつきましては陸上運送事業等他の仕事も兼務をしておられる企業がかなり多いわけでございますから、
わが国の陸上
輸送量の全体が減っているわけではありませんので、
鉄道輸送は減りましてもトラック
輸送はむしろふえるという実情でございますから、それぞれの企業ごとに多くの部分は転換可能であろうかと思っておりますけれども、しかし
地域的にあるいは企業によりまして免許のつけかえ等だけでうまくいくかどうか、なかなか私どもも届かないところがあります。しかし、通産業界の方々にも
事情はよく御
説明をして対処方をお願いいたしております。
最も困っております問題の
一つが、いま御指摘がありました鉄荷会社の問題でございます。これは率直に申しまして、明らかに宅急便との間で競争が激烈になりまして、そしていまのわれわれのシステムではどうもうまくいかないということで、
輸送量の激減を来したわけでございます。一方、鉄荷会社等につきましては、約五、六年間にわたりまして、うちの荷物
輸送の能率化を図るべく、直営でやっておりました部分を、相当鉄荷会社を育成強化して渡してきたということがありまして、従業員の中には私どものOBの諸君も相当数おりますけれども、そうでない若い諸君もまた相当数おるわけでございまして、なかなか鉄荷会社に何か新しい仕事を見つけて仕事がなくならぬようにするのにはいろいろ現実的にはむずかしい面があるわけでございます。しかしそれにつきましても、
わが国のいまの全体の雇用の
状態から言いまして、またこうした問題についての労使
関係のこれまでの
日本の平和的な処理の仕方ということから考えまして、一挙に鉄荷会社にインパクトを与えて問題を起こしてはいけないわけでございますから、荷物
輸送の転換については、若干時間をかけながらやっていくというような方法で摩擦現象をなるべく回避したいと思っております。
ただ、率直に申しまして、私どもと非常に
関係が深いにかかわらず鉄荷会社の物事の
考え方の中には、現在
国鉄が考えております
考え方と若干ずれがあるといいますか、まだ激しさが受け取られていないような点があるわけでございますして、いま御指摘のように、非常に冷たいという表現でいろいろ不満を表明する方があるわけでございまして、これは私どもの耳にも届いております。しかしそこは、結論的には、とにかく関連企業等を含めて
国鉄全体の効率化を図らなければならぬわけでございますので、それらの経営者の方々にも一層の、何といいますか緊張を高めると同時に、しかし、雇用問題については十分配慮をして本社としてもできることはやるからというふうに言っておるところでございまして、そういうことで御心配を賜っておりますことを大変恐縮に存ずる次第でございます。