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磯田会計検査院説明員 昭和五十五年度
農林水産省の決算につきまして検査いたしました結果の概要を説明いたします。
検査報告に掲記いたしましたものは、
不当事項二十件、意見を表示しまたは処置を要求した事項三件、本院の指摘に基づき当局において改善の処置を講じた事項三件及び特に掲記を要すると認めた事項二件であります。
まず、
不当事項について説明いたします。
検査報告番号五七号から七六号までの二十件は、
補助事業の実施及び経理が不当と認められるものであります。
これらは、事業を実施するに当たりまして、補助の目的を達していなかったり、
事業費を過大に精算していたり、補助の対象とは認められないものを
事業費に含めていたりなどしていたものであります。
次に、意見を表示しまたは処置を要求した事項について説明いたします。
その一は、
自然休養村
整備事業等に関するものであります。
農林水産省では、
農山漁村の
自然環境を保全、活用し、
観光農林漁業を推進することにより
農林漁業の従事者の
就業機会の増大と
農林漁家経済の
安定向上を図ることなどを目的として、観光または
レクリエーション資源と
一体的有機的関連のもとに
農業構造の改善を推進することとし、
都道府県知事が指定しだ地区に、
農用地を造成したり、
農業用の施設、機械を導入したり、これらの拠点となる
管理運営施設を整備するなどの事業を
自然休養村
整備事業により実施しております。そして、この事業は、昭和四十七年度以降、
事業実施地区(おおむね旧
市町村の区域)ごとの
平均補助対象事業費を三億円、
事業実施期間を原則として四年間とし、この事業を実施する
市町村等の
事業主体に対して
都道府県が
補助金を交付する場合に、その補助に要する費用のおおむね二分の一相当額の
補助金を交付しております。この
補助金の
交付対象となった事業のうち、北海道ほか二十四県において実施された百六
地区自然休養村
整備事業により設置された施設の利用、
管理運営状況等その
事業効果について調査したところその
事業効果が十分発現されてい保ないと認められるものが多数あり、このうち特に適切を欠いていると認められるものが次のとおり見受けられました。
すなわち、
地理的条件及び
観光農業に対する
農業者の
意向等に関する
調査検討を十分行わないまま
事業計画を策定したため、中途で
事業計画を大幅に縮小し、
農用地造成や
農業用施設、機械の導入に片寄って事業を実施していて、
自然休養村としての実体をなしていないものが五事業あり、また、観光客の動態、施設の
管理運営等に関する
調査検討を十分行わないまま策定された
事業計画に基づいて事業を実施したなどのため、経営困難となり、
施設等を無断で処分していたり、その利用を中止していたり、施設の運営には
専門的技術の導入が必要であるのにその配慮を欠いたまま施設を設置したため、ほとんど利用されていなかったりなどしているものが三十一事業あり、このような不適切な事業について
特別指導を行わせるなどして早急に効率的な利用を図るとともに、今後
同種事業としての
自然活用型の
農村地域構造改善事業の実施に当たっては、
市町村等が適切な
事業計画を策定するよう
都道府県の指導を徹底させるとともに、その審査を十分に行わせるなどして
補助事業の効果を上げる要があると認められるものであります。
その二は、
飼料用小麦の
売り渡し予定価格の積算に関するものであります。
食糧庁では、飼料の需給及び価格の安定を推進し、もって
畜産経営の安定に資することを目的としてふすまの増産を図るため、毎
年度飼料用外国産小麦を
製粉工場に
売り渡し、ふすまを生産させることとしております。そして、この場合の外国産小麦の
売り渡し予定価格は、原麦一トンからふすま五百五十キログラム、小麦粉四百五十キログラムが生産されるものとして、
製粉工場におけるこれら製品の販売額から
加工経費等の諸経費を差し引いて一トン当たりの
予定価格を算出しております。
しかるに、
製粉工場が買い受けた
飼料用小麦の
加工状況について調査しましたところ、原麦の買い受け時における
