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河上委員 ただいま
井上委員から御質問がございましたが、
大韓航空機の事件につきまして質問をいたしたいと思います。
今回の事件は大変痛ましい出来事で、二百六十九名の乗員、乗客の方の
犠牲に対しまして私どもはこの機会にも心から
哀悼の意を表したいと思いますし、また御遺族の方の悲しみに対しましても何と申し上げてよいかわからないのでございます。
先般、テレビ等で
報道されております御遺族の言葉の
一つに、この事件は結局国際的な事件として私たち遺族のことはやがて忘れられてしまうのではないかという予感がするというようなことを言われておったのが私には大変印象に残っているわけであります。今回の事件は、いま
大臣も言われましたが、非武装、無抵抗の
民間航空機を撃墜した
ソ連の行為というのが
一つ大きな問題であることは言うまでもございませんし、私どもこれは人道上許されないことだと深く確信をいたしておるのであります。私たちはこの衝撃の中で、感情的になるなということは無理でありますけれども、しかし二度とこのような事件が起きないようにするためには、私どもとしてはむしろ冷静な
判断が求められるのではないか、こう思うのであります。特にムルマンスク上空でKAL、
大韓航空機が過去においても
領空を侵犯いたしまして今回二度目でありますので、正確に言えば三たびこのような事件が起きないようにするということが私どもにいま求められていることではないかと思うのであります。その
意味ではさきの
国会決議にもうたわれるように、
真相の究明を怠ってはならない、こう私も思いますが、ただわからないことが非常に多いのでこの機会に、
井上委員からいろいろ御質問がございましたが、余りそれと重複しないように幾つかのことをお尋ねしたいと思うのであります。
ソ連の
責任については言うまでもありませんが、KALの
領空侵犯の
責任というのも私はやはり大きいと思うのでありまして、どうしてあのような
考えられないような
領空侵犯が行われたのか、
領空の一部をかすめて通ったということではなくて、領土の上を二回にわたって横切るというような
領空侵犯がなぜ起きたのかという、これはいまだにどうも明らかにされておりません。先般の
国会決議でもそれを明らかにするように求めているわけですが、いまの
大臣の御
答弁ではまだそこに至っていないということのようでございます。
そこで私は、一、二角度を変えて御質問したいんでありますが、
国会決議におきまして、「いかなる理由があったにもせよ国際航空慣行・国際法を無視した非人道的行為でありここうなっておるわけです。そしてまたもう
一つ、安倍
外務大臣が先般の
国連総会の一般討論で
演説されましたときにも、「人道と国際法に反する暴挙」であるということが述べられておるんですが、この場合人道に反するということは非常によくわかるわけでございますけれども、
国際法違反という場合、
一体どの部分が
国際法違反であるのか。ここで国際法とは何を指すのか、具体的にどの条約とどの条約を指すのか。それともまた一般的に慣習法として述べておるのか。私も、今回いろいろな事件を、航空
関係の国際条約を少しひもといてみましたけれども、その点が実は余りよくわからない。よくわからないのでこの機会に教えていただきたい。