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中馬委員 大分夜も更けてまいりまして、
長官も長時間お疲れでしょうから、余り細かい問題ではなくて、資料もなく率直に
お答えいただいたらいいような問題を少しお尋ねさせていただこうかと思います。
これも細かい問題が大事ではないということではなくて、やはり自衛隊というのは
国民の自衛隊でなければならないことは、もう申すまでもございません。多くの
国民というのは、細かい法律論を知っているわけでもなければ、
条約を知っているわけでもない。あるいは戦術論に詳しいわけでもないわけです。
〔
委員長退席、田名部
委員長代理着席〕
したがって、自衛隊は合憲かあるいは違憲かといったようなことだとか、あるいは集団的自衛権の行使が是か非かとか、それから核の傘が有効か無効かとか、あるいは
事前協議の範囲がどこまで必要なのかとか、あるいはP3Cがどんな
飛行機なのかあるいはナイキが何キロ飛ぶのか、こういうことはわからぬわけですね。ある
意味ではどうでもいいことかもしれない。しかし、要は戦争をしたくない、戦争に巻き込まれたくないというのが、やはり多くの
国民の率直な感じなんですね。
そういった場合に、確かに
ソ連という国があることも事実です。
ソ連は余り気持ちのいい国ではないけれ
ども、しかし何分にも相当な軍事力を持った超大国で、これを怒らすことはないじゃないか、何とかうまくやってほしい、これも率直な気持ちかもしれません。また
アメリカは、確かに
日本との
関係で大事な国だ、しかし、最後の最後まで
アメリカが守ってくれるか、これも少し信頼が置けないというのも、これまた率直な
考えかもしれませんね。やはり結局みずからの国はみずからの手で守らなければならない。それも、守るということはただ単に軍備だけでなくて、外交や頭といったことももちろん含めてでございますけれ
ども、そういうことを感じていると思うのです。
しかし、自分の手で守るといっても、核戦争になればこれまた話は別で、そして
日本はもちろん、
世界人類が滅亡する問題ですから、そこまで備えるということはこれは言うべくして無理な話であろう、これも
国民の率直な
考えかと思います。しかし、もちろん勇ましいことを叫ぶ人がおられまして、
ソ連と対抗するように
核兵器を持つべきだとか、あるいは逆に理想論を説く人もあることも事実ですけれ
ども、これはやはり少数がと思います。そのような多数の人たちが、いまの自衛隊あるいはいまの防衛のあり方で率直に疑問に思っている。これに率直にわかりやすく答えていく必要があるのではなかろうか。
今度の防衛白書でも、色刷りの、そして写真も多く載せたのが出ておりますけれ
ども、これを多くの人が読んでいるわけでもないわけです。一般
国民の防衛の認識は、やはり発動されることがあってはならないものだ、永久にむだであってしかるべきものなんですよね。しかし、やはり万が一には備えなければいけない。ということは、フォークランドの紛争、アルゼンチンが国威発揚のためにフォークランド紛争を起こすことがある、あるいはベトナムが民族解放の名目でカンボジアに侵攻することがある、そういうときに、そういう
国際情勢の中で非武装であっていいとはこれまた思っていないのも率直な防衛のあり方かと思うのです。やはりそういう形で生命、財産、国土が何とか保全されるべきだとは思っているでしょう。しかし、その
規模というのは、万が一に備える程度であって、万が一というのをたとえにしますけれ
ども、その万が一に起こることにはもちろん備えなければいけない。それが千一あるいは百一、これはもちろん万一に備えているわけですから十分対応できるわけですね。しかし、百万の一、億の一ということまで備えることは、これはやり過ぎだということもこれまた率直なことかもしれません。そうしますと、このような自衛隊のいまのあり方も含めて、やはりこれもまた自分たちの税金を使ってやることですから、少ない掛金で大きな保険が担保できることが望ましいわけですね。このような認識を持った大多数の
国民、そしてそういう人たちが税金を納めているわけでございますけれ
ども、その率直な疑問あるいは単純な
質問かもしれませんが、これにわかりやすい言葉で答えていく必要がある。答えてほしいと思うのですね。
ですから、あちこちの町の座談会だとか、そういったところで拾い集めたことを、きょうは
中馬弘毅が
質問するということじゃなくて、そのような方々の率直な疑問なり
質問といったものをぶつけてみたいと思うのです。ですから、これをわかりやすい言葉でその方々にお話しされると思ってひとつ
お答え願いたいと思います。
たくさんあるのですけれ
ども、時間がございませんからその中で一つ二つ紹介しながらやっていきますけれ
ども、まず、いまの自衛隊ですね。近代的な
兵器による戦争の時代、これは太平洋戦争のときとは、核は除くとしても、相当軍事技術が進んでいるわけですね。このときに、いわゆる鉄砲担いだ兵隊さんがなぜ必要なのかという単純な疑問がある。これにはどう
お答えになりますか。