含有水分は九%ないし一二%程度ですが、このような原麦の水分のままでは加工が困難なため、各工場とも加工の
最適水分である一五%ないし一六%程度となるよう加水を行っております。その結果、原麦一トンから生産される製品の量は、ふすまは五百五十キログラムですが、小麦粉は
予定価格の算定に用いた四百五十キログラムを上回ることとなっているのに、このような加工の実態を十分調査しないで
売り渡し予定価格を積算したのは適切でないと認められました。
したがいまして、
飼料用小麦は今後も引き続き大量に
売り渡しを行うものであるから、その
売り渡しに当たっては、加工の実態を
売り渡し予定価格に反映させて、
売り渡し価格の適正を図る要があると認められるものであります。
その三は、
林道事業の実施に関するものであります。
林野庁では、
林業構造改善事業の一環として
市町村等が実施する
林道開設事業に
都道府県が補助する場合に、それに要する費用について
補助金を交付しております。そして、林道を開設しようとする
市町村は、
都道府県知事が指定しました
林業構造改善事業の
計画地域につきまして
森林面積、蓄積及び
齢級別等の
森林資源構成等を調査し、
林道開設後五カ年の間に
当該林道を利用して実施する
素材生産及び
造林等の
利用計画を立て、
都道府県の審査を受けた上、
林野庁の承認を得て
林道開設事業を実施することとしております。
そして、岩手県ほか十六県において開設した林道で開設後五年以上経過し、かつ林道の終点が林地となっていて林産物の
搬出等よりほかには利用されることのない、行きどまりとなっている林道百九十二路線について
素材生産及び造林の
計画実施状況を調査しましたところ、その過半数の路線は計画に対して五〇%以下の実績となっている状況で、その中には、
素材生産及び造林のいずれもが三〇%以下となっておりまして、せっかく
素材生産及び造林を目的として開設した林道の効果が発揮されていない不適切な事態となっているものが、岩手県ほか九県で四十一路線見受けられ、実績が一〇%未満となっているような著しく不適切なものも見受けられる状況でありました。
このような事態を生じましたのは、
事業主体において
林道開設事業の実施にあたって
利用計画を作成する際、
利用区域内の大部分の立木が伐採に適しない若齢級の立木や低質な雑木林であるのに、それを伐採することとして計画していたり、適正伐期齢の立木でも
森林所有者の
林業経営に対する意欲が低いのにその実情を
十分把握検討を行わないまま
利用計画を作成していたこと、また、県や
林野庁において林道の利用される区域の
森林資源構成、林地の
保有形態などの資料を徴して適切な審査を行う必要があるのにこれを十分に行っていなかったことによるものでございます。
したがいまして、
利用実績の低い指摘した路線について、各県に
利用計画の見直しを行わせることはもとより、事業の採択に当たっては
事業主体に適切な
利用計画を立てさせ、適切な資料を徴して、その内容を十分審査するなどして
補助事業の効果的な実施を図る要があると認められるものでございます。
次に、本院の指摘に基づき当局において改善の処置を講じた事項について説明いたします。
その一は、
農業用構造物の
基礎工費等の積算に関するものであります。
農林水産省では、
農用地の改良、
開発等を国の
直轄事業、または、
地方公共団体等が行う
国庫補助事業として多数実施していますが、このうち
東北農政局ほか
大農政局が昭和五十五年度に施行した九十二工事及び岩手県ほか十六府県が五十四、五十五両年度に施行した二百九十二工事について調査しましたところ、これらの工事で
ぐり石等を用いまして、
各種構造物の
基礎等を施工した
基礎工及び裏込め工の
労務費の積算については、四十四年及び四十六年に
農林水産省が制定しました「
積算要綱等」及びこれをもとにして各府県が定めた
積算基準等の労務歩掛かりにより行われておりました。
しかし、この労務歩掛かりは、
基礎工にあっては、
径十五センチメーター内外の
くり石を人力によりこば立てて敷き並べ、
目つぶし砂利を入れて仕上げる、いわゆる「敷並べ」工法により、また、裏込め工にあっては、人力により
