○中路
委員 メスを入れる方向の問題で、私は、別の問題ですが
一つ例を挙げたいのですが、
臨調行革が軍備拡大とともにもう
一つ民間活力を尊重するということをとらえて、これを保障していく体制をつくり上げてきておりますが、私
たちは、
臨調行革が財界主導だ、そうでないといつも
政府は反論されますが、この財界奉仕を最も顕著に示す問題で、大企業向けの技術開発
補助金を挙げることができると思うのです。大企業向けの
補助金等については通産省、科学技術庁に限られているわけではありませんけれ
ども、私
たちが調査し、これまでの
国会論戦でも明らかにしてきましたように、これらの二省庁分につきましては中小企業向けはほとんどありません。少額であります。
毎年の科学技術庁を見ますと、資料を配っていただきたいのですが、科学技術白書を見ますと、
政府の施策の中に、科学技術に関する民間への補助等による助成費という表が載っています。これを見ますと、いま資料をお配りいたしますが、通産省、科学技術庁合わせて八一年度実績は四千七百八十六億円であります。これらは直接あるいは財団法人や研究組合、いわゆる受け皿を通して間接的にほとんどが大企業に流れていると
考えられるわけです。
そこで通産省にお聞きしますけれ
ども、通産省所管の
補助金等を見ますと、コンピューター、航空機、原子力、エネルギー、新材料等の開発にきわめて多極多様な
補助金が大企業に集中しています。いまお配りしました資料を見ていただきますが、通産省からいただいた資料に基づいて三菱重工、日立製作、東芝電気、川崎重工、石川島播磨重工の五社が関係する
補助金等の
総額はお手元の資料にあるように、八三年度七百六十六億円、七八年から八三年まで六年間の合計では三千二百三十九億八千九百万円、また通産省の資料に基づいて補助事業ごとに金額を対象企業数で割り算し、一社当たりの平均額を企業ごとに集計しますと、三菱重工等の五社には、この六年間に千二十億円もの全額が渡っていることになっています。この金額は、先日の参議院の
内閣委員会でも
一つの試算としてそういうことができるということは通産省の鎌田
政府委員が答弁されているところです。通産省分だけとってみても、大変巨額の
補助金が渡っているわけです。アメリカの有力な経済誌であるフォーチュン誌が発表した一九八二年のアメリカを除く世界企業五百社の番付によりますと、日立は十二位、三菱二十六位、東芝は三十四位です。また、昨年九月期の有価証券報告書に基づいて調べますと、日立の内部留保額は六千二百七十五億、東芝は三千五百二十五億円にもなっています。
国民に対して福祉、教育の切り捨てなど大変な犠牲を押しつける一方で、莫大な利益を上げ世界に冠たるこうした大企業に巨額の
補助金をどんどんつぎ込む。
しかも特徴的なことは、いまグラフ、表でお示しをしていますけれ
ども、八一年度の予算編成の時期さなか、第二
臨調が設置をされて、
国民がひとしく痛みを分かち合うということで進められてきたわけですが、第二
臨調の会長を務める、現在
行革審の会長である土光敏夫氏、東芝、石川島播磨の社長、会長を歴任し、いまも相談役になってしおられますが、その東芝、石播の二社にはこの六年間に三百十億円の
補助金が出ていますけれ
ども、特にこの
臨調の期間、八〇年度の
補助金額を一〇〇にして
臨調行革が行われている期間の伸びを見ると、八三年度予算では一六七・九%になっている。また、第二
臨調の第三部会長として、第三部会は
補助金の
整理を担当する
一つの部会ですね、現在国鉄
再建監理委員会の会長である
亀井正夫氏。同時に住友電工の会長、ことしの春までは
日本電気の取締役を兼ねてこられた、住友グループの社長会のメンバーでもあります。そこで、住友グループ社長会傘下の七社の
補助金を見ますと、六年間で三百三億円、やはりこの
臨調の期間をとってみますと、八〇年度を一〇〇とすると八三年度には二一〇%にもなっているわけです。
ちょっと資料が細かいので大きい表にしてきました。グラフにしてきましたけれ
ども、住友グループの場合二一〇%、東芝電気をとりますと一六・七%。この間にたとえば社会保障関係費は一一一%ですね。文教、科学振興費は一〇六%、中小企業対策費は九九・五%ということになっているわけです。大変なカーブの違いです。
国民や中小企業には大変な犠牲を押しつける一方で、これで
臨調の
行革はいわゆる大企業というだけにとどまらないで、この
臨調の主要なメンバーである土光氏や
亀井氏のところが突出している。お手盛りと言っても言い過ぎじゃないと思うのです。痛みを分けるというならば、いろいろ口実はあると思いますけれ
ども、少なくともこういう
補助金にもメスを入れる必要がある。
総理のお
考えをまずお聞きしたい。