○辻(第)
委員 改善をするというふうにおっしゃったわけでありますが、私
どもはどう考えてみてもこれは改悪だと考えます。
高木総裁が、プラスもあるけれ
ども、マイナスもあるとおっしゃったわけですが、私は、マイナスの方が非常に大きいということで、撤回をされるべきだということを再度申し上げて、次の
質問に移りたいと思います。
先ほど来、
小林議員からもお話があったわけでありますが、奈良県は今度
貨物駅がゼロになるということであります。すでに、県知事を初めすべての政党、それから県会、それから財界、産業界、もう県民こぞって奈良県に
貨物駅の存置を、このような要望が
国鉄あるいは
運輸省に何回もされたと考えているわけでございます。私もすでに何回もそのことを申し上げてきたわけでありますけれ
ども、今日なお私
どもの要望が聞き入れられない、非常に残念な
状況であります。
私が申し上げるまでもなく、奈良県の
状況というのは、
皆さん方もう御存じだと思うわけでありますけれ
ども、やはり少し申し上げたいと思うわけでございます。
一つは、地場産業あるいは
地域の産業経済に重大な
影響を与えるということであります。それからまた、米の例で申し上げますと、これが大阪の拠点駅へ参ります。それから奈良へ送られるということになりますと、これはオンレールとかいうような約束事があったりする、あるいは
国鉄の運賃で言えば、遠距離逓減制ですかそういうこともあるということで見てまいりますと、結局、大阪から奈良へのトラックでの
輸送というものの費用が付加をされることになろうかというふうに思うわけであります。このようになりますと、当面はいろいろな施策が加えられようと、結局は、お米の値段が上がるということにつながるのは必然だと考えるわけであります。
それから、
先ほど来いろいろ申し上げましたように、公害の問題であります。あるいは事故の問題であります。しかも、奈良県は御承知のように、盆地でありまして、いわゆる排気ガスなんか盆地のすり鉢の底へたまるような
状況になる、大きく言えばそういうことですね。光化学スモッグもしばしば起こるというようなことであります。しかも、最近は大阪のベッドタウンということで、居住地として大きく変貌してきている、こういうところでもあるわけでございます。そのような
状況のところへ、いわゆる交通公害の問題、排気ガスの問題、それから事故の問題、これは非常に重要な問題になろうと考えるわけでございます。
大体、中型トラックで換算しますと、五十七年で十七万トンでありますから、中型トラック四・五トンで換算すると約三万八千台、往復で七万六千台になろうということであります。奈良県はいまでは十七万トンでありますけれ
ども、かつては非常に多がったですね。
昭和五十年には三十四万トン、五十六年には二十一万トンというような、そのようなたくさんの人が
国鉄の
貨物を利用されておった。それがだんだん駅が減らされるというようなことも含めて、あるいはサービスが十分でない面も含めて、だんだん減ってきたということであります。これが結局、トラックにかわっているということだと思うわけであります。その上にさらに、いま申しました三万八千台、このようなトラック、往復で言えば七万六千台というようなトラックが加わるということであります。
こういう
状況の中、本当に産業界も経済界も、あるいはすべての政党、県
議会、知事までが
国鉄当局、
運輸省に対しましてしばしば陳情した、要望したというのが今日までの経過だったと思うわけであります。私は、どうしても奈良県に
一つは存置をすべきではないか、この奈良県民こぞっての要望はぜひ聞き入れていただきたいと思うわけであります。
しかも、この基準で大体十万トン以上とか十五万トン以上とかいろいろ言われております。もちろん、その荷物の中身といいましょうか、そういうことも言われているわけであります。また、拠点駅から五十キロですか、そういう
一つの物差しもあるようでありますが、奈良県は百済
あたりから大体三十八キロぐらい離れているというふうにも聞いているわけですけれ
ども、しかし、大体、奈良県と大阪というのは皆、山を越えるか、いわゆる狭い谷のところ、狭隘なところを越えるということになりまして、そこのところは大変な交通渋滞も来しているわけであります。こういう点から考えてみましても、奈良県こぞってもっともっと
国鉄を、
貨物を利用するということに力を入れるというふうにも私
ども考えておりますし、知事もそのような点で努力をするということであります。
こういうふうに見てまいりますと、
国鉄が本当に
貨物も含めて
再建をしていかれるというときに、国民の
理解や協力がなかったら、私は前へ進まないというふうに思うわけであります。いま奈良県民こぞって
国鉄に協力もいたしましょう、何とかして残してください、こういう運動というのですか要望が非常に高まっているときに、これを聞き入れていただけないということは、私は非常に残念であり、今後の
国鉄の
再建にも問題があるのではないかというような気がするわけであります。この点について、総裁と鉄監
局長の御所見を賜りたいというふうに思います。