径十五センチメーター内外の
くり石を
構造物の裏側に積み上げた後盛り土したり、
切り土面に積み上げて
裏型枠がわりにする、いわゆる「築き立て」工法によりそれぞれ施工することを前提として定められたものであって、近年、「敷並べ」または「築き立て」工法に適する
径十五センチメーター内外の
くり石の入手が困難になったことなどから、実際には、
基礎工では、
径五センチメーターないし十五センチ
メーターの
ぐり石または切り込み
砕石等を使用した「敷きならし」工法により、また、裏込め工では、
基礎工の場合と
同様ぐり石または切り込み
砕石等を使用した「かき込み」工法により、施工するのが通例となっており、本件各工事においてもこれらの工法により施工している状況でありました。
そして、本件各工事と同種の工事を多数施工している他機関が制定しました
建設工事積算資料等や、
農林水産、運輸、建設三省の協議により定めました「
災害査定用積算参考資料」においては、近年の施工の実態に適合した歩掛かりを定めておりまして、これに比べて
農林水産省及び各府県の歩掛かりは、相当高いものと認められました。これについて当局の見解をただしましたところ、
農林水産省では、
実態調査の結果、五十六年十月に「
積算要綱等」を改正して
基礎工及び裏込め工の歩掛かりを施工の実態に適合したものとし、同年十一月以降積算する工事から適用するよう処置を講じたものであります。
その二は、
土地区画整理事業施行地区内で造成盛り土された
水田等に係る
水田利用再編奨励補助金の交付に関するものであります。
農林水産省では、
過剰基調にある米の需給を均衡させるとともに、長期的な視点に立って農産物の需要の動向に即した総合的な自給力の向上を図るため、昭和五十二年度以降おおむね十年間の事業として
水田利用再編対策を実施しており、米の
生産調整に協力して水稲から水稲以外の作物への
転作等を実施した
農業者に対して、
水田利用再編対策実施要綱及び
水田利用再編対策実施要領に基づき、
水田利用再編奨励補助金を交付していますが、宮城県ほか十一
府県管内三十二市町の九十九
土地区画整理事業施行地区内の
水田等七百九十四万余平方メートルに係る
奨励補助金について調査しましたところ、これらの要綱、要領が適切でなかったため、土地の
形状等から見て、もはや水稲の作付が不可能となった土地に対してまで
奨励補助金が交付されている不適切な事態がありました。
すなわち、
土地区画整理事業施行地区内の
水田等で工事が完了したものの中には、道路高以上に盛り土、整地された上、側溝、縁石が設けられていたり、道路に上・
下水道管やガス管が埋設されていたりなどしておりまして、容易に
住宅地等に転用される状態になっているものが延べ三百七十九万余平方メートルあり、これに対しても
奨励補助金が交付されていたものであります。
しかし、上記の
土地区画整理事業は宅地の利用の
増進等市街地の開発を図るための
建設省所管の
国庫補助事業等として実施したもので、同事業の工事が完了し土地の
区画形質が上記のように変更を来し水田の作付が不可能となった
水田等は、
転作等が実施されているとしても、
住宅地等として転用されるまでの間における暫定的なものであると認められ、このような土地に対して
奨励補助金を交付するのは水稲から他作物への転作の促進とその定着性の向上を図ることとした
水田利用再編対策の本旨に沿わない不合理なものと認められるばかりでなく、
市街地開発の施策との整合性を欠くことにもなり適切でないと認められました。これについて当局の見解をただしましたところ、
農林水産省では、
水田利用再編対策実施要領を改め、五十六年度以降、水稲の作付期前に
土地区画整理事業の工事が完了した土地で、水稲の作付が不可能なものに対しては
奨励補助金を交付しないこととする処置を講じたものであります。
その三は、外国産小麦を
政府サイロから
売り渡しまたは移送する際の
搬出経費の徴収に関するものであります。
食糧庁では、横浜、名古屋の二港にサイロを所有しておりますが、ここに保管している外国産小麦を
売り渡しまたは移送する際には、
搬出経費として、五十五年度中には一トン当たり二百円を買い受け者から徴収しております。この単価は、
