○
谷川国務大臣 私は、かねがね安全保障に関します日米の間断なき対話の重要性について、ただいま御
指摘のような、全くそのとおりと
考えておりまして、その意味では、幸いにいたしましてことしの夏に一回、それから秋に入って一回と日米
防衛首脳協議が可能となったわけでございますが、さらに今後とも各種のレベルにおいて率直な意見交換が行われて、日米間の一層の意思疎通が図られるよう私自身も
努力をし続けていきたい、こう
考えておる次第でございます。
八月二十二日に行われました日米
防衛首脳定期協議の際には、ワインバーガー
長官としては、わが国の
防衛努力については実は八四年度、
昭和で言い直したらよろしいと思いますが、五十九年度の概算要求枠六・九%について評価をしておるけれ
ども、インフレ率を
考えると実質ではもっと低くなるのではなかろうか、そういう意味では必ずしも十分ではないと見ている旨、御
発言がございました。それから、
日本がみずから
自分の島、という意味は
日本列島のことを指すと思いますが、みずから増分の島とシーレーンの
防衛が適切に行われるような予算ができるように期待している旨の御
発言がございました。さらに、ワインバーガー
長官から、
日本がもう少し
防衛努力を行うべきではないかという米議会の感触を
指摘しながら、米国は米国の責任を
日本に肩がわりさせているというわけではないのだ、
日本に肩がわりを求めているわけではないということははっきり言われまして、
日本が
日本の国を
自分で守るというための自衛力整備をできるだけ早いペースで、早い期間内に行うことを期待をいたしておる、こういう
趣旨の御
発言がございました。
私自身は、ワインバーガー
長官に対しましては特に戦後
日本の状態も
説明をいたしまして、わが国は軍備放棄という占領下の体験もこれあり、
国民は
防衛力の増強については必ずしも積極的ではなかったという
事情がずっと続いてきたのだという現実を実は
指摘をしておいたわけでございます。そして、私自身としては
防衛力整備にはおのずから一つの節度というものがあろうと思うということも申し述べました。それは、もしそういう節度あるいは
防衛力整備について何らかのめどというものがあるとすれば、これは非常に総括的な表現でございますけれ
ども、政治的、社会的安定を損なわない限度で、
国民の
理解を得ながら着実にこれを進めていく必要があるのだということを実は申し述べたわけでございます。そして、わが国としては当然でございますが、これまでに計画しております
防衛の基本的な路線を達成するため、今後ともぎりぎりの
努力を続けていくのだということを申し述べておきました。
なお、秋九月二十四日にワインバーガー
長官が訪中の途次
日本へ立ち寄られた際のわが国の
防衛力に関する意見交換は、実は一番最初にワインバーガー
長官から、
防衛費の問題について
日本側の
努力を評価いたしたわけでございます。そのときには、五十九年度の概算要求が財政当局に
提出された直後の話でございましたが、
防衛力整備は時間のかかる問題であり、政治的には必ずしもポピュラーではないが、やはりこれはどうしても必要なものであるので、両国ともに
努力していく必要があろうと
自分は思うという
趣旨の御
発言をワインバーガー
長官がいたされました。私といたしましては、五十九年度予算が最終的に政府原案として決まるまでは、どういう形になるかこの九月二十四日の時点ではこれを明らかに申し述べることはできないが、しかし私自身としては
防衛力整備については今後各方面に積極的に
説明し、
理解を得ていく覚悟であるということを率直に申し述べた次第でございます。
以上でございます。