○佐藤(観)
委員 私は、推薦はがきという
選挙戦術上きわめて有効な武器を具体例に挙げて、その事前
運動のことをお伺いしたわけでございます。
次に、先ほど山花
委員からも御指摘があった
選挙運動の開始時間の問題でございますけれ
ども、私は、これは
党利党略ではないかと思うのですね。いま社会的現象として非常に多いのは、これは一度
自治省にそういう資料があったら御
開陳をいただきたいと思うのでありますが、たとえば、地域によって違うと思いますが、
衆議院選挙の場合ならばかなり広うございますけれ
ども、一体何割の方が投票権を持っている地域に昼間働いていらっしゃるのだろうか。
これは、もっと
市町村という単位になったら、いまの形態からいいまして、本当の純農村、山林業のところなら話は別でございますけれ
ども、これだけ工業化が進んでいる中都市も大変多くなっているところでは、恐らく
市町村なんかとったら、昼間いるところと投票権を持っているところの違い、これはどのくらい離れているのかということは、恐らく統計はないと思いますけれ
ども、実感的には、山花
委員から言われましたように、いま職場と住居とが分離をしているというのが大変多いわけでございます。
そういった面から、山花
委員から御指摘がございましたように、朝八時にするということは、これは八千三百万有権者のうち、一体そういった職住分離の
方々がどのくらいいらっしゃるかよくわかりませんけれ
ども、
経験値からいっても、それからまた
選挙というもののムードを上げるという面からいっても、私はこれは大変な影響があると思うのであります。私
たちも駅前の
方々には、静かだとは申しませんけれ
ども、まあひとつ少しがまんをいただいて、御迷惑をかけることではあるけれ
ども、お互いに気を使って、やはりボリュームをしぼったりしてやっているわけでありますから、これはひとつ耐えてもらう必要があるのではないか。こういった意味で、これは朝七時というのにぜひお戻しをいただきたいと思うのであります。
もう一つ、立会の問題でございますけれ
ども、
片岡先生から
お話がございましたけれ
ども、私も
片岡先生の御指摘があった点については、いやいや全くそんなことはありません、あれは生き生きとやっていますなどと断定をするつもりはございません。しかし、地域によっては千人ぐらい、本当にやんややんやで来るというところもある。それから、国
会議員
選挙でなくて首長
選挙ですね、市長
選挙や町長
選挙、いわばきわめて二者の対決ムードが強いものについては、
立会演説会というのは、きわめて生き生きとした
民主主義の息吹が感じられるものがあるところがまだまだずいぶん残っておるわけでございます。
私はその意味で、冒頭申し上げましたように、有権者の
方々がいやもうとにかく立会は全く迷惑だ、あれはぜひなくさなくてはいかぬということでない限り、本
会議でも申し上げましたようにそんなに費用が、
平均をしてみまして
最高三万四千円くらいしかかからぬことでございますから、あえてなくさなくてはいかぬことではないのではないか。
しかも、
立会演説会のポスター、きょうありますよと各
候補者の名前を各
市町村に張りますね、あれは何枚張るのか私は知りませんけれ
ども。こちらがそういうふうに見るのかもしれませんけれ
ども、やはりああいう
選挙管理委員会というきわめて公的な機関がポスターを張っているということは、有権者から見ますと本当に
選挙になったなあ、しかもそういった
候補者が、いわば何々一座じゃございませんけれ
ども、ずらずらっと一堂に来るというと、やはり町の中、市の中の雰囲気が、
選挙になったんだなあというムードが出てくる効果というものは、単なる人数で、八千三百万人のうちのたかだか百万人、
立会演説会に来られるかどうかわからぬ、それも半分近く動員ですよとかなんとかという数字的な問題だけではなくて、
選挙になったんだなあという感じを非常に上げる意味においては、やはり公的機関がやるものというのはあの
立会演説会しかないわけでございますから、私は、そういう目に見えない、
選挙というものを認識していただく効果が大変あるのではないかという気がするわけでございます。
そういった意味で、簡単で結構でございますが、大体言われることはわかっているので簡単で結構でございますが、やはりそういうことも
考え、有権者の方がもうとにかくこれはやめろと言わぬ限り続けていいものではないか。何回ぐらい前の
選挙でございましょうか、回数が減ってきたために、むしろますます
皆さん立会というのは行かなくなったので、郡部でも一つだけじゃなくてもう少しやれば、一度行ってみようかという方が多くなるのじゃないかと私は思っているわけでございますが、その点いかがでございましょうか。