民間サイロの
搬出料金をかなり下回るものでありますが、これは、
食糧庁がその単価を決定するに当たり、
政府サイロの回転率の向上や、搬出する際間サイロの構造上生ずる買い受け者の別途の経費負担を考慮して民間料金の約七〇%程度の額としていたためであります。
しかしながら、輸入された小麦は、全量同庁の管理下にあるという現行の
売り渡し制度や、本件サイロの恵まれた立地条件から見て、需要の大きい銘柄の搬入努力などで回転率の向上は十分可能であると考えられます。
したがいまして、本件
搬出経費については
民間サイロの
搬出料金より低額としなければならない理由はなく、引き上げる要があると認められましたので、当局の見解をただしましたところ、
食糧庁では、
搬出経費の徴収を民間料金から前記買い受け者の別途負担分を控除した額とすることに改め、五十六年十一月以降の
売り渡し分から適用するよう処置を講じたものであります。
次に、特に掲記を要すると認めた事項について説明いたします。」
その一は、国営干拓事業に関するものであります。
農林水産省が昭和二十一年度以降実施した国営干拓事業の五十五年度末現在における実績は全国で百八十三地区ありまして、その面積は五万二千五百二十八ヘクタール、
事業費は二千五百八十七億余円に上っております。そしてこの百八十三地区は(一)事業が完了した地区百六十一地区、四万五千九百四十七ヘクタール、千五百二十九億余円(二)工事の途中で事業を廃止した地区十一地区、三十八億余円(三)事業を継続している地区十一地区、六五百八十一ヘクタール、千十九億余円となっております。この百八十二地区の国営干拓事業すべてを対象して造成された土地の利用状況等について検査一行いましたところ、(一) 事業が完了した地区百六十一地区の中には干拓地を造成した後または造成中においてこれを工場、住宅の用地等に供することとして全面的に転用しているものが愛知県鍋田地区はか十七地区、二千六百八十九ヘクタール、
事業費相当額七十六億余円あり、また、干拓地が農家に配分された後、工場、住宅の用地等に供することとして全面的に転用されているものが千葉県長浦地区はか十三地区、七百八十五ヘクタール、
事業費相当額十九億余円あります。そして、これらの中には、その後の社会経済事情の変化により工場誘致等が難航し、その大部分が現在遊休したままとなっているものが十一地区において二十一億余円ある状況であります。また、(二) 事業を廃止した地区は、終戦直後、食糧増産のため急遽着工したため干拓堤防等の地盤が予測以上に軟弱で施工が困難であるとして工事の初期に事業を廃止したり、また、漁業補償等について地元関係者との意見の調整がつかず廃止せざるを得なくなったりしたものであります。(三) 事業を継続している地区十一地区の中には、工事は完了したが、造成した干拓地の配分が済んでいないためその効果を発揮するに至っていないものが山口県阿知須地区、王喜一埴生)地区はか三地区、千四十九ヘクタール、
事業費、百二十九億余円あり、工事の途中で事業を休止しているものが熊本県羊角湾地区、佐賀県佐賀地区の二地区、支出済み
事業費十六億余円となっております。
また、現在工事を実施しているものは、石川県河北潟地区、愛知県及び三重県木曽岬地区、鳥取県及び島根県中海地区、岡山県笠岡湾地区の計四地区で、その計画している地区面積は、
五千五亘二十二ヘクタール、支出済み
事業費は八百七十二億余円となっており、総
事業費千三百七十三億円に対する進捗率は六三・五%であります。
そして、これらの工事を実施している地区においては四十五年開田抑制通達が発せられて以降、水田から畑等に計画を変更して造成することとなり、従前の水田農業と異なり、大規模畑作経営や
畜産経営によって営農する者に農地を配分することとしているため、応募者の確保、営農の定着は容易でないものとなっております。
