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武部委員 私は、きのうあなたの説明を聞いておって、いまのと全然違うのですよ。きのうここであなたの言われたことをメモしておるのですが、聞いておって変に思ったから私は書いておるのだが、あなたはきのう、原子力の稼働率は前年比好調ではないとおっしゃった、これから需要の伸びもよく見たいと。それから、いまのところ断定できぬ、わからぬという
お話でございましたが、いまの話を聞くと確かに稼働率、伸びてますね。去年に比較してでございますが、東電あたりはことしの計画の四月から七月期では、六四・七の計画に対して六六になっておりますね。関西電力も、五七・三が六六だから相当伸びてますよ。中部電力もそうですし、出水率も平年以上でしょう。これは
やりとりいたしましたように、原子力稼働率が一%上がると九社で百六十五億円増収になる、出水率が一%上がると百億円増収になるということで、ここで
やりとりして私
どもはみんな頭の中に入れておるのですよ。そういうことを考えると、レートの方もいま
円高になってきましたから、いい条件ばかりいっているのですよ、一応は。
そういうときに、一体これからの中間の利益はどのくらいだろうか、来年三月の決算の利益はどのくらいになるだろうかというぐらいのことは、一応の推定は出てくると思うのです。料金も決まっているのですから、ちゃんと。そういう中で、これからわれわれはこの電力料金をどうするかということについて、きのうからいろいろ
やりとりしておるでしょう。
長官もいろいろな御意見もございましたね。われわれも意見を持っておるのです。かいもくやみくもみたいなことを言っておったって、これは話が全然進まないわけです。ですから、少なくとも一
バレルで一円下がれば千億出る。それは上下が仮にあるにしても、大体のところ出てくる。ところが、あなたの方の御説明を聞くと、資本費のコストのことばかりおっしゃって、修繕費が伸びたらどうだ、何かで金を浮かして
設備投資の方へ持っていく魂胆があるんじゃないかと
疑いたくなるのですよ。
というのは、経済企画庁がいつかここでお述べになったときに、三千五百億という
設備投資の上積みのことが出ましたね、ここで
やりとりしたときに。そういうことを私、いま記憶しておりますが、そんなようなことがある。したがって、この電力料金というのは、電気事業法の十九条の二項できちんと決まっておるのですね。料金の改定というのは、能率的な経営のもとにおける適正な原価に適正な利潤をプラスしたものだ。これは
過剰設備なんということは認められませんよということを言っておるのですよ、はっきり言うなら。その
設備の増加率というのは大体平均して八%ぐらいでしょう。それが
現実には一七・八%になっておるということで
審議会で詰責されておるのですよ。これは
過剰設備ですよ。そういうときに何でそんなことに金をつぎ込まなければいかぬのでしょうかね。われわれは、あなたの方は修繕費とかいろいろなことをおっしゃっておるけれ
ども、何かどうも利益隠しというのは
言葉が悪いけれ
ども、利益はようわからぬ、金額もよう算定もできぬというようなことでずるずる行かれてしまったのでは困る、これを
指摘をしたいのです。
そこで、われわれは先般来この
値下げのことについて通産大臣に申し入れをいたしました。山中通産大臣でございまして、通産大臣に対する申し入れを私の党としてやったわけです。そのときに、経理内容をガラス張りにして、原油
価格引き下げに伴う五千億円は、福祉料金や料金体系の安定化などの
政策的配慮に有効に活用できるように
指導されたい。それから、この際、イギリスやフランスなど欧州主要国と米国の一部電力会社で採用されている電力料金に燃料
価格の変動にスライドさせる燃料スライド条項を入れたらどうだという話を、当時の山中通産大臣にしたわけです。
これは、
値下げには直接還元と間接還元とありますから、前回のような直接還元、
円高差益の還元、そういうことをやったら、これに対していろいろな御意見が出ました。きのう
長官は、線香花火という
言葉を使われましたね、線香花火みたいなことをやってもいかぬと。あなたの線香花火はまだいいが、ある大手の電力会社の
社長が言ったことを私はもう一遍言わなければいかぬが、罪深いことをした、こう言うのですよ。
円高差益の還元も、結果的にその後イラン革命が起きて、そのあおりで上がりましたね。
値段を五〇%も上げたから確かに
効果はなかったかもしらぬ。月にたった二百七十円ほどでしたから、余り
効果はなかったかもしらぬ、六カ月間の還元でございましたから。しかしその際に、あの
円高差益の還元をここで
やりとりしたときに、あの後イラン革命が起きて原油の
値段が、第二次
石油ショックがあるということをだれも予想した者はなかったのですよ。だからわれわれはあのときはあのときなりの
やりとりをして、せめてこれだけの
円高差益があるのだから戻したらどうだというので、いろいろな知恵を出し合って
円高差益を
現実に直接還元したわけですね。それは結果的には余りいいことじゃなかったかもしらぬ、後で五〇%も上げちゃったわけですから。それを電力会社の
社長が罪深いことだとか、
長官は線香花火がぱあーっと上がったようなことではだめだとおっしゃるが、われわれは少なくとも五千億も六千億も利益が出てくるならば、何らかの形で
国民の目に明らかになるようにこの原油の値下がりが映らなければ、これは何にもならぬと思うのです。
そのために還元の方法をいろいろ検討して述べておるのですよ。直接還元がむずかしければ、間接還元としては
設備投資もある程度必要でしょう。しかし、
過剰設備は必要ない。それから為替変動準備金制度も必要かもしらぬ。あるいは燃料費の
調整条項、さっき言ったようなことです。さらに引当金、準備金制度もやってためておく、こういうこともいろいろ考えなければならぬと思うのです。そういうことをするためには、どのぐらい出るかということがわからなければ、かいもく見当がつかぬじゃないですか。
バレル五ドル下がってからもう半年ですよ。半年下がっておるのにまだかいもく見当がつかぬというようなことでは、これは論争にならぬのですよ。論議にならぬじゃないですか。
そういう意味で、山中大臣はいつでもここへ出てきてあなた方と
やりとりしますよと言って約束してくれたのですよ。約束してくれた途端に病気になって、交代で出れなくなっちゃった。そうしたら宇野さんはどう言うかというと、山中君は山中君、おれはおれだ、こう言っておるのだそうですよ。おれはおれだで結構だから出てもらって、ひとつ宇野さんなら宇野さんはどういうお考えをお持ちなのか、山中さんとはこういうふうに違いますなら違いますで結構ですから、山中さんは断固下げろなんということを言って、大分抵抗があったようだけれ
ども、宇野さんはどう言うかわからぬが、やはり出てもらって通産大臣の意見を聞かなければ話が進まぬのです。ですから、きょうは
政務次官にはえらい悪かったけれ
ども、通産大臣にぜひこの
委員会に来てもらって、
ガソリンの問題もあるし、電力料金の問題もあるわけですから、
経済企画庁長官と同席してもらって、この取り扱いをどうするか、ひとつ知恵を出し合って、一番
国民に納得いくような方法をぜひひとつやってもらいたいということを言って、ちょうど時間になりましたので、ちょっとその点どうですか。