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森井委員 大蔵大臣、
経過についてはよく御存じでありますから、これ以上責めるのはいかがなものかと思いますけれ
ども、これから最終的にこの
法案の扱いが決まるものですから、私、少ししつこいかと思いましたけれ
ども、あえて申し上げた次第です。
いまおっしゃったように、かなり無理な
統合なんですね。当初この案ができます前、つまり
国共審等へおかけになります前に、
政府部内で全然話がつかなかった。たとえば
電電公社を監督する
郵政省、
国鉄を監督する
運輸省、それに
大蔵も交えまして、そういった
監督官庁同士の話し合いもありました。これは、私の
理解をしております範囲では
決裂であります。今度は
関係の
共済組合が集まれ、これもやったが、これも
決裂でありました。そして、いまもってまだ
与党の中でも率直なところぴしっといってない。これは
郵貯戦争、
大蔵省と
郵政省の
郵便貯金と銀行をめぐる争いみたいなものでありまして、これは永久に続くかもしれないという根が深いものもあると私は思うわけであります。したがって、なかなか
意見の合わないものを無理をして合わされた。ですから、きょう各
共済組合を呼んでいますけれ
ども、
本心を言えと言ったら恐らく四者まちまちだと私は思うのです。おわかりか。ですからこの点は、そういうふうにして無理をなさった。
それからさらに、今度は
審議をいたします国共審、これが大変な無理でありまして、私に言わせたら法律違反なんです。大体権限もない国共審が何で三
公社の
共済組合まで
審議をしなければならぬのか。むちゃくちゃです。したがってどういうふうな
審議をしたかというと、正規の
審議会のメンバー以外に、たとえば電電は労使、
国鉄は当局、専売は労働組合、そういった変則的な形でオブザーバーとして
審議に参加をされた。正規のメンバーじゃない。一応正規のメンバーらしい扱いはしておられますけれ
ども、法的には何もない。そういった中で
審議をされて、しかも
答申になっていない。あの
答申書、読んでごらんなさい。
経過報告が書いてあるだけで、何をどうしろとは書いてない。これは
わが国のこの種の
審議会制度の欠陥でもあるわけでありますが、要するに
政府は諮問をすれば、
答申に「反対」と書いてあっても出せる、あるいは都合のいいところをつまみ食いをしても出せる、そういう
審議会制度というのは問題がある。私は
制度審の
委員をしておりますけれ
ども、社会保障
制度審議会でもほとんどの方が、これは問題がある。
制度審というのは
制度上満場一致という形になりますから、大河内会長が無理をなさって一応まとめた
経過はありますが、読んでいただけばわかる、根底にはこれは反対だと書いてある。そういった形でお
出しになったものをいま
審議をしておるわけでございます。したがって、前の
国会からとは言いながらも、
審議が始まったのは、前の
国会から考えますとかなり遅い。そしてこの
国会に引き継がれて今日に至っておる。
審議することはいっぱいあると私は思うのですよ。とにかくそういうふうな形で、無理な点がずいぶんございます。それはいまもくすぶっております。
無理な点、たとえて申し上げますと、
大蔵大臣、この
法案が通りますと、電電も専売もあるいは
国家公務員も、毎月毎月千分の六、使用者負担分を入れますと千分の十二でありますけれ
ども、組合員本人は千分の六、これは二十万に換算をいたしますと千二百円です。千二百円ずつ毎月お金を出さされる、身銭を切らされるわけであります。大体これは保険主義に反すると思うのです。自分のためでないのに、何で掛金をかけなければならないのですか。これは税金ですか、何ですか。一応形の上では保険料になって一定の基金に入るような形にはなっています。しかし、これは自分に永久に返ってこない金なんです。
私は、この際明確に申し上げておきますが、
国鉄の
共済年金が大変だということについては十分
理解をいたしております。そして、
公的年金の重要な
一つでありますから、これは断じてつぶしてはならぬ。私
どもも、
国鉄の
共済年金を守るためにはどんな犠牲でも払いたいという、率直に言えばそういう感じを持っておるわけであります。しかし今度出された
法案というのが、いま申し上げましたように、よその
共済組合から身銭を毎月毎月切らされるというようなやり方があっていいのか、ここが最大の問題だと私は思うのです。しかも掛けた金が自分の
共済年金にはね返ってこない。これは一体税金ですか、社会保険料ですか。この点についても明らかにしていただきたいと思いますが、この際
大蔵大臣から、こんな無理な
法案をお
出しになった根拠と申しますか、政治家としてのお考えについて一応所信を承っておきたいと思うのです。
〔
委員長退席、
大原(一)
委員長代理着席〕