国営干拓事業については以上のような事態があり、これらは、社会経済事情の変化や地元との関係から、関係当事者の努力にもかかわらず生じたものでありますが、この事業が相当年月の工期をかけ多額の国費を投入して農地を目的とする国土を造成するため実施されるものであることにかんがみ、現在事業を実施中の地区はもとより、未配分地区などにつきましても既往の事態を十分認識するとともに、流動する社会経済情勢に対処して、地元関係者との調整や干拓事業をめぐる周辺の自然及び社会環境との調和を図りながら適切に事業を実施していくことが肝要でありますので、特に掲記したものであります。
その二は、
水田利用再編対策事業における管理転作
奨励補助金の交付に関するものであります。
水田利用再編対策事業につきましては、改善処置済み事項説明の際に触れましたが、
農林水産省では、米の
生産調整に協力して水稲から水稲以外の作物への転作、農業協同組合等への水田の預託等を実施した
農業者に対して、
水田利用再編奨励補助金を交付しております。このうち、管理転作
奨励補助金は、みずから転作することが困難な
農業者の申し込みに応じて農協等が預託を受け管理することとなった水田を早期に第三者による転作に結びつけることにより食糧自給力の向上を図るとともに、あわせて中核的農家の規模拡大にも資することを目的とし、管理転作のためその水田を農協等に預託した
農業者に対し、十アール当たり平均基本額四万円を交付するもので、五十二年度から五十五年度までの
交付対象水田面積及び交付額は計十一万余ヘクタール、四百三十一億余円の多額に上っております。
そして、
農業者から水田の預託を受けた農協等ではその水田を希望者に使用貸借させるなどして、転作に結びつけることにしておりまして、希望者がいない場合には農協等で耕起、除草などして常に耕作可能な状態で保全管理を行うこととなっております。
しかし、本院が青森県ほか三十四府県における青森市ほか二百六十一
市町村に所在する預託水田に係る五十三年度から五十五年度までの管理転作
奨励補助金計三万四千三百四十六ヘクタール分百三十六億五千二百三万余円について調査しましたところ、これら預託水田のうち保全管理されているものが延べ三万四千二百十六ヘクタール、転作
奨励補助金は百三十五億八千七百七万余円に上っていて、管理転作
奨励補助金のほとんどを占めている状況でありました。
このような状況となったのは、預託水田が湿田であったり、一枚当たりの面積が小さく分散したりしていて機械による生産性の高い転作営農が困難であるため転作に適さないとしているものが全体面積の六六%を占めており、農業労働者の他産業への流出や高齢化などにより労働力が不足しているためとしているものが全体面積の二九%となっておりまして、預託された水田を第三者による転作に結びつけ、食糧自給力の向上や中核的農家の規模拡大に十分寄与するものとはなっていない状況でありました。
管理転作事業の円滑な推進を図るには、圃場条件の整備を進めるとともに転作志向を高めるため、長期的、計画的取り組み体制の強化を図り、総合的な指導を行うなど全般的に検討する必要があるものの、圃場条件の早急な改善を図ることは容易でなく、農業労働者の他産業への流出等により労働力が不足しているなどの事態の打開は困難な状況となっております。しかし、今後このような事態のまま推移すると、多額の国費を投じて実施されている本事業の効果が発現しない状態が依然として継続することになりますので、特に掲記したものであります。
なお、以上のほか、昭和五十三年度及び五十四年度
決算検査報告に掲記しましたように、
農業構造改善事業等により設置した農機具格納庫の規模及び
補助事業の実施及び経理の適正化並びに農村地域の生活環境施設の設置について、それぞれ処置を要求しましたが、これらに対する
農林水産省の処置状況について掲記いたしました。
以上が昭和五十五年度
農林水産省の決算につきまして検査をいたしました結果の概要であります。
次に、昭和五十五年度
農林漁業金融公庫の決算につきまして検査いたしました結果を説明いたします。
検査報告に掲記いたしましたものは、
不当事項六件であります。
検査報告番号一五九号から一六四号までの六件は、漁業経営再建整備資金等の貸し付けが不当と認められるもので、これらは、貸付対象事業の全部または一部が実施されていなかったり、値引きなどにより貸付対象
事業費よりも低額で事業が実施されていたりなどしていたものであります。
以上をもって概要の説明を終わります。